全学の就職者数を、そのまま就職率にしない

2025年度版大学概要資料編は、2025年5月1日現在の2024年度学部卒業者の進路を掲載しています。学部卒業者数は3,099人、進学計1,659人、就職1,042人、臨床研修医94人、その他305人です。進学計の内訳は、大学院研究科1,622人と他の学部等37人です。[1]‌​‌​‌‌‌‌​‌‌‌‌‌​‌‌‌​​​​​​​​‌​‌​‌‌‌​​​​‌​​‌‌​​‌​‌‌​​‌‌​​​‌‌‌​‌‌‌​‌

2024年度学部卒業者の進路
資料の区分人数
大学院研究科への進学1,622人
他の学部等への進学37人
進学計1,659人(上の2区分の計)
就職1,042人
臨床研修医94人
その他305人
進路区分の延べ合計3,100人
学部卒業者数3,099人
[1]

資料は、合計が延べ数のため卒業者数と一致しない場合があると注記しています。進路区分を足して人数を独自に修正したり、全員が重複しない区分だと考えたりしないようにしましょう。進学計とその内訳を二重に足すことも避けます。

就職1,042人を卒業者3,099人で割った値は、就職希望者を分母とする就職率ではありません。臨床研修医も別区分です。学部での進学の多さや、医療系の進路を無視して全学の就職の強さを一つの割合で評価することはできません。

学部の公式ページには、これより新しい年度の資料が掲載されている場合があります。学部同士を比較するときは年度をそろえ、個別の応募準備では所属学部の新しい資料も確認しましょう。

10学部の中でも、先に確認することは異なる

2026年9月の確認時点で、大学の学部一覧は法、医、工、文、理、農、経済、教養、教育、薬の10学部を掲載しています。学部名だけでなく、学科や課程、専修などの違いにも注意してください。[2]

学部ごとの進路情報の確認点(編集部の整理)
学部進路を調べる際の確認点
法学部企業・公務員・法科大学院等への進学を区別する
医学部医学科と健康総合科学科、臨床研修と一般の就職を分ける
工学部学部卒と修士・博士修了、学科や専攻の推薦手続を分ける
文学部専修課程の学びと、学部・大学院それぞれの実績を確認する
理学部学科の進路資料で学部・修士・博士と集計期間を確認する
農学部課程・専修と、別掲される獣医学の進路を確認する
経済学部経済・経営・金融の学びと、募集職種を結び付ける
教養学部前期課程の所属と、後期課程の卒業者の実績を区別する
教育学部就職者全員を学校教員と考えず、教職と他の進路を比較する
薬学部4年制・6年制と大学院、資格に関する条件を分ける
[3]

例えば大学全体の進路表は、医学部の医学と健康総合科学、農学部の獣医学、薬学部の4年制・6年制を別に掲載しています。同じ学部の中でも準備が異なるため、自分に近い区分から読むことが重要です。[1]

教養学部は、前期課程で学ぶことと、後期課程を修了して教養学部を卒業することを区別します。他学部へ進んで卒業した人の実績まで、教養学部の卒業実績へ含めないようにしましょう。[4]

UTokyo College of Designは公式FAQで第一期を2027年9月開始と案内しています。将来のプログラムの情報は、ここで扱う既存学部の卒業実績と分けて確認してください。[5]

大手企業の名前より、募集職種と経験の接点を確かめる

大学の就職先一覧は、関心のある企業や業界を知る入口になります。ただし、企業名だけでは、配属、勤務地、担当業務、採用経路までは分かりません。学部卒と大学院修了者をまとめた一覧であれば、自分の課程の実績と決めつけないようにします。

就職先一覧を見た後に確認すること(編集部の提案)
確認点具体的な問い
集計対象どの学部・課程・年度の卒業生か
会社の単位掲載された法人と応募する法人は同じか
募集職種何を担当し、配属はどう決まるか
応募要件学歴、専門、資格などの条件は何か
選考必要書類、検査、面接や課題は何か
働く条件勤務地、勤務条件、研修制度はどうなっているか

企業名の知名度と、自分に合う仕事内容は別々に確認できます。人気の高い会社を目指す場合も、事業や職種に関心を持った理由を、自分の経験や今後学びたいことと結び付けましょう。

大学名だけで選考に通る、あるいは期待に見合う会社を選ばなければならない、と考えると判断材料が狭くなります。過去の実績を個人の内定保証にせず、自分が確認できる募集条件と準備に焦点を当ててください。

進学と就職は、課題・条件・生活の見通しで比較する

就職するか進学するかが決まっていなくても、比較を始められます。進学では深めたい研究の問い、就職では仕事を通じて扱いたい課題を整理すると、足りない情報が見えてきます。

進学と就職を比べるメモ(編集部の提案)
観点進学就職
取り組みたいこと研究で明らかにしたい問い担当したい仕事や解決したい課題
条件研究領域、指導体制、入試募集職種、学歴・専門等の要件
準備研究計画や学修の課題経験の整理、企業研究、選考準備
生活学修期間と生活の計画勤務地、働き方、新人教育
相談先指導教員、志望研究科部局の就職担当、キャリア相談

大学院へ進んだ人数から、その全員が研究者になったとは判断できません。学部卒、修士修了、博士修了で条件が異なる求人もあるため、希望する職種に必要な専門と学位を確認しましょう。

実習や研究が多い学部では、それらの日程と出願・応募の締切を同じ表に置きます。周囲のスケジュールに合わせるだけでなく、自分の履修や研究を続けられる準備の仕方を担当者と相談してください。

研究・演習・活動の経験を、自分の行動で説明する

自己PRに使う経験は、大きな受賞や目立つ役職に限りません。授業の演習、研究、実習、課外活動などから、自分が疑問を持ち、行動し、振り返った場面を一つ選びましょう。

経験の説明を準備する順序(編集部の提案)
項目書き出す内容
状況どんな課題や目的があったか
役割自分が担当したことは何か
行動何を調べ、どう工夫したか
結果確認できた変化や学び
限界と次の課題まだできていないことと、今後の行動

編集部の架空の例です。「共同発表で意見が分かれたとき、私は結論を急がず、各案の前提と根拠を表にしました。確認できていない点を分けて調べ直し、発表では判断できる範囲を説明しました。この経験から、異なる意見を整理して検討する大切さを学びました。」

これは東京大学の学生の体験談ではありません。自分の実際の経験へ置き換え、チーム全体の成果を一人の成果として書かないようにします。研究や実習の未公開情報、個人情報を含めず、説明できる範囲を確認してください。

志望理由では、この経験と応募職種の接点を調べます。「学んだことを生かしたい」だけで終わらず、どんな業務に関心があり、何をさらに身につけたいかを具体化しましょう。

所属部局と全学のキャリア支援を使い分ける

東京大学キャリアサポート室は、各部局の支援を補完する窓口として、就職・進路に関する情報やイベント、個別相談などを提供しています。求人・インターンシップ情報やOB・OG名簿の閲覧なども、案内された方法と条件で利用します。[6]

個別のキャリア相談は日本語による45分で、オンラインまたは対面です。進学・就職・留学の迷い、ES添削、面接練習、内定先の絞り込みなどに対応し、ケース面接は対象外と案内されています。予約方法や対象者を最新ページで確認してください。[7]

研究内容や履修、実習、学内推薦の手続は所属先の担当者に、応募先の比較や経験の伝え方はキャリア相談に、というように質問を分けると進めやすくなります。相談前に、自分が分かっていることとまだ迷っていることを一枚にまとめておきましょう。

  • 自分の学部・課程・卒業予定年を確認する。
  • 年度と集計対象をそろえて公式進路資料を読む。
  • 就職と進学で関心のある候補の条件を調べる。
  • 研究・演習・活動から一つの経験を具体的にまとめる。
  • 所属先の担当窓口やキャリア相談で、次の行動を決める。

大学名への期待や不安を一度に解消しようとせず、必要な情報と準備を一つずつそろえていきましょう。自分が取り組みたい課題と、納得できる条件を言葉にすることが、進路を選ぶための土台になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東京大学 2025大学概要資料編 卒業後の状況確認日:2026-09-11 / PDF13/冊子11画像、2024卒3099院1622他進37進計1659就1042研94他305延3100注。希望者率にしない
  2. 東京大学 学部・大学院等確認日:2026-09-11 / 2026/9既存10学部一覧
  3. 東京大学 学部・研究科紹介確認日:2026-09-11 / 各学部教育の概要。比較表の確認点は編集部整理で実績保証でない
  4. 東京大学 前期課程教育と進学選択制度確認日:2026-09-11 / 前期と後期卒業学部別
  5. 東京大学 College of Design FAQ確認日:2026-09-11 / 第一期2027/9、既存卒実績と分離。価値創造学部和名重複のscopeは統括ACK済
  6. 東京大学 キャリアサポート室について確認日:2026-09-11 / 全学部局補完、情報実習イベントOB名簿等
  7. 東京大学 キャリア相談確認日:2026-09-11 / 45分日本語online対面、進学就職留学迷いES面接内定先、ケース面接対象外

次の選考準備に役立つ記事