2025年度の進路は、4年制と6年制を分けて読む
薬学部の公式ページには、創薬科学科と薬学科それぞれの2023〜2025年度の進路が掲載されています。2025年度の図では、4年制の創薬科学科は卒業者61人のうち進学58人、企業1人、その他2人です。6年制の薬学科は卒業者20人のうち進学1人、医療機関薬剤師11人、研究者1人、企業5人、公務員2人です。[1]
| 学科 | 卒業者数 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 創薬科学科(4年制) | 61人 | 進学58人、企業1人、その他2人 |
| 薬学科(6年制) | 20人 | 進学1人、医療機関薬剤師11人、研究者1人、企業5人、公務員2人 |
この図は卒業者全体の進路であり、就職希望者を分母とする就職率ではありません。学科の違いを無視してまとめると、進学の多さも医療分野への就職も捉えにくくなります。大学院修了者の就職実績も、学部卒業時の実績へ足さずに確認しましょう。
進学者が多いから自分も進学すべき、就職先が載っているから自分も入れる、と決める必要はありません。まずは学部卒業時に何をしたいか、さらに学びたい研究課題があるかを別々に書き出すことから始めます。
就職先の名称から、募集する法人と仕事を調べる
2025年度の創薬科学科の進路先一覧には、東北大学薬学研究科への進学57人、農学研究科への進学1人、日信工業株式会社1人、学部研究生1人、就職活動中1人が記載されています。企業への就職者は少数なので、その1社だけで学科全体の適性や応募可能な範囲を決めないようにしましょう。[1]
同年度の薬学科には、アインホールディングス4人、アインファーマシーズ1人、日本調剤薬局2人、自治医科大学附属病院2人のほか、神奈川県、特許庁、小林製薬、中外製薬、カネカなど各1人の進路先が掲載されています。法人名は大学の記載に沿った例で、配属職種まで示すものではありません。[1]
薬学科の図には「研究者」という区分がありますが、一覧のどの就職先に対応するかは本文だけでは確定できません。製薬会社への就職を一律に研究職とみなしたり、医療機関への就職と国家試験の合格率を同じ数字にしたりしないでください。
| 候補 | 確認する項目 |
|---|---|
| 医療機関・薬局 | 募集する職種、資格に関する条件、配属先、学ぶ体制 |
| 企業 | 募集法人、職種、学位・専攻条件、担当する業務 |
| 行政など | 応募区分、選考方法、扱う業務分野 |
| 大学院 | 研究テーマ、指導体制、入試、学修期間と費用 |
大手を希望する場合も、掲載企業の知名度と自分が担いたい仕事を分けて考えます。今回の資料では大手内定率や大学別の選考基準は分かりません。求人票を読み、募集条件に自分の学科・学位が対応しているかを一つずつ確かめることが先です。
共通教育の後、学科ごとに深める内容が変わる
公式の学生生活案内によると、入学時には両学科を分けず、3年次前期までは共通の教育科目を学びます。3年次後期に学科の振り分けが行われ、以降はそれぞれのカリキュラムで学習します。創薬科学科は4年制、薬学科は6年制です。[2]
創薬科学科では、3年次後期から卒業まで研究室に配属され、一人ひとりのテーマで課題研究に取り組みます。薬学科も同時期から課題研究を行い、医療薬学関連の科目や実習を学び、5年次には病院と調剤薬局で実習を行うと説明されています。[2]
薬学科の案内は卒業とともに薬剤師国家試験に臨む流れを示しています。卒業や就職先の掲載だけで、資格取得を済ませたことにはなりません。また、4年制の創薬科学科の進路を、6年制と同じ資格・学修の道筋として扱わないようにします。自分の入学年度に適用される履修と資格の条件は学部に確認してください。[2]
企業研究では「薬に関わりたい」をもう少し具体的にします。新しい知識を生み出すこと、製品や仕組みを形にすること、必要な情報を伝えること、医療の現場に関わることのうち、どの経験に強く関心を持ったかを振り返りましょう。専門の名前だけで希望職種を決めず、仕事内容との接点を探します。
研究では、結果だけでなく条件を見直した過程を話す
課題研究を自己PRに使うなら、扱った物質名や手法を列挙するだけでなく、問い・自分の担当・判断・結果の順に整理します。相手が同分野の専門家かどうかで説明の深さを調整し、専門外の人にも「何を明らかにしようとしたか」が伝わる一文を用意しましょう。
編集部の架空の例では、測定結果のばらつきを受けて記録を見直し、条件の違いを整理して、指導を受けながら確認方法を変えた経験が考えられます。「粘り強く実験した」だけで終わらせず、何を疑い、何を相談し、自分は何をしたかを説明する形です。実際に行っていない実験や成果を加えないでください。
| 項目 | メモする内容 |
|---|---|
| 目的 | 解こうとした問いと、そこに関心を持った理由 |
| 担当 | 共同研究の中で自分が行った範囲 |
| 判断 | 比較条件や手順を選んだ根拠 |
| 変化 | 確認後に分かったこと、見直したこと |
| 限界 | まだ分からないことと次の課題 |
発表できる範囲は指導教員などに確認します。未公開の研究データをそのまま応募書類へ載せる必要はありません。数値や固有名詞を省いても、問題を整理する姿勢、記録、相談、検証の進め方は説明できます。研究が期待した結果に届いていなくても、自分の判断を具体的にすることは可能です。
実習は経験の範囲を守り、志望理由に結び付ける
実習を志望動機に使う場合は、「現場を見て興味を持った」の先を考えます。どんな連携や情報の伝え方に関心を持ち、自分は指導のもとで何を学んだのかを整理しましょう。見学したこと、補助したこと、自分で担当したことを分けると、経験を大きく見せずに説明できます。
患者などの個人情報を応募書類に含めず、必要な場面だけを一般化して記します。実習中に疑問を整理して質問した経験なら、質問前に確認した資料、助言を受けて理解が変わった点、次に学びたいことを話します。治療への貢献や専門的な成果を、根拠なく自分の実績にしないことも大切です。
その経験をもとに、応募先でどんな仕事に取り組みたいかを求人の内容と照合します。「薬学部の知識を生かす」だけでは多くの職場に当てはまるため、関心を持った役割と、その職場で確認したい特徴を一つずつ加えましょう。
進学と就職を比較するときは、研究を続けたい理由と、働いて担いたい役割を別の欄に書きます。周囲の進路に合わせる前に、希望する募集の学位条件と大学院で取り組む研究を確認すると、判断に不足している情報が見えてきます。
学科・研究・求人の三つをそろえて相談する
東北大学キャリア支援室の個別相談はWebで予約する案内があります。実施方法は予約画面で確認してください。履修や研究、進学の専門的な判断は学部や指導教員にも相談し、選考準備とあわせて進めます。[3]
- 所属学科と卒業予定時点を明記し、就職・進学で迷う理由を書く。
- 候補の求人または研究室を二つ選び、条件と関心の接点を比べる。
- 研究か実習から、自分が判断した場面を一つ選ぶ。
- 相談では、分からない条件や伝わりにくい経験を具体的に見てもらう。
まずは研究の説明を短く書いて、専門外の相手にも目的と自分の担当が伝わるか確かめてみましょう。仕事内容の理解が足りなければ応募先へ確認する質問を作り、経験の整理が難しければ相談に持ち込みます。学科ごとの進路を踏まえて、自分が次に学びたいこと、担いたい役割を言葉にしていきましょう。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。