前期課程の所属と、卒業する学部を区別する

東京大学の前期課程では幅広い分野を学び、一般選抜の入学者は進学選択によって後期課程の専門分野を選びます。学校推薦型選抜の入学者は前期課程修了後、出願時に志望した学部等に進むと案内されています。ここで扱う卒業後の進路は、教養学部後期課程の卒業者についてのものです。[1]‌​‌​‌‌​‌​‌​‌​​‌​‌‌​‌​‌​​‌‌‌‌​​‌​‌​‌​‌‌​​​‌​​‌‌​‌‌​​‌‌‌‌​‌‌‌‌​‌​‌

「東大では教養学部で学ぶ」という説明から、他学部を卒業した人の就職先まで教養学部の実績に含めないようにします。また、大学院総合文化研究科の修了者と、学部卒業者の就職実績も別の集計です。

前期課程の学生は、気になる仕事だけで後期課程を決めるのではなく、どの問いをどんな方法で学びたいかを整理できます。後期課程の学生は、自分の学科と研究領域を確認し、進路資料の対象をそろえて読みましょう。

2024年度卒業者は、就職88人・進学計107人

2025年度版の大学概要資料編には、2025年5月1日現在の2024年度卒業者の進路が掲載されています。教養学部卒業者221人の内訳は、大学院研究科への進学91人、他の学部等への進学16人、就職88人、その他26人です。[2]

2024年度教養学部卒業者の進路
区分人数
大学院研究科への進学91人
他の学部等への進学16人
進学計107人(上の2区分の計)
就職88人
その他26人
卒業者合計221人
[2]

この集計は教養学部全体です。3学科それぞれの就職割合や、大学院進学者が全員総合文化研究科へ進んだかは、この表だけでは分かりません。「その他」の事情も推測で補いません。

学部の卒業後の進路ページには文系・理系別の概数もありますが、対象年度が明示されていないため、ここでは上の年度付き集計を使います。異なる資料の割合と人数を組み合わせて、一つの年度の実績にしないことが大切です。[3]

大手企業や官公庁への就職例を見る場合も、採用職種、学部卒か大学院修了か、集計年を確認しましょう。過去の卒業生が所属したことは、現在の応募条件や個人の採用可能性を保証するものではありません。

3学科の違いを、対象と方法で整理する

教養学部後期課程は、教養学科、学際科学科、統合自然科学科からなります。同じ教養学部でも、文献や言語から考察する学びと、情報を扱う学び、実験や数理を用いる学びでは、説明すべき経験が変わります。[4] [5] [6]

3学科で学びを振り返る手掛かり
学科公式案内で示す学びの広がり経験を整理する問い(編集部)
教養学科文化・言語、地域、社会を横断して研究どの対象を、どんな文献や視点で比較したか
学際科学科科学技術と社会、空間、情報、環境・システムなど複数の分野を組み合わせて何を調べたか
統合自然科学科数理、物質、生命、認知行動、スポーツなど実験や理論を使い、何を検証したか
[4] [5] [6] [9]

教養学科は少人数での学びやコースを関連付けた履修を特徴として案内しています。就活では「幅広く学びました」で終わらず、比較するためにどの分野の知識を使い、何を発見したかを説明しましょう。[4]

学際科学科の案内は、科学技術を社会の中で考える視点や、空間・情報・自然のシステムを扱う分野を示しています。統合自然科学科は、専門性を深める履修、分野を横断する履修、副専攻を組み合わせる履修を案内しています。履修した科目の多さより、その選択が自分の問いにどう必要だったかを整理してください。[5] [6]

進学と就職を、学科の雰囲気だけで決めない

学際科学科は卒業後の道として、大学院への進学、社会での実務、大学院修了後の研究・高度な実務を説明しています。これは分野の将来像であって、全員の進学義務や特定職への採用実績ではありません。[5]

就職と進学を比較する項目(編集部の提案)
観点就職を考える場合進学を考える場合
取り組みたいこと職種の日々の業務と扱う課題深めたい研究の問いと方法
準備応募要件、選考内容、経験の整理研究計画、指導体制、入試科目
学びの使い方現在の経験と未経験部分を区別学部研究の限界と次の課題を明確にする
生活の見通し勤務地、勤務条件、新人教育学修期間、生活費、利用可能な支援
相談キャリア相談、募集元の説明指導教員、志望研究科の公式案内

大学院へ進めば希望する仕事が自動的に決まるわけではなく、学部卒で就職すれば研究で学んだ方法が使えなくなるわけでもありません。求人で求める学歴や専門を確かめ、自分の希望と照らし合わせます。

複数分野に関心がある人は、選択肢をすぐ一つに絞らず、共通して大切にしたい条件を三つほど書いてみましょう。例えば、データを扱う、社会の制度を考える、海外と関わるといった関心を、具体的な作業へ分けることから始められます。

学際性は、異なる情報をどう結び付けたかで伝える

学部や学科の教育理念を、そのまま自分の能力の証拠にすることはできません。「多角的に考えられる」と言うなら、どんな視点を組み合わせ、結論がどう変わったかを一つの経験で説明します。

研究や演習の説明メモ(編集部の提案)
順序準備する内容
問い何を知りたいと考えたか
視点どの分野の考え方を使ったか
方法文献比較、調査、計算、実験など何を行ったか
工夫条件の違いや矛盾をどう扱ったか
限界何が未確認で、次に何を確かめたいか

編集部の架空の例です。「地域の環境問題を扱う演習で、私は数値の比較だけでは背景が分からないと考え、制度に関する資料も読みました。数値と文書の対象期間が違うことに気づき、比較できる範囲を整理し直しました。複数の資料をつなぐ際は、前提を確認する必要があると学びました。」

これは東京大学の学生の体験談ではありません。自分が実施した作業に置き換え、調べていないことや未達成の成果を足さないようにします。共同作業の場合は、チームの結果と自分の担当を分けてください。

語学や留学を話す場合も、経験の有無だけで優劣を付けず、どの場面で何を読み、説明し、調整したかを示します。海外経験がなくても、自分が取り組んだ文献、実験、演習を具体的に振り返ることから準備できます。

駒場の学生も全学のキャリア相談を利用できる

教養学部の相談窓口案内は、キャリアサポート室が駒場の学生の相談も受け付けることを示しています。窓口の所在地は本郷ですが、全学の最新案内ではオンライン相談も用意されています。所属キャンパスだけで利用できないと思い込まないようにしましょう。[7] [8]

キャリア相談は日本語による45分で、進学や就職の迷い、ES添削、面接練習などが対象です。予約方法と利用条件を公式ページで確認し、研究の説明メモや比較表を用意して相談すると、自分に足りない情報を整理しやすくなります。[8]

  • 前期・後期、学部・大学院を区別して実績を読む。
  • 自分の学科で取り組んだ問いと方法を一つずつ書く。
  • 気になる求人と進学先を、対象・条件・準備で比較する。
  • 学際的な学びを一つの具体例で短く説明する。
  • 駒場の学生も利用できるキャリア相談や指導教員に相談する。

教養学部という名称だけで専門性の有無を判断する必要はありません。自分が深く学んだことと、異なる分野を結び付けた経験を言葉にし、募集されている仕事や研究との接点を確かめましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東京大学 前期課程教育と進学選択制度確認日:2026-09-11 / 一般選抜と推薦型の進学選択区別、前期と後期。英語入学等を全6科類へ一般化しない
  2. 東京大学 2025大学概要資料編 卒業後の状況確認日:2026-09-11 / PDF13/冊子11画像、2024教養卒221/院91/他進16/進107/就88/他26
  3. 東京大学 教養学部後期課程 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 年度不明の文理概数・回答者注、割合非採用
  4. 東京大学 教養学科確認日:2026-09-11 / 少人数、複数学際分野、文化地域社会。過去実績率なし、コース総数はPEAKとの違いあり不使用
  5. 東京大学 学際科学科確認日:2026-09-11 / 2026ガイダンス、科学技術社会空間情報システム。将来像を実績保証とせず
  6. 東京大学 統合自然科学科確認日:2026-09-11 / 2026更新、専門性追求・分野横断・副専攻、研究領域。卒業生声不使用
  7. 東京大学 キャリア形成・就職の相談確認日:2026-09-11 / 2025/9/26更新、駒場学生も対象、本郷所在地。旧イベント回数不使用
  8. 東京大学 キャリア相談確認日:2026-09-11 / 2026最新45分日本語、オンライン対面、ES面接進路相談
  9. 東京大学 統合自然科学科 コース紹介確認日:2026-09-11 / 5コース本文:数理自然・物質基礎・統合生命・認知行動・スポーツ。fields表認知行動の直接根拠。2023スポーツ主コース化。r002追加

次の選考準備に役立つ記事