3学科の就職率を、進学者の扱いと一緒に読む
2026年5月1日公表の公式資料では、2025年度の学科別就職率は次のとおりです。年度の対象は2025年9月卒業者と2026年3月卒業者で、大学院建築学専攻の実績は別の欄になっています。[1]
| 学科 | 就職率 |
|---|---|
| まちづくり学科 | 100.0% |
| 建築学科 | 95.5% |
| 建築デザイン学科 | 93.9% |
ここでいう就職率は、就職希望者を分母にした内定率ではありません。卒業者から大学院研究科等への進学者と外国の学校等への入学者を除き、進学しながら就職している人を加えた人数を分母にしています。分子は就職者と、進学しながら就職している人です。有期雇用は契約期間1年以上かつフルタイム相当という条件があり、大学は就職内定率とは異なると明記しています。[1]
まちづくり学科の100.0%も、全卒業者が就職したという意味や、希望する会社へ全員が採用されたという意味ではありません。割合の大小を学科選びの結論にせず、自分が取り組みたい領域と、卒業後の仕事を調べるための資料として使いましょう。
建築のどの課題に取り組みたいかを分ける
公式案内では、まちづくり学科は暮らしと持続可能なまち、建築学科は災害への強さや長く使える建築の技術、建築デザイン学科は建築・家具・インテリアや住環境などのデザインを扱います。建築を工学だけでなく芸術や社会の視点も含めて学ぶ構成です。[3]
1・2年次は3学科共通の学びを置き、3・4年次は12分野から専門を深める仕組みが紹介されています。「建築学部総合」で入学後に学科を選ぶ方法や、3年次の学科変更も案内されていますが、具体的な手続きや条件は本人の入学年度の案内で確認してください。[3]
| 関心 | 応募前に言葉にしたいこと |
|---|---|
| まちと暮らし | 誰の利用や行動を調べ、何を課題と考えたか |
| 建築の技術 | 構造・材料・環境などの条件をどう検証したか |
| 空間や形のデザイン | 利用者と用途を踏まえ、どの案を選んだか |
領域は学科間で重なるため、学科名だけで応募職種を限定する必要はありません。作品や研究を一つ選び、自分が特に時間をかけた判断を取り出すと、建築への関心を本人の経験として説明できます。
就職先の名前と、入社後の担当業務を分ける
公式の過去3ヵ年の主な就職先には、まちづくり学科のオオバ・オリエンタルコンサルタンツ・東京都庁、建築学科の大林組・高砂熱学工業・品川区役所、建築デザイン学科の三井デザインテック・森ビル・横浜市役所などが掲載されています。[2]
この一覧は学部学科別の掲載例で、2025年度だけの実績や人数順のランキングではありません。建設会社の名前があることを設計職での採用と読み替えたり、自治体への就職を特定の試験区分での採用とみなしたりすることはできません。大学院修了者の就職先も学部の欄に加えません。
候補先を比較する際は、企画、設計、施工に関する管理、設備、建物の運営など、募集される仕事の範囲を確認します。働く対象や担当工程、学位条件、提出物が分かると、同じ作品を見せる場合でも説明の重点を調整できます。
作品は、判断の理由が追える形にまとめる
以下は編集部の準備提案です。作品集を求めるか、どの形式で提出するかは応募先の案内で確認します。求められた場合は、完成図だけでなく、課題の条件、調査したこと、比較した案、採用した理由、自分の担当を整理すると、作品を通じて考え方を説明できます。
まちの調査なら、調査範囲や時間帯、観察できなかったことを残します。建築技術の課題なら、想定した条件と検証の範囲を記録します。デザインの課題なら、誰がどう使う空間かと、使いやすさをどのように検討したかを添えましょう。これらは採用実績から推定した評価基準ではなく、経験を説明するための整理方法です。
共同制作では、他の人の図面や分析を自分の成果のように示さず、担当箇所を明示します。提出可能な図面・写真の範囲は授業や活動の担当者に確認してください。長い資料を用意するだけでなく、一作品を短時間で説明する版を作ると、面接で時間を指定された場合にも対応しやすくなります。
案を変更した経験も、具体的な説明材料になる
編集部の架空の例です。「公共的な交流空間を考える課題で、私は利用動線の検討を担当しました。当初は見た目のまとまりを優先しましたが、グループ内で使い方を確認すると入口付近に動きが集中しました。そこで二つの案を比較し、活動が重なる場所を分けました。実際の施設で効果を検証したわけではなく、課題内で想定した使い方に基づく提案です。」
これは工学院大学の学生の体験談ではありません。自分の作品へ置き換える際は、気づきのきっかけ、変更した点、判断材料、検証できていない点を確かめます。「利用者に好評だった」など、調べていない評価を付け足さないようにしましょう。
講評で指摘を受けた経験を話す場合も、指摘された内容と自分で考え直した内容を分けます。最終案に至る過程を説明できれば、作品の印象だけでは見えない学修の積み重ねを伝えられます。
教員への相談とキャリア相談を組み合わせる
建築学部は一級建築士の資格取得を支えるカリキュラムも紹介しています。履修や資格の条件は、本人に適用される学内案内と資格実施機関の最新情報で確認してください。学部卒業だけで資格取得が完了すると解釈しないようにします。[3]
就職キャリア支援センターは新宿・八王子の両キャンパスにあり、求人NAVIから対面・オンラインの個別相談を予約できます。学生向けの書類・面接等の支援行事は、キューポートで最新情報を確認します。[4] [5]
教員には制作・研究内容の説明や進学して深めたいテーマを相談し、キャリア相談には募集要項と志望理由を持参する使い分けを提案します。作品の内容と応募条件を両方確認して、準備が片方だけに偏らないようにしましょう。
- 学科別実績は、大学院の実績と分けて読む。
- 希望する仕事の工程と提出物の条件を確認する。
- 作品の目的・比較案・担当・限界を一枚に整理する。
- 制作や研究の締切と応募期限を合わせて予定を立てる。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 工学院大学 2023~2025年度学科・専攻別就職率確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日。全1頁をテキスト・画像照合。2025年度は2025年9月卒と2026年3月卒。希望者分母ではなく進学等調整後の卒業者分母。学部と修士博士を分離
- 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日。p1先進工、p2工・建築、p3情報をテキスト・画像照合。p4修士は採用せず。過去3ヵ年の掲載例で、各社人数・職種・採用経路は不明
- 工学院大学 建築学部確認日:2026-09-11 / 学科構成、教育内容と特色の本文。入学年度別の履修条件は学生便覧で要確認。リンク先PDFと学生動画は未使用
- 工学院大学 就職・キャリア確認日:2026-09-11 / 就職キャリア支援センターの新宿・八王子窓口、対面・オンライン個別相談、求人NAVI予約、オンライン就活ブース。冒頭の系別企業一覧は使用しない
- 工学院大学 学生の方へ確認日:2026-09-11 / 2026年度支援行事、最新情報はキューポート。全学生の相談窓口と27卒向け求人NAVI個人面談・KU-LMS案内。過去・将来日程を現在募集中とは扱わない