就職率97.2%は、卒業者全員を分母にした数字ではない

大学が公表した2025年度卒業者の就職状況は、2026年5月1日現在の集計です。全学の就職者は798人、未定者は23人で、公表就職率97.2%の分母はこの合計821人です。学類の卒業者の実績であり、大学院修了者は別に集計されています。[1]‌​‌‌​‌​‌​​‌​‌​​‌‌​‌​‌​​​​​​​​​​‌‌​‌​​‌‌‌​​​‌​‌‌​‌​‌​​‌​​​‌‌‌​‌‌‌

福島大学・2025年度卒業者の進路
項目人数・数値確認する点
卒業者975人学類卒業者の全体
就職者798人就職率の分子
進学者120人進学準備者とは別
進学準備者3人進学者に含めない
その他の区分54人未定23人、公務員等希望15人、有職者3人、その他13人
就職率97.2%798÷(798+23)で計算
[1] [2]

就職状況資料の「進学者等123人」は、大学概要で進学者120人と進学準備者3人に分けて示されています。進学した人を就職できなかった人として数えたり、123人全員が進学したと読んだりしないようにしましょう。[1] [2]

高い就職率は過去の進路を知るための情報ですが、希望した職種への内定率や大手企業への入社率ではありません。自分が何を仕事にしたいか、どの条件を重視するかは、企業・機関の募集情報から確かめる必要があります。

3学群5学類と夜間主から、自分の実績を探す

2026年の大学概要では、人文社会学群に人間発達文化・行政政策・経済経営、理工学群に共生システム理工、農学群に食農の各学類が置かれています。行政政策学類には夜間主があり、進路資料では別に集計されています。[3]

2025年度の学類別就職率と進学者
学群・学類就職者/率の分母就職率進学者
人文社会・人間発達文化243/249人97.6%15人
人文社会・行政政策177/179人98.9%2人
人文社会・経済経営212/219人96.8%6人
人文社会・行政政策夜間主14/14人100%1人
理工・共生システム理工88/95人92.6%66人
農・食農64/65人98.5%30人
[1] [2]

表の進学者とは別に、経済経営には進学準備者2人、食農には1人がいます。割合だけで学類を順位付けするより、就職と進学の違いや、自分の志望に近い進路を確認しましょう。[2]

人文社会学群では、教員、公務員、企業などの進路を学類ごとに整理すると比較しやすくなります。理工学群は研究内容と職種、学部卒と大学院進学の条件、農学群は食品・生産・環境・経営のどこに関心があるかを起点にすると、次に調べる情報を絞れます。

共生システム理工学類は2025年度に情報理工、メカトロニクス、分子デザイン科学、環境システムの4コースへ再編されました。2025年度の卒業者実績を、新4コースで学び終えた学生の実績として読み替えないようにしてください。[3]

大手企業や公務員の実績は、所属学類を確かめる

2025年度の主な就職先一覧には、人間発達文化学類で鹿島建設、NTT東日本、日本政策金融公庫など、行政政策学類で富士電機、ソニー銀行などが掲載されています。経済経営学類には、いすゞ自動車、キーエンス、森永乳業、みずほフィナンシャルグループなどが掲載されています。[4]

共生システム理工学類には、日本精工、Astemo、東京電力ホールディングス、NTTデータ東北など、食農学類にはキリンビバレッジ、日本ハム、ヤンマーアグリジャパン、農業・食品産業技術総合研究機構などの実績があります。これは学類ごとの掲載例で、配属職種や個社への人数はこの一覧から分かりません。[4]

教員や公務員にも実績があります。ただし、人間発達文化の教員104人には臨時採用9人、共生システム理工の教員10人には臨時採用3人が含まれます。行政政策の公務員92人にも臨時採用1人が含まれており、全員を正規採用として紹介することはできません。[1]

企業名の知名度だけで候補を選ぶと、仕事内容が合うかを見落としがちです。採用する法人、募集職種、勤務地、必要な資格や学位をそろえて比べましょう。グループ名と個社名の区別も保ち、実績があることを入社の保証として扱わないことが大切です。

福島県内と県外を、仕事と生活の両方で比べる

2025年度の就職者798人のうち、福島県内への就職は283人で35.5%、県外は515人で64.5%です。関東地区への就職は301人で37.7%と掲載されています。これらの割合の分母は就職者798人で、卒業者975人ではありません。[1]

県外への就職実績があるため、福島大学に通っていることだけを理由に、応募先を福島県内へ限定する必要はありません。一方、県内の企業や自治体を選ぶ場合も、地元という共通点だけでなく、担当業務や生活との相性を確かめたいところです。

編集部提案:勤務地の異なる候補を比較する項目
比較項目確認すること
仕事内容場所が変わっても、自分が関わりたい業務か
勤務地と異動初任地、転勤・配属の範囲、決まり方はどうか
生活条件住居、通勤、家族との距離をどう考えるか
選考参加面接の形式や移動、授業との調整は可能か
地域との関わりどの顧客や住民、産業に関わる仕事か

「地元に貢献したい」と考える場合は、どの地域課題に関心があり、その仕事がどう関わるのかを調べてください。県外の仕事を選ぶ場合も、知名度や勤務地だけでなく、具体的な業務への関心を志望理由に結び付けましょう。

大学名への不安を、募集条件と経験の準備に分ける

大学名が選考でどう扱われるかは、就職率や企業一覧からは判断できません。まず現在の募集条件を確認し、興味のある職種を候補に入れます。そのうえで、応募先が知りたいことに合わせて、自分の経験を説明する準備を進めましょう。

授業やゼミ、実習、研究、仕事や課外活動のうち、自分が考えて行動した場面を一つ選びます。大きな成果がなくても、何を確かめ、どのように相談・改善したかが説明できれば、本人の取り組みが伝わります。

編集部の架空の例:班の報告で意見が分かれたため、根拠に使っている資料と解釈を並べ直した。その結果、共通して確認できる点と追加調査が必要な点を分けて発表できた。実在の福島大学の学生や実績を紹介するものではありません。

編集部提案:今日から進める準備
順序すること
1自分の学類の実績から、気になる職種を二つ選ぶ
2現在の募集要項で法人・業務・勤務地・条件を比べる
3授業や活動で自分が判断した経験を一つ整理する
4分からない条件と経験メモを持って相談する

教員や公務員、大学院を併せて検討する人は、実習、試験、出願と企業選考の予定を同じ表へまとめます。何を優先するか迷っている段階でも、日程と必要条件を整理しておくと、相談で確認する点が明確になります。

低学年からの支援を、目的を決めて利用する

大学の就職状況資料は、対面・オンラインの個別相談、低学年からのキャリア教育、業界研究やインターンシップにつながる機会を紹介しています。先輩学生の「フクダイキャリさぽズ」、1・2年生の「キャリアカフェ」なども支援例に挙げています。現在の実施内容や利用方法は、学内の案内を確認してください。[1]

低学年なら、どんな仕事があるかを知り、自分の関心を言葉にするために活用できます。応募が近い時期なら、募集条件と経験の整理を持参し、何を調べ、どう準備するかを相談しましょう。学類の実績と、自分の希望する働き方を一緒に見ることが、納得できる候補選びにつながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 令和7年度卒業者・修了者 就職状況について確認日:2026-09-11 / 全6頁本文画像。2026-05-01希望分母、地域は798人分母、臨時採用、支援
  2. 福島大学概要2026 卒業者・進路状況確認日:2026-09-11 / 23〜26頁全頁確認。25頁進学120準備3、学類別内訳
  3. 福島大学概要2026 学群・学類と大学院確認日:2026-09-11 / 11〜16頁全頁確認。3学群5学類、夜間主と理工2025再編
  4. 令和7年度卒業者 主な就職先確認日:2026-09-11 / 全1頁本文画像。各学類の企業例、個社人数/職種不明

次の選考準備に役立つ記事