2025年度の進路は、スポーツ関連業種に限定されない

大学の「2025年度 学部別進路状況」のスポーツ科学部資料は、2026年5月1日時点の調査として、卒業者367人、進路報告者363人を掲載しています。その内訳は、資料上の「就職」300人、進学45人、資格試験準備等4人、その他14人です。[1]​‌​​‌‌​​‌​​​‌​​‌​‌‌‌‌‌​‌​‌​​‌​​‌‌‌​​​​‌‌​‌‌​‌‌​​​​​‌‌​​​‌​‌​‌​‌‌

スポーツ科学部の進路内訳
資料の区分人数
就職300人
進学45人
資格試験準備等4人
その他14人
[1]

この表は学部別資料の区分と人数をそのまま用いたものです。卒業者全員が報告しているわけではなく、就職希望者を分母にした就職率とも異なります。大学が別に公表する全体の進路表とは一部の人数に差があるため、両資料の人数と率を組み合わせた独自計算はしていません。[1] [7]

学部の進路案内も、スポーツ分野だけでなく一般企業等へ進むことを説明しています。競技を続けたい人、支える仕事をしたい人、学びを別の業界で使いたい人は、それぞれ仕事内容と応募条件を確認しましょう。[2]

学部全体の結果は、特定のコースや入試方式、競技経験別の採用結果ではありません。自分と似た条件の学生がどの程度採用されたかまで、この表から読み取ることはできません。

就職先の業種と企業例から、比較する対象を広げる

2025年度卒の上位5業種
業種人数学部別資料の割合
メーカー67人22.3%
金融54人18.0%
専門サービス51人17.0%
情報通信31人10.3%
商業26人8.7%
[1]

これらの割合は同資料の「就職」300人に対応する業種内訳であり、卒業者367人全体の割合や、その業界への採用率ではありません。資料にある全学比較欄は学部・修士の合計なので、本稿では学部の割合と並べて優劣を判断しません。[1]

上位就職先には東京海上日動火災保険7人、サントリーホールディングス4人、ファーストリテイリンググループ4人、三井住友海上火災保険4人などが掲載されています。上位10位かつ3人以上を掲載する一覧の例であり、全就職先を網羅したものではありません。[1]

大学は進路情報を本人の自己申告で集計しており、グループ名や持株会社名が実際の採用主体・所属会社と一致しない場合があると説明しています。掲載名称を特定のグループ会社へ勝手に置き換えず、応募時は企業の募集要項で採用主体と業務を確認してください。[6]

大手企業が気になる場合も、過去に採用された人数を自分の内定確率と捉えないことが大切です。「スポーツに関われるか」に加え、営業、企画、運営などの役割、必要な知識、働く条件を比較してみましょう。企業名から卒業生の配属職種を推定することはできません。

6コースの学びを、仕事につながる説明へ整理する

2023年度以降入学者向けのカリキュラム案内では、2年次から6つのコースのうち1つを選びます。スポーツ教育コースは2021年度入学者から募集停止とされているため、古い7コースの案内と現行の構成を混同しないようにしましょう。[3]

6コースと学びを振り返る視点
コース公式の教育内容振り返りの問い(編集部提案)
スポーツ医科学自然科学の理論や測定、運動に伴う身体の働き何を測り、条件と結果をどう比べたか
健康スポーツ生涯の健康づくりや生活の質と身体活動対象者の生活に合わせて何を考えたか
トレーナー予防、トレーニング、コンディショニング等支援の目的と観察した点をどう整理したか
スポーツコーチング技術・戦術の分析や指導の理論と方法感覚だけでなく何を根拠に方法を選んだか
スポーツビジネス経営、マーケティング、組織やサービス誰へ何を提供する仕組みを考えたか
スポーツ文化歴史・社会・文化からスポーツを考える資料や調査から、どんな見方を得たか
[3] [4]

コースで扱う内容と、自分が修得した技能は同じではありません。履修した授業や担当した実習を選び、知識を学んだ段階なのか、自分で調査・分析した段階なのかを分けて説明します。

学科・コース案内には過去の進路例も掲載されていますが、年度がそろっているとは限りません。就職実績を調べる際は、本稿で使った年度付きの学部別資料と区別して読みましょう。[4]

実習・研究・競技の経験を、担当と検証まで記録する

カリキュラムは1年次のスポーツ教養演習での導入教育、2年次後期からの演習、実践的な英語教育を案内しています。また、学外機関と連携するスポーツビジネス実習やフィットネスプロモーション実習なども紹介しています。[3]

スポーツに関わる経験は、選手としての実績だけではありません。授業の調査、運営、分析、実習などで、目的を理解し、他者と協力して進めた場面も振り返れます。参加していない大学の活動を自分の経験として説明しないようにしてください。

経験の整理メモ(編集部提案)
項目記録すること
目的何を改善・理解しようとしたか
担当自分が調査、分析、運営等のどこを担ったか
根拠観察、資料、データ、対話から確認したこと
行動どの方法を選び、なぜ見直したか
検証確認できた結果と、まだ分からないこと

試合や大会の結果には、多くの人の行動や条件が関わります。チームの勝利を自分だけの成果にせず、自分が提案・実施したことを選びましょう。練習方法と結果の関係を十分に確かめていない場合は、改善効果を断定しないことも大切です。

履修案内には2027年度以降入学者用の基準も掲載されています。現在の在学生は、自分の入学年度の要項で科目や単位の条件を確認し、将来の基準をそのまま適用しないようにしてください。[3]

教職・大学院も含め、希望する役割を具体化する

スポーツ科学部は中学校一種・高等学校一種の保健体育の教員免許状と、各種資格取得の支援を案内しています。教職を考える場合は、必要な履修と実習の条件を確認し、免許取得と教員採用の準備を分けて進めましょう。[2]

コース名に医科学やトレーナーが含まれていても、それだけで医療系の国家資格が得られるという意味ではありません。目指す仕事に資格が必要かを調べ、資格ごとの受験・取得条件を確認してください。

進路資料には進学45人も掲載されています。研究を続ける道を考える場合は、関心のある問い、研究方法、指導体制、入試、費用や期間を比較します。進学人数を大学院への合格率や、希望する仕事への近道の証拠と捉えないようにしましょう。[1]

編集部の架空の例です。「競技の分析を行う演習で、私は記録の分類を担当しました。班の中で分類の基準が違っていたため、例を示して基準を話し合い、同じ方法で記録を見直しました。結論を急がず、比較できる情報を整える大切さを学びました。」

これは早稲田大学生の体験談ではありません。自己PRに使う場合は、自分の経験へ置き換えてください。競技成績が目立たなくても、考え方や協力の仕方を具体的に説明する準備はできます。

キャリア相談に、募集要項と経験メモを持っていく

キャリアセンターは、就活や進路の個別相談を案内しています。30分相談はキャリアコンパスでの事前予約を原則とし、当日の空き枠は電話予約を受け付けます。対面は早稲田キャンパス6号館1階のC Spaceで、オンライン相談も案内されています。[5]

相談では、応募を考える募集要項と、実習・研究・競技の経験を短くまとめたメモを用意しましょう。「スポーツ業界以外でもよいか」と広く尋ねるだけでなく、どんな業務に関心があり、自分の経験をどう説明したいかを伝えます。

オンラインでES等を相談する場合は、相談中の画面共有が案内されています。事前送付しても相談員は確認できないため、時間内に見てもらいたい箇所を選んでおきます。利用回数や休業期間、相談形式は最新の案内を確認してください。[5]

  • 自分の入学年度とコースの履修内容を確認する。
  • スポーツ関連とそれ以外の仕事を、担当業務で比較する。
  • 経験を目的・担当・根拠・行動・検証の順でまとめる。
  • 募集要項とメモを用意し、学内相談で説明を見直す。

大学名や競技の肩書だけに判断を任せず、学びを通して何ができるようになったかを具体化しましょう。そこから仕事内容を比較することが、納得して応募先を選ぶ準備になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 早稲田大学 2025年度 学部別進路状況確認日:2026-09-11 / 物理8頁、スポーツ科学部。2026/5/1、卒367報告363就職300進45準備4他14、業種上位5と企業表。全体PDFの362/299と相違のため混合計算なし
  2. 早稲田大学 卒業後の進路と資格確認日:2026-09-11 / スポーツ以外の進路、保健体育中高一種、資格支援
  3. 早稲田大学 カリキュラム確認日:2026-09-11 / 2023以降、2年6コース・2後期演習、実習、2027履修基準区別
  4. 早稲田大学 学科・コース確認日:2026-09-11 / 6コースの教育本文のみ。年度不明企業例・学生インタビュー不使用
  5. 早稲田大学 個別相談確認日:2026-09-11 / 30分予約/電話当日枠、C Space・オンライン、資料画面共有・事前送付不可
  6. 早稲田大学 進路データ・進路報告確認日:2026-09-11 / 本人自己申告、企業/グループ/採用主体の注意
  7. 早稲田大学 2025年度 卒業・修了者進路状況確認日:2026-09-11 / 物理2頁のスポ科362/299と学部別資料363/300が相違。率との組合せ不採用

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