就職率94%は、就職を希望した学生が分母

大学が公開する2025年度の学部進路状況では、卒業者1,016人のうち就職者549人、進学者133人、その他334人です。集計時点は2026年4月1日で、就職希望者は586人とされています。就職率94%は就職者を希望者で割った大学公表値であり、卒業者全体の94%が就職したという意味ではありません。[1]​‌‌‌‌‌​​​​​‌​​​‌​​‌​​‌‌​‌‌‌‌‌​​​​​‌​‌‌​‌​‌​‌​​​​​​​‌​​​​​​‌‌‌‌‌​

2025年度の学部卒業後の進路(大学公表値)
項目人数・割合読み方
卒業者1,016人学部の集計対象
就職希望者586人卒業者の一部
就職者549人卒業時の進路区分
進学者133人就職者とは別の進路区分
その他334人作家活動を含む
就職率94%就職者÷就職希望者
[1]

「その他」には作家活動が含まれていますが、内訳の全容はこの表から分かりません。全員が独立作家になった、あるいは全員が就職できなかったと決めつけることはできません。また、就職希望者を就職・進学・その他の人数に加えると二重に数えることになります。[1]

同じページには大学院や外国人留学生の表もあります。大学院の修了者を学部卒業者に加えず、外国人留学生の「全卒業者の内数」も重ねて数えないようにします。数字を比較するときは、年度だけでなく学位や対象者もそろえることが必要です。[1]

2学部12学科から、自分に近い進路を調べる

通学課程は造形学部の10学科と、造形構想学部の2学科で構成されています。造形学部には日本画、油絵、彫刻、視覚伝達デザイン、工芸工業デザイン、空間演出デザイン、建築、基礎デザイン、芸術文化、デザイン情報があります。造形構想学部はクリエイティブイノベーションと映像です。[2]

学科によって進路の構成は異なり、2025年度は日本画で卒業45人中就職16人・進学9人、視覚伝達デザインで113人中就職75人・進学12人、映像で82人中就職33人・進学15人です。少数の例から学部全体を評価せず、自分の学科の表と説明を読みましょう。[1]

学びを仕事へつなげて考える視点(編集部提案)
学びの例経験を振り返る問い
絵画・彫刻などの制作表現や素材を選ぶとき、何を試して判断したか
製品・空間・情報のデザイン誰に使ってもらう、何を伝えるために工夫したか
芸術文化の企画企画の目的をどう共有し、実施まで何を担ったか
CIのプロジェクト課題をどのように見つけ、仮説をどう確かめたか
映像の制作作品全体の中で、どの工程と判断を担当したか

映像学科は2019年に造形学部から造形構想学部へ移設されています。また、造形学部には通信教育課程もあります。本記事は通学課程を中心に扱っているため、旧学部構成や通信教育課程の学修・支援条件を同一のものとして読み替えないようにしてください。[2] [3]

社名を眺めるだけでなく、採用職種を調べる

公式の学科別進路説明には、デザイン・映像などの専門的な仕事に加え、企画やマネジメント、総合職、公共性の高い分野への進路も紹介されています。たとえば芸術文化では企画・マネジメント、デザイン情報では総合職を含む幅広い分野の説明があります。[1]

CIの学科紹介ではデザイナー職、企業の総合職、自治体職員など、映像では広告・映画・ゲーム・アニメーションなどの分野が挙げられています。ただし、学科で学んだことと就職後の職種が一対一で決まるわけではありません。自分がどの作業に関心を持ったのかを出発点に、募集されている仕事を調べます。[5] [6]

大学の就職先一覧は、掲載された企業が今年も同じ職種を募集していることの保証にはなりません。多くの学科では過去3年間の抜粋ですが、CIの企業一覧は対象期間の明記がないため、全学の企業名を一律に2025年度実績として扱うことも避けます。[1]

候補となる企業について、事業、募集職種、提出物、選考日程を1枚に整理してみましょう。同じ企業の中でも制作、企画、営業などで見せたい経験が変わります。大学の先輩が在籍しているという事実と、自分の志望理由は分けて考えてください。

作品と企画を、自分の判断が分かる形にする

ポートフォリオを求められる応募では、完成作品に説明を添え、自分が担った範囲を明示します。共同制作を自分一人で完成させたように見せず、担当工程、他のメンバーと相談した点、変更の理由を整理すると、面接で経験を具体的に伝えやすくなります。

編集部の架空の例として、展示の広報を担当した学生なら、「告知物を制作した」だけでなく、誰に来てほしかったか、情報の順番をどう考えたか、公開までの調整で何を担ったかを説明できます。来場者数などの効果を計測していない場合は、推測の数字を成果として書かないようにします。

CIの学科では実社会の課題を扱うプロジェクト、映像学科では制作・上映・展示まで学生自身で行う卒業制作が紹介されています。作品の形だけでなく、関係者との対話や進行の管理も振り返る材料になります。自分が実際に行ったことを、応募職種の仕事内容と照合しましょう。[5] [6]

制作の記録は就活の直前まで待たず、試作や講評の段階から残せます。初期案と最終案の違い、採用しなかった案の理由、やり直した工程を短く書き留めると、完成後に判断の過程を思い出す負担を減らせます。

キャリアセンターと学内企画を使って見直す

キャリアセンターでは進路に関する資料と先輩のポートフォリオを閲覧でき、個別相談はムサビ進路ナビで予約します。公式の支援紹介ではエントリーシートや面接、ポートフォリオの相談が案内されています。相談したい募集情報と、現在の作品・書類を用意すると、確認事項を具体化できます。[3] [4]

学内には、1・2年次を対象とするキャリア設計基礎、ポートフォリオラボ、先輩学生によるジョブトークなどが紹介されています。利用できる学年や申込方法、開催時期は各回の案内を確認しましょう。先輩の方法をそのまま写すより、自分の作品や希望職種では何を変える必要があるかを考えて活用します。[4]

作家・フリーランス・起業家を扱う企画もあり、企業就職以外を考える際の情報収集に利用できます。進学や制作活動が気になる段階でも、まだ結論が出ていないことを伝えて相談できます。通信教育課程はセンターの利用条件が異なるため、通学課程向けの相談案内をそのまま適用しないようにします。[3] [4]

制作と進路準備を同じ予定表に載せる

今週は、希望する仕事を一つ選び、仕事内容と提出物を確認することから始めます。続いて作品またはプロジェクトを一つ選び、目的、自分の担当、判断した点、結果を短く書き出します。応募先を決めきれない場合は、気になる仕事を二つ並べ、どちらにどの経験を説明できるかを比較してみましょう。

卒業制作の講評、撮影、展示準備と、応募締切や面接予定は同じ予定表に記載します。完成させる時間だけでなく、他の人に見てもらう時間、提出用に整理する時間を確保すると、作品と書類の両方を見直しやすくなります。

進学を検討する場合は、研究・制作テーマ、出願条件、必要な準備を別に確認します。制作活動を継続したい場合も、何をどの程度続けたいのかを整理して相談しましょう。大学全体の就職率だけで結論を出さず、自分の学科の情報と具体的な進路条件を重ねて判断することが大切です。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 武蔵野美術大学 卒業生の進路・就職状況確認日:2026-09-10 / 卒業生の進路・就職状況
  2. 武蔵野美術大学 学部学科・大学院確認日:2026-09-10 / 学部学科・大学院
  3. 武蔵野美術大学 キャリアセンター案内確認日:2026-09-10 / キャリアセンター案内
  4. 武蔵野美術大学 キャリア支援紹介確認日:2026-09-10 / キャリア支援紹介
  5. 武蔵野美術大学 クリエイティブイノベーション学科確認日:2026-09-10 / クリエイティブイノベーション学科
  6. 武蔵野美術大学 映像学科確認日:2026-09-10 / 映像学科

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