医学科と保健学科では、卒業後の進路の読み方が違う

医学部は、医学科で医師、保健学科の3専攻で看護師、理学療法士、作業療法士の育成を担うと説明しています。医学部全体の紹介では地域医療や多職種との協働、研究も重視されていますが、進路を比較する際は学科・専攻を分ける必要があります。[1]‌‌​‌​‌​​‌​​‌‌​​‌​​​​‌​‌​‌​‌‌​​‌​‌‌​‌​‌‌‌‌‌​​‌‌​‌‌‌‌‌‌‌​‌​‌‌​‌‌​​

医学科の概要は6年一貫教育を案内し、卒業後は大学病院や各地の病院での臨床研修、その後の診療分野の選択や大学院などの道筋を説明しています。一方、キャリアセンターの令和7年度就職状況表にある医学部の列は「保健学科」であり、医学科の研修先実績を示すものではありません。[2] [3]

編集部提案として、医学科は研修プログラムや見学で確認したい点を、保健学科は募集職種・施設・進学先を整理して相談へ持参します。同じ医学部でも、応募日程、必要書類、資格・試験の条件を一つにまとめず、自分が応募する年度の正式な案内で確認しましょう。

保健学科の100%は、卒業者全員ではなく就職希望者の割合

令和7年度・医学部保健学科の就職状況(令和8年5月1日現在)
項目人数・率
卒業者95人
進学者26人
就職希望者67人
就職者67人
就職希望者の就職率100%
[3]

就職率の分母は67人の就職希望者です。卒業者95人全員が就職したという意味でも、医学部全体が100%という意味でもありません。この表の就職者67人は、産業別では医療・福祉に分類されています。進学者と就職者は分けて読みましょう。[3]

就職者の地域別内訳は、長崎県29人・43.3%、長崎県以外の九州23人・34.3%などです。地域は原則として情報収集時の勤務予定地で集計し、未定の場合は本社所在地を用いると注記しています。卒業者全員の居住地や、永続的な勤務先地域を示す割合ではありません。[3]

入試情報サイト掲載の令和7年度卒業生・専攻別進路
専攻主な進路の割合
看護学看護師73%、進学24%、その他3%
理学療法学理学療法士47%、進学53%
作業療法学作業療法士100%
[4]

専攻別の表は卒業後の進路の構成を示しており、先ほどの「就職者÷就職希望者」とは別です。理学療法士47%を、残りの人が就職できなかった割合と解釈しないでください。専攻別人数はこの割合から逆算せず、必要なら学科へ確認します。[4]

医学科では、地域実習で得た疑問を研修先選びへつなげる

地域医療学分野は、地域の病院、診療所、高齢者福祉施設などで学ぶ実習と、医歯薬の共修などを紹介しています。4・5年の地域医療臨床実習では、地域病院や離島で保健・医療・福祉を学ぶ内容が示されています。実習で出会う施設と、卒業後に採用された研修先は別なので、混同しないようにします。[5]

地域包括ケアの実習では、地域包括支援センター、訪問看護ステーション、消防署などが挙げられています。在宅医療の高次臨床実習も紹介されており、医療機関の中だけでなく、地域の生活と多職種の連携を考える学習の機会があります。自分の年度の具体的な日程・履修条件は学内案内を確認してください。[5] [6]

長崎大学病院は、大学病院と協力病院を組み合わせる初期臨床研修や、大学院との学びを組み合わせるアカデミックコースなどを紹介しています。これは大学病院の研修制度の説明であり、長崎大学医学科の卒業者全員が同病院へ進むという実績ではありません。希望年度の募集と見学で、利用できるコースを確認します。[7]

編集部提案として、病院見学では、経験できる診療や地域、指導医への相談、振り返りの機会、勤務・生活の条件を質問します。「有名な病院だから」だけで決めず、実習で自分がもっと学びたいと感じた場面から、研修で確かめたいことを具体化しましょう。

看護学では、対象者と家族への関わりから学びを整理する

看護学専攻の教育内容には、基礎、成人、老年、精神、小児、母性、地域・在宅の看護が示されています。成人では健康状態や生活上の支援、老年では地域での生活、地域・在宅では療養者と家族、包括的なケアなどを扱うと紹介されています。[8]

精神看護の教育では、当事者の話を聞くことや、ロールプレイを使ってコミュニケーションを学ぶ内容もあります。就職活動で学びを説明する際は、対象への関心に加え、相手の話をどう聞き、指導を受けてどのように考え直したかを整理できます。[8]

編集部の架空の例:演習で説明を急いでしまった学生が、指導者から相手の理解を確かめるよう助言を受けた。次のロールプレイでは一度に話す内容を絞り、理解を確かめる質問を挟んだ。面接では、助言を受けて自分の伝え方を修正した行動を説明した。実在の患者・学生・採用事例ではありません。

編集部提案として、病院などを比較するときは、希望する領域だけでなく、新人への指導、配属、相談できる体制を確認します。実習で見学したことと自分が実施したことを分け、対象者の情報を伏せたうえで、学んだ課題と今後伸ばしたい点を伝えましょう。

理学療法・作業療法は、評価と生活への視点を具体化する

理学療法学専攻は、機能解剖、生理、運動学などの基礎と、評価、各領域の理学療法を学ぶと案内しています。臨床実習では対象者や指導者に接し、大学教員の支援のもとで学ぶ構成です。疑問を持ち、科学的な背景を確かめる学びも重視しています。[9]

作業療法学専攻は、基礎の学習に加えて、身体、精神、発達、生活に関わる分野を扱います。住み慣れた場所での生活や、住環境・福祉用具、日常の活動を考える内容もあります。臨床実習は、おおむね長崎県や九州の病院・施設の協力で行うと紹介していますが、これを就職先の分布とは扱いません。[10]

編集部提案として、実習の説明は、対象をどう理解しようとしたか、何を観察・確認したか、指導者の助言をどう受け止めたかの順に整理します。自分の判断だけで治療の成果を出したと大きく話すのではなく、学生としての担当と学びを正確に伝えます。

進学を検討する人は、さらに調べたい問いと、臨床で経験したいことを分けて相談しましょう。進学割合の高低だけで選ぶ必要はありません。研究内容、必要な履修、費用・期間、応募する職種や施設の条件を並べると、自分が先に取り組みたいことを整理できます。

学科・専攻に合わせた比較表を作って相談する

編集部提案:進路相談へ持参する確認事項
対象比較すること経験から用意する話
医学科研修内容、指導、地域、応募条件地域実習や臨床実習で深めたいと思ったこと
看護学領域、配属、新人教育、進学対話や支援の学び、助言で変えた行動
理学療法学施設の領域、評価・学習環境、進学評価への疑問、学び直した内容
作業療法学対象領域、生活支援、指導体制生活の捉え方、実習から考えた課題

医学科の在学生向けページには、令和8年度の授業計画や学生の手引き、相談窓口の案内があります。授業計画には大学IDでのログインが必要なものもあるため、公開ページの概要だけで自分の履修条件を確定しないようにします。[6]

編集部提案として、まず実習や演習を一つ選び、自分の担当、受けた助言、考え直した点を一枚にまとめます。応募したい研修・施設や進学先の情報を添え、学科・専攻の教員へ相談しましょう。医学科と保健学科、就職と進学、制度と実績を分けることで、今確認すべきことが明確になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 長崎大学 医学部確認日:2026-09-11 / 全文。医学/保健3専攻、地域医療
  2. 長崎大学 医学科の概要と特色確認日:2026-09-11 / 全文。6年・卒後研修等、詳細科目年度は未特定
  3. 長崎大学 令和7年度就職状況(学部)確認日:2026-09-11 / PDF1頁本文・画像全確認。保健95/26/67/67、地域29/23。医学科列なし
  4. 長崎大学 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 本文全文。大学案内2027、保健R7専攻割合
  5. 長崎大学 地域医療学分野 授業・実習確認日:2026-09-11 / 全文。地域/離島/包括ケア、多職種
  6. 長崎大学 医学科 在学生の皆様へ確認日:2026-09-11 / 全文。R8手引き・ログイン制シラバス・相談
  7. 長崎大学 大学病院 初期臨床研修プログラム確認日:2026-09-11 / 全文。大学病院制度、卒業者実績とは別、年度ごと確認
  8. 長崎大学 看護学専攻 教育内容確認日:2026-09-11 / 全文。7領域・ロールプレイ
  9. 長崎大学 理学療法学専攻 教育内容確認日:2026-09-11 / 全文。評価・臨床実習・科学的検証の学び
  10. 長崎大学 作業療法学専攻 教育内容確認日:2026-09-11 / 全文。生活環境と臨床実習、就職施設とは区別

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