歯学部の就活は、研修先とその先の働き方を分けて考える
日本大学歯学部が公表する令和7年度卒業者の進路は、臨床研修医と国家試験受験準備の区分です。一般企業の内定数だけで進路を捉えず、自分の卒業・試験の予定と、研修で学びたいことを整理するところから始めましょう。[1]
「附属病院を選ぶべきか」「別の施設も見学したい」「将来の専門領域が決まらない」という悩みは、それぞれ確認する情報が違います。研修先を決める段階で将来の働き方すべてを確定しようとせず、まず直近の選択に必要な条件を並べてください。
令和7年度卒業者102人の進路を読み分ける
| 区分 | 人数 |
|---|---|
| 卒業者合計 | 102人 |
| 臨床研修医(予定者を含む) | 59人 |
| 就職準備中の者(国家試験受験準備) | 43人 |
59人には予定者が含まれます。この人数から国家試験の合格率や、第一希望の研修施設に決まった割合を算出することはできません。また、大学院歯学研究科の修了者の進路は別の表なので、歯学部卒業者へ合算しません。[1]
受験準備の人数が気になる場合も、統計だけでは一人ひとりの学習状況や経緯は分かりません。自分の進路を考えるときは、必要な手続き、学習時間、生活面の見通しを個別に確認する方が、次に取る行動が明確になります。
付属歯科病院の研修案内を比較の入口にする
付属歯科病院の採用サイトには、研修プログラム、募集要項、協力型臨床研修施設、見学の案内があります。大学の名称だけで判断せず、どの施設でどのような研修を行うかをプログラム単位で確認しましょう。[2]
サイトでは、指導歯科医のもとで学ぶ研修や、協力施設と連携する体制が紹介されています。自分が応募する年度の要項を開き、案内ページの一般的な説明と、当該年度の具体的な募集条件を分けて読みます。[2]
協力施設そのものを募集するお知らせと、研修医個人を募集するお知らせは対象が違います。「募集終了」という見出しだけで応募できないと判断せず、誰に向けた募集か、研修開始年度がいつかを確かめてください。
候補施設は、学び・指導・生活の三つで比べる
| 観点 | 書き込む内容 |
|---|---|
| 学び | 研修プログラム、経験する領域、施設間の移動 |
| 指導 | 質問する相手、振り返りの機会、評価の方法 |
| 生活 | 勤務条件、通勤や住居、費用の見通し |
| 応募 | 対象年度、応募条件、書類、締切、選考日 |
条件が分からない項目は空欄にします。知人の体験談を聞いた場合も、その人の研修年度とプログラムを記録し、現在の要項の内容と混ぜないでください。比較表は優劣を点数化するためではなく、追加で質問すべきことを見つけるために使います。
将来の専門領域がまだ決まらない人は、現時点で関心のあること、実習で難しかったこと、まず身につけたいことを一つずつ書きます。それを見学時に相談すると、施設の説明と自分の課題を結びつけやすくなります。
見学ではパンフレットで分からなかった点を聞く
- 自分が分からないとき、どのように指導を受けるのか。
- 研修の振り返りでは、何を記録し、どのような助言を受けるのか。
- 施設を移るプログラムでは、移動や生活の準備をいつ行うのか。
- 応募前に読んでおくべき資料と、問い合わせ窓口はどこか。
質問は自分にとって重要な二、三点に絞って持っていきます。見学後は、確認できた事実、自分の感想、まだ確かめたい点を分けて記録しましょう。見学時の印象だけで勤務条件を推測せず、条件は募集資料や担当窓口で確認します。
実習で学び直した過程を応募書類へ整理する
実習経験を説明するときは、難しい症例の名前や大きな成果を探すだけでなく、理解が足りなかった点に気づき、指導を受けて準備を変えた経験を振り返ります。学生として行ったことと指導者の判断は分けて書いてください。
以下は編集部の架空の例です。「説明の前に自分の理解を整理できていないことに気づきました。指導を受け、確認する項目をメモにまとめて復習し、次の実習で説明の順序を見直しました」。実際の応募では自分の経験に置き換えます。
患者や実習先の個別情報を、本人が特定できる形で記載しないことも大切です。独立して治療したように経験を大きく見せる必要はありません。何が課題で、何を学び、今後どう改善したいかを具体的に伝えます。
志望理由は自分の課題とプログラムを結ぶ
「教育が充実しているから」だけでは、どの研修でも使える説明になりがちです。関心を持った経験、研修で学びたいこと、資料や見学で確認した内容をつなげて整理しましょう。見学していない施設について、見学したかのように書かないでください。
将来の専門分野が未定なら、無理に決まっているように振る舞わず、現時点の関心と検討したいことを説明します。応募するプログラムで何を学べるかを確かめたうえで、自分が取り組みたい課題との接点を言葉にします。
応募と試験準備を一つの予定表にする
卒業や試験に向けた学習、見学、書類提出、選考などを一つの予定表に入れます。必要書類は取得にかかる日数も確認し、締切当日にそろえ始めないよう、準備開始日を決めてください。
- 今年応募する要項と、自分が希望する研修開始年度を照合する。
- 提出物と締切、選考日を記録し、不明点は施設へ確認する。
- 大学側の手続きと施設への応募を別項目で管理する。
- 予定が重なる場合は調整の可否を確認し、自己判断で省略しない。
日程や制度上の手続きは変更される場合があります。本記事の一般的な手順だけで応募を完了したと考えず、該当年度の案内に沿って確認してください。
相談には比較表と質問を持っていく
担当教員や研修の窓口へ相談するときは、希望する学び、候補施設、分かった条件、不明点を一枚にまとめます。漠然と「どこがよいですか」と聞くより、決められない理由を具体的に伝えられます。
研究や一般企業など別の進路も考えている場合は、臨床研修の情報だけで選択肢を判断せず、その進路の募集条件や必要な準備を別に調べましょう。大学の公表データと自分の希望を分けて捉え、今確認できることから一つずつ進めてください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 日本大学歯学部 教育情報について確認日:2026-09-10 / 令和7年度卒業者の進路。臨床研修予定者と国家試験受験準備者を区別
- 日本大学歯学部付属歯科病院 研修医採用サイト確認日:2026-09-10 / 研修の特徴、プログラム・募集要項・見学への案内