5学科の実績は、就職率の定義をそろえて読む

大学の2026年5月1日公表資料では、2025年度の学科別就職率は次のとおりです。対象は2025年9月卒業者と2026年3月卒業者で、大学院修了者の欄とは分けて掲載されています。[1]​‌‌​​​‌‌​‌​​​​‌‌​​‌​‌‌‌​‌‌‌‌‌​​​​‌‌​‌​​‌​‌‌‌‌​​​‌​​‌​​‌​​‌‌​‌‌‌‌

2025年度の学科別就職率
学科就職率
生命化学科93.8%
応用化学科88.0%
環境化学科90.9%
応用物理学科86.8%
機械理工学科93.9%
[1]

ここでいう就職率は、就職希望者を分母にした内定率ではありません。卒業者から大学院研究科等への進学者と外国の学校等への入学者を除き、進学しながら就職している人を加えた人数を分母にしています。分子は就職者と、進学しながら就職している人です。有期雇用は契約期間1年以上かつフルタイム相当という条件があり、大学は就職内定率とは異なると明記しています。[1]

この数字だけでは各学科の進学人数や、希望職種への採用状況は分かりません。割合の高低で自分の進路を決めたり、5学科の数字を平均して学部の就職率を作ったりせず、本人の希望と募集要項を照合する資料として使います。

学科の名称より、扱った対象と方法を伝える

学部の公式案内は、生命化学、応用化学、環境化学、応用物理、機械理工の5学科を示しています。化学を軸にする学科同士でも、生体に関する課題、物質を作る課題、環境を守る課題では、説明の出発点が変わります。[3]

学びから企業研究へつなぐ問い(編集部の提案)
学科経験を整理する視点
生命化学何を測定し、生命現象について何を確かめたか
応用化学材料や反応のどの条件を比較したか
環境化学対象物質と環境への影響をどう評価したか
応用物理現象をどのモデルや測定で捉えたか
機械理工運動や機構をどの理論・実験で確かめたか

表は採用職種を学科ごとに固定するものではありません。たとえば実験で得た数値を扱う経験は、測定方法の検討、データ整理、条件比較などに分けられます。自分が手順に従った部分と、追加で考えて試した部分を分けると、同じ授業の受講者の中でも本人の行動が伝わります。

過去の就職先を、今年の職種調査の入口にする

公式の過去3ヵ年の一覧には、生命化学科の味の素冷凍食品・関東化学、応用化学科の東洋合成工業・三菱マテリアル、環境化学科のJERA・デンカ、応用物理学科の日本電子・ニコン、機械理工学科のトヨタ自動車・日本航空などが掲載されています。[2]

これは学部学科別の掲載例で、2025年度だけの一覧でも、人数順のランキングでもありません。製薬・化学の会社への就職を研究職、航空会社への就職を操縦職と読み替えることはできません。現在の職種と学位条件は、各社の採用情報で確認してください。

候補企業を選んだら、扱う製品やサービス、配属候補の仕事、学部卒と修士卒の応募条件、勤務地の範囲を並べます。同じ企業に複数の募集区分がある場合は、志望する仕事の欄まで読み、会社全体の紹介だけで志望理由を完成させないようにします。

大学院接続型の学びと、進学の判断を分ける

先進工学部は学科教育重視型と大学院接続型の二つの教育プログラムを案内しています。大学院接続型では、他学科の科目を学ぶ副専攻や早期の研究室配属など、6年間を見据えた学びが説明されています。[3]

教育の仕組みがあることと、自動的に大学院へ進学できることは別です。自分の入学年度の履修・選択条件、進学の手続きは学内案内で確認します。また、進学すれば希望職種に就けると決めつけず、研究で深めたい問いと、応募候補が求める学位をそれぞれ整理しましょう。

指導教員へ相談するときは、現在のテーマで分かったこと、まだ検証できていないこと、修士課程で続けたい内容を持参すると具体的になります。学部での就職を検討する場合も、研究を途中で投げ出す説明にせず、身につけた方法をどの業務で使いたいかを言葉にします。

研究紹介は、結果だけでなく判断の筋道を示す

編集部の架空の例です。「材料の測定値が条件によって変わる実験で、私は記録方法を担当しました。最初は結果だけを表にしていましたが、試料の状態と測定順も残す必要があると考え、記録欄を追加しました。比較し直すことで条件の違いを説明できました。ただし測定回数は限られており、原因を断定できる段階ではありません。」

この例は工学院大学の学生の体験談ではありません。自分の実験へ置き換える際は、担当範囲、判断の根拠、指導を受けた部分を確認します。「再現性を改善した」と書くなら、どの条件をそろえ、何を比較したのかまで答えられるようにしましょう。

研究テーマが専門的でも、最初の説明は「何に困っている人がいて、何を確かめる研究か」から始められます。その後に用いた方法と制約を加えます。共同研究の未公表情報など、応募資料に載せられる範囲は指導教員に確認してください。

相談には、研究の説明と募集要項を一緒に持参する

就職キャリア支援センターは新宿と八王子の両キャンパスにあり、対面・オンラインの個別相談を求人NAVIから予約できます。学生向けページには書類・面接などの支援行事が掲載され、最新情報はキューポートで確認するよう案内されています。[4] [5]

  • 学科別実績と自分の卒業年度を分けてメモする。
  • 候補企業の募集区分と学位条件を確認する。
  • 実験・研究の担当部分を一分程度で説明する。
  • 就職か進学か迷う理由を、研究内容と仕事内容に分けて相談する。

相談時点で志望企業が決まっていなくても、何に関心があり、何を比較できずにいるかを伝えられれば準備は進みます。学部名だけで可能性を狭めず、本人の学びと応募先の仕事の接点を一つずつ確かめましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 工学院大学 2023~2025年度学科・専攻別就職率確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日。全1頁をテキスト・画像照合。2025年度は2025年9月卒と2026年3月卒。希望者分母ではなく進学等調整後の卒業者分母。学部と修士博士を分離
  2. 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)確認日:2026-09-11 / 2026年5月1日。p1先進工、p2工・建築、p3情報をテキスト・画像照合。p4修士は採用せず。過去3ヵ年の掲載例で、各社人数・職種・採用経路は不明
  3. 工学院大学 先進工学部確認日:2026-09-11 / 学科構成、教育内容と特色の本文。入学年度別の履修条件は学生便覧で要確認。リンク先PDFと学生動画は未使用
  4. 工学院大学 就職・キャリア確認日:2026-09-11 / 就職キャリア支援センターの新宿・八王子窓口、対面・オンライン個別相談、求人NAVI予約、オンライン就活ブース。冒頭の系別企業一覧は使用しない
  5. 工学院大学 学生の方へ確認日:2026-09-11 / 2026年度支援行事、最新情報はキューポート。全学生の相談窓口と27卒向け求人NAVI個人面談・KU-LMS案内。過去・将来日程を現在募集中とは扱わない

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