薬科学科と薬学科では、学ぶ期間と教育の重点が異なる

2026年度版の薬学部パンフレットは、4年制の薬科学科と6年制の薬学科を併設すると説明しています。薬科学科は創薬科学や基礎生命科学の研究者などの養成に重点を置き、薬学科は基礎科学に加えて病院・薬局での実務教育を行います。[1]‌‌‌‌​‌‌‌​‌​​​‌​‌‌​‌‌‌​‌​​​​‌‌​‌​​​‌‌‌​‌​​​​​‌​‌‌‌‌‌​​​​​‌​​‌​‌​‌

2学科を比較するための基本事項
項目薬科学科薬学科
年限4年制6年制
教育の重点創薬・基礎生命科学などの研究基礎科学と実践的な医療薬学
研究室での学修4年次4〜6年次
実務教育研究を中心とした学修内容を確認病院・薬局での実務実習を含む
[1]

パンフレットは、薬剤師国家試験の受験資格を得る学科を薬学科と説明しています。4年制を卒業しただけで同じ受験資格を得られるとは考えず、受験資格と資格取得も区別してください。過去の入学年度の学生を対象とする別の履修プログラムも記載されているため、旧制度が関係する場合は教務担当に自分の適用条件を確認します。[1]

研究か医療かを学科名だけで完全に分けることもできません。薬学科の教育目的には研究者の養成も含まれます。希望する進路に必要な学歴・資格・専門を確認し、自分がどこまで学びたいかを整理しましょう。[1]

4年制の大学院進学を、学部卒の就職実績と混ぜない

2025年度版大学概要資料編に載る2024年度の進路では、薬学部4年制の卒業者75人のうち、大学院研究科への進学73人、他の学部等への進学1人、就職1人です。2025年5月1日現在の情報で、大学院を修了した人の就職実績ではありません。[2]

2024年度薬学部4年制卒業者の進路
区分人数
大学院研究科への進学73人
他の学部等への進学1人
就職1人
卒業者合計75人
[2]

同じ全学資料は、合計が延べ人数のため卒業者数と一致しない場合があると注記しています。6年制の欄は卒業者数と進路区分の合計が一致しないため、ここでは6年制の人数表や割合を作成しません。進学と就職を別々の人として単純に足したり、値を独自に修正したりしないようにします。[2]

学部パンフレットの進路図も、薬科学科、薬学科、修士課程、博士課程を分けています。就職先を調べるときは自分が比較したい課程を確認し、修士・博士修了者の進路を学部卒の実績として扱わないようにしてください。[1]

企業や病院の名前が掲載されていても、採用職種や配属を推測しません。特定企業へ入りやすいかを大学名だけで考えるより、現在の募集区分と要件を確かめることが具体的な準備になります。

研究・企業・医療の仕事は、役割と条件で比較する

薬学の専門を使うといっても、研究の問いを深めることと、製品や情報を扱う仕事と、医療の現場で働くことでは役割が異なります。分野名だけで選ばず、日々どんな活動をするのかまで調べましょう。

進路を比較する問い(編集部の提案)
候補考えたい役割確認する条件
大学院研究の問いや方法を深める研究領域、指導体制、入試、学修期間
企業の研究・開発等どの段階の研究や製品に関わるか募集職種、必要な学位・専門、配属の説明
企業のその他の職種薬や科学に関する知識をどう使うか仕事内容、顧客、教育体制、応募要件
病院・薬局などどの環境で医療に関わるか資格に関する要件、業務、研修、勤務条件
行政などどの制度や公的な課題を扱うか採用区分、試験・選考、勤務先の説明

企業の研究職なら学部卒で応募できる、薬学科卒なら希望する病院で働ける、という一律の前提は置かず、応募先の正式な要件を確認します。採用情報の職種名だけで判断しにくい点は、説明会や窓口で確かめましょう。

進学を考える場合も、研究室で深めたい内容と生活の見通しを整理します。学修期間や費用、支援制度は志望先の案内で確認し、就職を先延ばしにする理由だけでなく、研究を続けたい理由を言葉にしてみてください。

研究は、目的・方法・結果・限界を分けて説明する

薬学部の教育方針は、研究室での学修を通じた課題設定、研究の推進、議論やコミュニケーションの力を挙げています。これらを自分の強みとして話す場合は、方針を引用するだけでなく、研究や実習で実際に判断した場面を示しましょう。[1]

研究概要を整理する順番(編集部の提案)
項目説明する内容
目的何を確かめるための研究か
方法どの測定・解析・実験を使ったか
工夫条件の違いや問題をどう調べたか
結果現時点で確認できたこと
限界未確認の点と、次に行いたい検証

編集部の架空の例です。「実習で測定結果にばらつきが出たため、私は手順の記録を見直し、条件が違う箇所を整理しました。指導者に確認しながら比較し、発表では測定から言える範囲と、さらに確認すべき点を分けました。結果を示す前に条件を確かめる習慣が身につきました。」

これは東京大学の学生の体験談ではありません。自分が行った作業へ置き換え、共同研究の成果を個人の成果として扱わないようにします。未公開の化合物情報やデータなどを含めず、応募書類で説明できる範囲を指導教員に確認してください。

薬の作用を研究した経験を、人への有効性や安全性を証明した経験へ広げてはいけません。何を対象にどの条件で確かめたかを明確にし、研究の意義と結果の限界の両方を説明しましょう。

薬学科の実務実習は、学生として学んだことを伝える

2026年度版パンフレットは、薬学科で病院・薬局の実務実習を行い、現場への対応やコミュニケーション、責任感・倫理観などを学ぶとしています。研究経験と同様、実務実習も進路を考える材料になります。[1]

実務実習を振り返る項目(編集部の提案)
項目確認する内容
場面どんな学修場面で疑問や課題を感じたか
自分の役割観察したこと、指導のもとで行ったこと
行動確認や学修をどう進めたか
学び理解がどう変わり、何が課題として残ったか
進路への接点どんな環境でさらに学びたいか

学生として指導を受けた経験を、独立して治療方針や薬の使用を決定した実績のように書かないようにします。患者や実習先の個別情報を含めず、具体性は自分の確認・学修の行動で出しましょう。

応募先を見学する場合は、雰囲気だけでなく、研修の進め方、質問や振り返りの機会、担当業務、勤務条件を確認します。実習で気づいた自分の課題と照らし合わせると、志望理由を具体化できます。

研究・実習・選考の予定をまとめ、早めに相談する

研究、実務実習、試験と応募準備が重なる場合は、学科と課程に合う予定表を作ります。全員に一般企業の就活日程をそのまま当てはめず、大学院の出願や資格に関する準備、応募先の締切を並べて確認しましょう。

全学キャリアサポート室は、部局の支援を補完する窓口です。個別相談は日本語で45分、オンラインまたは対面で、進学・就職の迷い、ES添削、面接練習などを扱っています。研究の内容や履修については、指導教員や教務担当と確認を分けると進めやすくなります。[3] [4]

  • 薬科学科・薬学科・修士・博士のどの進路を考えるかを整理する。
  • 希望する仕事の学歴・資格・専門の条件を確認する。
  • 研究または実習の一場面から、自分の役割と学びをまとめる。
  • 学修・実習・試験・出願・応募の予定を同じ表にする。
  • 指導教員、教務担当、キャリア相談を使い、迷っている条件を確かめる。

薬学部という名称だけで進路を決めず、研究で深めたいことと、仕事で担いたい役割を具体的にしましょう。確認できる条件を一つずつ増やすことが、自分に合う選択へつながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東京大学 薬学部・薬学系研究科への招待2026確認日:2026-09-11 / PDF6-7・57画像。4年薬科学/6年薬学、研究室時期、薬学実務、受験資格と旧入学年限定履修の存在。p57数値割合・就職容易や優位断定は不使用
  2. 東京大学 2025大学概要資料編 卒業後の状況確認日:2026-09-11 / PDF13/冊子11画像、2024薬4卒75院73他進1就1。6年卒9/進3就7延べ10のため6年表率非掲載。注合計延べ
  3. 東京大学 キャリアサポート室について確認日:2026-09-11 / 部局補完、全学支援
  4. 東京大学 キャリア相談確認日:2026-09-11 / 45分日本語online対面、進学迷いES面接

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