進学者が約半数を占める進路を正しく読む

農学部の2025年度卒業後の進路
卒業者就職者進学者就職希望者に対する就職率
187人86人96人98.9%
[1]

全卒業者を分母とすると、就職者の割合は約46.0%、進学者の割合は約51.3%です。公式の98.9%は就職希望者を分母とするため、卒業者全体の就職割合とは違います。卒業者から就職者と進学者を除いた5人の内訳は、この表にはありません。[1]‌‌​​​​‌​‌​​​‌‌‌‌‌‌​‌​‌‌‌​​‌​​‌​​​​​​​​‌‌​​‌​​​​‌‌​‌​‌​​​‌​​‌​​‌​

同年度の公務員就職者は、国家公務員5人、地方公務員23人の計28人です。この表は教員を除く集計で、農業職だけの人数や公務員試験の合格率を示すものではありません。[1]

進学者が多いことは、学部卒での就職が不可能という意味ではありません。研究を続けたい理由と、応募したい職種で必要な学位・専門を比較して、自分の進路を考えましょう。

5プログラムの学びから、扱いたい課題を考える

農学部は農学科の中に5つの学位プログラムを設けています。基礎科目を学び、2年次第1学期から各プログラムに分かれる構成と案内されています。分属は本人の志望と成績により決まり、3年次第2学期以降に卒業論文指導予定教員を決定し、4年次に卒業論文研究を行います。[2]

5プログラムの教育分野
プログラム公式方針が示す主な内容
応用生命科学生命現象とその応用、バイオ関連分野の知識・実験技術
食品科学原材料、加工、栄養、機能性、安全性、マーケティング等
生物資源科学動植物・食料資源の利活用と地域の発展
流域環境学森林・流域の管理と農業生産基盤の創出・保全
フィールド科学人材育成生態・自然災害・環境動態を学び、野外で応用する力
[3]

食品会社を希望する場合も、研究開発、製造、品質、営業などで業務の内容を確かめます。環境や地域に関わる仕事も、調査・設計・管理・行政等のどの役割を担う募集なのかを調べ、自分が学んだこととの接点を考えてください。

プログラムで学べる内容をすべて自分の能力とせず、履修した科目、研究対象、使った方法を正確に示します。資格が必要な募集については、教育内容の紹介とは別に、応募に必要な資格と自分の取得状況を確認しましょう。

地域交流サテライト実習から、見方が変わった場面を選ぶ

農学部は多くの実験・実習・演習を取り入れ、フィールド科学教育研究センター等を活用した教育を行うと説明しています。地域交流サテライト実習では企業や研究機関等で実習・見学を行い、1年生が地域の自然、研究・企業活動、農業の現場に触れて課題を見つける機会を設けています。[4]

就活でこの経験を使う際は、訪問先の知名度より、何を観察し、どんな疑問を持ったかを説明します。見学したことと、自分で作業したことを分け、現場の人の説明を受けて自分の考えがどう変わったかを振り返りましょう。

実習・研究の整理表(編集部の提案)
観点記録すること
対象何を観察・測定・調査したか
条件時期、場所、対象数、比較の条件
担当自分が準備・記録・分析した範囲
判断想定と違う点から何を調べ直したか
限界まだ確かめられていないこと

生物や野外を対象とした研究では、季節や場所などの条件によって結果が変わることも踏まえて説明します。一度の実習で得た結果を、どこでも再現できる技術や地域全体への効果として話すことは避け、確かめた範囲を示してください。

最新の学部卒実績と、大学院を含む一覧を区別する

全学の2025年度の農学部卒業生の主な就職先には、農林水産省、林野庁、経済産業省、新潟県、全国農業協同組合連合会、シジシージャパン、コーセー、ユキグニファクトリー、朝日酒造、本間組などが掲載されています。会社名から具体的な採用職種や配属先までは分かりません。[1]

一方、農学部独自の就職関連ページには、前身学科の実績や修士・博士修了者を含む一覧があります。例えば応用生命科学欄は旧応用生物化学科のコース例で修士・博士を含む注記があります。これらを現行プログラムの学部卒・単年度の実績に読み替えないようにします。[5]

同年度の主な進学先には、新潟大学大学院総合学術研究科自然科学専攻、京都大学大学院理学研究科、東京科学大学生命理工学院、東京農工大学大学院農学府などが掲載されています。学部と同じ名称の分野だけでなく、研究したい内容から募集と指導教員を調べましょう。[1]

進学は、研究を深める目的、必要な期間や費用、修了後に希望する仕事を合わせて考えます。希望職種に修士等の条件がある場合も、学位だけで採用が決まると考えず、専門や経験、選考の内容を確認してください。

実験の工夫は、自分の行動と結果の範囲を示す

編集部の架空の例です。「実習で試料の測定結果を比べる際、私は準備から測定までの時間が班によって違うと気づきました。記録を確認して条件を整理し、比較できるデータを選び直しました。時間の違いが原因と確定したわけではないため、発表では追加で検証したい条件も示しました。」

これは新潟大学の学生の体験談ではありません。自分の経験へ置き換え、測定や分析で行ったことを正確に示します。実験手順を見直したことを、商品化や大量生産、品質保証の実績へ広げないようにしましょう。

共同作業であれば、教員の指示、班の判断、自分が提案したことを区別します。うまくいかなかった実験でも、原因をどう切り分けたか、次の検証をどう考えたかを話せます。結果を大きく見せるより、判断の過程が分かる説明を用意してください。

企業の機密や未公開研究を含む場合は、応募書類や面接で説明できる範囲を指導教員に確認します。詳しさを出すために公開していないデータを持ち出さず、目的、方法の概要、自分の役割を中心に伝えます。

学部の専門窓口と全学の個別相談を使う

農学部は、全学のキャリア・就職支援オフィスと就職専門委員会が連携して支援すると説明しています。各プログラムの就職専門委員、学務係、プログラム事務室も相談や資料閲覧の窓口として案内されています。進学については卒業論文指導教員等に相談できます。[5]

3年生向けの就職・進学ガイダンスは4月・5月・11月に行い、詳細を学務情報システムや掲示で案内する説明です。具体的な開催日や参加方法は、その年度の学内連絡を確認してください。[5]

全学の個別相談では、進路の迷い、応募書類への助言、面接練習を扱います。電話または窓口で日時を調整した後、1時間以内に申込票等をメールで送る手順です。[6]

  • プログラムと研究テーマ、実習での役割を整理する。
  • 応募職種の学位・専門条件と、進学で深めたい内容を比較する。
  • 実験・実習・出願・選考の予定を一つにまとめる。
  • 学部の窓口や個別相談で、不明な条件と伝え方を確認する。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 新潟大学 令和7年度就職・進学状況確認日:2026-09-11 / 2025年度学部卒業者/就職者/進学者/希望者分母率。学部別主就職先・進学先、公務員表は教員と医歯除外。経済科学には旧経済昼夜含む
  2. 新潟大学 プログラム構成確認日:2026-09-11 / 農学科5プログラム、2年1学期分属、志望成績、3年2学期以降指導教員・4年卒論
  3. 新潟大学 農学部の教育方針確認日:2026-09-11 / 5プログラムの養成人材・専門分野。入試内容不使用
  4. 新潟大学 教育の特色確認日:2026-09-11 / 実験実習、地域交流サテライト実習。1年現場体験。旧副専攻や科目総数は不使用
  5. 新潟大学 就職関連情報確認日:2026-09-11 / 学部窓口・3年4/5/11月ガイダンス・教員進学相談。旧学科+院混合実績は最新に移さない。資格数値不使用
  6. 新潟大学 個別相談確認日:2026-09-11 / 相談・応募書類アドバイス・面接練習。電話又は窓口で調整後1時間以内に申込票等メール提出。教職は全学教職センター

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