就職率97.6%を卒業者全体の割合と混同しない

公式の2024年度卒業・修了者の進路資料は、2025年5月1日現在の状況を示しています。学士課程の卒業者は1,704人、就職希望者931人、就職決定者909人で、就職率97.6%です。進学者624人、臨床研修115人は就職決定者とは別の区分になります。[1]‌​‌​​‌‌‌‌​‌‌​‌‌​​‌​​​‌‌​​​​​‌​‌‌‌‌​‌‌​​​‌‌​​‌‌​‌​‌‌​‌​‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌

2024年度・学域別の進路
学域卒業者進学者就職希望者就職決定者就職率
人間社会学域676人41人616人601人97.6%
理工学域608人474人124人119人96.0%
医薬保健学域370人90人161人159人98.8%
融合学域50人19人30人30人100.0%
全体1,704人624人931人909人97.6%
[1]

この就職率は就職希望者に対する決定者の割合です。大学院への進学を選んだ人が多い学域について、就職決定者が少ないことをそのまま就職の弱さと捉えることはできません。また、進学者624人は別科などを含むため、全員が大学院へ進んだという説明にもなりません。[1]

統計には旧学類の卒業者も含まれています。特に融合学域は、上表の2024年度と、後述する2025年度で卒業者のいる学類が異なります。同じ年の比較にはこの表を使い、学域独自の新しい情報は年度を明記して別に確認しましょう。[1] [3]

4学域の違いを進路選びの入口にする

現在の金沢大学は4学域20学類の構成です。人間社会学域、理工学域、医薬保健学域、融合学域の中にも専門の異なる学類があります。大学名で一括りにせず、自分の専門と希望する働き方の関係を考えることが大切です。[2]

学域ごとに確認したいこと
学域2024年度実績の特徴進路を調べる視点
人間社会就職601人のうち官公庁134人、教員65人民間企業・公務・教員の準備と学類の違い
理工進学474人、うち大学院473人学部卒での応募と大学院進学を比較
医薬保健臨床研修115人は就職者とは別集計専門職、研究、研修と資格条件を区別
融合2024年度は先導学類の卒業者50人新しい学類の卒業実績は別年度の資料も確認
[1]

人間社会学域でも、公務員を目指す人だけでなく民間企業に就職する人がいます。理工学域にも学部卒で就職する人がおり、医薬保健学域にも進学者がいます。学域名から進路を一つに決めず、自分が学んだことを仕事や研究のどこで使いたいかを具体化しましょう。

主な就職先は学士と大学院の列を分けて見る

2024年度の学士課程で確認できる就職先の例
学域掲載先
人間社会三菱UFJ銀行、北陸銀行、TOPPAN、小松製作所、日本アイ・ビー・エム、西日本旅客鉄道
理工トヨタ自動車、日産自動車、金沢村田製作所、PFU、大林組、清水建設
医薬保健(医学類を除く)金沢大学附属病院、金沢医科大学病院、キッセイ薬品工業、中外製薬、アインファーマシーズ
融合PFU、北陸電力
[1]

公式一覧は、学士の各学域と、修士・博士などを別々の列で示しています。大学院の欄にある企業を、そのまま学部卒の就職先とすることはできません。また、企業別の欄だけでは、どの学類からどの職種に就職したかは分かりません。上の表も学域単位の実績として読んでください。[1]

知名度のある企業への実績は確認できますが、それだけで「学歴による選考がない」「入学すれば採用される」とは言えません。希望する会社が見つかったら、現在の募集職種、必要な学位・資格、選考日程を確認しましょう。企業名の数を数えて大手就職率を作ることも、公式資料の定義がない限り適切ではありません。

勤務地は本社所在地と区別して確認する

2024年度の学士課程就職者909人の勤務地から抜粋
地域人数
石川県274人
富山県66人
福井県49人
関東234人
東海118人
近畿69人
[1]

大学の進路資料には、企業の本社所在地とは別に勤務地の表があります。北陸だけでなく関東、東海、近畿などの勤務地も確認できます。上の表は地域の一部を抜粋したもので、掲載した行だけを全員の内訳として扱わないでください。[1]

会社の本社が石川県にあるから石川県勤務、東京にあるから東京勤務とは限りません。地元で働きたい場合は配属地域、転勤、採用区分を確認します。地域より仕事内容を優先したい場合も、初任配属と将来の異動の違いを調べ、生活面の条件と合わせて比較しましょう。

融合学域には2025年度の新しい実績がある

融合学域の公式ページでは、2025年度に先導学類51人、観光デザイン学類26人が卒業し、観光デザイン学類は初めての卒業者を出したと説明しています。スマート創成科学類は2027年3月に初卒業の予定です。[3]

2025年度の掲載先には、先導学類でクボタ、スズキ、関西電力、国際協力機構など、観光デザイン学類でテレビ神奈川、空港ターミナルサービス、石川県観光連盟、東京都庁などがあります。これらを2024年度の全学実績に混ぜたり、スマート創成科学類の就職先としたりしないようにしましょう。[3]

同ページの図で示される先導学類の就職69%、観光デザイン学類の就職65%は、卒業者の進路構成を表す割合です。全学の97.6%と違い、就職希望者を分母にする率ではありません。年度だけでなく数字の意味も確認することが、誤った比較を防ぎます。[3]

大学の支援を使って準備を具体化する

キャリア支援では、専門の相談員による相談、エントリーシート添削、面接練習、求人情報や各種ガイダンスなどを案内しています。応募先が決まってからだけでなく、就職と進学、民間と公務などの選択を考える段階でも、現在の考えと迷っている点を整理して相談しましょう。[4]

就職体験記は、アカンサスポータルから学務情報サービス、ポートフォリオ、就職システムへ進む方法が案内されています。OB・OGの在職者名簿はキャリア支援のカウンターで確認する案内です。過去の選考の進み方は参考にしつつ、今年の締切や条件は応募先の情報で再確認してください。[4]

オンライン面接用の部屋は中央図書館や自然科学系図書館で予約して利用する案内があります。推薦書については指導教員または就職担当教員への依頼が示されています。利用したい支援の手順を早めに確かめ、研究・実習や授業と準備の予定が重なる場合は相談しておきましょう。[4]

大学の数字を自分の行動に変える

今日の準備(編集部の提案)
手順行うこと
1自分の学域・学類の進路を確認し、就職・進学・研修の希望を整理
2関心のある募集や進学先を一つ読み、条件と締切を記録
3ゼミ・研究・実習で本人が担当した経験を一つ書き出す
4仕事内容や学位条件の不明点を、教員・キャリア支援への質問にする

経験の説明では、授業名や研究テーマだけでなく、目的、自分の行動、結果や考えの変化を示します。就職先の一覧は応募先を探す入口、就職率は過去の進路を理解する資料です。数字を自分の採用可能性に置き換えるのではなく、希望する仕事に向けて何を調べ、何を準備するかまで具体化しましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 金沢大学 令和6年度卒業・修了者の進路状況確認日:2026-09-11 / 全70頁本文画像、学士p2–3、勤務地p20、就職先学士列
  2. 金沢大学 学域・学類確認日:2026-09-11 / 現行4学域20学類
  3. 金沢大学 融合学域 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 2025年度の2学類、添付図2枚も確認
  4. 金沢大学 キャリア支援 FAQ確認日:2026-09-11 / 相談、体験記、名簿、面接部屋、推薦書