就職92人・進学11人と、教員の採用を分けて読む

福井大学の2025年度卒業者進路資料は、2026年5月1日現在の学校教育課程について、卒業104人、就職92人、進学11人、その他1人と掲載しています。就職率88.5%は卒業104人を分母にする割合で、就職希望者を分母にした値ではありません。[1]​​​​​‌​‌​​‌​​​​​‌​‌‌‌‌​‌‌​​​‌‌‌‌​​​​​​‌​‌​‌​‌‌​‌​​‌‌‌​‌‌‌​‌​​‌​‌

2025年度・学校教育課程の進路(公式掲載値)
項目人数・割合確認する点
卒業者104人学部の学校教育課程
就職者92人企業等の就職も含む
進学者11人就職者へ加えない
その他1人就職・進学以外の進路を選択
就職率88.5%92人÷卒業104人
[1]

産業別の表には、学校教育67人のほか、製造業4人、卸売・小売業4人、地方公務員8人、国家公務員1人などが載っています。学校教育という産業区分だけでは正規教員の人数や採用試験の合格者数は分かりません。採用の形態を確認せず、教員就職率として計算し直さないようにします。[1]

資料の「進路決定率」は100.0%ですが、その他の区分も含む計算です。就職・進学だけで全員が決まったという意味に置き換えないことも大切です。学部の実績は選択肢を知る資料として使い、自分の希望職種の採用条件は別に確認しましょう。[1]

公立学校と、官公庁・企業の実績を確認する

2026年3月卒業生の主な就職先には、福井県、岐阜県、富山県の公立学校教員が掲載されています。官公庁では農林水産省北陸農政局、福井県庁、岐阜県庁、福井市役所、越前市役所なども載っています。公立学校教員としての掲載と、官公庁の掲載を分けて読みます。[2]

企業等ではコマツキカイ、JVCケンウッド公共産業システム、中京医薬品、福井銀行、福井県商工会議所連合会、村田機械などが挙げられています。企業名から配属職種や人数を推測せず、気になる仕事の募集要項を確認する入口にしてください。[2]

編集部提案:進路ごとに比較する項目
方向最初に確かめること経験の振り返り方
公立学校教員校種・教科・必要免許・選考内容子どもの学びと指導の改善を中心にする
官公庁募集区分・仕事内容・試験科目公共的な課題を捉えた経験を整理する
一般企業募集職種・顧客・勤務地・研修相手に伝える、調整する、改善する行動を整理する
大学院研究・実践で深めたい課題と出願条件実習や授業で生まれた問いを整理する

教員と企業で迷うこと自体を、教育学部での学びと矛盾すると考える必要はありません。仕事として関わる対象、役割、日々の業務がどう違うかを調べ、実習で楽しかったことと難しかったことを両方書き出すと、比較する軸を見つけやすくなります。

大学名や企業の知名度だけを理由に候補を決めず、自分が続けて取り組みたい仕事を具体化しましょう。大学別の採用選考通過率や大手企業内定率は今回の公式資料では確認できず、掲載先への採用を保証するものでもありません。

初等・中等のコースと、取得予定免許を照合する

教育学部は、初等教育コースと中等教育コースの2コースを案内しています。初等は小学校・特別支援学校・幼稚園など、中等は中学校・高等学校の教員を目指す構成です。大学は2016年に新しい教育学部が始まったことも説明しています。古い課程名の資料を参照する際は、現在の所属や自分の入学年度と照合してください。[3]

教育学部の案内では、卒業要件となる校種の免許に加えて、特別支援学校や他教科の二種免許など、複数の免許を取得しやすい仕組みを紹介しています。取得には対応する履修が必要です。全員がすべての校種・教科の免許を得る制度と考えず、取得予定と追加希望を分けて学部へ確認しましょう。[4]

進路資料の教員免許状取得数には、大学院や工学系の内数も含まれています。また、複数免許の取得があるため、その数を教育学部の卒業生人数や採用人数に置き換えることはできません。免許取得、採用試験合格、実際の就職は別々に確認します。[1]

教員志望なら、受験したい校種・教科と取得予定免許、実習時期を一枚の表にします。複数の校種を考えている場合も、取得できるかだけでなく、どの年齢の子どもにどのような学びを届けたいのかを比較して、志望理由を深めていきましょう。

学校・地域・大学を往復する学びを、自己PRに変える

福井大学教育学部は、地域の学校やコミュニティと大学をつなぎ、理論・実践・省察を組み合わせて学ぶ「リエゾン型学びのネットワーク」を掲げています。省察とは、実践を振り返り、次にどう改善するかを考えることです。学外での経験と授業で学んだ理論を結び付ける点が特徴です。[4]

大学は1年次から授業の立案・模擬実践や学校での授業参観を重ね、3年次の教育実習へつなげることを案内しています。地域実践演習、心理発達支援プロジェクト、STEAM・総合探究など、学校の多様な課題に向き合う学びも紹介されています。[4]

編集部提案:実践を振り返る4つの質問
段階自分に問いかけること
観察子どもの反応や学びについて何に気づいたか
準備その気づきから、どんな教材や説明を選んだか
実践自分はどの部分を担当し、何が起きたか
省察助言や結果を受け、次に何を変えたか

編集部の架空の例:「模擬授業で説明が長くなったため、私は伝える内容を絞り、活動の前に短い確認を入れる形に変えました。振り返りで受けた助言をもとに、次の指導案も修正しました」。実在の学生の体験談ではなく、実践と改善を一続きに説明するための例です。

実際の応募書類では、自分が行ったことと、指導教員や学校の先生の判断を分けて書きます。子どもが特定される情報は載せず、成果の数字は記録で確認できるものだけを使いましょう。成功した授業だけでなく、うまくいかなかった点を学び直した経験も材料になります。

教員・企業・進学で、同じ経験のどこを伝えるかを変える

教員を目指す場合は、実習の説明を、どのような子どもの学びを支えたいかという考えへつなげます。企業を目指す場合は、相手に合わせた説明、周囲との調整、準備や改善の進め方など、希望する仕事で使う行動に焦点を当てます。経験の事実は変えず、仕事との接点を選び直すという考え方です。

大学院進学を検討するなら、授業や実習で生まれた問いを整理し、研究・実践のどちらをどのように深めたいかを教員へ相談します。2025年度の連合教職開発研究科の修了者は72人で就職72人と掲載されていますが、これは学部卒業者の集計とは別です。大学院の値を学部の就職率へ足しません。[1]

併願するときは、教員採用、企業選考、大学院出願の締切を同じ予定表に記入します。必要な試験準備と、実習・卒業研究の時期が重ならないかを確認し、早く取り組める書類や経験整理から進めます。各制度の提出物や推薦の扱いは、該当する募集案内で確認してください。

実習記録と進路候補を持って、支援を具体的に使う

大学のキャリア支援では、教員採用試験対策の講座・勉強会・ガイダンスを案内しています。一般企業・公務員の準備、進路相談、履歴書添削、面接練習も紹介されており、学部の就職担当教員と連携する体制があります。希望する進路が複数あっても、それぞれに必要な準備を相談できます。[5]

今週は、取得予定免許と受験候補を照合し、実習記録から自分の行動が分かる場面を一つ選びましょう。企業も検討するなら、同じ経験のどの部分が仕事内容とつながるかを一文にします。その資料を面談へ持ち込めば、不足している確認や説明を具体的に直せます。

質問は「教員になるべきでしょうか」だけでなく、「この実習経験から、この校種とこの仕事を比較しています。どの情報を確認すれば自分の希望を整理できますか」としてみてください。大学の実績を参考にしながら、判断に必要な材料を自分の経験からそろえていきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 令和7年度 卒業者・修了者の進路状況確認日:2026-09-11 / p1学校教育課程の進路・産業、p2連合教職開発研究科、p4免許集計
  2. 教育学部の進路状況確認日:2026-09-11 / 2026年3月卒の公立学校・官公庁・企業実績
  3. 福井大学教育学部確認日:2026-09-11 / 2016年新教育学部、初等・中等の2コース
  4. 教育学部について確認日:2026-09-11 / 地域・学校・大学連携、実習と省察、複数免許
  5. 就職率・キャリア支援確認日:2026-09-11 / 教員志望講座と一般就職支援、相談・添削・面接

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