学部卒業者と大学院修了者を分けて見る

2025年度の卒業・修了後の進路
進路学部卒業者大学院前期課程修了者
次の課程への進学前期課程631人(89.6%)後期課程92人(14.1%)
企業等50人(7.1%)546人(83.7%)
官公庁5人(0.7%)3人(0.5%)
その他(研究生等)18人(2.6%)11人(1.7%)
704人652人
[1]

2026年度の工学部・工学研究科概要に掲載された、2025年度の進路状況です。割合の分母はそれぞれの卒業・修了者の計で、就職希望者数ではありません。企業等の割合を「就職率」と呼んだり、学部と大学院の数字を合算して学部の実績にしたりしないでください。[1]​​‌​‌‌​‌‌‌​‌​‌​​‌​‌​​​‌‌‌‌​‌‌‌​​‌​‌​‌​‌‌​​​‌‌​​​​​​‌​‌‌​​​‌‌‌​​‌

学部から大学院へ進む人が多いことは進路の特徴ですが、全員に進学が必要という意味ではありません。前期課程修了者の企業等への進路が多いことも、進学すれば希望の会社や研究職に必ず就けるという保証ではありません。

現在の7学科と、自分の専門を確認する

工学部は化学生命工学科、物理工学科、マテリアル工学科、電気電子情報工学科、機械・航空宇宙工学科、エネルギー理工学科、環境土木・建築学科の7学科で構成されています。旧学科の案内と現在の組織を混同せず、自分の所属と履修内容を出発点にしてください。[2]

工学部は基礎から専門、さらに高度な専門へ段階的に学ぶ「3+3+3」の教育を説明しています。ただし、専門を選ぶ具体的な時期や仕組みは学科ごとに確認が必要です。たとえば環境土木・建築学科では、2年から環境土木工学と建築学のプログラムに分かれると案内しています。[3] [4]

就活では学科名の説明だけで終わらせず、実際に履修した内容、実験・演習で使った方法、研究で明らかにしたい問いを整理します。まだ研究室に所属していない人は、授業課題で自分が比較・検証した過程を材料にできます。

進学と就職は、深めたい内容と募集条件で比べる

進路を比較する項目(編集部の提案)
項目大学院進学で確認学部卒での就職で確認
目的研究で明らかにしたい問い、修得したい方法取り組みたい仕事、入社後に学びたいこと
条件研究室の受入れ、入試、必要な学修募集職種、応募資格、選考時期
活動内容研究の進め方、指導や発表の機会担当業務、配属や研修の説明
生活の見通し学費・生活費、研究と日常生活の計画勤務地、勤務条件、生活の計画

これは編集部による比較の視点です。「周囲が進学するから」「就職活動が不安だから」で止めず、大学院で何をしたいかを指導教員に相談しましょう。就職を考える人は、企業名だけでなく職種別の募集要件を読み、自分の経験との接点を確認します。

進学先の研究科名も一律ではありません。環境土木・建築学科の公式案内では、土木系の工学研究科と、建築系の環境学研究科都市環境学専攻が紹介されています。関心のある研究テーマから研究室・専攻を調べ、正式な入試案内を確認してください。[4]

企業名は、対象学科と卒業年度をそろえて使う

電気電子情報工学科の公式ページは、令和5~7年度の学部卒業者の主な就職先として、関西電力、JERA、トヨタ自動車、豊田自動織機、ブラザー工業などを掲載しています。これは2023~2025年度の同学科の例であり、工学部全体の単年度実績ではありません。[5]

同ページは大学院修了者の就職先を別に案内しています。学部の例と大学院の例を区別し、企業名から採用職種、配属先、人数を推測しないようにします。過去の就職先は企業研究を始める材料として使い、現在の募集は企業の公式情報で確かめましょう。[5]

候補を比較するときは「何を扱う会社か」に加えて、「どの工程や課題に関わる仕事か」を調べます。研究対象と製品が同じかどうかだけでなく、実験条件の整理、測定、解析、設計、説明など、自分が取り組んだ方法との接点を探してください。

研究は、目的・方法・自分の役割に分けて説明する

研究概要を作るときは、専門用語を減らすだけでなく、話す順番を整えます。最初に何を解決したいのかを示し、そのために何を比較・測定したか、自分はどこを担当したか、結果をどう解釈したかを説明すると、専門外の相手にも確認してもらいやすくなります。

  • 目的:何が分かれば、どの課題の理解につながるのか。
  • 方法:なぜその条件や測定・解析の方法を選んだのか。
  • 担当:共同作業のうち、自分が実際に行った部分はどこか。
  • 検証:結果のばらつきや前提を、どう確かめたのか。
  • 課題:今の結果だけでは言えないこと、次に確認したいことは何か。

成果が出ていない段階でも、仮説の修正や条件の見直しを説明できます。ただし、想定上の効果を実証した成果として話したり、研究室全体の業績を自分だけの成果にしたりしないでください。外部に説明できる範囲は指導教員にも確認します。

実験や演習の工夫を、具体的な行動で伝える

編集部の架空の例です。「実験で測定値のばらつきが大きく、条件の違いを確認する必要がありました。私は測定手順と記録項目を整理し、班員と操作の違いを確認しました。その上で条件をそろえて再測定し、比較できる結果と、追加確認が必要な点を分けて報告しました。思い込みで結論を出さず、条件を確認する大切さを学びました。」

これは名古屋大学の学生の体験談ではありません。自分の経験に置き換える際は、実際に使った方法、班での役割、変更の理由を補ってください。「問題解決力があります」という抽象的な自己評価より、どの判断をどう行ったかが伝わる説明を目指します。

企業への志望理由につなげるときも、「工学部だから技術職に向く」で終わらせず、関心を持った仕事の内容と、経験から伸ばしたい力を示します。実験や演習だけでその仕事を十分に遂行できると誇張せず、入社後に学びたい課題を併せて考えましょう。

学科の就職担当とNU-NAVIを使い分ける

工学部・工学研究科は、学科・専攻単位で就職対応を行うと案内しています。自分の所属に届く求人や学内の手続きについては、該当する就職担当の案内を確認します。推薦を利用したい場合も、対象の求人、要件、期限、必要な手続きを担当窓口で確かめてください。[6]

全学のキャリアサポートセンターでは、進路相談、自己分析、エントリーシートの添削、模擬面接を案内しています。NU-NAVIでは求人や就活体験記の閲覧、個別相談や学内イベントの予約などができます。専門分野の相談と、応募書類・面接の相談を組み合わせましょう。[7]

相談には、研究や授業での経験を一つ、比較中の職種や研究室、分からない募集条件を持参すると話を進めやすくなります。学部卒で就職するか進学するかが決まっていない段階でも、未決定の理由を具体的に整理するところから始めてください。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 名古屋大学 2026年度 工学部・工学研究科概要確認日:2026-09-10 / PDF14頁/冊子12頁を本文抽出と画像で確認。2025学部704:前期631企業50官5他18。前期652:後期92企業546官3他11。割合は卒修了者分母
  2. 名古屋大学 学科・専攻一覧確認日:2026-09-10 / 現行7学科。school旧5学科を不使用
  3. 名古屋大学 工学部・工学研究科 概要確認日:2026-09-10 / 3+3+3教育、基礎専門高度専門。学科別時期は一律に扱わない
  4. 名古屋大学 環境土木・建築学科確認日:2026-09-10 / 2年から2プログラム、院は土木工学研究科/建築環境学研究科都市環境
  5. 名古屋大学 電気電子情報工学科 卒業後の進路確認日:2026-09-10 / 令和5–7年度学部卒の会社例、大学院就職とは別案内
  6. 名古屋大学 企業の皆さまへ確認日:2026-09-10 / 学科専攻単位の就職対応。個別推薦条件は未確認、担当確認の編集部提案
  7. 名古屋大学 キャリアサポートセンター確認日:2026-09-10 / NU-NAVI求人/体験/予約、個別相談ES模擬面接

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