就職決定と、司法修習を含む就職準備を区別する

法学部の2025年度進路状況調査は、2025年9月と2026年3月の卒業者を対象とし、2026年5月22日付で公開されています。卒業者386人について、大学院入学・学士入学・学部入学など113人、就職決定191人などの区分を示しています。[1] [2]​​‌​​​‌‌​​​​‌‌‌​​​​​‌‌​‌‌‌​‌​​​‌​​‌​​​​‌‌​‌‌‌​‌​​​‌​​​​‌‌​​​‌‌​‌

2025年度法学部卒業者の進路
区分人数
大学院入学・学士入学・学部入学など113人
就職決定者191人
進学準備・その他11人
就職準備(司法修習含む)55人
調査票未回収分16人
卒業者合計386人
[1]

「就職準備」には司法修習が含まれます。55人全員を一般企業の内定がない人と考えたり、反対に全員を司法修習生と考えたりすることはできません。未回収16人の進路も不明なので、推測で就職や進学へ配分しません。

この資料の就職決定者数を使って、希望者を分母とする就職率や大手企業への内定率を計算することはできません。東京大学全体の別年度の統計と混ぜず、この調査の対象と区分で読みましょう。

公務員・民間・大学院には、それぞれ異なる準備がある

同じ調査の内訳では、国家公務員74人、地方公務員3人が示されています。民間企業の区分には金融業25人、情報通信業19人、学術研究・専門・技術サービス業30人などがあります。業種から採用職種まで推定することはできません。[1]

進学先の内訳には、本学法科大学院75人、他大学法科大学院20人、本学公共政策大学院8人、本研究科総合法政専攻6人などが載っています。進学等113人を法科大学院だけの人数として扱わないようにしましょう。[1]

進路の違いを比較する問い(編集部の提案)
候補確認する内容準備の入口
民間企業担当する仕事、顧客、勤務地、教育体制募集職種と応募要件、選考の案内
公務員取り組みたい行政課題、採用区分、勤務先採用機関が公表する試験・選考情報
法科大学院学びたい内容、履修と入試の条件志望校の入試案内、学内進学プログラム
公共政策・研究系大学院関心のある政策や研究の問い研究領域、指導体制、入試と学修計画

法学部の就職先として紹介される組織でも、自分が希望する職種を募集しているとは限りません。大手企業や中央官庁の名称に注目するだけでなく、どの仕事に関わりたいかを具体的にし、正式な募集条件を確認してください。

複数の進路を考える場合は、学修・試験・応募の予定を同じ表に置きます。両立できるかを気持ちだけで判断せず、必要な準備の内容と時間が重なる部分を洗い出しましょう。

3類は、将来の職業を固定する区分ではない

法学部は、第1類の法学総合コース、第2類の法律プロフェッション・コース、第3類の政治コースを置いています。公式案内では類ごとに必修・選択必修科目が異なる一方、履修の仕方によって近い内容を学べ、進路との対応関係も限定的と説明しています。[3]

3類と2025年度の進路集計
卒業者進学等就職決定
第1類(法学総合コース)183人29人133人
第2類(法律プロフェッション・コース)165人77人31人
第3類(政治コース)38人7人27人
[1]

表は進学等と就職決定の2区分を抜き出したもので、その他の区分は含めていません。第2類には司法修習を含む就職準備45人もいるため、就職決定31人だけを見て就職に弱いと判断するのは適切ではありません。[1]

この年度の実績は、特定の類に進めば同じ結果になるという予測でもありません。就活では類の名称より、どの科目や演習で何を考え、どのように説明したかを具体的に振り返りましょう。

法科大学院進学は、学内プログラムと入試を分けて確認する

法学部の法科大学院進学プログラムのページには、制度説明、履修規程、履修イメージ、進学奨励金制度、登録手続などへの入口がまとまっています。2026年度の実定法科目演習一覧やAセメスターの手続案内も掲載されています。[4]

プログラムへの登録を考える場合は、自分の履修状況と対象学期を確認し、必要な手続を学部の案内で確かめます。過年度の案内と現行のものを取り違えず、掲載されていることだけで今も申請できると判断しないようにしてください。

学内プログラムの登録と、法科大学院の入学者選抜は同じ手続ではありません。志望する大学院の募集案内で出願条件や必要書類を確認し、学部卒業やプログラム修了だけで法曹になれると考えないようにします。ここでは資格取得の詳しい経路を一律に説明せず、大学の担当窓口と志望先の最新案内を確認することを勧めます。

法曹への関心がある人も、企業や行政の仕事と比較する場合は「法律を使う」という言葉を具体化できます。どんな課題を、どの立場で、誰と協力して扱いたいのかを整理し、学びたい内容と仕事の役割の両方を考えましょう。

法学・政治学の経験は、論点と根拠の整理で伝える

法学部の授業を受けたことだけを、論理的に考えられる証拠にするのは十分ではありません。演習やレポートで、複数の見方をどう整理し、根拠を確かめて結論を出したかを一つの場面で説明します。

学修経験を説明する順番(編集部の提案)
項目話す内容
対象どの問題や制度を扱ったか
論点何について見解や利害が分かれるか
確認どの資料や説明を照合したか
工夫議論をどう整理し、相手に伝えたか
限界前提や未確認の情報は何か

編集部の架空の例です。「演習で制度の評価を議論した際、私は結論の違いだけでなく、各説明が重視する前提を整理しました。資料の該当箇所を確認し、対立している点と共通している点を分けて発表しました。相手の主張を単純化せず、根拠を確かめて議論する大切さを学びました。」

これは東京大学の学生の体験談ではありません。自分の経験へ置き換え、授業内での検討を実際の法的助言や紛争解決の実績として書かないようにします。共同発表の場合は、自分が準備した部分と他の人の貢献も区別しましょう。

志望理由では、学修経験に加えて、その組織の仕事に関心を持った理由が必要です。募集職種や説明会で確かめた内容と結び付け、自分がまだ学ぶ必要のあることも具体的に言葉にしてください。

学部の求人スペースと全学の相談を使う

法学部の求人情報は、求人票の周知依頼があった会社等をまとめた一覧です。求人票や関連書類は法学部事務室前ロビーの就職関連情報スペースに置かれています。掲載数を就職実績や求人全体の件数とみなさず、自分の卒業予定年と応募条件を確認しましょう。[5]

全学キャリアサポート室は、就職・進学の迷い、ESの添削、面接練習などの個別相談を案内しています。日本語による45分のオンラインまたは対面相談で、ケース面接は対象外です。比較中の進路と準備状況を整理して持ち込みましょう。[6]

  • 進路表で、進学・就職決定・司法修習を含む準備を区別する。
  • 気になる企業、公務員、大学院の条件を調べる。
  • 学修や演習で論点と根拠を整理した経験を一つまとめる。
  • 試験、履修、出願、応募の予定が重なる部分を確認する。
  • 学部の担当窓口とキャリア相談を使い、次の行動を決める。

大学や類の名称だけで将来像を決めず、取り組みたい課題と必要な準備から判断しましょう。まだ迷っている段階でも、比較できる条件を増やすことが進路選択の前進になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東京大学 法学部2025年度進路状況調査確認日:2026-09-11 / 1頁PDF画像、2026/5/22。卒386進113就191進準他11就準司法含55未回16、類別、国74地方3、進学先内訳。一般就職率計算なし
  2. 東京大学 法学部 進路状況一覧確認日:2026-09-11 / 2025年度PDFの対象は2025/9と2026/3卒
  3. 東京大学 法学部 入進学案内確認日:2026-09-11 / 第1類法学総合、第2法律プロフェッション、第3政治。類と進路は限定的対応、入試旧定数は不使用
  4. 東京大学 法科大学院進学プログラム確認日:2026-09-11 / 2026年度演習・登録、制度履修入試入口。PDF詳細未使用で期限や資格経路を断定しない
  5. 東京大学 法学部 求人情報確認日:2026-09-11 / 周知依頼一覧、事務室前ロビー求人書類、就職実績でない
  6. 東京大学 キャリア相談確認日:2026-09-11 / 45分日本語online対面、進学ES面接、ケース面接対象外

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