就職者90人と進学者72人を別に捉える
大学の卒業・修了者就職状況では、2026年5月1日現在、理学部の卒業者172人、進学者72人、就職希望者90人、就職者90人と掲載されています。就職率100.0%は希望者を分母とする値で、2025年9月卒業・修了を含まない表です。[1]
進学者がいるため、就職率だけでは卒業後の進路全体は分かりません。また、この率が高いから希望の研究職へ必ず就ける、学部卒なら不利といった結論も導けません。自分が希望する仕事について、募集される職種と学位の条件を確認する必要があります。
進学を考える場合は、就職の先延ばしとしてだけ捉えず、研究で明らかにしたい問いを整理します。就職を考える場合も、専門が完全に一致する仕事だけでなく、実験や解析で培った確認の方法がどの業務へつながるかを調べましょう。
6分野の学びを、自分の方法から説明する
理学部は1年次に幅広く学び、2年次からデータサイエンス、数学、物理学、化学、生物学、地球科学のコースカリキュラムを選ぶ構成です。入試科目によらず選択でき、数学とデータサイエンス、化学と生物など分野を横断した学修も案内しています。[2]
| 分野 | 説明に残したいこと |
|---|---|
| データサイエンス・数学 | 入力や仮定、証明・分析の手順、成り立つ条件 |
| 物理学・化学 | 測定条件、比較する対象、誤差や再現性の確認 |
| 生物学・地球科学 | 観察対象、記録方法、環境条件、解釈の限界 |
これは職種を限定する表ではありません。自分が実際に扱った課題に合わせて、何を調べ、どの方法を使ったのかを言葉にするための整理です。履修した科目名を並べるより、一つの課題を説明できる方が、経験の内容が伝わります。
専門外の人へ話すときは、研究テーマの名前に日常的な説明を添えます。そのうえで、目的、方法、自分の担当、分かったこと、まだ言えないことの順に話すと、専門用語を減らしながら内容を保てます。
学部卒の就職先と大学院修了後の一覧を混ぜない
理学部の卒業後の進路ページは、学部卒と博士前期課程修了後の進路を分けています。学部卒の主な就職先は過去3年分として、JR東日本、NECネッツエスアイ、日新製薬、長谷川香料、気象庁、国土地理院などを掲載しています。[3]
これらは複数年の実績例であり、2026年卒だけの人数表ではありません。また会社名から配属職種や勤務地は分からず、掲載されていることが採用を保証するわけでもありません。大学院修了者の一覧を加えて、学部卒の大手企業実績を膨らませないようにします。
同ページは学部卒の進学先として、山形大学大学院に加え、東北大学大学院、北海道大学大学院などを過去3年分の例に挙げています。内部進学・他大学進学のどちらも、研究内容や募集要項、必要な準備を自分で確認してください。[3]
企業、公務員、教員を比べる際は、それぞれの募集区分に必要な学位や資格を確認します。ある機関への卒業生実績があっても、自分の専攻で今年度応募できる区分があるとは限りません。
大学院へ進む目的と必要条件を確かめる
理学部は、学業成績などの一定要件を満たし、本学大学院への進学を希望する学生向けに大学院接続プログラムを案内しています。3年次後期からの卒業研究や、4年次に大学院科目を先行履修する仕組みであり、全員が無条件で利用できる制度ではありません。[2]
| 観点 | 確かめること |
|---|---|
| 研究の目的 | さらに調べたい問いと必要な設備・指導 |
| 応募する仕事 | 学部卒と修士修了で募集内容がどう違うか |
| 時間と費用 | 修学期間、生活費、利用できる支援の条件 |
| 準備の予定 | 研究室への相談、出願、試験、就職活動の期限 |
進学先の知名度だけで結論を出すより、研究内容と指導を受ける環境を確かめましょう。研究室の先生には学修面の相談を、キャリア支援窓口には仕事の募集条件の確認を持ち込み、違う観点の情報をそろえられます。
研究が途中でも、判断の過程を自己PRにする
研究が完成していない段階であっても、現在までに自分が実施した範囲は説明できます。予想と異なる結果が出た場合は、何を疑い、どの条件を確認したのかを整理します。結果をよく見せるために、未検証の推測を結論として話す必要はありません。
編集部の架空の例です。「解析結果が想定と違ったため、私は入力データの範囲と前処理を確認しました。条件を一つずつ変えて結果を比較し、指導者と相談して再確認の項目を決めました。原因をすべて特定できたわけではありませんが、比較できる条件をそろえる重要性を学びました。」
これは山形大学の学生の実話ではありません。自分の課題に置き換え、指導者や共同研究者が行った判断と自分の作業を区別してください。共同研究の未公開情報や、他者の個人情報を応募資料に含めない配慮も必要です。
面接では、専門的な手法をどの程度知っているかだけでなく、説明が伝わらないときに補足する姿勢も示せます。詳しい説明と、専門外の人向けの短い説明の両方を用意し、相手の質問に合わせて話せるようにしましょう。
学修相談と就職相談を使い分ける
理学部はアドバイザー教員による修学・生活面の相談や、大学院生による学習サポートを案内しています。大学全体の就職支援NAVIでは、求人検索や予約制の就職相談を利用でき、応募書類添削・面接練習も受け付けています。[2] [4]
- 学部と大学院の実績を分けて読む。
- 希望職種の学位条件と勤務地を確認する。
- 研究の目的、方法、自分の担当、限界を整理する。
- 進学と応募の予定を並べ、先生と支援窓口へ相談する。
理学部で学んだ内容が仕事へ直結するか分からないときこそ、専門の名前ではなく、自分がどう考え確かめたかを言葉にします。研究を続ける道も就職する道も、比較した事実と自分の希望をそろえて判断しましょう。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 山形大学 卒業・修了者就職状況確認日:2026-09-11 / 全文表、2026/5/1、理卒172進72希望90就90、2025/9卒除外
- 山形大学 理学部 入学から卒業まで確認日:2026-09-11 / 本文全文。6分野、2年選択、学修支援、大学院接続要件。画像未読、本文の情報のみ。
- 山形大学 理学部 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 本文全文。学部・博士前期分離、主な就職先と進学先は過去3年。令和7図は未読・人数不使用。
- 山形大学 就職支援NAVI確認日:2026-09-11 / 全文、相談予約と添削面接