医学部の就活は、卒後の臨床研修先選びから考える

岩手医科大学医学部の進路を調べるときは、一般企業の就職先一覧と同じ見方をするより、卒後の臨床研修で何を学びたいかを整理することが先です。大学の進路資料でも、医学部の就職者は臨床研修医として区分されています。[1]​​‌‌‌‌‌‌​‌​​‌​‌‌‌​‌‌​​‌​‌‌​‌​‌​‌‌​​‌​​​​‌‌​​‌​​​​‌‌​‌‌‌​​​​​​​‌‌

附属病院には基本プログラムと産婦人科・小児科・周産期プログラムがあります。自分が関心を持つ診療領域に加え、幅広い患者への対応、地域医療、指導体制、働きながら学ぶ環境を比べましょう。[4]

研修先を調べる前に整理すること
項目考える内容
身につけたい力基本的な診療、救急、患者への説明、チームでの連携
関心のある分野実習で気になった診療科と、その理由
学ぶ環境指導医への相談、振り返り、院外研修
生活と勤務勤務地、勤務体制、休息、住まい

志望診療科がまだ決まっていなくても、実習で印象に残った場面や自分の課題は整理できます。研修先の名前だけを先に決めず、どんな経験を積みたいかを言葉にしてください。

公開資料では、2024年度卒120人のうち112人が臨床研修医

令和7年度情報公開に掲載された資料の「令和6年度(2024年度)進路決定者数」では、医学部の卒業者は120人、進学0人、就職112人で、就職の内訳は臨床研修医112人です。これは2024年度の実績であり、2025年度卒の数字ではありません。[1]

公式資料の2024年度進路
項目人数
卒業者120人
進学0人
就職112人
就職のうち臨床研修医112人
[1]

卒業者数と進路決定者数の差について、この表だけでは事情が分かりません。差をすべて国家試験不合格や就職活動の不成功と推測しないようにします。また、112人全員が岩手医科大学附属病院で研修したという資料でもありません。

臨床研修への進路、国家試験の合格、希望する研修先への採用は別々の結果です。これらを混ぜて合格率や採用率を計算せず、最新の募集条件は研修を希望する施設の案内で確認しましょう。

附属病院の2プログラムは、選択研修の組み方を比べる

附属病院の臨床研修では、基本的な診療能力の習得と、医療チーム内での情報共有・連携が方針として示されています。高度専門医療への関心だけでなく、患者や他職種とどう関わるかも研修の目的です。[3]

公式案内に基づくプログラムの比較
項目基本プログラム産婦人科・小児科・周産期プログラム
特徴幅広い分野から研修を組み立てる周産期などへの関心を深める特別選択を設ける
選択科目49週33週
特別選択別枠の設定なし産婦人科・小児科に関する16週
共通する必修の例内科24週、救急部門12週、地域医療4週など内科24週、救急部門12週、地域医療4週など
[4]

産婦人科・小児科・周産期プログラムの特別選択では、母体・胎児の集中管理に関わるMFICUと、新生児の集中治療に関わるNICUで各8週の研修が示されています。関心がある場合は、どのような指導と経験が得られるかを見学時に確認してください。[4]

選択期間が長くても、希望どおりの研修が無条件に決まるわけではありません。公式案内には到達目標の達成状況による調整や、希望する院外研修先の状況による調整が記載されています。ローテート例を自分に保証された予定と捉えず、相談して確かめましょう。[4]

大学病院と地域の医療を、どう行き来して学ぶかを見る

基本プログラムの特徴として、専門診療科の支援の下で学ぶこと、高度救命救急センターで経験を積むこと、地域の病院・診療所で生活に近い医療を学ぶことが挙げられています。大学病院と地域のどちらか一方だけで比較せず、研修全体で何を経験できるかを見ましょう。[4]

同じ地域医療でも、患者の生活背景や医療資源は場所により異なります。見学では、大学病院で学んだことを院外でどう生かすか、院外研修の経験をどのように振り返るかを質問してみてください。

見学で確かめたい質問
観点質問例
指導診療上の判断に迷ったとき、誰にどう相談しますか
経験研修医が担当する仕事は、習熟に合わせてどう変わりますか
地域医療院外研修の希望と目標を、いつ相談しますか
振り返り症例や課題を共有する機会はどのようにありますか
勤務当直後の勤務や休息について、どのように運用していますか

症例数や設備だけでなく、質問しやすさや、指導を受けて学び直す仕組みも確認します。説明会で分かったことと、まだ確認していないことを分けて記録してください。

実習の経験を、目指す医師像につなげる

医学部の紹介では、看護・施設介護の実習、地域の医療機関での研修、救急医療の体験、診療に参加する臨床実習などが案内されています。選考では実習名だけを並べず、何に気づき、何を学び直したかを説明しましょう。[2]

編集部の架空の例では、「地域の実習で、通院の事情を踏まえた説明の重要性に気づきました。私は指導医に確認し、病気の知識だけでなく生活背景を把握する必要があると学びました。研修では患者の状況を整理して相談する力を伸ばしたいです」とまとめられます。自分が経験した内容に置き換えてください。

学生として見学したこと、指導の下で参加したこと、自分で考えたことを分けます。できなかった経験も、課題を認識してどう確認したかが説明できれば、研修で学びたいことにつながります。患者を特定できる情報は出さないようにしましょう。

医学部では担任制や高学年のチューター制などによる相談の仕組みも案内されています。実習の振り返りや進路への迷いを整理し、普段の学修を知る教員に相談してみてください。[2]

2027年度採用要項を例に、資格・選考・締切を確認する

確認した令和9年度採用の募集要項では、2027年3月の医学部卒業見込者または既卒者で、第121回医師国家試験を受験する者を応募資格としています。研修期間は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間です。[5]

同要項の募集人数は基本プログラム36人、産婦人科・小児科・周産期プログラム4人で、選考方法は書類審査・小論文・面接です。これは附属病院の募集条件で、岩手医科大学卒業者の採用実績や採用保証ではありません。[5]

2026年9月11日の確認時点では、掲載されている第1回・第2回の応募締切はすでに経過しています。掲載ページを見ただけで募集中とは判断せず、追加の募集や次年度の条件は研修センターの最新案内で確認してください。[5]

応募資格、書類の種類、提出方法、締切を一覧にし、実習や国家試験対策の予定と合わせて管理します。施設独自の選考と研修先を決める手続について、不明な点は各募集先に確認しましょう。

見学前に、質問と実習の経験を一枚にまとめる

附属病院の研修センターは病院見学の申込みを随時受け付け、センター長から詳しい話を聞いたり、現役研修医から現状を聞いたりできると案内しています。診療科によってオンライン説明の対応もあるため、希望する内容と方法を確認して申し込みます。[6]

見学前には、研修で身につけたいことを三つ、実習で感じた課題を一つ、確認したい勤務・生活上の条件を書き出してください。見学後は、回答から分かったことと追加で聞きたいことを分けます。

複数の研修先を比べる場合も同じ項目で記録すると、知名度や印象だけに偏りにくくなります。指導体制、研修内容、生活の条件を整理し、自分の学びたい理由が具体的に伝わるかを教員にも相談してみましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 令和7年度情報公開・学生数等資料確認日:2026-09-11 / PDFp1画像を確認。AnnualReport2025誌面41~42、令和6年度進路決定者数。医学120卒/就112全臨研/進0、歯37卒/就18全臨研/進2。差分理由不明、2025年度に読み替えない。p2外国人表は不使用
  2. 医学部案内確認日:2026-09-11 / 全文確認。低年次看護介護、地域研修、学生ドクター、担任チューター。地域実習学年の混在記述があるため記事では具体年次断定せず
  3. 臨床研修プログラムの理念・方針確認日:2026-09-11 / 本文全文確認。基本診療・高度専門への関心・チーム連携
  4. 2つの臨床研修プログラム確認日:2026-09-11 / HTML全表実読。基本/産婦人科小児科周産期、選択49/33週+特別16、内24救12地域4。リンク先冊子未使用
  5. 令和9年度採用・臨床研修医募集要項確認日:2026-09-11 / 全文実読。2027/4~2029/3、資格121国試、36/4名、選考書類小論面接。2026/7/17と8/14締切経過を明記。給与は不使用
  6. 病院見学確認日:2026-09-11 / 本文全文確認。随時受付、センター長面談・研修医の話、一部オンライン。予定なし記載に留意、見学補助額不使用

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