進学が多い学域なので就職者数だけで判断しない
2024年度卒業者の進路資料では、理工学域の卒業者は608人、進学者は474人、就職希望者は124人、就職決定者は119人です。進学者のうち大学院は473人、その他の進学は1人。進学全体では卒業者の78.0%、大学院に限ると77.8%となり、同じ数字ではありません。[1]
| 学類 | 卒業者 | 進学者 | 就職希望者 | 就職決定者 |
|---|---|---|---|---|
| 数物科学類 | 72人 | 52人 | 19人 | 19人 |
| 物質化学類 | 77人 | 74人 | 3人 | 3人 |
| 機械工学類 | 100人 | 80人 | 17人 | 17人 |
| フロンティア工学類 | 104人 | 93人 | 9人 | 8人 |
| 電子情報通信学類 | 88人 | 74人 | 13人 | 11人 |
| 地球社会基盤学類 | 102人 | 55人 | 45人 | 44人 |
| 生命理工学類 | 59人 | 45人 | 13人 | 12人 |
学域全体の統計には、表の現行7学類以外に旧・機械工学類4人、旧・電子情報学類2人の卒業者も含まれています。また、フロンティア工学類の進学93人には、大学院92人とその他1人が含まれます。入学年度による学類構成の違いも確認してください。[1] [2]
就職率96.0%は119人を124人で割った、就職希望者に対する割合です。卒業者全員の割合ではありません。学類によっては就職希望者が少なく、一人の違いで率が大きく変わります。率だけで学類を順位付けしたり、個人の採用可能性と結び付けたりせず、進学者数も含めて読んでください。[1]
学部卒の就職先として確認できる企業・自治体
| 分野 | 掲載先 |
|---|---|
| 自動車・輸送機器 | トヨタ自動車、日産自動車、豊田自動織機 |
| 機械・電子関連 | 中村留精密工業、金沢村田製作所、PFU、EIZO |
| 建設 | 鹿島建設、大林組、清水建設、前田建設工業 |
| 交通・インフラ | 東日本旅客鉄道、西日本高速道路 |
| 自治体 | 石川県庁、金沢市役所、富山県庁 |
公式の就職先一覧は、学士の理工学域と大学院の自然科学研究科などを別の列で示しています。この表は学士欄に記載がある掲載先です。ただし、個々の会社について7学類のどこから就職したか、どの職種に採用されたかまでは分かりません。[1]
企業名が知っている会社だからという理由だけで、自分の専門と合うとは限りません。設計、開発、製造、品質、情報システムなどのうち何に関心があるかを整理し、実際の募集職種を確認します。採用実績は過去の結果であり、同じ条件の募集や採用を保証するものではありません。
大学院へ進む理由を研究と仕事の両面で考える
同じ2024年度資料では、大学院の自然科学研究科の修士・博士前期課程は、修了者495人、進学者53人、就職希望者431人、就職決定者422人、就職率97.9%です。これは学部の理工学域119人とは別の集団で、両者を足して学部卒の実績として紹介することはできません。[1]
進学を考える際は、周囲に進学者が多いという理由だけで決めず、研究したいテーマ、希望する指導体制、学費・生活費、修了後の募集条件を確認しましょう。学部で就職する場合も、研究に近い分野か、技術を使って別の課題に関わる仕事かを具体化します。
比較表には、学部卒で応募できる職種、修士等の学位を求める職種、興味のある研究室のテーマ、選考・試験の時期を書きます。条件が分からない項目を教員やキャリア支援への質問に変えると、進学と就職の検討を並行して進められます。
7学類の学びを研究説明につなぐ
| 学類 | 専門の軸 | 経験を説明するときの問い(編集部の提案) |
|---|---|---|
| 数物科学類 | 数学・物理学・計算科学 | 仮定や計算結果をどう検証したか |
| 物質化学類 | 基礎化学と応用化学 | 条件を変えた理由と結果の違いは何か |
| 機械工学類 | 高度・精密・知能化したものづくり | 設計や測定で何を優先したか |
| フロンティア工学類 | 電子情報・機械・物質をまたぐ工学 | 異なる知識をどの課題のために組み合わせたか |
| 電子情報通信学類 | 電気・電子・情報・通信 | 動作の確認や問題の切り分けをどう進めたか |
| 地球社会基盤学類 | 地球・環境と土木・都市の基盤 | 自然条件と社会の要請をどう考えたか |
| 生命理工学類 | 生命科学と工学・情報の接続 | 生命現象を調べる方法をどう選んだか |
応募書類には専門用語を並べるだけでなく、何のために取り組み、本人が何を行ったかを書きます。研究室全体のテーマと自分の担当を分け、実験・解析・製作のどこを担ったか、どの判断を教員や仲間に相談したかを明確にしましょう。
例えば実験結果が予想と違った経験なら、違いに気付いた根拠、見直した条件、再確認した結果まで整理できます。設計やプログラムであれば、動くものを作ったという結論だけでなく、制約、確認方法、残っている課題を説明します。実際に行っていない改善や、研究室全体の成果を自分の実績として書かないことが前提です。
専門外の相手にも伝わる説明を用意すると、面接練習で確認する点が明確になります。短い説明では目的と役割、詳しい説明では方法と検証というように内容を分け、質問されたときに根拠を補えるようにしてください。
推薦と自由応募の手順を先に確認する
大学のFAQでは、就職用の推薦書について、指導教員または就職担当教員に依頼する案内があります。推薦を検討する場合は、募集に書かれた応募方法と学内の手順を教員へ確認してください。推薦の存在だけで、採用や希望部署への配属が決まるわけではありません。[4]
自由応募も含めて、応募先ごとの締切、必要書類、試験や面接の日程を整理します。推薦の扱いや応募後の対応が不明な場合は、自己判断で手続きを重ねず、応募前に確認することが大切です。研究・授業の予定と重なる時期も、早めに相談しましょう。
就職体験記と相談を応募準備に使う
キャリア支援では、相談員への相談、エントリーシート添削、面接練習を案内しています。就職体験記はアカンサスポータルから学務情報サービス、ポートフォリオ、就職システムへ進む方法が示されています。過去の体験記は準備の参考とし、現在の選考条件は募集先の案内で確認しましょう。[4]
研究内容の説明文と、関心のある募集情報を一つずつ持参すると、「専門が伝わるか」「仕事を選ぶ理由が明確か」を相談できます。就職か進学かが未決定でも、比較した結果と未確認点を整理して持参すれば、次に調べる内容を具体化しやすくなります。
今日できることは、研究・実験で自分が担当した経験を一つ書き出し、希望する仕事との関係を考えることです。その後、応募条件と進学条件を確認し、締切から準備を逆算しましょう。学域全体の進学率や有名企業の実績を、自分に合う経路を選ぶための材料として使ってください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 金沢大学 令和6年度卒業・修了者の進路状況確認日:2026-09-11 / 全70頁本文画像、p2–3学士、p4–5修士、p32–62就職先の学士理工列
- 金沢大学 学域・学類確認日:2026-09-11 / 理工学域の現行7学類
- 金沢大学 教育目的(学士課程)確認日:2026-09-11 / 7学類の専門と教育目的
- 金沢大学 キャリア支援 FAQ確認日:2026-09-11 / 推薦書、体験記、相談・添削・面接練習