進学75.2%と就職21.5%をどう読むか
大学が2025年度卒業・修了生のデータとして公開している学部資料は、システムデザイン学部311人を対象としています。卒業後の進路の構成は、進学75.2%、就職21.5%、その他3.2%です。これは就職希望者を分母にした就職率や内定率ではありません。[1] [2]
進学者が多い集団では、卒業者全体に占める就職者の割合は小さくなります。「就職21.5%だから就職できない」と読むのは誤りです。一方、この数字から、学部就職の選考が容易だとも判断できません。自分の希望職種に必要な学位や専門性は、求人ごとに確かめます。
| 資料の項目 | 読み取れること | 読み取れないこと |
|---|---|---|
| 卒業後の進路 | 学部卒業者全体の進学・就職等の構成 | 就職希望者の内定率 |
| 就職先の業種 | 就職先を業種に分けた構成 | 希望する職種の採用人数 |
| 主な就職先 | 過去に進んだ企業・機関の例 | その企業への合格率や配属先 |
同じPDFでも「卒業後の進路」と「就職先の業種」は集計の対象が異なります。学部全体の割合を、情報科学科など一つの学科の実績に読み替えることも避けましょう。割合は掲載値をそのまま使い、丸められた比率から人数を逆算して確定しないことが大切です。
就職先の名前から、応募する仕事を調べる
2025年度の学部資料には、製造業のSUBARU、日本電気、情報通信業のNTTデータ、SCSK、運輸・郵送業の全日本空輸、日本航空などが掲載されています。ここで挙げたのは大学院の修了実績を混ぜた一覧ではなく、学部の資料にある例です。[2]
知っている企業の名前があれば、調べる入口にできます。ただし、大学の資料に載るのは就職先であり、その卒業生の担当職種まで示しているとは限りません。航空会社に入った人を一律に航空機の設計担当と考えたり、IT企業への就職を一律に開発職と考えたりしないようにしましょう。
| 確認項目 | 確かめる場所・内容 |
|---|---|
| 採用する法人 | グループ名ではなく応募先の正式名称 |
| 応募する職種 | 開発、設計、運用、企画など募集単位 |
| 必要な条件 | 学部卒の応募可否、専攻、提出物 |
| 働く環境 | 勤務地、配属の決め方、教育体制 |
| 選考準備 | 研究概要、作品、試験等の有無と締切 |
大手企業を志望する場合も、社名だけを並べるより「この職種で何を解決したいか」を書き出します。応募先を増やすときは、その仕事内容と共通する課題を扱う会社を探すと、志望理由の軸を保ちやすくなります。大手内定率や学歴による選考基準は、今回確認した資料からは分かりません。
学科名と入学年度をそろえて確認する
現在の案内には、情報科学科、電気電子工学科、機械システム工学科、航空宇宙システム工学科、インダストリアルアート学科があります。電子情報システム工学科は2024年度以前の入学者向け、電気電子工学科は2025年度以降の入学者向けと区別されています。[3]
電気電子工学科の公式ページにある進路情報には、再編前の電子情報システム工学科の情報であるとの注記があります。新しい学科名で掲載されていても、新学科の卒業実績がすでにあるという意味にはなりません。履歴書やエントリーシートには、自分の正式な所属を確認して記入しましょう。[4]
学部の幅広さは魅力ですが、「幅広く学びました」だけでは面接官に具体像が伝わりません。次の表の問いを、自分の授業・実験・制作の一つに当てはめてみてください。学習分野は公式案内、問いは編集部の提案です。
| 学科 | 学びの例 | 自分に聞く問い |
|---|---|---|
| 情報科学 | 基礎理論・アーキテクチャ・コンテンツ | なぜその処理方法を選び、どう検証したか |
| 電気電子工学 | 回路、通信、制御、物性・デバイス | 予測と測定がずれた原因をどう切り分けたか |
| 機械システム工学 | 知能機械・生体機械 | 機械の性能と利用者への影響をどう比べたか |
| 航空宇宙システム工学 | 空気力学、推進、材料構造、飛行力学 | 複数の制約のうち何を優先して設計したか |
| インダストリアルアート | プロダクトデザイン・メディアアート | 誰の使い方を想定し、試作をどう変えたか |
学部就職と大学院進学を同じ軸で比べる
進学する友人が多いと、自分も進むべきだと感じることがあります。まずは、関心のある仕事の募集条件と、今後深めたい研究の内容を書き出しましょう。「大学院へ行けば安心」という理由だけでは、研究室を選ぶ基準も曖昧になりがちです。
| 軸 | 学部就職を調べるとき | 大学院進学を調べるとき |
|---|---|---|
| 専門性 | 今の経験で説明できる技術・制作 | 深めたいテーマと研究方法 |
| 応募条件 | 希望職種が学部卒を対象とするか | 修了後に希望する仕事との関係 |
| 時間と費用 | 就活と卒業研究の両立 | 学費・生活費・利用できる支援 |
| 納得感 | 早く仕事を通じて学びたい理由 | 研究に時間を使いたい理由 |
進学と就職を並行して検討するなら、院試、研究室での予定、企業の選考を一つの日程表にまとめます。両方に応募できると決めつけず、推薦や内定承諾の扱いなど、自分に関係する条件を就職担当教員へ確認しましょう。志望が固まらない段階でも、分からない項目を持って相談できます。
研究成果がまだなくても、判断の過程を伝える
就活で話す経験は、完成した卒業研究だけに限りません。授業の実験、チーム制作、設計演習のうち、自分が判断して動いた場面を探します。結果が大きくなくても、何を疑い、何と比較し、どう修正したかを説明できれば、自分の取り組み方が伝わります。
- 課題:何を実現・確認する必要があったかを書く。
- 担当:チーム全体の成果と、自分の作業を分ける。
- 判断:選ばなかった方法と、その理由を残す。
- 検証:測定、テスト、試作への反応など確かめ方を書く。
- 次の改善:まだ分からないことと、次に試すことを整理する。
編集部の架空の例として、制作物の使いにくさを指摘された場面なら、「デザインを頑張った」で終わらせず、「操作のどこで迷うかを観察し、表示順を変えて再確認した」と説明できます。実際には行っていない観察や改善を足さず、自分の記録に合う内容へ置き換えてください。
技術職向けには検証方法を具体的に、専門外の相手向けには目的と利用者への影響を先に話す、と順序を変えて練習します。研究室の未公開情報や共同研究の資料は、外へ出してよい範囲を教員に確認します。
日野キャンパスの支援に、比較表を持っていく
学部・研究科のキャリア支援ページでは、会社説明会、業界研究セミナー、OGOB懇談会、キャリア相談、日野キャンパス就職資料室が案内されています。対象学年や日程、参加方法は案内ごとに確認してください。[9]
相談前に完璧な自己分析を終える必要はありません。「進学と就職で迷う」「技術を使う仕事の違いが分からない」と、迷いの位置を示すだけでも相談の入口になります。企業名を一つ挙げるなら、どの法人・職種まで調べたかも一緒に伝えましょう。
- 今週:気になる2職種の募集条件を並べ、学部卒で応募できるか確認する。
- 次に:実験・研究・制作を一つ選び、担当と判断を短く書く。
- 相談時:「この経験で伝わる強みは何か」「足りない確認は何か」を聞く。
- 相談後:応募先を一つ調べ直す、説明を録音するなど、次の行動を一つ決める。
大学名への不安で応募をためらっている場合も、まずは条件と準備状況を分けて考えます。逆転就活塾の無料相談では、経験をどう言葉にするか、応募先をどの軸で比べるかといった悩みを整理するところから始められます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 2025年度卒業・修了生 進路データ確認日:2026-09-10 / 2026年8月12日更新。リンク先PDFの年度を特定
- システムデザイン学部 311名確認日:2026-09-10 / 2025年度学部卒業者の進路・業種・就職先、全1頁
- システムデザイン学部確認日:2026-09-10 / 現行学科と入学年度別の名称
- 電気電子工学科確認日:2026-09-10 / 2025年度以降の入学者向け。進路欄は再編前の情報
- 情報科学科確認日:2026-09-10 / 専門科目群。就職先一覧の集計年度は明記なし
- 機械システム工学科確認日:2026-09-10 / 知能機械・生体機械の2コース
- 航空宇宙システム工学科確認日:2026-09-10 / カリキュラムと研究分野
- インダストリアルアート学科確認日:2026-09-10 / プロダクトデザイン・メディアアート
- キャリア・就職支援確認日:2026-09-10 / 日野キャンパスの支援。受付条件は利用時確認