進学・臨床研修・就職を分けると全体像が見える

東北大学の公式進路状況調によると、2024年度の学部卒業者は2,439人です。2025年5月1日現在、進学1,403人、臨床研修医181人、就職者等740人、その他115人と記載されています。ここでは学部間の比較条件をそろえるため、この年度の全学表を使います。[1]‌​‌​‌‌​​‌‌​​‌​‌‌​‌‌​​​​​‌​‌​‌‌‌‌‌​‌​​‌​‌​​‌​​​‌‌​​​‌​​​​​​‌​‌​​​

就職者等740人を卒業者全体で割っても、就職活動に成功した割合にはなりません。進学や臨床研修を選んだ人を含む集計だからです。公式表の「就職者等」には、全学合計で短時間労働者等5人を含む旨の注記があります。「その他」には資格試験等の準備、帰国、未就職などが含まれます。[1]

各学部のページには、これより新しい年度の資料もあります。大学全体を同じ年度で比べる表と、自分の学部の最新情報は使い分けてください。年度や課程の異なる数字を一つの内定率にまとめたり、大学院の就職先を学部卒の実績へ加えたりしないことが出発点です。

10学部の進路を同じ年度で比較する

大学の公式学部一覧には、文学部・教育学部・法学部・経済学部・理学部・医学部・歯学部・薬学部・工学部・農学部の10学部があります。進路表では、医学部と薬学部が修業年限の異なる課程に分かれています。次の人数はすべて2024年度の全学表によるものです。[1] [2]

2024年度学部卒業者の進路(単位:人)
学部・課程卒業者進学就職者等臨床研修医その他
文学部20434149021
教育学部73175303
法学部16838113017
経済学部26029204027
理学部31227329010
医学部(6年制)149121406
医学部(4年制)145588601
歯学部4700416
薬学部(6年制)2031700
薬学部(4年制)6665100
工学部84075863019
農学部1551272305
[1]

例えば経済学部は260人のうち204人が就職者等である一方、理学部は312人のうち273人、工学部は840人のうち758人が進学しています。これは優劣の比較ではなく、卒業時点の選択の違いです。進学が多い学部の学生が就職を選ぶ場合も、自分が応募できる職種の条件から確認しましょう。[1]

医学部6年制と歯学部では、臨床研修医の欄が大きな割合を占めます。これを一般企業への就職とまとめて説明すると、進路の意味が変わってしまいます。医学部4年制の進路とも分けて、自分の課程で必要な準備を確認してください。[1]

就職先一覧は、学位・年度・法人を確認して読む

就職先一覧を見る際は、まず学部卒か、修士・博士などの大学院修了かを確かめます。続いて単年度の一覧か、複数年の合計かを確認します。企業名が掲載されていても、現在の募集状況や入社の見込み、配属職種まで分かるわけではありません。

公式実績を読むときの確認表(編集部提案)
項目確認すること
所属自分の学部・学科・課程の実績か
年度卒業年度、卒業年月、集計日のどれか
学位学部卒と大学院修了が分かれているか
分母卒業者全員か、就職希望者か
企業グループ名か個別法人か、職種の記載はあるか
新旧組織改組後の学部に旧組織の実績を移していないか

例えば薬学部の学生生活案内では、4年制の創薬科学科と6年制の薬学科を区別しています。共通科目を学んだ後に学科を分け、後半の学修や進路は異なります。「薬学部」という括りだけで、資格や研究の道筋を一つにしないようにしましょう。[3]

数多くの会社が載っていて選べない場合は、知っている社名を増やすよりも、二つの募集を同じ項目で比較してみます。仕事の対象、役割、学位や資格などの条件、勤務地を分けて書くと、まだ知らない点がはっきりします。

学部の学びを、選考で伝える経験へ戻す

大学や学部の説明をそのまま自己PRにしても、自分が何をした人なのかは伝わりません。授業、ゼミ、研究、実習、課外活動のうち一つを選び、目的・担当・判断・結果を具体化しましょう。所属の説明は、その経験を理解するための背景として短く添えます。

自分の経験から探す材料(編集部提案)
経験振り返る問い
文献・制度・社会の調査何を根拠に考え、反対の見方をどう検討したか
統計・データ分析比較条件や資料の限界をどう確認したか
実験・設計うまくいかないときに、どの条件を見直したか
実習・フィールド調査現場の観察から、理解や行動をどう変えたか
共同活動自分の担当と、他の人の協力をどう分けて説明するか

経済学部の教育案内では、3・4年次に全員がゼミナールに所属し、演習論文と発表へ取り組むと説明されています。こうした学修では、扱ったテーマだけでなく、自分が資料を選んだ理由や議論で考えを変えた過程も説明の材料になります。[4]

編集部の架空の例では、資料の数値を比べた後、集計対象が違うことに気づいて分析方法を見直した経験が考えられます。「分析力がある」と言うだけでなく、何を確認し、どう修正したかを話す形です。実際に経験していない成果を加えず、助言を受けた部分も正確に示します。

研究や実習の情報は、応募書類に記載できる範囲を確認します。未公開のデータや個人情報を載せなくても、自分が問題を整理し、周囲と相談し、検証した流れは伝えられます。

大手志望・進学・公務を、条件と目的から考える

大学名への期待が大きく、「周囲と同じ進路を選ばないといけない」と感じることがあるかもしれません。しかし、公式実績から個人の合否を予測することはできません。大手を志望する場合も、事業と仕事を調べ、自分が応募する理由と条件を確かめる準備が必要です。

進学と就職で迷う場合は、続けたい研究の問いと、働いて担いたい役割を別に書きます。「もっと研究したい」と思うなら、どんな環境で何を深めたいのかを確認します。就職したいなら、現在の学位で応募できる募集を具体的に読むことで比較の材料ができます。

公務や資格に関わる進路も、企業の選考と同じ準備で済むとは限りません。志望する機関や課程の条件を確認し、履修・研究・実習と重なる予定を整理しましょう。今回の進路表は、試験への合格や資格取得を保証する資料ではありません。

  1. 関心のある仕事または研究を一文にする。
  2. 候補を二つ選び、対象・役割・条件をそろえて比較する。
  3. 自分の経験との接点と、足りない情報を分ける。
  4. 必要な相談先と、次に調べることを一つ決める。

選択肢が多いこと自体を問題にせず、一度に決める範囲を小さくします。「どの業界が正解か」では答えにくくても、「この二つの役割のどちらに興味があるか」なら、経験や調べた情報をもとに考えやすくなります。

大学の相談には、求人と経験のメモを持っていく

東北大学キャリア支援室の個別相談はWeb予約の案内があります。実施方法は予約画面で確認してください。研究室や学部でなければ分からない進学・履修・実習の条件は、指導教員や学部の窓口などにも確認します。[5]

相談には、候補の求人、迷っている進路、自分の経験を短く記したメモを持っていきます。「何をしてよいか分からない」という段階でも、分からない点を一つに絞ると次の行動を決めやすくなります。書類が完成していなくても、自分の担当や判断が伝わるかを見てもらう準備はできます。

今日から始める準備(編集部提案)
時点行動
今日自分の学部・課程の実績と、気になる募集を確認する
今週ゼミ・研究・実習などの経験を一つ文章にする
相談時条件の不明点と、説明に困っている点を伝える
相談後比較表か応募書類を一つ直し、次の行動を決める

東北大学全体の実績を把握したら、自分の学部と学修段階に戻って情報を整理しましょう。所属だけで進路を決めるのではなく、経験の中で何に関心を持ち、どう行動したかを明らかにすることが、応募先選びと選考準備につながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 卒業後の状況(進路状況調)確認日:2026-09-10 / 2024年度学部表、2025-05-01現在、分母と注記
  2. 学部・大学院・附置研究所等確認日:2026-09-10 / 現行10学部と学科
  3. 薬学部 学生生活確認日:2026-09-10 / 創薬科学4年・薬6年の区別
  4. 経済学部確認日:2026-09-10 / 3-4年次ゼミと演習論文
  5. 個別相談確認日:2026-09-10 / Web予約

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