進学者が多い学部として、分母をそろえて読む
大学のキャリア・就職支援オフィスが公表する令和7年度の工学部の進路状況は、次のとおりです。[1]
| 卒業者 | 就職者 | 進学者 | 就職希望者に対する就職率 |
|---|---|---|---|
| 534人 | 145人 | 376人 | 99.3% |
全卒業者を分母とすると、就職者の割合は約27.2%、進学者の割合は約70.4%です。公式の99.3%は就職希望者を分母としており、全卒業者の就職割合とは違います。卒業者から就職者と進学者を除いた13人の内訳は、この表にはありません。[1]
工学部の紹介には進学者が約6割という一般的な説明もありますが、単年度の進路を知りたい場合は上記の2025年度の人数を使います。対象年度や分母をそろえずに数字を比較しないようにしましょう。[1] [3]
9プログラムと、横断的な学びを整理する
工学部は工学科1学科に9学位プログラムを置いています。1年次に工学全体を見渡す導入教育を行い、2年次から学位プログラムに配属して専門を学ぶ構成と案内されています。[2] [3]
| プログラム |
|---|
| 機械システム工学 |
| 社会基盤工学 |
| 電子情報通信 |
| 知能情報システム |
| 化学システム工学 |
| 材料科学 |
| 建築学 |
| 人間支援感性科学 |
| 協創経営 |
応募書類では正式な所属に加え、自分が取り組んだ科目や研究を示します。幅広い工学を学べるという学部の特色を、自分がすべての分野を修得した証拠とせず、扱った対象と方法を正確に説明してください。
企業が示す技術職の名称も、実際の仕事内容まで確認します。開発、設計、生産、品質、情報システムなどのどの工程を担う募集なのかを調べ、自分の学修と接点がある部分、これから学ぶ必要がある部分を分けましょう。
ドミトリー型教育は、協働した過程を振り返る
工学部は、学年や専門分野の異なる学生がチームを組み、議論しながらものづくりに取り組む「ドミトリー型教育」を特色として紹介しています。ロボコンや学生フォーミュラなど、自主的に決めたテーマに取り組むものづくりプロジェクトも案内されています。[3]
参加経験を自己PRへ使う場合は、活動や大会の名前だけでなく、自分が担当した設計・実装・測定・調整などを示します。先輩や他分野の学生に教わったことと、自分が判断して進めたことを区別すると、協働の中での役割が明確になります。
| 項目 | 記録しておきたいこと |
|---|---|
| 目的 | どの性能や課題を扱い、何を確かめたかったか |
| 条件 | 制約、測定条件、比較対象、使った方法 |
| 判断 | 失敗や想定外の結果を受け、何を変えたか |
| 担当 | チームの中で自分が行った範囲 |
| 結果 | 得られたことと、まだ確認できていないこと |
共同研究やプロジェクトの内容を応募資料へ載せる場合は、公開できる範囲を確認します。企業の内部情報、他の人の成果、未公開データを自分の判断だけで持ち出さないようにしましょう。
学部卒の実績と大学院の進路を分ける
2025年度の工学部卒業生の主な就職先には、キヤノン、JERA、セイコーエプソン、TDK、東京エレクトロン、トヨタ自動車、富士通、三菱重工業などが掲載されています。これは学部卒の一覧で、大学院修了者の実績を混ぜたものではありません。[1]
会社名だけでは配属職種やプログラム別人数は分かりません。大きな企業に卒業生が入ったことを、自分の採用確率や研究職への配属の保証として扱わず、今年の募集要件と選考を確認してください。
同年度の主な進学先には、新潟大学大学院総合学術研究科自然科学専攻、東京科学大学工学院、筑波大学大学院理工情報生命学術院などが掲載されています。進学先を調べる際は、研究科名の変更にも注意し、現在の募集と指導内容を確かめましょう。[1]
大学院進学を選ぶか迷う場合は、深めたい研究、指導を受けたい内容、希望職種の応募条件、学修に必要な費用や期間を整理します。周囲の進学割合だけで決めず、教員への研究相談と求人の確認を並行して進めてください。
うまくいかなかった結果から、判断を説明する
編集部の架空の例です。「測定値のばらつきを調べる実験で、私は記録方法の整理を担当しました。最初は装置の設定だけが原因と考えていましたが、準備の手順も一定ではないと気づき、条件を表にして班で確認しました。手順をそろえて再測定しましたが、すべての要因を特定できたわけではありません。」
これは新潟大学の学生の体験談ではありません。自分の経験へ置き換えるときは、どの条件を変えたか、何を測定したか、結果からどこまで言えるかを正確に示します。試作や学内実験だけの経験を、量産の成功や製品化の実績へ広げないようにしましょう。
面接では、専門外の人向けに目的と結論を短く話す説明と、技術的な質問に答える説明を用意できます。用語を増やすことより、なぜその方法を選んだか、他の案とどう比べたかが分かる構成を意識してください。
卒業年度に合う担当教員と全学相談を使う
工学部の企業向けページは、2026年3月卒業予定者を担当する令和7年度の教員と、2027年3月卒業予定者を担当する令和8年度の教員を分けて掲載しています。自分の卒業予定年度とプログラムの担当を確認し、推薦や応募手続きについては学内の案内に従ってください。[4]
全学の個別相談では、進路の迷い、応募書類へのアドバイス、面接練習に対応しています。電話または窓口で日時を調整し、その後1時間以内に申込票など必要書類をメールで提出する手順です。[5]
- 自分のプログラムと、研究・制作で担当した内容を整理する。
- 希望職種の要件と、大学院で深めたい内容を比較する。
- 授業・研究・出願・応募の期限を同じ予定表へ入れる。
- 卒業予定年度に合う担当教員と個別相談を使い、準備を具体化する。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 新潟大学 令和7年度就職・進学状況確認日:2026-09-11 / 2025年度学部卒業者/就職者/進学者/希望者分母率。学部別主就職先・進学先、公務員表は教員と医歯除外。経済科学には旧経済昼夜含む
- 新潟大学 工学部確認日:2026-09-11 / 現行1学科9プログラム、2026年5月在籍
- 新潟大学 工学部の紹介確認日:2026-09-11 / 1年導入2年配属、9プログラム、ドミトリー型教育、ものづくり。約6割は一般説明として単年70.4と分離。受賞や他大比較の宣伝は不使用
- 新潟大学 企業の方へ 就職担当教員確認日:2026-09-11 / 令和7年度2026卒と令和8年度2027卒のプログラム別担当。個人連絡先を本文へ転載しない
- 新潟大学 個別相談確認日:2026-09-11 / 相談・応募書類アドバイス・面接練習。電話又は窓口で調整後1時間以内に申込票等メール提出。教職は全学教職センター