歯学部の進路は、臨床研修とその後の就職を分けて読む

大学の入試情報サイトは、歯学部卒業後に歯科医師国家試験に合格すれば、原則として1年間の臨床研修を行うと説明しています。その後は、大学病院、病院歯科、歯科診療所などの医療施設への就職や、大学院へ進む道があります。資格取得・研修・就職は同じ段階の話ではありません。[1]‌​​‌​‌​​‌‌‌​​‌‌‌‌​​‌​​‌‌‌‌​‌‌‌‌‌​​​​​​​​​​​​​‌‌‌​​​​‌​‌‌‌‌​​‌‌​‌

長崎大学キャリアセンターの令和7年度就職状況表は、歯学部の列を設けていません。医学部として掲載されているのも保健学科です。この表の全学合計や他学部の就職率を、歯学部の就職率・研修先決定率として紹介することはできません。確認した資料だけでは、歯学部卒業者の最新の施設別人数は不明です。[2]

大学の進路案内にある「大学病院、病院歯科、歯科診療所など」は、主な進路の種類を示すものです。特定施設への採用人数や、卒業者全員が長崎大学病院で研修を受けることを示す数値ではありません。まず自分が比較する段階を、初期臨床研修、その後の勤務、大学院進学に分けましょう。[1]

編集部提案:進路を考えるときの段階
段階調べること
卒業・資格取得に向けた準備自分の入学年度の履修条件、試験、学内案内
初期臨床研修先の選択希望年度のプログラム、指導、応募・選考条件
研修後の勤務先診療分野、役割、指導・研鑽の環境、勤務条件
大学院進学研究テーマ、指導、入試、期間・費用

編集部提案として、現在の学年で必要な確認と、将来の希望を別々に書き出します。まだ臨床経験が少ない人は、希望分野を無理に一つへ決めず、授業で関心を持ったことや、見学で確かめたいことを進路相談の材料にしてください。

大学病院のプログラムは、学ぶ場と指導の違いを確かめる

長崎大学病院は、大学病院を中心に研修するA・Bと、大学病院と協力型研修施設を組み合わせるCを紹介しています。令和9年度からのプログラムページは、確認時点で「申請中」と表示されています。紹介内容を確定済みの条件として扱わず、希望年度の正式な案内と説明会で確認しましょう。[3] [4]

初期臨床研修の案内は、患者の問題を全人的に捉えること、コミュニケーション、知識・判断・技術、安全な医療などを目標に挙げています。また、指導歯科医の指導のもとで診療を学ぶ構成が説明されています。大学病院の制度紹介であり、学部卒業者の採用実績ではない点に注意します。[4]

プログラムの紹介には、基礎的な研修、総合診療、院内の各科や地域の施設での研修、症例の報告などがあります。研修施設一覧は協力先を示すもので、卒業者が就職した施設の一覧とは別です。希望する経験がどのプログラムで可能か、必須か選択か、どのように指導を受けるかを確認します。[3]

編集部提案として、見学では「幅広く学べますか」だけでなく、振り返りや相談の機会、担当する範囲、苦手な点を補う支援について質問します。大学病院中心の研修と地域施設を含む研修のどちらを希望する場合も、自分が学びたいことを言葉にして比較しましょう。

勤務や生活の条件も、教育内容と並べて確認する必要があります。編集部提案として、給与だけでなく、研修する場所、住居、移動、勤務時間、利用できる学習環境を確認事項に入れます。別施設の条件や過去年度の説明を、応募予定プログラムにそのまま当てはめないようにしてください。

募集要項では、マッチングと施設の選考を確認する

大学病院の令和9年度採用募集要項は、応募資格として、指定された国家試験の合格者または受験予定者であることと、令和8年度歯科医師臨床研修マッチングへの参加登録を挙げています。選考方法には面接、書類審査、小論文が掲載されています。応募するときは、希望年度の原文を必ず確認してください。[5]

募集要項には、所定の申請書、課題小論文、成績証明書、CBTの個人別成績表など、必要書類も示されています。これらは当該年度の大学病院の募集条件であり、ほかの研修施設すべてに共通する書類一覧ではありません。取得に時間がかかる書類は、学内の窓口で発行方法を確認しましょう。[5]

編集部提案として、応募予定先ごとに、資格・登録条件、提出物、選考方法、期限を一枚にまとめます。公式ページに過年度の案内が残る場合もあるため、ページの年度と自分の応募年度を照合してください。マッチングの登録と、施設への応募を同じ手続きだと決めつけず、それぞれの案内を確認します。

志望理由では、研修先の特徴と、自分が学びたい内容をつなげます。編集部提案として、実習や見学で何を疑問に思ったか、その疑問を深めるために何を経験したいかを整理しましょう。施設の紹介文をそのまま繰り返すより、自分が説明会や見学で確かめた内容を使うと、選んだ理由が具体的になります。

歯学研究コースと大学院進学は、研究したい問いから考える

大学の進路案内は、学部と大学院で一貫して学ぶ歯学研究コースを紹介しています。3年次から通常の学びに加えて研究に必要な科目を学び、学部卒業後は医歯薬学総合研究科へ進む道筋です。履修には対象者・許可の条件があるため、希望すれば全員が自動的に参加できる制度とは扱いません。[1]

歯学部が掲載する研究分野には、基礎系の顎顔面解剖学、口腔病理学、生体材料学、歯科法医学など、臨床系の口腔保健学、歯科矯正学、歯周歯内治療学、歯科補綴学、口腔顎顔面外科学などがあります。これは研究分野の紹介であり、全学生が経験する内容や、各分野への就職人数ではありません。[6]

編集部提案として、大学院を考える人は、興味のある分野名に加え、何を知りたいのか、その疑問がどの授業・実習から生まれたのかを書きます。臨床の経験を深めたいという希望と、研究で検証したい問いを分けることで、教員へ相談しやすくなります。

大学の案内には、歯科医師として働きながら大学院で学ぶ道も紹介されています。ただし、すべての研究室や勤務形態で同じ両立条件とは限りません。指導教員と募集案内で、研究時間、研修との関係、学費・生活費、修了までの見通しを確認しましょう。[1]

実習では、学生としての担当と助言からの学びを整理する

在学生向けページには、入学年度別の学生便覧、令和8年度のシラバス、臨床実習の手引き、カリキュラムマップなどが案内されています。授業の詳細や連絡はLACSなどで確認するよう説明されているため、公開された概要だけで自分の履修・実習条件を確定しないようにします。[7]

編集部提案として、進路の面接に向けては、実習で何を見学し、何を担当し、どの助言を受けたかを分けて整理します。自分だけで診療上の成果を出したと大きく話すより、指導のもとで考え直した点や、追加で学ぶ必要を感じたことを具体的に伝えましょう。

編集部の架空の例:医療面接の演習で、学生が用意した質問を順に聞くことに集中してしまった。指導者の助言を受け、次の演習では相手の話を確かめてから次の質問へ進むようにした。進路面接では、準備した手順だけに頼らず、相手の反応を受けて修正した経験を説明した。実在の患者や採用事例ではありません。

説明のために症例や研究を用いる場合は、個人が特定される情報を出さず、話してよい範囲を教員へ確認します。編集部提案として、経験を「目的、自分の担当、受けた指導、学んだ課題」の順に短くまとめ、専門外の相手にも学びが伝わるか練習しましょう。

研修・勤務・研究の希望を分けて相談する

編集部提案:見学や進路相談に持参するメモ
整理すること質問の例
学びたい内容どの場で、どのような指導を受けて学べるか
自分の課題実習で気付いた苦手や疑問を、どう深められるか
応募の条件希望年度の登録・書類・選考・期限は何か
生活の条件研修場所、住居、移動、勤務時間はどうなるか
研究への関心どの研究室で、何を検証する学びができるか

編集部提案として、まず希望する研修先や研究分野を二つ選び、共通する関心と違いを一枚にまとめます。教員や医療教育開発センターなど、確認内容に合う窓口へ相談してください。就職率を無理に作るのではなく、臨床研修とその先の勤務・進学を分けて比較することが、長崎大学歯学部で進路を具体化する第一歩になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 長崎大学 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 本文全文。歯科研修・勤務・院、研究コース。制度と個人数別
  2. 長崎大学 令和7年度就職状況(学部)確認日:2026-09-11 / PDF全1頁本文画像。歯学列なし
  3. 長崎大学 大学病院 歯科初期研修プログラム確認日:2026-09-11 / 本文全文。令和9年度~申請中。施設≠就職先
  4. 長崎大学 大学病院 歯科初期臨床研修について確認日:2026-09-11 / 本文全文。目標・指導・A/B/C、手技助言ではない
  5. 長崎大学 大学病院 令和9年度研修歯科医募集確認日:2026-09-11 / 本文全文。登録条件・書類・選考。日付曜日等曖昧部分不使用
  6. 長崎大学 歯学部 研究分野確認日:2026-09-11 / 本文全文。基礎系臨床系の分野一覧
  7. 長崎大学 歯学部 在学生の皆さまへ確認日:2026-09-11 / 本文全文。年度別便覧・R8シラバス・LACS案内。リンク先PDFの詳細未採用

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