98.8%と臨床研修・進学を分けて読む

2024年度卒業者の進路(2025年5月1日現在)
学類卒業者進学者就職希望者就職決定者臨床研修
医学類117人1人0人0人115人
薬学類37人5人32人32人0人
医薬科学類12人12人0人0人0人
保健学類201人70人128人126人0人
旧・創薬科学類3人2人1人1人0人
学域合計370人90人161人159人115人
[1]

現在の学域は医学類、薬学類、医薬科学類、保健学類の4学類です。2024年度の統計には旧・創薬科学類の卒業者3人も含まれているため、表では別の行に残しています。過去の学類と現在の学類を無条件に一つにまとめないようにしましょう。[1] [2]​‌‌​‌​‌​‌​​​‌‌‌​‌​‌​​​​​‌​‌​​​‌​​‌‌‌‌​‌​‌‌‌​‌‌‌​​‌​‌‌‌​​​‌‌‌‌​​‌

学域の98.8%は159人を161人で割った就職希望者に対する割合です。卒業者370人に対する割合でも、医療系資格の合格率でもありません。医学類は臨床研修115人が別区分で、就職決定者0人を就職できなかった結果と解釈するのは不適切です。[1]

保健学類の進学70人には、大学院57人のほか、別科8人、その他5人が含まれています。学域全体の進学90人についても、すべてを大学院進学者と書き換えることはできません。就職と進学の双方が決定した人は就職として扱う資料の定義にも注意してください。[1]

医学類は臨床研修を含む進路として考える

医学類の教育目的では、早期体験実習、基礎研究への配属、少人数の学習、地域医療、診療参加型の臨床実習などを通じた教育が示されています。知識の修得に加え、医療を担う責任やチームでの関わりを学ぶ構成です。[3]

2024年度の医学類は卒業者117人のうち、臨床研修115人、進学1人、その他1人です。企業就職の一覧は医学類を除いた医薬保健学域の欄になっています。そこに載る病院を、そのまま医学類の研修先として紹介することはできません。[1]

進路の検討では、希望する研修先の募集情報や教育内容を確認し、臨床実習で関心を持ったことを整理しましょう。自分が見学・実習で経験した範囲と、医師として独立して行える業務を混同せず、指導を受けて学んだこととして説明する姿勢が大切です。

薬学類の専門職養成と医薬科学類の研究基盤を区別する

薬学類は薬剤師の養成を目的に、薬学の知識・技術、倫理、臨床に関わる教育を示しています。一方、医薬科学類は生命医科学と創薬科学に関する研究基盤を学ぶ学類です。名称が近くても、教育目的や卒業後の進路を同じものとして扱うことはできません。[3]

2024年度の薬学類は就職希望者32人に対して32人が就職し、5人が進学しています。医薬科学類は卒業者12人全員が進学として集計されています。医薬科学類の就職者0人を就職の弱さと評価するより、研究を続ける選択が確認できる年度だと捉える方が適切です。[1]

薬に関わる仕事でも、調剤や服薬支援に携わりたいのか、実験・分析を深めたいのか、製品の開発や安全性に関心があるのかによって調べる内容が変わります。募集職種の資格・学位条件を確認し、学部卒で応募する道と大学院で専門性を深める道を指導教員に相談してください。

実習や研究の説明では、目的、用いた方法、自分の担当、結果から考えたことを順に整理できます。未検証の結果を有効性が証明された成果として言い切らず、追加で確認すべきことまで説明できるようにしましょう。

保健学類は専門分野と職種を合わせて確認する

保健学類の教育目的では、看護、診療放射線、検査、理学療法、作業療法などの専門性を持ち、医療の現場や研究で貢献する人材の養成を示しています。学類全体の就職先を見つけたら、自分が学ぶ専門分野に対応する募集があるかまで調べる必要があります。[3]

2024年度の保健学類は就職希望者128人、就職決定者126人で、就職率98.4%です。進学先を考える人もいるため、就職率だけでなく、前述の進学70人の内訳も見て、自分の目的に近い経路を比較しましょう。[1]

病院を選ぶ場合は、所在地や規模に加え、希望職種の配属、教育・研修、勤務条件などを募集先の案内で確認します。実習で患者や利用者の状態をどう理解し、指導者に何を相談したかは、学びを振り返る材料になります。個人を特定できる情報は応募書類に持ち込まず、学習上の課題と自分の行動を中心に整理しましょう。

病院・製薬・薬局の実績は学域単位の一覧

2024年度の学士・医薬保健学域(医学類を除く)の就職先例
区分掲載先
病院金沢大学附属病院、金沢医科大学病院、石川県立中央病院
医薬品関連キッセイ薬品工業、小野薬品工業、中外製薬、ロート製薬
薬局・ドラッグストアアインファーマシーズ、ウエルシア薬局、スギ薬局
公的機関医薬品医療機器総合機構
[1]

一覧では金沢大学附属病院26人、金沢医科大学病院6人、石川県立中央病院3人が、学士・医薬保健学域の欄に確認できます。大学院修了者は別の列です。表の企業・施設について、薬学類出身か保健学類出身か、どの職種かは特定できないため、学域の実績として紹介しています。[1]

製薬企業への就職実績があることから、学部卒全員が研究職に就けると判断することはできません。病院名も採用職種を保証するものではありません。興味を持った施設や企業の募集を一つずつ確認し、必要資格、学位、業務内容を比較してください。

国家試験と就職率は別の数字

2024年度資料に掲載された国家試験結果の例(新卒)
試験受験者合格者合格率
医師117人117人100.0%
薬剤師37人35人94.6%
看護師78人77人98.7%
[1]

ここでは新卒の受験者・合格者を示しています。既卒を含む全体の合格率とは異なり、看護師試験の受験者78人は保健学類の卒業者201人全体でもありません。国家試験の合格と就職の決定は確認する時点や条件が異なるため、二つの数字を足したり、どちらかで他方を代用したりしないようにしましょう。[1]

試験準備と応募準備の時期が重なる場合は、試験日程、施設の応募締切、見学や面接、実習・研究の予定を一つにまとめます。資格取得が採用条件になっているかも、個々の募集で確認してください。

教員とキャリア支援へ相談する材料をそろえる

大学のキャリア支援では相談、エントリーシート添削、面接練習などを案内しています。専門職や研究の進路に関する条件は教員にも確認し、応募書類の伝え方や面接の準備ではキャリア支援を利用すると、相談内容を具体化できます。[4]

今日の準備として、就職、進学、研修のうち検討している経路を書き、気になる募集や進学先を一つ調べましょう。そのうえで、実習や研究で印象に残った経験を一つ選び、何を学び、次に何を深めたいかを短く整理します。学域全体の数値に合わせるのではなく、専門性と希望する仕事がつながるかを確かめることが出発点です。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 金沢大学 令和6年度卒業・修了者の進路状況確認日:2026-09-11 / 全70頁本文画像、p2–3進路、p17国家試験、就職先は学士医薬(医学除く)
  2. 金沢大学 学域・学類確認日:2026-09-11 / 医学・薬学・医薬科学・保健
  3. 金沢大学 教育目的(学士課程)確認日:2026-09-11 / 医療専門職養成と研究基盤の違い
  4. 金沢大学 キャリア支援 FAQ確認日:2026-09-11 / 相談・ES添削・面接練習