「いつまでに返事を」と「他社を辞退して」を分ける

政府の2026年度卒業・修了予定者向け要請は、内(々)定と引換えに他社への就職活動をやめるよう強要することなどを、オワハラに該当し得る例として示しています。学生の意思に反して選択肢を閉じさせる行為が問題になります。[1]​‌​‌‌‌‌‌‌‌​‌‌‌​‌​‌​​‌​‌​​‌‌‌​‌‌‌​‌​​​‌​‌‌‌​​​​​​​‌​​‌​‌‌‌​‌‌​​​​

一方、企業から返答期限を案内されたという事実だけでは、具体的なやり取りまでは分かりません。期限の長短だけで判断せず、何を求められたか、断った場合に何と言われたか、自分がどう困っているかを整理します。

要求を行動の単位で書き出す

相談のための整理表(編集部作成)
項目記入する内容
言われた言葉覚えている範囲の発言、メール本文
要求された行動他社辞退、書類提出、研修参加など
期限日時、繰り返し連絡された間隔
応じない場合内定等について何と説明されたか
自分の回答返答した内容と、まだ答えていない点
現在の希望比較したい、断りたい、説明を受けたい等

複数の要求がある場合は、一行ずつ分けます。「早く決めてほしい」という一言だけを取り出すより、その後に他社の辞退連絡を求められたかなど、前後の流れを記録すると相談先が状況を把握しやすくなります。

届いた案内と送った返答を残す

メールやメッセージは、相手・日時・前後の流れが分かる形で保存します。電話や面談の場合は、終了後に日時、担当者の役割、発言、自分の返答をメモします。思い出せない部分は、確かな記録と混ぜずに曖昧と書きます。

録音や録画が手元にないから相談できないとは考えず、今ある案内やメモを使います。証拠を増やすために相手へ挑発的な連絡をしたり、危険を感じる面談に出向いたりする必要はありません。

その場で結論を迫られたときの返答例

この言い方で相手が必ず応じるわけではありません。断ることが難しい状況なら、まずやり取りを終えて相談先へつなぐことを優先します。自分だけで法的な主張を組み立て、相手と争う準備をする必要はありません。

紹介サービスからの要求も経緯を残す

2027年度卒業・修了予定者向けの政府要請でも、就活エージェント等による、内々定と引換えの他社活動終了の強要を厳に慎むよう求めています。企業の担当者以外から言われた場合も、相談する材料になります。[2]

紹介サービスと企業のどちらの要求か分からないときは、分からないままと書きます。「担当者が企業も同意していると言った」という発言と、企業から直接届いた文書は分けて保存しましょう。相談先には双方の名称と、連絡経路を伝えます。

大学・労働局・ハローワークへ相談する

金沢大学の注意喚起は、オワハラを含む就活ハラスメントの例を示し、大学のキャリア支援室や都道府県労働局等への相談を案内しています。まず自分の大学の窓口や、公的窓口の相談案内を確認してください。[3]

政府の2026年度要請でも、労働局・ハローワークが相談者の意向を踏まえて事実確認し、大学の窓口と連携することが示されています。個別の契約・金銭請求が絡む場合は、その内容を省かず伝え、適切な相談先を確認します。[1]

相談では「いま迫っている期限」を先に伝える

すでに承諾書や推薦状を出した場合は、提出日と書類を見せます。提出済みであることを隠して相談すると、対応に必要な事情が欠けます。相談先に企業へ連絡してほしいか、まず説明を聞きたいかも伝えます。

相談後の行動を一つずつ決める

次の面談に参加するか、返答をいつ行うか、誰が企業に連絡するかを相談先と整理します。相談しただけで回答期限が自動で延びたと考えず、相手に連絡する必要がある場合は、方法と文面を確認してください。

企業への不信感があっても、他社への辞退連絡まで勢いで進める必要はありません。まず自分の希望と利用できる支援をそろえ、どの選考を続けたいかを考えます。個別の行為が法的にどう扱われるかは、記録を基に専門の相談先で確認します。

今日は記録と相談予約まで進める

募集案内、要求が届いたメッセージ、自分の返答、現在の期限を一つの場所に集めます。メモが長くなったら、「何を・いつまでに求められたか」を冒頭の二行にまとめます。相談予約をするときにも、その二行が使えます。

不安なまま一人で即答し続ける状態を止め、第三者と事実を確認できる状態を作ることが最初の目標です。危険や強い威圧を感じる場面では、その場を離れ、安全な場所から支援先に連絡してください。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 政府 2026年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請確認日:2026-09-10 / PDF10頁/本文9頁:他社活動終了の強要、研修による拘束、推薦状や早期承諾等の例、労働局・ハローワークと大学の連携。個別契約の解釈には使わない
  2. 政府 2027年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請確認日:2026-09-10 / 2026年3月24日発出。PDF8頁/別添本文4頁のオワハラ防止を視覚確認。就活エージェントによる他社活動終了強要も対象として記載。就活セクハラ改正法の施行説明は本文に混ぜない
  3. 金沢大学 「就活ハラスメント」に注意しましょう確認日:2026-09-10 / 内定と引換えに他企業の内定辞退を迫る例、学内・労働局等への相談。個別窓口の受付時間や実効性の保証はしない

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