2026年3月卒は進学130人、就職16人

農学部案内2027の17ページには、2026年3月卒業者の進路として、進学130人・86.7%、就職16人・10.7%、その他4人・2.6%が掲載されています。計150人の進路内訳です。「就職10.7%」は卒業者の進路の割合であり、就職希望者のうち就職できた割合ではありません。[1]​​‌​​​​​​​‌​​‌​​​‌‌​‌​​‌‌‌‌‌‌‌​​​​‌‌‌​​​‌‌​​​‌‌​‌​‌​‌‌​‌‌‌​​​‌‌‌

農学部案内2027掲載の2026年3月卒進路
進路人数掲載割合
進学(大学院)130人86.7%
就職16人10.7%
その他4人2.6%
[1]

同じページには修士課程・博士課程修了者の進路もあります。学部で進学を選ぶ人が多いことと、大学院修了後に就職する人が多いことは、異なる卒業・修了段階の情報です。学部の就職先だけで研究職の選択肢を評価したり、院の企業一覧を学部卒の実績としたりしないでください。

進学を選ぶ場合は、続けたいテーマや身に付けたい手法を言葉にします。就職を選ぶ場合は、現在の学位で応募できる職種の条件を確認しましょう。進学の多さを、自分の進路を一つに決める根拠にする必要はありません。

食品に限らず、製造・IT・金融の就職先もある

2026年3月の学部卒業者の就職先例には、竹中土木、アース製薬、クボタ、オービック、日本総合研究所、丸井グループ、農林中央金庫、野村證券、楽天グループなどが掲載されています。農学部で学んだことと関係の深い事業を探す方法もあれば、調査や分析など自分の取り組み方から仕事を探す方法もあります。[1]

一方、同資料の修士課程修了者の一覧には食品・飲料や化学などの企業が多数あります。この一覧は学部の16人とは別です。また、会社名が分かっても、採用された職種や配属先までは確定できません。「この企業なら研究職」と決めず、募集する職種を読み込んでください。[1]

企業名から一歩進める比較(編集部提案)
気になる領域企業研究で確かめること
食品・生物資源どの原料や商品、顧客の課題に関わる仕事か
製造・化学研究、製造、品質、営業など、募集する役割は何か
IT・情報農業や食品との関係の有無も含め、どんな業務を支えるか
金融・サービス誰の事業や生活を、どのような仕組みで支えるか

大手を希望する人も、大学名だけで内定の見込みを判断せず、求める条件と自分の経験を照合しましょう。今回の資料に大学別の選考基準や大手内定率はありません。社名の候補が増えたら、仕事の中身と興味の接点を比べる段階へ進みます。

2学科6コースの学びを、仕事を見る視点にする

農学部案内2027は、生物生産科学科と応用生物化学科の2学科6コースを紹介しています。生物生産科学科は植物生命科学・農業経済学・動物生命科学・海洋生物科学、応用生物化学科は生物化学・生命化学です。ここでは同案内のコース名を使用します。[1]

学部のWeb案内では、1年次終了後の希望調査や成績、英語のスコアに基づいて学科・コースを決め、コースによる多少の違いはあるものの4年次に研究室へ配属され、卒業研究に取り組むと説明されています。[2]

学びから見つける問い(編集部提案)
コース学んだことを振り返る視点
植物生命科学植物と環境を、どんな条件や単位で捉えてきたか
農業経済学生産者・地域・制度の関係をどう調べたか
動物生命科学動物の機能や生産を、どんな根拠で考えたか
海洋生物科学生態系や資源利用をどのように観察・分析したか
生物化学物質や生命現象を解くためにどんな方法を選んだか
生命化学食品や生体分子の構造・機能をどう確かめたか

この表はコース別の就職先を示すものではありません。例えば、農業経済学では自然科学と社会科学にまたがる学びがありますが、それだけで特定業界への適性を断定できません。授業や研究で自分が関心を持った問いを、希望する仕事の内容に結び付ける材料として使いましょう。[1]

フィールド経験では、現場を見て考えを変えた場面を選ぶ

公式の学生実習案内は、川渡・女川のフィールドを活用し、生産と環境を現場で学ぶことを重視しています。2027年版案内にも生産フィールド実習、農場実習、臨海実習、農村調査実習などが紹介されています。コースや科目によって内容は異なるため、自分が受けた実習から振り返ります。[1] [3]

現場に行った経験を説明するときは、訪問先の名前だけで終わらせず、事前の理解と実際に観察したことの違いを整理します。何を聞き、どんな記録を残し、なぜその解釈にしたのかを話すと、自分の行動が伝わります。

編集部の架空の例では、農村調査で想定していた課題と聞き取り内容が異なり、班で質問の順番を見直した経験が考えられます。「コミュニケーション力がある」だけではなく、相手の回答をどう受け止め、調査目的を保ちながら何を変えたかを説明する形です。実際の経験と置き換え、存在しない調査や成果を加えないでください。

自然条件に左右される調査では、思うような結果が得られないこともあります。採取や観察の条件、自分の担当、解釈の限界を分け、結果を大きく見せるために比較できない数字を並べないようにします。許可のない個人情報や未公開の研究情報も応募書類へ載せません。

実験・研究の専門性を、相手に合わせて説明する

実験系の自己PRでは、手法名を知っていることと、自分で判断して使ったことを分けます。教員や先輩に教わった部分、共同作業の成果、自分が担当した範囲を明確にしましょう。専門外の人には目的を短く伝え、詳しい説明を求められたら手順や条件を補足できる形を作ります。

研究・実習メモの作り方(編集部提案)
書くこと
問い何を確かめたかったか
条件どんな対象や方法を選び、なぜそうしたか
行動自分が記録・比較・相談・修正したこと
結果何が分かり、何はまだ分からないか
接点応募先の仕事を理解する上で何が役立ちそうか

「食品が好き」「環境を守りたい」は関心の出発点になりますが、その企業を選ぶ理由にはもう一段説明が必要です。扱う商品や事業、募集職種を確認し、授業や実習のどの経験からその役割に関心が生まれたかをつなぎます。

研究のテーマと企業の製品が一致しなくても、すぐに候補から外す必要はありません。条件をそろえて比較する、記録から違いを見つける、現場の声を聞くといった経験を具体化し、その仕事でどんな課題に向き合いたいかを考えましょう。採用側が評価すると保証するのではなく、自分を正確に伝える準備です。

進学と就職で迷う条件を、相談前に分ける

東北大学キャリア支援室にはWeb予約による個別相談の案内があります。実施方法は予約画面で確認してください。研究や進学の詳しい条件は指導教員などにも相談し、就活の準備と並行して整理します。[4]

  1. 希望する仕事と続けたい研究を、それぞれ一文にする。
  2. 求人の学位・職種条件と、進学先の研究内容を確認する。
  3. 実験またはフィールド経験を一つ選び、自分の判断を記す。
  4. 相談で足りない情報を確認し、応募先の比較表を直す。

最初から業界を一つに絞れなくても、関心のある二つの仕事を同じ項目で比較することはできます。学部と大学院の実績を分け、自分の学びを具体的な経験へ戻して考えることで、次に調べる情報と準備する書類が見えてきます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東北大学農学部案内2027確認日:2026-09-10 / 冊子p3-10教育・コース、p17進路2026年3月学部と大学院別。全文読了、PDF10ページ目の図を目視
  2. 学部情報確認日:2026-09-10 / 学科コース決定・研究室配属
  3. 学生実習確認日:2026-09-10 / 川渡・女川実習。旧コース名は新案内に置換せず本文採用せず
  4. 個別相談確認日:2026-09-10 / Web予約

次の選考準備に役立つ記事