進学79.3%と、学部卒の就職を分けて読む

大学公表の2025年度進路図では、理工学部卒業者643人のうち進学は79.3%です。民間等16.5%、教員0.5%、公務員0.5%、その他3.3%も示されています。これらは卒業者の進路構成であり、就職希望者を分母とする就職率ではありません。[1]‌​​‌‌​​​​​​‌​‌‌​‌‌​​​‌‌‌‌‌‌​​‌​‌‌‌​​‌​​‌‌​​​​‌​​‌​​​​‌​‌​‌​‌‌​‌​

2025年度理工学部卒の進路(公表割合)
進路割合
進学79.3%
民間等16.5%
教員0.5%
公務員0.5%
その他3.3%
[1]

割合は丸められているため、合計が100%に一致しません。また、大学院の理工学府などの修了者の就職先は別の集計です。大学院の実績を学部卒の実績へ足したり、進学率が高いことを学部卒では就職できないという意味にしたりしないようにしましょう。[1]

進学を選ぶ人が多いという事実は、選択肢を考える背景です。自分が研究を続けたい理由や、希望職種の応募条件まで代わりに決めてくれるものではありません。

3学科10教育プログラムの、自分の専門を言葉にする

理工学部には、機械・材料・海洋系、化学・生命系、数物・電子情報系の3学科があります。各学科は教育プログラム(EP)に分かれ、それぞれの基礎と専門を学びます。応募書類では学科名だけでなく、自分のEPと、履修や研究で扱った対象を説明しましょう。[2] [3] [4]

学科と教育プログラムの学び
学科EP学びの例
機械・材料・海洋系機械工学/材料工学/海洋空間のシステムデザイン力学、材料評価、船舶・海洋構造物などの計画や設計
化学・生命系化学/化学応用/バイオ原子・分子、化学プロセスや材料、生命現象とその応用
数物・電子情報系数理科学/物理工学/電子情報システム/情報工学数理・物理、回路や通信、ソフトウェアや情報技術
[2] [3] [4]

機械や材料を学んでいる人は、対象の性能をどう評価するか、条件を変えると何が起きるかが経験の整理に役立ちます。化学や生命を学ぶ人は、手順や条件をそろえ、結果を比較して解釈した過程を説明できます。数理・物理・情報の学びでは、仮定を置いて考えること、モデルや実装を検証することが材料になります。

ここで挙げた行動は、所属しただけで全員が身につけたと断定するものではありません。自分が実際に行った課題や研究を一つ選び、何をどこまで担当したかを具体化します。専門と違う分野に応募するときにも、その行動を平易に説明する準備が役立ちます。

学部卒の就職先から、職種と学位条件を調べる

2025年度の理工学部の就職先には、東京エレクトロン、ディスコ、日本電気、セイコーエプソン、ジャパンマリンユナイテッドなどの製造業の例が掲載されています。情報通信分野では野村総合研究所、NTTデータ、SCSKなど、官公庁では国土交通省などの例もあります。ここでは学部卒の欄を参照しており、大学院修了者のリストとは分けています。[1]

この一覧からは、各社へ進んだ人のEPや配属職種までは分かりません。会社名に研究開発、設計、生産技術、情報システムなどの職種を推測で付けず、今の募集要項を確認しましょう。同じ会社でも採用区分によって学位や専攻、提出物の条件が違う場合があります。

募集要項を読む確認表(編集部提案)
確認項目確かめること
学位・専攻学部卒で応募できるか、専門分野の指定があるか
仕事内容研究・設計・製造・運用など、何を担当するか
選考材料研究概要、作品、専門試験等が必要か
配属職種や勤務地がどの段階で決まるか
応募経路自由応募や推薦の取り扱いを大学と企業で確認する

大手企業に関心がある人も、知名度だけで候補を絞らず、同じ技術を扱う会社や、同じ役割を募集する会社を比較しましょう。大学名や過去の就職先だけから採用可能性を見積もるより、条件と自分の経験の重なりを確かめることができます。

進学は、深めたい研究と必要な学修から考える

理工学部の大学院進学案内には、横浜国立大学の理工学府、環境情報学府、先進実践学環などの進学先例が示されています。掲載例は年度が明示されていないため、当年の人数や入学の可否を示すものとしては扱いません。志望する課程の最新の入試案内を確認してください。[5]

進学を検討するなら、今の研究でまだ分からないこと、使えるようになりたい手法、研究に費やしたい期間を書き出します。就職を検討するなら、希望職種で求められる学位や専門性を確認します。両方の材料を持って教員へ相談すると、「周囲と同じかどうか」から自分の判断へ進めます。

院試と就活を並行する場合は、入試科目の準備、研究、企業の選考日程を同じ予定表に置きます。研究概要をまとめる作業は両方に役立ちますが、研究計画書と企業向けの説明は目的が違います。進学先には研究の問いを、企業には担当したことと仕事とのつながりを、相手に合わせて伝えます。

研究概要は、専門外の相手にも判断過程が伝わる形にする

研究概要には、背景、目的、方法、自分の担当、現時点の結果と課題を入れます。専門用語を減らすだけではなく、なぜその方法を選んだのか、どの条件を比較したのかを説明しましょう。共同研究の成果全体と、自分が行った実験や分析は分けます。

研究・課題を伝えるメモ(編集部提案)
内容相手に伝えること
目的何が分かると役立つのか
方法なぜその測定・計算・設計を選んだのか
担当自分が作業し判断した部分
検証失敗や想定との差にどう対応したか
限界現時点で言えること、まだ言えないこと

編集部の架空の例です。「測定結果がばらついたため、装置の設定と試料の条件を分けて点検した。指導を受けながら比較の手順をそろえ、原因の候補を絞った」。研究が完成していなくても、検証を進めた過程を説明できます。未発表の内容や企業との共同研究は、公開してよい範囲を教員に確認しましょう。

研究室配属前の人は、授業の実験、設計課題、プログラム制作でも構いません。難しい題材を選ぶことより、自分の行動を正確に説明できる題材を選び、追加質問に答えられるよう準備します。

研究の相談と、伝わり方の相談を組み合わせる

大学のキャリア・サポートルームでは、求人票や就職資料、OB・OG情報、公務員やインターンシップの情報を利用できます。個別相談は予約制で、エントリーシートの添削や面接練習などにも対応しています。[6] [7]

教員には研究や進学、学科での応募手続きの相談をし、キャリア・アドバイザーには専門外の人にも伝わる説明になっているかを確認してもらいましょう。「どこに行けますか」より、候補の募集要項と研究概要を持ち、「この仕事で自分の経験をどう示すか」と聞くと具体的になります。

今週は、学部卒での応募条件を一社確認し、進学先の要件も一つ読み、授業か研究を短く説明するメモを作ります。進学率の高さを気にするだけで終わらず、自分が次に身につけたい力と仕事の条件を照合して、選択肢を整えていきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 横浜国立大学 卒業生の就職状況(所属別)確認日:2026-09-10 / 2025年度理工学部卒・進路図と就職先
  2. 横浜国立大学 機械・材料・海洋系学科確認日:2026-09-10 / 3EPの学び
  3. 横浜国立大学 化学・生命系学科確認日:2026-09-10 / 3EPの学び
  4. 横浜国立大学 数物・電子情報系学科確認日:2026-09-10 / 4EPの学び
  5. 横浜国立大学 理工学部 大学院進学実績確認日:2026-09-10 / 年度未記載の進学先例
  6. 横浜国立大学 キャリア・サポートルーム確認日:2026-09-10 / 資料・求人・OB/OG情報
  7. 横浜国立大学 個別の就職相談について確認日:2026-09-10 / 予約制添削・面接等

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