進学の多い大学だからこそ、対象をそろえて読む

2025年度の進路状況(2026年5月1日現在、人数)
対象卒業・修了者進学就職別区分
学部479409(本学402・他大学7)47研究生等3、その他20
博士前期課程40817(本学10・他大学7)372復職1、その他18
[1]

この表は卒業・修了後の進路を示しています。就職希望者だけを集めた表ではないため、就職者数を卒業者数で割って、就職活動の成功率とすることはできません。学部の進学者を未就職者に含めて評価する読み方も適切ではありません。[1]​‌‌​​‌​​​‌‌‌​‌​​​​​​‌‌‌​​‌​​​​​​​​​‌​‌‌​‌‌‌‌‌​‌​​​‌‌‌‌‌​​​‌‌‌​​​

学部と博士前期課程では、進学する人の割合や卒業・修了時点の専門性が異なります。「就職者が多いから必ず大学院へ進むべき」とまでは言えません。研究を深めたい内容、希望職種の学位条件、費用や生活の見通しをそろえて考えるための背景として使いましょう。

自分の課程の内訳や、実験・設計・開発経験の整理は工学部を対象とした情報で確認すると具体的になります。大学全体の一覧では学位を、工学部の資料では所属課程を確かめると、他の集団の実績を自分の条件と取り違えにくくなります。

就職先一覧から応募候補を探す手順

2025年度の就職先一覧は、工学部、博士前期課程、博士後期課程を分け、さらに課程・専攻ごとの列を設けています。全体の合計だけでは、どの学位の卒業・修了者が入社したかは分かりません。気になる会社の行から自分に対応する列を確認するのが基本です。[2]

同じ一覧でも学位を分けて読む例
掲載先学部の小計博士前期課程の小計
積水ハウス2人0人
アクセンチュア1人1人
トヨタ自動車0人3人
三菱電機0人10人
[2]

表の0人は、この年度の資料でその区分に就職者が記載されていないという意味です。今後の応募ができないことや、他年度にも実績がないことを示してはいません。人数が多い会社でも、そのまま本人の内定しやすさには置き換えられません。[2]

まず候補を数社選び、各社の公式採用情報で募集する職種と対象学位を調べます。次に、専攻や経験とつながる業務を探し、不明点を説明会や大学の相談で確認します。親会社とグループ会社は雇用する法人が異なるため、応募先の正式名称も記録してください。

企業比較のメモ(編集部の提案)
確認するもの記録する内容
会社・部門採用する法人名、関心のある事業
職種入社後の仕事と担当する対象
応募条件学位、専門、必要な経験
働く場所募集要項に書かれた勤務地・配属の扱い
自分との接点研究、授業、実務訓練で説明できる経験
未確認点相談や説明会で聞きたいこと

現在の5課程と、2027年度からの統合予定

現行の工学部は機械工学、電気・電子情報工学、情報・知能工学、応用化学・生命工学、建築・都市システム学の5課程です。就職資料もこれらの課程・専攻を区分しているため、まず自分の所属から確認できます。[3]

大学は2027年度から、5課程・5専攻を学際共創課程・学際共創専攻へ統合する予定を案内しています。学部1年次と博士前期課程は2027年度から、学部3年次編入学は2029年度からの開始予定です。機械、電気、情報、化学、建設の専門分野を残しながら、分野をまたぐ履修を組み合わせる構成です。[4]

本記事に掲載した2025年度の数字は現行課程・専攻の実績であり、新しい課程の卒業実績ではありません。また、すべての在学生が2027年に新課程へ移るという案内でもありません。入学年度や進学時期によって対象が異なるため、履歴書の所属名称と今後の履修案内を別々に確認しましょう。[4]

学部就職と大学院進学を比較する

進学を検討するときは、取り組みたい研究を具体的にするところから始めます。興味があるだけでなく、何を調べたいか、どんな方法で取り組みたいかを言葉にし、教員へ相談しましょう。研究室でできる内容と、自分が想像している内容が同じかを確かめることが大切です。

学部で就職を考える人は、学士対象の求人を調べ、学部で身につけた基礎や実践経験を整理します。進学する友人が多くても、それだけで自分の選択が間違っているとは言えません。一方、希望する業務により高い学位や研究経験が求められる場合は、その条件を見て計画を考え直せます。

進路相談へ持っていく比較表(編集部の提案)
観点学部就職で確認大学院進学で確認
目的どんな仕事を始めたいかどんな研究・専門を深めたいか
条件学士対象の募集と選考内容出願要件と研究室の受入条件
費用・生活給与条件、勤務地など学費、生活費、利用できる支援
準備応募書類、試験、面接研究計画、入試科目、教員への相談
残る疑問担当業務や配属の仕組み研究内容と修了後の進路

迷っている段階でも相談はできます。「就職か進学か決めていない」だけで終わらず、判断できない理由を二つほど書いて持参すると、必要な情報を整理しやすくなります。求人と研究室の情報を両方読み、次に確認する項目を決めましょう。

実務訓練を、仕事の理解に使う

豊橋技術科学大学は、学部4年次に約2か月の実務訓練を必修6単位として設けています。企業や公的機関などで課題に取り組み、報告を行う教育です。公式サイトの派遣機関一覧は、この教育の受入先を示すもので、就職先実績とは別です。[5]

参加前は、担当する仕事で何を確かめたいかを一つ決めます。参加後は、授業で学んだ内容がどこで役立ったか、逆に不足を感じた知識は何かを振り返ります。業務への興味だけでなく、周囲との相談の進め方や、作業を確かめる方法も仕事選びの材料になります。

選考で話す際は、チームの成果と本人の担当を分け、受入先が公開を認める範囲で説明します。就職が決まる訓練として紹介したり、参加予定だけで実績を語ったりしないようにしましょう。実施前の選考なら、すでに経験した実験や制作を材料にできます。

大学の支援で、次に調べることを決める

大学は、各課程・専攻の就職担当教員による相談・指導、自己分析や応募書類、面接などのガイダンスを案内しています。キャリタスUCでは求人やインターンシップ情報を調べ、個別相談を予約できます。応募書類の確認や模擬面接も相談の対象です。[6]

学生交流会館2階のキャリア情報室には、企業情報や就職関連資料があります。インターネットの検索だけで候補が広がらない場合は、大学が用意する資料も確認してみましょう。各系の事務室にも、それぞれの分野に関係する資料があると案内されています。[7]

今日できる一歩は、気になる募集要項を一件保存し、分かった条件と分からない条件を分けることです。そこへ自分の研究・演習の説明メモを添え、相談を予約しましょう。大学名の評判を繰り返し調べるよりも、応募できる仕事と自分が説明できる経験を具体化する準備に時間を使えます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 豊橋技術科学大学 令和7年度卒業・修了者の進路状況確認日:2026-09-11 / 2025年度、2026年5月1日現在。学部と博士前期を分離
  2. 豊橋技術科学大学 令和7年度卒業・修了者の就職先一覧確認日:2026-09-11 / 全8頁。学位別列、会社名と人数
  3. 豊橋技術科学大学 課程・専攻確認日:2026-09-11 / 現行5課程・専攻の紹介本文
  4. 豊橋技術科学大学 学際共創課程・専攻確認日:2026-09-11 / 2027年度から統合予定、編入学は2029年度
  5. 豊橋技術科学大学 実務訓練確認日:2026-09-11 / 学部4年次必修、約2か月、派遣と就職は別
  6. 豊橋技術科学大学 就職活動支援確認日:2026-09-11 / キャリタスUC・担当教員・ガイダンス・個別相談
  7. 豊橋技術科学大学 キャリア情報室確認日:2026-09-11 / 学生交流会館2階、企業情報・就職関連資料