どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
この会社は、採用実績校を自社サイトに具体的な校名で出しています。その一覧と、大学の側が自分で公表している進路資料を突き合わせると、食い違いが見えます。まず大学側の資料からです。[1] [2] [3] [4] [5]
| 大学・学部 | 掲載されている資料 | 人数と対象年度 |
|---|---|---|
| 法政大学 社会学部 | 2024年度 主な就職先(学部)の一覧に「東京製綱株式会社」 | 人数の記載なし/2024年度 |
| 高崎経済大学 地域政策学部 | 本社所在地別就職状況の地域政策学部に「東京製綱(株) 1」 | 1名/令和7年度(進路状況データのページから) |
| 関東学院大学 情報学部 情報学科 | 情報学科の<主な就職先>に「東京製綱(株)」 | 人数の記載なし/一覧に対象年度の記載なし |
| 二松学舎大学 文学部 | <文学部>の【製造(印刷含む)】の欄に「東京製綱」(太字は上場企業) | 人数の記載なし/2024年3月卒業者 |
会社の採用実績校と、大学側の資料が食い違っている
会社の募集要項のページには、採用実績校が校名で並んでいます。私立は青山学院大学、学習院大学、関西大学、関西学院大学、慶應義塾大学、駒澤大学、上智大学、成蹊大学、成城大学、専修大学、中央大学、東京理科大学、同志社大学、東洋大学、日本大学、日本女子大学、法政大学、明治大学、明治学院大学、立教大学、立命館大学、早稲田大学 他の22校。国公立は北海道大学から熊本大学まで29校です。[5]
この一覧に名前があるのは、上の表の4大学のうち法政大学だけです。高崎経済大学、関東学院大学、二松学舎大学の3大学は、会社の一覧にありません(関東学院大学は情報学部の一覧に社名があります)。[1] [2] [3] [4] [5]
表に入れなかった行と、その理由
岩手大学の大学院(総合科学研究科 地域創生専攻)の資料にも社名がありますが、令和3(2021)年度の一覧で、2022年度より前なので外しました。龍谷大学の国際学部の資料も2019年度なので、同じ理由で外しています。
大学側で確認できたのが4大学と少ないのは、この会社の採用の規模が大きくないことと、大学の側が主な就職先として抜粋する一覧に載るかどうかは人数によることが関係していると考えられます。
会社が募集要項に書いていること
募集職種の欄は「総合職」の1本です。募集内容は2つに分かれていて、技術系は研究開発、生産技術、生産管理、品質管理、設備技術、土木設計、技術サービス、IT 他。事務系は営業、経営企画、経理、総務、人事、購買、物流 他です。[5]
この募集要項には、学部・学科についての欄がありません。理系限定とも、全学部対象とも書かれていません。条件として書かれていないものは、条件ではありません。[5]
選考フローは4段階です。説明会、書類選考(ES・成績証明書・SPI)、人事面接、役員面接。書類選考の段階でSPIを受けることが明記されているので、準備の時期を自分で決められます。[5]
入社後の研修が年数で書かれている
教育・研修制度のページには「入社後は本社にて同期全員で研修した後、配属先に赴任となります。半年後、一年後、四年後、七年後にフォロー研修がございます。管理職向けや階層別の研修も揃っています。」と書かれています。[6]
入社直後だけでなく、7年後まで研修の機会が決まっている会社です。募集要項の教育制度の欄にも、新入社員教育、階層別・専門別研修、各フォロー研修、OJT、通信教育支援制度、資格取得祝金制度が並びます。[5] [6]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では5つある
大学名を変えることはできません。変えられないものを気にするより、大学名が関係しない部分で差をつけるほうが早い。この会社の公開情報から、そういう土俵を5つ挙げます。
土俵1:採用実績校に載っていない大学から実際に採っている
大学側の公式資料で社名を確認できた4大学のうち3大学は、会社の採用実績校の一覧にありません。一覧に自分の大学が無いことを理由に応募をやめるのは、この会社については早すぎる判断です。[1] [2] [3] [4] [5]
土俵2:募集要項に学部・学科の条件が書かれていない
募集職種は総合職の1本で、学部・学科の欄そのものがありません。実際、大学の資料では社会学部、地域政策学部、情報学部 情報学科、文学部から社名が出てきました。理工系の学部は1つもありません。[5] [1] [2] [3] [4]
土俵3:選考の段取りが4つだけで公開されている
説明会、書類選考(ES・成績証明書・SPI)、人事面接、役員面接。段階が少なく、何が必要かがはっきりしています。SPIが書類選考の段階に入っていることも分かるので、準備の順番を自分で決められます。[5]
土俵4:初任給は学校の種類だけで分かれる
初任給は、院卒281,600円、大卒267,700円、高専卒245,500円の3つに分かれているだけです。大学名による区別も、文系と理系による区別もありません。[5]
土俵5:研修が7年後まで用意されている
入社後は本社で同期全員が研修を受け、そのあと半年後、一年後、四年後、七年後にフォロー研修があります。入社時点の知識の差は、この仕組みの中で埋めていく前提になっています。[6]
公開されている条件と待遇
募集要項に書かれている条件を並べます。金額や日数は、会社が自分のサイトで公開しているものです。[5]
| 項目 | 公開されている内容 |
|---|---|
| 募集職種 | 総合職 |
| 募集内容(技術系) | 研究開発、生産技術、生産管理、品質管理、設備技術、土木設計、技術サービス、IT 他 |
| 募集内容(事務系) | 営業、経営企画、経理、総務、人事、購買、物流 他 |
| 初任給 | 院卒281,600円、大卒267,700円、高専卒245,500円 |
| 諸手当 | 時間外勤務手当、通勤手当 他 |
| 昇給・賞与 | 昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(7月・12月) |
| 勤務地 | 東京製綱株式会社各事業場および東京製綱グループ各社 |
| 勤務時間 | 9:00 〜 18:00(事業場により若干異なります)※フレックスタイム制あり(一部事業場) |
| 休日・休暇 | 完全週休二日制、年間休日122日、有給休暇(最高22日)、慶弔休暇、産前産後休暇、育児休業、介護休業、ボランティア休暇 等 |
| 教育制度 | 新入社員教育、階層別・専門別研修、各フォロー研修、OJT、通信教育支援制度、資格取得祝金制度 |
| 福利厚生 | 住宅財形制度、持株制度、企業年金制度、確定拠出年金制度、社宅・独身寮完備、食事補助 |
| 選考フロー | 説明会→書類選考(ES・成績証明書・SPI)→人事面接→役員面接 |
初任給が大卒267,700円という水準は、この記事で扱ってきた同じ業界の会社と比べても高いほうです。ただし、金額だけで会社を選ぶと、働く場所や仕事の中身が後から効いてきます。勤務地の欄が各事業場およびグループ各社になっている点は、あわせて見てください。[5]
何をしている会社なのか
会社概要によると、創立は1887年(明治20年)4月1日、本社は東京都江東区永代、資本金は10億円、従業員数は1,519名(2023年3月末現在 連結ベース)です。株式の欄は東証プライム市場です。[7]
事業内容の欄には、ワイヤロープ、ワイヤ、繊維ロープ、スチールコード、炭素繊維複合材ケーブル(CFCC)、落石防護網などの法面関連製品、ガードケーブルなどの道路安全施設、橋梁用ケーブルが並びます。[7]
ワイヤロープというのは、細い鋼線をより合わせた太いロープのことです。クレーンやエレベーター、橋を吊るケーブル、道路脇のガードケーブル、山の斜面で落石を受け止める網。目立たないところで重いものを支えている製品をつくっている会社です。[7]
創立は1887年で、130年を超える歴史があります。事業所は本社(東京)のほか、札幌・盛岡・仙台・名古屋・大阪・九州の6支店、茨城(土浦)の研究所、茨城(土浦)・大阪(堺)・愛知(蒲郡)・岩手(北上)の4工場。海外はアメリカ(ミシガン)、中国(上海、香港、江陰)、タイ(バンコク)、ベトナムです。[7]
募集内容に土木設計や技術サービスが入っているのは、この製品の性質と関係があります。橋や道路、斜面に使われる製品なので、つくるだけでなく、現場でどう使うかまで関わる仕事があります。[5] [7]
応募する前に知っておいたほうがいいこと
都合のいいことだけを書いても役に立たないので、条件として重いものと、この記事で確かめられなかったことを並べます。
- 勤務地は各事業場およびグループ各社で、札幌から九州まで、さらに海外の拠点もある
- 採用人数は公開されていない
- 書類選考の段階でSPIがある
- 大学の公式資料で社名を確認できたのは4大学と少ない
- フレックスタイム制は一部事業場のみと書かれている
- 応募資格(卒業年度や既卒の扱い)は、募集要項のページでは確認できなかった
学部・学科の条件が書かれておらず、採用実績校に無い大学からも採っている会社です。その一方で、働く場所は全国に広がり、採用の人数も公開されていません。募集要項は1ページにまとまっているので、応募の前に自分で最後まで読んでください。[5]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜4日目:技術系と事務系の募集内容を読み、自分がやりたい仕事を1つ選ぶ
- 5〜8日目:ワイヤロープがどこで使われているかを調べる。エレベーター、クレーン、橋、道路のガードケーブルが手がかりになる
- 9〜12日目:働く場所の広さを確かめる。6支店・4工場・研究所と海外拠点がある
- 13〜17日目:説明会に申し込む。選考フローの1段目である
- 18〜24日目:SPIの対策をする。書類選考の段階に入っている
- 25〜27日目:エントリーシートを書く。成績証明書も同じ段階で必要になる
- 28〜30日目:人事面接に備える。役員面接はそのあとである
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。1887年から、鋼線をより合わせて重いものを支えるロープをつくってきた会社です。歴史があるから、では他の誰が書いても同じ文章になります。自分が見たことのある橋やエレベーター、道路脇のケーブルについて、それが何を支えているのかを調べて書けるなら、それは自分の言葉になります。[7]
会社の採用実績校に自分の大学が無くても、それは採っていないという意味ではありません。実際に、大学側の公式資料で社名を確認できた4大学のうち3大学は、会社の一覧に載っていませんでした。一覧の末尾は他で終わっています。名前が無いことを理由に外す前に、募集要項を読んでください。[1] [2] [3] [4] [5]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです(資料ごとの確認日は、この記事の出典欄に1件ずつ書いています)。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。職種の選び方に迷ったときは、逆転内定塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 法政大学 2024年度卒業生の就職状況確認日:2026-09-12 / 2024年度の一覧(主な就職先・学部)。社会学部の欄に東京製綱株式会社
- 高崎経済大学 本社所在地別就職状況(地域政策学部)確認日:2026-09-11 / 令和7年度の一覧(本社所在地別就職状況 地域政策学部)に東京製綱(株) 1名。年度は進路状況データのページから
- 関東学院大学 卒業生の主な進路・就職先確認日:2026-09-10 / 情報学部 情報学科の<主な就職先>に東京製綱(株)。一覧に対象年度の記載はない
- 二松学舎大学 2024年3月卒業者の就職実績(文学部)確認日:2026-09-12 / 2024年3月卒業者の一覧。<文学部>の【製造(印刷含む)】の欄に東京製綱
- 東京製綱 募集要項(人事部より)確認日:2026-09-19 / 募集職種、募集内容(技術系・事務系)、初任給、諸手当、昇給、賞与、勤務地、勤務時間、休日・休暇、教育制度、社会保険、福利厚生、選考フロー、採用実績校(私立22校・国公立29校)
- 東京製綱 教育・研修制度確認日:2026-09-19 / 入社後の本社研修と、半年後・一年後・四年後・七年後のフォロー研修
- 東京製綱 会社概要確認日:2026-09-19 / 創立、本社所在地、資本金、従業員数、事業内容、事業所(支店・研究所・工場・海外)、株式
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