就職者と進学者を合わせて進路を考える

農学部の公式進路ページでは、2026年3月の食料生命環境学科卒業者は163人、大学院進学40人、その他9人、就職者114人、未決定者0人と掲載されています。就職内訳は、独立行政法人などを含む民間企業欄79人と、公務員・教員等の欄35人です。[1]‌​‌‌‌‌​​​‌‌​‌‌​‌‌​​​‌‌‌​​‌​‌‌​​‌‌‌‌‌‌​‌​​‌‌‌​​​‌‌‌​​​‌‌‌​​‌​​​​‌

大学全体の2026年5月1日現在の表では、農学部の就職希望者114人に対して就職者114人、就職率100.0%と確認できます。卒業者163人全員が就職したという意味ではなく、希望者を分母とする値です。[2]

この数字から、自分が希望する会社へ採用される確率や、食品の研究開発職に就く割合は分かりません。進学を選んだ人もいるため、企業への応募だけでなく、さらに学びたい分野があるかを一緒に考えてみましょう。

3コースで何を学んだかを具体的にする

農学部は2019年4月に1学科3コースへ再編成しています。1年次後期に興味や適性を踏まえてコースを選び、2年次から配属される案内です。さらに3年次には、基幹、国際展開、地域創生の履修プログラムを選択します。[3]

アグリサイエンスは農畜産物の持続的な生産や資源の管理、バイオサイエンスは生物の機能やその利用、エコサイエンスは自然環境・生態系の持続的な管理や保全を学ぶ内容です。[4] [5] [6]

学びと経験をつなぐ問い(編集部の提案)
学ぶ領域自分の課題で整理したいこと
農業生産・管理生産条件や作業、資源の使い方をどう比較したか
生物・食品の機能対象や測定条件、結果の解釈をどう確認したか
環境・生態系場所や時期による違い、観察記録の限界をどう扱ったか

同じコースでも研究テーマや経験は異なります。「農学部だから食品に詳しい」と一括りにせず、自分が何を調べ、どこまで理解したのかを説明しましょう。授業で触れた内容と、継続して研究した内容を分けると、専門性を誇張せずに伝えられます。

企業名から研究職や配属先を推測しない

2026年3月の学部卒業者の就職先一覧には、不二家、山崎製パン、ヤンマーアグリ、NTTデータビジネスシステムズ、農林水産省などが掲載されています。大学院農学研究科の就職先は別の一覧になっているため、学部卒の実績と混ぜずに読みます。[1]

食品会社でも研究開発、製造、品質に関わる業務、営業など、仕事内容は募集ごとに異なります。掲載企業へ入社した人がどの職種に配属されたかは会社名だけでは分かりません。研究開発を希望する場合は、対象学位や専門分野、業務内容を募集情報で確認してください。

環境分野や公務員を考える場合も、募集区分を確認します。農学の専門を使う技術系区分と、それ以外の区分では試験や業務が違う可能性があります。卒業生の採用実績があることを、どの区分でも応募できるという意味に読み替えないようにします。

働く地域については、会社の本社所在地と勤務する場所を分けます。工場、研究拠点、営業所など複数の拠点がある場合は、最初の勤務地と異動範囲を確認し、仕事内容と暮らしの希望を同時に比べましょう。

実験や現地調査では、変動する条件をどう扱ったかを話す

農学の課題では、生物の状態や天候、場所など、自分で完全にはそろえられない条件を扱うことがあります。自己PRでは、その違いをどう記録し、比較する際に何を確かめたのかを説明できます。条件を無視した大きな成果より、検証の過程を正確に伝えることが大切です。

実習・研究の経験メモ(編集部の提案)
項目記録する内容
目的何を比較し、明らかにしたかったか
条件対象、場所、期間、採取や測定の方法
担当自分が実施した記録、分析、連絡など
判断結果から言えることと言えないこと
改善次にそろえたい条件や追加の確認

編集部の架空の例です。「実習の観察記録をまとめる際、調査日によって条件が違うことに気付きました。私は場所、日時、観察方法を整理し、単純に比較できない部分を示しました。指導者と相談し、追加で確認すべき項目を決めて、発表には結果の限界も記載しました。」

これは山形大学の学生の実話ではありません。自分の体験へ置き換え、他者の研究成果や助言を自分だけの実績として話さないようにします。企業や地域の方から提供された未公開データがある場合は、公開してよい範囲を確かめてください。

進学と就職は、深めたい課題から比較する

大学院進学を検討するなら、さらに調べたい問い、学びたい方法、必要な研究環境を書き出します。就職を検討するなら、仕事で関わりたい対象と、担当したい工程を整理します。「食に関わりたい」という希望も、生産、加工、流通、品質、販売などに分けると調べる情報が具体的になります。

国際展開プログラムは語学や交流を含む演習・海外実習など、地域創生プログラムは食や農を核にした地域の活性化とマネジメントを学ぶ案内です。履修した場合は、制度名だけでなく、実際に確かめた課題や担当した活動を説明しましょう。[3]

進学先の研究室と企業の双方について、募集要項、必要条件、費用や生活、準備の時期を確認します。先輩と同じ選択をすることを目的にせず、自分の希望に必要な経験を得られるかという観点で相談してみてください。

鶴岡の就職情報室へ、求人と経験メモを持っていく

農学部の就職情報室は農学部1号館1階にあり、進路相談や求人票の閲覧、履歴書の作成、エントリーシート添削、面接指導などを案内しています。訪問前に最新の開室案内を確認し、相談したい求人や下書きを用意すると話を進めやすくなります。[7]

  • 自分のコースと研究で扱った課題を短くまとめる。
  • 企業名だけでなく募集職種・学位条件・勤務地を確認する。
  • 実験や実習の目的、条件、自分の担当を整理する。
  • 進学と就職の予定を並べ、就職情報室と指導教員へ相談する。

農学部の幅広い学びを進路へつなぐには、自分がどの問題に関心を持ち、どの方法で向き合ったかを伝えることが重要です。専門と仕事の接点を一つずつ確認し、納得できる候補を増やしましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 山形大学 農学部 卒業後の進路確認日:2026-09-11 / 全文。2026/3学部163進40他9就114、企業等79公務員教員等35。学部会社名と院会社名別
  2. 山形大学 卒業・修了者就職状況確認日:2026-09-11 / 全文、2026/5/1農希望114就114、2025/9除外
  3. 山形大学 農学部 コース・プログラム案内確認日:2026-09-11 / 全文本文、2019改組3コース、2年配属3年プログラム。図未読
  4. 山形大学 アグリサイエンス確認日:2026-09-11 / 本文全文、生産・管理
  5. 山形大学 バイオサイエンス確認日:2026-09-11 / 本文全文、生理機能探索応用
  6. 山形大学 エコサイエンス確認日:2026-09-11 / 本文全文、環境生態系管理保全
  7. 山形大学 就職情報室確認日:2026-09-11 / 全文、1号館1階、履歴書ES面接等

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