就職決定率96.0%は就職希望者が分母

2026年5月1日現在の2025年度卒業者資料によると、静岡大学の学部卒業者は1,899人、就職希望者は1,138人、就職決定者は1,092人、就職未決定者は46人です。就職決定率96.0%は、決定者を希望者で割った割合と明記されています。[1]​‌‌​​‌‌​‌‌‌‌​‌‌‌​‌​‌​‌‌‌‌​​​​‌‌​‌​​​​‌​​​​‌‌​‌​‌‌​​‌‌‌​​​​​​​‌​​

2025年度学部卒業者全体の進路
項目人数・割合
卒業者1,899人
就職希望者1,138人
就職決定者1,092人
就職未決定者46人
就職決定率96.0%
大学院進学711人
研究生として進学2人
その他の進学6人
その他42人
[1]

進学者などもいるため、全卒業者の96.0%が就職したという意味ではありません。進学した人を未就職と扱わず、本人がどんな学びや仕事を選んだかを分けて見ましょう。大学全体の数字から、特定の企業への採用可能性も判断できません。[1]

学部ごとに就職と大学院進学の構成が違う

同じ大学でも、人文社会科学部や教育学部と、工学部や農学部では進路の構成が異なります。以下は2025年度卒業者の学部別の数字です。大学院進学者は就職希望者とは分けて掲載されています。[1]

2025年度の学部別進路(2026年5月1日現在)
学部・学環卒業者就職希望者就職決定者決定率大学院進学
人文社会科学部392人363人335人92.3%7人
教育学部290人266人265人99.6%21人
情報学部239人143人142人99.3%91人
理学部217人95人87人91.6%110人
工学部528人147人145人98.6%377人
農学部181人77人72人93.5%101人
地域創造学環52人47人46人97.9%4人
[1]

この率だけで学部を順位付けすることは適切ではありません。進学する人の割合や希望する仕事、採用試験などが違います。また、表にある地域創造学環の実績を、新しいグローバル共創科学部の実績として移すことはできません。[1] [3]

学部サイトに別の率がある場合は、まず分母と年度を確認してください。たとえば農学部の学科別グラフは、進学内定者を除く卒業生が就職率の分母で、上の全学資料とは定義が異なります。[1] [5]

人文社会科学部と教育学部は、企業・行政・教職を具体化する

人文社会科学部の就職決定者335人は企業等231人、公務員101人、教員2人、自家営業1人です。主な就職先資料は夜間を含む学部の欄で公表されています。学科別の就職率や企業の採用人数に読み替えないようにしましょう。[1] [2]

社会、言語文化、法、経済などで本人が学んだ内容を、調べた資料や問い、考えた過程に沿って整理すると、選考での説明に使えます。企業と公務員を併願する場合は、採用区分や日程、志望理由の準備を分けて考えてください。

教育学部の就職決定者265人のうち教員は174人ですが、非常勤講師を含む数字です。企業等69人、公務員22人の進路もあります。就職決定率を教員採用試験の合格率と混同せず、免許取得と採用条件を確認しましょう。[1]

教育実習や授業の経験は、相手の理解をどう確かめ、説明や支援をどう変えたかを具体的に振り返ります。教員を目指す人も企業を目指す人も、経験したという事実だけでなく本人の判断を説明する準備が必要です。

情報・理・工は、希望職種と学位の条件を照合する

情報学部は大学院進学91人、理学部は110人、工学部は377人と掲載されています。進学が多いから本人も進学すべきと決まるわけではありません。研究したいテーマ、仕事の募集条件、費用や時間を並べて考えてみましょう。[1]

情報学部のサイトでは情報科学、行動情報、情報社会の3学科ごとに2023~2025年度卒業生の進路が掲載されています。情報関連企業に加え、金融、製造、官公庁などの掲載もあります。3年度合算の情報と最新単年度の学部全体の数字を分けて使ってください。[6]

理学部や工学部の研究を説明するときは、目的、本人の役割、実験・設計・解析の方法、結果の限界を整理します。専門用語を多く並べるより、何を明らかにしようとし、どう判断したかを短く説明できるようにしましょう。

企業の研究・開発という名称だけでは、実際の業務や必要な専門性は分かりません。職種別募集か、学部卒と修士で応募区分が異なるか、どんな研究説明が求められるかを、募集要項で確認してください。

農学部の2学科と、新しいグローバル共創科学部を読み分ける

農学部は生物資源科学科と応用生命科学科の学部卒の進路を、修士修了者と分けて掲載しています。2025年度の学科別の主な就職先では、食品や素材に関わる企業だけでなく、金融、交通、官公庁なども確認できます。[5]

農場や森林などでの実習、生命科学や食品などの実験を、対象・条件・本人の役割に沿って整理しましょう。企業名だけで研究職や技術職への配属を推定せず、具体的に募集されている仕事を確認してください。

グローバル共創科学部は2023年4月に開設されました。4年間で卒業する通常の進級を前提にすると、初めての卒業時期は2027年3月にあたります。2026年9月時点で、上の2025年度卒業者表に同学部の卒業実績はありません。[1] [3]

同学部は国際地域共生学、生命圏循環共生学、総合人間科学の3コースを案内し、卒業後の想定進路を示しています。想定する仕事と、卒業生が実際に就職した実績は異なります。旧地域創造学環の就職率や社名を、新学部の結果として紹介しないことが大切です。[3] [4]

就職先の企業名から、配属職種や大手就職率は判断できない

2025年度の主な就職先資料では、人文社会科学部に静岡銀行や日本銀行、工学部にスズキやヤマハ発動機、理学部に日立システムズや本田技研工業などの掲載があります。まず自分の学部の欄を確認し、実際の求人で仕事内容を調べましょう。[2]

この資料の1ページ目は学部卒業者、2ページ目は大学院修了者です。両方の企業名を混ぜて学部だけの実績を大きく見せたり、グループ会社を親会社の採用実績へ置き換えたりすることはできません。[2]

社名の一覧は採用人数や職種、入社可能性を示すものではありません。大手企業の統一定義と該当人数もないため、大手就職率は算出できません。学歴の評価を想像するだけでなく、応募できる条件と自分の準備を確かめてください。

応募先を選ぶ比較表(編集部の提案)
項目確認すること
仕事内容誰のどんな課題に関わるか
募集条件学位・資格・専門性に条件があるか
配属・勤務地職種や地域がいつ決まるか
選考書類、試験、面接で何を求めるか
本人の経験授業・研究・活動から何を説明できるか

学内支援へ、迷っている段階から相談する

静岡大学は、キャリアデザイン教育、静岡・浜松両キャンパスでのガイダンスや合同企業説明会、個別の就職相談を案内しています。書類や面接だけでなく、公務員試験、大学院進学、インターンシップの選び方などの相談も対象です。[7]

インターンシップでは事前学習、実習、事後学習に分けた指導が紹介されています。参加する企業の名前だけでなく、確かめたい仕事内容を決め、終了後に学んだことを振り返ると、応募先を選ぶ材料になります。[7]

今週は気になる求人や採用案内を3件調べ、授業・研究・活動から経験を一つ選んでみましょう。目的、本人の役割、判断、結果を短くまとめ、支援窓口に持ち込んで相談してください。

学部や大学の実績は、選択肢を知るための情報です。本人の価値や合否を決める数字として抱え込まず、仕事を調べ、経験を整理し、必要な準備を一つずつ進めていきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 静岡大学 学部卒業就職者数・進学者数・主な就職分野等確認日:2026-09-11 / 2025年度卒、2026年5月1日、学部全体と各学部
  2. 静岡大学 2025年度卒業者・修了者 主な就職先確認日:2026-09-11 / 1頁学部、2頁大学院を区別
  3. 静岡大学グローバル共創科学部 学部概要確認日:2026-09-11 / 2023年4月開設、3コース
  4. 静岡大学グローバル共創科学部 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 想定する進路と実績の区別
  5. 静岡大学農学部 就職情報・学生支援確認日:2026-09-11 / 学科別率の分母と学部院の区別
  6. 静岡大学情報学部 就職実績・支援体制確認日:2026-09-11 / 2023–2025年度卒の学科別進路、修士別
  7. 静岡大学の就職支援確認日:2026-09-11 / 全学キャリア教育、両キャンパスガイダンス、個別相談