就職実績は、学部ごとの人数と分母を確認する
京都美術工芸大学は、建築学部と芸術学部の進路を公開しています。2026年5月1日現在の2025年度資料では、建築学部は卒業136人・就職115人、芸術学部は卒業86人・就職73人です。まず自分の学部と、数字が示す対象を確かめましょう。[1] [2]
| 項目 | 建築学部 | 芸術学部 |
|---|---|---|
| 卒業者 | 136人 | 86人 |
| 就職者 | 115人 | 73人 |
| 進学者 | 12人 | 1人 |
| 専修学校・外国の学校等 | 2人 | 1人 |
| その他 | 7人 | 11人 |
| 資料上の就職率 | 94.3% | 86.9% |
| 就職率の分母 | 進学等を除く122人 | 進学等を除く84人 |
この就職率は卒業者から進学等を除いた人数が分母で、就職希望者を分母にした内定率とは違います。また、「その他」の内訳はここから確定できず、全員未就職、または全員作家として独立した人、と解釈することもできません。[1] [2]
大学の就職状況ページには全学の2025年度内定率96.4%が掲載されていますが、学部別PDFとは数値の整合を確認できない部分があります。本記事では、この数字を学部ごとの採用実績や個人の採用可能性に使わず、人数と分母が分かる2025年度の学部別表を中心に説明します。[1] [2] [3]
両学部の公開PDFは2024年度以前の欄に同じ値が並ぶため、過去の学部別推移を確定できません。掲載年だけを見て、就職率が上がった・下がったという比較を行わないようにしましょう。[1] [2]
建築と芸術では、作品から考える仕事の範囲が違う
大学沿革では2022年に建築学部を開設し、2023年に工芸学部美術工芸学科を芸術学部デザイン・工芸学科へ名称変更したとされています。過去の資料で工芸学部という名前を見た場合は、今の組織との対応と対象年度を確認します。[4]
| 学部・学科 | 構成 | 就活で整理する経験 |
|---|---|---|
| 建築学部建築学科 | 建築デザイン・伝統建築・融合の3領域 | 敷地や利用者、歴史を踏まえた計画と修正 |
| 芸術学部デザイン・工芸学科 | デザイン・工芸の2領域7コース | 対象や素材を選び、試作・制作を重ねた過程 |
建築は新しい建物を考えるだけでなく、歴史的建造物や町、既存建築の活用などにも学びが広がっています。就職先を調べる際は、設計、施工、保存、空間づくりなど、関わりたい工程を具体化すると候補を比べやすくなります。[5]
芸術はデザインと工芸を軸に、制作や表現、社会の課題に取り組みます。専門分野への就職だけに目を向けず、企画、制作、製造、販売などの仕事の違いも調べ、自分が続けたい活動との接点を考えてみましょう。[6]
主な就職先一覧は、個社の年度と職種が不明
大学の就職状況ページには学部別に主な就職先が掲載されています。ただし、それぞれの会社について卒業年度、人数、配属職種が示された一覧ではありません。2025年度の学部別就職者と直接結び付けず、進路を知る手がかりとして使います。[3]
| 学部の掲載欄 | 掲載先の一部 | 確認が必要な点 |
|---|---|---|
| 建築 | 積水ハウス、大林組、清水建設、乃村工藝社、金剛組 | 企業ごとの職種、担当する建物や工程 |
| 芸術 | GKグラフィックス、トーセ、SNK、日進木工、飛騨産業、便利堂 | 制作、企画、製造等のどの仕事か |
社名の知名度だけでは仕事の内容は分かりません。建設会社だから全員設計職、ゲーム関連企業だから全員制作職、といった推定を避けます。大学の一覧にある企業も、現在の募集要項を確認してから候補に加えましょう。
2025年度の産業別人数は、建築学部で建設業91人、芸術学部で建設業18人・製造業18人などです。業種と職種は異なり、同じ建設業でも具体的な担当はこの表だけでは分かりません。[1] [2]
大学院進学の一覧もありますが、掲載先ごとの進学年度や人数は不明です。研究や制作を深めたい場合は、希望先の指導分野、研究内容、入試、費用を別に確認してください。[3]
作品の完成形だけでなく、選択と改善を説明する
建築・デザイン・工芸の経験を伝えるときは、課題、条件、検討、選択、修正という流れを整理します。作品集の見た目を整える前に、その作品で何を考えたかを一文にすると、面接で説明したい点が見えやすくなります。
| 点検項目 | 自分に聞くこと |
|---|---|
| 目的 | 誰に何を届ける、または何を解決する作品か |
| 条件 | 場所、素材、時間、予算等の何を踏まえたか |
| 選択 | 他の案と比較して、なぜこの案を選んだか |
| 修正 | 試作や助言から、どこをどう変えたか |
| 担当 | 共同制作のうち、自分は何を行ったか |
| 限界 | まだ確かめられていないことは何か |
編集部の架空の説明例です。「最初は見た目を優先しましたが、使う場面を考えて形を見直しました。試作を比較し、持ち方や置き方を説明できる構成に変えました」。自分の経験に置き換え、実施していない調査や効果を加えないでください。
提出する作品数や形式は企業・職種で異なります。一律のページ数を正解とせず、募集条件から必要な作品を選びます。共同制作では他の人の仕事を自分の成果として扱わず、役割を明記しましょう。
資格支援の実績は、学部・大学院を区別する
大学は京都建築大学校とのWスクールなど、在学中の建築士試験に向けた資格取得支援を紹介しています。通常の大学卒業だけで全員が資格を得るという意味ではなく、講座や受験の条件、必要な費用等の確認が必要です。[7]
資格取得支援ページの2025年度一級建築士総合合格者2人は大学院生です。大学全体の案内に載っていることを理由に、学部の合格者数や就職実績へ移さないでください。試験合格と資格登録の条件も区別して確認します。[7]
履歴書には、取得済みの資格、合格した試験、学習中の内容を正確に書きます。資格の有無だけで採用が決まると考えず、応募職種の理解と作品説明も並行して準備しましょう。
学歴への不安を、確認できる条件と準備へ分ける
大学名の評判や周りの作品に不安を感じても、それだけで応募を諦める必要はありません。まず募集条件を確認し、希望職種と自分の制作・調査経験の接点を探します。大学の就職実績を、自分が必ず採用される証明として使うことも避けましょう。
キャリアサポートセンターは、初年次からの面談や進路支援、就職ガイダンス、ES・履歴書やSPIに関する講座などを案内しています。制作の指導と応募準備の相談を組み合わせて活用します。[8]
今週は候補を三つ選び、職種、勤務地、提出物、締切を比較します。作品一つの説明メモも用意し、相談で「応募先の仕事とつながる部分はどこか」「次に直すべき点は何か」を聞いてみましょう。学びを振り返りながら、自分に合う選考の準備を進めてください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 建築学部 就職者数・進学者数・卒業者数確認日:2026-09-10 / 2026年5月1日、PDF1画像確認、2025卒136就115進12専等2他7、94.3=115/122。
- 芸術学部 就職者数・進学者数・卒業者数確認日:2026-09-10 / 2026年5月1日、PDF1画像確認、2025卒86就73進1専等1他11、86.9=73/84。
- 就職状況確認日:2026-09-10 / 全学2025内定率96.4希望分母。学部PDF2の合計率と不整合につき採用せず。会社別年度人数未記載。
- メッセージ・沿革確認日:2026-09-10 / 2022建築学部、2023工芸学部美術工芸学科を芸術学部デザイン工芸学科に名称変更。
- 建築学部 建築学科確認日:2026-09-10 / 建築デザイン、伝統建築、融合3領域。
- 芸術学部 デザイン・工芸学科確認日:2026-09-10 / デザインと工芸2領域7コース。CGや横断演習、卒制展示。
- 資格取得支援確認日:2026-09-10 / KASDとのWスクール、資格講座条件。2025一級2名は大学院。
- 就職サポート確認日:2026-09-10 / キャリアサポートセンター、面談、3年ES履歴書SPI等。