就職率を見る前に、資料の対象と分母を確認する

早稲田大学は全体の進路資料と学部別の進路資料を公開しています。全体版は学部卒業者と研究科修了者を分け、就業、進学、資格試験等準備などを整理しています。学部や大学院の数字を混ぜないことが、実績を読む出発点です。[1] [2]‌‌‌‌​​​‌‌‌‌​‌‌‌​​​‌‌​‌‌‌​‌​​​​‌‌‌‌‌​​‌‌‌​‌​​​​‌​‌​​​‌​​​​​​​‌‌​​

進路資料を読むときの確認事項
項目確認すること
対象学部卒か、修士修了か、両者の合計か
年度何年度の卒業・修了者で、いつの調査か
分母卒業者全員、報告者、就職希望者のどれか
区分就職、就業、進学、試験準備をどう定義しているか
範囲学部全体か、学科・コース別か、企業一覧の掲載条件は何か

全体版は就職率を「就職希望者に占める就職者の割合」と定義しています。就業には自営業・起業や元職復帰・現職継続を含むとされ、就業と就職の人数は同じとは限りません。卒業者全員に占める割合とも区別してください。[2]

一部の学部では、全体版と学部別資料で報告者数や就業・就職の人数に差があります。本記事の学部比較は学部別資料に統一し、全体版の値と組み合わせて新しい率を計算していません。差の理由が不明なまま、数字をそろえて書き換えることも避けています。[1] [2]

進路は本人の自己申告による集計です。未報告の人がいることや、進学・資格試験準備などの選択も含むことを踏まえ、就職以外の区分を一律に不本意な結果と捉えないようにしましょう。[3]

13学部の進路を、就職と進学の組合せで見る

大学公式の学部一覧には、政治経済、法、文化構想、文、教育、商、基幹理工、創造理工、先進理工、社会科学、人間科学、スポーツ科学、国際教養の13学部が掲載されています。次の表は2025年度学部別資料の一部区分を抜き出したものです。[4]

2025年度卒・学部別資料の就職と進学(2026年5月1日時点)
学部資料上の就職進学
政治経済学部705人81人
法学部514人152人
文化構想学部756人52人
文学部513人83人
教育学部736人109人
商学部782人43人
基幹理工学部156人376人
創造理工学部170人411人
先進理工学部81人409人
社会科学部529人37人
人間科学部449人69人
スポーツ科学部300人45人
国際教養学部376人81人
[1]

この表は就職と進学だけを示しており、卒業者数や進路報告者数、資格試験準備等、その他の区分を省略しています。人数の大小を学部の就職力の順位と考えたり、二列を足して卒業者数としたりしないでください。[1]

理工3学部では進学の人数が就職より多く、同資料には対応する研究科の修士修了者の進路も別に掲載されています。研究開発等の仕事を考える人は、学部卒と修士修了の募集条件・実績を分けて調べる必要があります。[1]

法学部の進学、教育学部の専門分野、人間科学部やスポーツ科学部の学びなども一様ではありません。所属学部の詳しい案内から、学科や履修課程、資格・進学の条件へと確認を進めましょう。

企業名の一覧から、採用主体と募集職種を確認する

学部別資料には、情報通信、金融、専門サービス、メーカー、マスコミ、公務員などへの実績が掲載されています。たとえば商学部の三菱UFJ銀行18人、文化構想学部のNTTデータ21人、法学部の東京都職員Ⅰ類24人など、学部ごとに例を確認できます。[1]

こうした掲載例は大学全体の順位や、自分の内定可能性を示すものではありません。学部別資料の上位就職先は就職者数上位10位かつ3人以上という条件があり、少人数の進路先まで網羅していません。[1]

大学は企業・グループの表記が実際の採用主体や所属会社と異なる場合があると説明しています。応募時は会社名、採用区分、募集職種、配属方法を各社の要項で確認しましょう。[3]

企業を比較する質問(編集部提案)
比較する点確認したいこと
仕事内容誰のどんな課題を扱い、日々何をするか
応募条件対象の卒業時期、専攻、必要な技能や資格は何か
採用主体本体、子会社、グループ採用のどれか
配属・育成職種や勤務地を選べるか、入社後どう学ぶか
自分との接点授業・研究・活動のどの経験を説明できるか

大学名に安心したり、周囲の内定先と比べて焦ったりする前に、自分が取り組みたい仕事と条件を整理してみてください。有名企業への応募と、納得して働ける仕事を探すことを両立させるための比較軸になります。

学部の特徴から、自分の経験を取り出す

学部名を自己PRの代わりにせず、実際に学び、調べ、考え直した場面を選びます。専攻の紹介に終わらず、問い・根拠・自分の行動が見える説明を目指しましょう。

経験を探す入口(編集部提案)
学びの場面振り返ること
政治・経済・法・商・社会科学の学修制度・市場・組織の問題を、どんな根拠で比較したか
文学・文化の研究文献や表現を読み、解釈をどう検討したか
理工系の研究・制作条件、方法、結果、再検証をどう整理したか
教育・人間・スポーツ分野の学修対象の理解や観察を、説明・分析にどう結び付けたか
語学や留学を含む学修異なる前提を確かめ、議論や説明をどう調整したか

表は各学部の全学生が同じ経験を持つという意味ではありません。実験、実習、留学などを行っていない場合は、授業課題やゼミなど自分が経験した場面から探してください。

編集部の架空の例です。「共同課題で資料を整理した際、比較する対象がそろっていないことに気づきました。私は情報の出典と範囲を確認し、班で判断できるよう表にまとめました。結論を急がず、前提を共有する大切さを学びました。」

これは早稲田大学生の体験談ではありません。自分の経験に置き換え、実施していない調査や確認していない効果を付け足さないでください。チーム全体の成果と自分の担当も区別します。

全学の相談と、学部ごとの支援を使い分ける

キャリアセンターの30分相談はキャリアコンパスでの事前予約が原則です。当日の空き枠は電話で受け付け、現行案内の対面会場は早稲田キャンパス6号館1階C Spaceで、オンラインにも対応しています。[5]

オンラインでES等を相談する場合は、相談中に画面共有します。事前送付しても相談員は確認できないため、見てもらう部分と相談したい点を選んでおきましょう。予約条件や休業期間の対応は最新案内を確認してください。[5]

理工の就職・キャリア案内では、自由応募と学校推薦、学科・専攻の担当教員への相談などが示されています。学校推薦の条件や手続きは所属によって確認し、希望すれば必ず使える制度と考えないようにしましょう。[6]

国際教養学部のGNCは、学部独自のセミナー・企業説明会、学生キャリアサポーターへの相談を案内しています。一方、SILS独自の企業就職の特別推薦枠はないと明示されています。学部ごとの制度を全学共通と扱わないことが大切です。[7]

履修・実習・進学に関する条件は学部や研究科、応募先選びやESはキャリア支援窓口というように、相談内容を整理して使い分けましょう。留学中や研究で忙しい時期は、予定表も持ち込むと相談が具体的になります。

実績の確認を、今日の応募準備へつなげる

  • 自分の学部の進路資料を開き、年度・分母・掲載条件をメモする。
  • 気になる募集を比較し、職種・採用主体・配属方法を確認する。
  • 授業や研究から、問い・根拠・担当・修正を一つ書き出す。
  • 就職・進学・資格準備の予定を並べ、重なる時期を確認する。
  • 募集要項と経験メモを用意して、学内相談を利用する。

学歴や経験に不安があるときは、「早稲田ならどうか」という大きな問いだけで考えず、応募条件を満たしているか、仕事の内容を理解しているか、自分の経験が伝わるかに分けてみましょう。確認できる項目にすると、次に何を準備するかが見えやすくなります。

学部別の詳しい記事では、学科・コースの学び、進路資料の注意点、経験の伝え方を扱います。大学全体の一覧で方向をつかんだ後は、自分の所属と入学年度に合う情報を確認して、応募準備を深めてください。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 早稲田大学 2025年度 学部別進路状況確認日:2026-09-11 / 物理2〜17頁、13学部就職/進学・学部別企業例。修士とは分離
  2. 早稲田大学 2025年度 卒業・修了者進路状況確認日:2026-09-11 / 物理1〜2頁の就職率/就業の定義・対象区分。曖昧な列の率は数値不使用
  3. 早稲田大学 進路データ確認日:2026-09-11 / 自己申告・企業名称・データ入口
  4. 早稲田大学 学部・大学院・図書館確認日:2026-09-11 / 学部13、大学院と別一覧
  5. 早稲田大学 個別相談確認日:2026-09-11 / 30分予約・現行所在地・画面共有
  6. 早稲田大学 理工学生就職・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 自由応募/推薦・担当教員・所属ごと確認
  7. 早稲田大学 国際教養学部キャリア確認日:2026-09-11 / GNC支援・SILS独自企業推薦枠なし。旧住所不使用

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