公務29.3%は、卒業者225人全体の割合ではない
2025年度卒業・修了生の進路データに掲載された法学部の資料は、225人を対象に就職84.9%、進学7.6%、その他7.6%と示しています。これは就職希望者に対する内定率ではなく、卒業後の進路構成です。[1] [2]
同じ資料の「就職先の業種」では公務29.3%、情報通信業13.6%、製造業13.1%、金融業・保険業11.0%などが示されています。こちらは就職先を業種に分けた構成です。卒業後の進路図とは対象が違い、卒業者225人の29.3%が公務員という読み方はしません。[2]
公務員を目指す先輩がいることは参考になりますが、この数字は受験者の合格率ではありません。また、法律学・政治学のどちらか一方のコースの成績でもありません。各自の試験区分や企業の応募条件を調べる材料として使いましょう。
公務員だけでなく、製造・IT・金融にも掲載例がある
2025年度の学部資料には、公務の東京都庁、外務省、企業ではトヨタ自動車、NTTデータ、三井住友銀行などが掲載されています。法学部の卒業者の資料であり、大学院の修了者一覧を足したものではありません。[2]
ただし、企業名があっても、法務部門への配属までは分かりません。法学部で学んだことを仕事に生かす方法は、法律の名称が付いた部署に限られないため、実際の募集職種を読みましょう。営業や事業企画などを検討する場合も、その仕事で誰と何を調整するのかを確かめます。
| 比較軸 | 民間企業 | 公務員 |
|---|---|---|
| 関わる相手 | 顧客・取引先・社内の関係部署 | 住民・事業者・関係機関など |
| 応募単位 | 法人、職種、採用コース | 機関、職種、試験区分 |
| 選考の準備 | 募集要項に沿った書類・検査・面接等 | 採用案内に沿った筆記・面接等 |
| 働き方 | 配属・転勤・育成の仕組み | 配属・異動・職務の範囲 |
大手に進むことを目標にしても、なぜその仕事なのかは別に必要です。同じ業種で複数の会社を比べ、学びとの接点と働く条件の両方を確認します。過去の就職先一覧から、今年の採用枠や自分の合格可能性は計算できません。
法律学と政治学を、問題の捉え方で説明する
法学部には法律学コースと政治学コースがあり、本人の希望に基づき2年次に所属を決めます。両コースの学生に学士(法学)が授与される構成です。ゼミでは判例研究や文献講読、調査、発表、議論などを通して学びます。[3]
法律学コースは法律の基本から発展分野へ学び、政治学コースの科目も履修できます。政治学コースでは政治学・行政学などに加えて公法科目も学べ、コースを越えた学習が案内されています。法律学なら民間法務だけ、政治学なら公務だけ、と進路を固定する必要はありません。[4] [5]
| 学習場面 | 伝えたい行動 | 確認する問い |
|---|---|---|
| 判例研究 | 事実と争点、判断理由を分ける | 結論だけでなく理由を説明できるか |
| 法解釈の議論 | 異なる立場の根拠を比較する | 自分に不利な見方も検討したか |
| 政策の比較 | 対象者や効果、制約を整理する | 誰への影響を見落としていないか |
| 文献講読・発表 | 必要な資料を選び論点をまとめる | 聞き手の疑問をどう解消したか |
法律や政治の専門用語を多く使えば伝わるとは限りません。最初に「どんな対立や問題を考えたか」を平易に説明し、その後で資料の比較や自分の判断を話します。学んだ制度を企業へ当てはめる際も、学生として調べた範囲を超えて法的な断定をする必要はありません。
公務員、民間、法科大学院を同じ予定表で管理する
法曹を目指す学生向けには法曹養成プログラムが案内されています。学部の学習、法科大学院への進学、司法試験などは別の段階であり、法学部を卒業するだけで法曹になるわけではありません。プログラムや進学条件の詳細は所属先の最新案内で確認します。[3]
民間企業と公務員の併願を考えるなら、企業の締切だけでなく、試験の出願・受験・面接等の予定を書きます。採用機関によって手順が異なるため、試験に合格すれば手続きがすべて終わると決めつけず、必要な段階を募集案内から拾います。
- 今関心がある進路を、企業名・機関名・進学先まで具体化する。
- それぞれの公式案内から出願や提出の締切を書き出す。
- 共通して使える経験の整理と、個別に必要な準備を分ける。
- 学業の予定と重なる箇所を見つけ、優先順位を相談する。
公務員志望で勉強を続けてきた経験は、民間へ切り替える際にも説明材料になります。ただし「公務員が難しかったから」とだけ話すのではなく、調べ直した仕事のどこに関心を持ち、どの経験を生かしたいかを具体化しましょう。
反論への対応を、面接で話せる経験にする
ゼミで発言できなかった、議論で反論を受けた、といった経験も見直す価値があります。自分の知識が足りないと気づいた後で何を調べたか、発表資料をどう修正したかが分かれば、学び方を説明できます。最初から正しかったように整え過ぎる必要はありません。
編集部の架空の例として、「政策に賛成する資料だけで発表を作っていたが、質問を受けて負担を受ける側の資料も調べ、比較表を作り直した」と表せます。実際の授業で行ったことに置き換え、存在しない調査や成果は付け足さないでください。
| 項目 | 自分で確かめること |
|---|---|
| 自分の役割 | グループの成果と自分の行動が分かれているか |
| 根拠 | どうしてその結論になったかを説明できるか |
| 修正 | 他の人の意見で考えを変えた点を話せるか |
| 仕事との接点 | 希望する仕事でどんな姿勢を生かしたいか |
学歴への不安が強いと、面接の失敗もすべて大学名のせいだと思いがちです。実際に確認できるのは、質問に答えられたか、志望する仕事を説明できたか、経験の根拠を示せたか、といった点です。録音や第三者の感想で、直せるところを一つずつ確認しましょう。
キャリア相談では、選考ルートと書類を一緒に見てもらう
大学のキャリア相談は、企業研究、書類添削、面接練習に加え、公務員関連の面接・書類・論文や官庁訪問も相談例として挙げています。予約は都立大キャリア支援システムから行います。具体的な受付条件は利用時に確認してください。[6]
相談には応募先の採用案内と、話したいゼミ経験を持っていくと進めやすくなります。「法学部の学びが伝わっているか」「民間と公務で志望理由をどう説明し分けるか」と、確認したいことを一つ決めましょう。
今週は、志望する企業または機関を二つ比較し、ゼミの一場面を200字程度で整理してみてください。応募先選びや経験の伝え方がまとまらない場合は、逆転就活塾の無料相談で不安の中身を分け、次の準備を具体化できます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。