1学部の大学なので、まず学部と大学院を分けて読む

公立はこだて未来大学はシステム情報科学部からなる単科大学です。学部には情報アーキテクチャ学科と複雑系知能学科があり、5つのコースが案内されています。大学院のシステム情報科学研究科の実績は、学部とは別に公表されています。[1] [2] [3]​‌‌‌​​​‌​​​​​​​​​‌​‌​​‌‌​​​​​‌‌‌‌​‌​​‌‌​​​​‌‌​​‌‌‌​‌‌‌​‌​​​​​‌​​

大学全体を調べる入口としては、所属が学部か大学院か、対象が何年の卒業・修了者かを確かめましょう。学部の中での研究・開発経験を詳しく整理するときは、自分の学科とコースの学びを確認します。卒業生インタビューの企業名も、学部卒と大学院修了を区別して読みます。

2026年3月の学部と修士の進路を比較する

2026年3月卒業・修了者の進路
課程卒業・修了者就職希望者就職者公表就職率進学者
学部213人132人131人99.2%72人
修士(博士前期課程)50人44人43人97.7%6人
[4] [5]

学部の就職率99.2%は131人を132人で割った値で、卒業者全体に占める就職者の割合61.5%とは異なります。修士の97.7%も就職希望者44人が分母です。卒業・修了者全体を分母とする割合と、就職希望者を分母とする割合を混ぜないようにしましょう。[4] [5]

学部の進学72人は、本学大学院67人、外部大学院4人、外部のその他1人です。卒業者全体に占める進学者の割合は33.8%ですが、資料中の「進学率94.7%」は進学希望者76人を分母にした別の数字です。何人のうち何人かを確認して読みます。[4]

修士の進学6人は本学大学院5人、外部大学院1人です。学部と修士では専門性や希望する仕事が異なり、人数も違います。この一年度の就職率だけで、大学院へ行くと就職で有利・不利になると結論づけることはできません。[5]

大手を含む就職先例は、課程ごとに確認する

学部の過去3年の主な就職先には、道内のNTTデータ北海道やSCSK北海道、道外のアマゾンウェブサービスジャパン、サイボウズ、セガなどが掲載されています。情報通信業以外の欄には、スズキ、東京エレクトロン、博報堂、日立製作所などの例があります。[2]

修士の過去3年の主な就職先には、KDDI、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、LINEヤフー、トヨタ自動車、日産自動車、ルネサスエレクトロニクスなどが掲載されています。これらを学部だけの就職実績として紹介しないようにしましょう。[3]

両ページは「過去3年実績」としていますが、起点・終点の年度は明記されていません。2026年3月卒業・修了者だけの内訳ではなく、個社の採用人数や職種も分かりません。企業名を内定の保証と受け取らず、現在の募集条件を調べるために使います。

2026年3月の職種別表では、学部の情報処理・通信技術者は就職131人中96人、修士では43人中34人です。ただし、この職種表と企業一覧を結び付けて、特定企業の採用職種を推測することはできません。[4] [5]

道内・首都圏の数字は、本社所在地の集計

学部の地域別進路表では、就職131人のうち函館4人、札幌20人、その他道内2人、首都圏80人などが掲載されています。修士では就職43人のうち札幌3人、首都圏33人などです。表の見出しは「地域(本社所在地)」です。[4] [5]

したがって、首都圏の割合が高くても、その全員が首都圏勤務と決まっているとは言えません。道内で働きたい場合も、企業の本社がどこにあるかだけで候補を絞らず、募集勤務地、配属の決まり方、転勤の範囲を確認します。

勤務地を考えるときの質問例(編集部の提案)
確認したいこと求人や説明会での質問
勤務地の決定応募時に勤務地を選ぶのか、入社後に決まるのか
仕事内容との関係希望する職種がどの拠点で募集されているか
将来の働き方異動・転勤の範囲はどのように示されているか
選考への参加オンラインで受けられる段階と、対面の予定はいつか

学部就職と大学院進学を、研究内容から考える

学部では、基礎から専門へ進み、3年次に学科横断のプロジェクト学習、4年次に卒業研究へつながる構成が案内されています。プログラミングだけでなく、デザインや認知、数理、人工知能など複数の視点から情報分野を学ぶ大学です。[1]

高度ICTコースは、情報システムコースの3年次に選択する、大学院進学を前提とした6年一貫のコースです。学部と大学院を通して設計・開発・マネジメントに取り組む仕組みなので、2年次にすべてのコースへ同じ手順で入ると理解しないようにしましょう。[6]

進学を考えるときは、さらに明らかにしたい研究の問い、指導体制、出願条件、必要な期間と費用を整理します。学部で就職したい場合は、募集職種で求める知識や提出物と、自分の研究・開発の経験を比較します。企業一覧だけを理由に進学を決める必要はありません。

チーム活動は、自分の判断と担当を示す

3年次必修のプロジェクト学習では、学科・コースを越えたチームで、実社会の課題に1年間取り組みます。中間発表、成果発表、最終レポートなどを通じて、問題の発見から提案・検証へ進む過程が案内されています。[7]

応募書類ではプロジェクト名だけでなく、誰のどの問題を扱い、自分が何を担当し、評価から何を変えたかを整理します。完成したものだけでなく、うまくいかなかった案から何を学んだかも説明できるようにしましょう。

編集部の架空の例です。「チームの発表で、私は利用者から得た意見を整理しました。機能への要望をそのまま追加するのではなく、困っている場面ごとにまとめ、優先順位を話し合いました。発表資料では、自分たちが確認した範囲と、今後検証する課題を分けて示しました。」

これは公立はこだて未来大学の学生の体験談ではありません。自分の役割を正確に書き、共同成果を一人の実績にせず、公開できる資料の範囲を守って説明します。

FUNキャリや就職支援室を、早い段階から使う

キャリアガイダンスは全学年が聴講でき、自己分析、履歴書、業界・職種・企業研究、筆記試験、面接などの講座が案内されています。学内合同セミナー「FUNキャリ」も全学生が参加でき、仕事内容や選考準備を知る機会として利用できます。[8]

就職支援室では求人情報の提供や進路相談を行い、オンライン選考面接用のブースも貸与しています。インターンシップは企業実習として一定の要件を満たす場合に単位認定の対象となるため、参加前に条件を確認します。[8]

  • 学部か修士か、卒業・修了年度をそろえて進路表を読む。
  • 仕事内容、進学、勤務地の希望をそれぞれ整理する。
  • 研究や開発の経験一つを、目的・担当・評価・改善でまとめる。
  • 学内相談やFUNキャリで条件を確認し、応募・出願の予定を決める。

大学名や就職率だけで自分の進路を判断せず、学んできたことと、次に取り組みたい仕事や研究を照らし合わせましょう。実績を正しく読むことと、自分の経験を具体的に説明することの両方が、選考準備の土台になります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 公立はこだて未来大学 カリキュラム概要確認日:2026-09-10 / 1学部2学科5コース、段階学修
  2. 公立はこだて未来大学 学部就職データ確認日:2026-09-10 / 2026/3学部99.2、企業過去3年起終なし
  3. 公立はこだて未来大学 大学院就職データ確認日:2026-09-10 / 修士企業例を学部へ転用しない
  4. 公立はこだて未来大学 2026年3月 学部進路確認日:2026-09-10 / 1頁抽出描画照合。213卒132希望131就72進67内部院4外部院1他、進94.7は76希望分母、33.8卒分母。職種96、本社地域
  5. 公立はこだて未来大学 2026年3月 修士進路確認日:2026-09-10 / 1頁抽出描画。50修44希望43就97.7、6進5内部1外部院、職種34、本社地域札3首都33
  6. 公立はこだて未来大学 高度ICTコース確認日:2026-09-10 / 情報システム3年選択院前提6年
  7. 公立はこだて未来大学 プロジェクト学習確認日:2026-09-10 / 3年必修1年、横断中間成果レポート
  8. 公立はこだて未来大学 就職支援確認日:2026-09-10 / 全学年講座FUNキャリ、支援室面接ブース、実習条件単位

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