卒業者209人の進路から分かること
大学の2025年度卒業・修了生データに掲載された人文社会学部の資料は、卒業者209人の進路を示しています。就職83.3%、進学11.5%、その他5.3%であり、就職希望者に対する内定率を示したグラフではありません。[1] [2]
この資料は人間社会学科と人文学科を合わせた学部のデータです。心理学や文学など、自分が所属する一つの教室の実績として扱うことはできません。また、割合が丸められているため、合計や人数を自己流で補正せず、掲載された範囲で読みましょう。
就職先の業種には情報通信業や公務などがあり、学部の名称から想像するより広く進路を検討できます。ただし、業種は会社や機関の分類です。情報通信業の会社に就職した全員がプログラマーだとは分かりません。仕事内容は募集職種から確かめます。[2]
大手を含む就職先の一覧を、企業研究の入口にする
2025年度の学部資料では、情報通信業にNTTデータ、SCSK、製造業にキユーピー、金融・保険業に千葉銀行、公務に東京都庁、横浜市役所などの例があります。大学院の修了生一覧とは別の資料です。[2]
| 進路の例 | 募集要項で確認すること |
|---|---|
| 情報通信の企業 | どの職種か、技術習得への支援と必要な準備 |
| メーカー | 扱う製品と顧客、営業・企画等の募集単位 |
| 金融・保険 | 法人・個人など顧客の違い、コースと勤務地 |
| 自治体・官公庁 | 受験区分、試験内容、配属や異動の範囲 |
社名を知っていることと、働きたい理由があることは別です。「誰のどんな困りごとに関わるのか」「自分は調べる・伝える・調整する仕事のどこに関心があるのか」を書き、各社の仕事内容と照らし合わせます。特定企業への就職実績は、自分の内定や同じ配属を保証しません。
学歴が不安でも、公開された応募条件を満たすかどうかと、自分の準備の課題を分けて考えます。今回の資料から大手内定率や、企業内部の大学別選考基準は判断できません。根拠のない予測で応募をやめる前に、募集要項と説明会で確認できることを増やしましょう。
2学科の学びから、話せる経験を見つける
人文社会学部には人間社会学科と人文学科があります。1年次に基礎を広く学び、2年次から専攻分野に配属され、少人数の専門授業で学びを深める構成です。[3]
人間社会学科は社会学、社会人類学、社会福祉学、心理学、教育学、言語科学、日本語教育学の7教室を案内しています。社会調査や実習など、扱う問いに応じた方法を学びます。人文学科では哲学、歴史、文学、文化、言語、芸術の視点を含む8教室があり、分野を横断した受講や卒業論文・卒業制作が案内されています。[4] [5]
| 取り組みの例 | 振り返る判断 | 伝えるときの注意 |
|---|---|---|
| 社会調査・聞き取り | 質問や調査対象をなぜそう設定したか | 少人数の意見を社会全体の意見にしない |
| 心理学の実験・観察 | 別の説明を排除するため何を確かめたか | 結果と自分の解釈を分ける |
| 言語・文化の比較 | 比較する資料や観点をどうそろえたか | 語学力の高さだけで説明を終えない |
| 文献研究・歴史研究 | 著者や時代による見方の違いをどう扱ったか | 引用の羅列でなく自分の検討を話す |
| ゼミの議論・発表 | 反論を受けて何を見直したか | 他人の意見を自分の成果にしない |
全員が同じ調査や実習を経験するわけではありません。履修した内容から一つ選び、自分のノートやレポートを見ながら、最初の考えと最後の考えがどう変わったかを確認します。「批判的思考力があります」と名付けるより、その変化を説明するほうが取り組みを想像してもらいやすくなります。
民間、公務員、進学をどう選ぶか
社会課題に関わりたいという思いは、民間企業でも公務でも研究でも持てます。進路名を先に決めるより、関わりたい対象、取り組みたい役割、準備に使える時間を比べてみましょう。教室名から職業が自動的に決まるわけではありません。
| 選択肢 | 調べること | 相談に持っていくもの |
|---|---|---|
| 民間企業 | 商品・サービスの顧客と募集職種 | 気になる求人2件と違い |
| 公務員 | 受験区分・試験・担当し得る仕事 | 志望機関の採用案内と試験予定 |
| 大学院進学 | 研究したい問い・指導体制・費用 | 今の卒論案と深めたい論点 |
資格が関わる専門職を目指す場合は、学部名だけで応募できると思わず、必要な履修や資格と募集条件を確認します。教員、公務員、大学院入試を併願する場合も、それぞれの締切と準備内容を一枚にまとめましょう。選択肢を広げることが、すべてを同時に準備することになるとは限りません。
ゼミを頑張った、から一段具体的にする
エントリーシートでは、研究テーマの紹介と、自分の行動の説明を分けます。テーマの専門性が伝わらなくても、情報不足にどう対応したか、異なる見方をどう比較したかは、順序立てて説明できます。成果がまだ出ていない研究なら、現在確認できたことと残る問いを区別します。
- 問い:なぜその問題に関心を持ったかを一文にする。
- 方法:文献、調査、実験など、選んだ方法と理由を書く。
- 困難:資料の食い違いや調査の難しさを一つ挙げる。
- 行動:その場面で自分が変えたことを具体化する。
- 学び:次に同じ課題へ取り組むなら何を見直すかを書く。
編集部の架空の例なら、「異文化理解を深めました」よりも、「同じ出来事を扱う二つの資料で説明が違ったため、書かれた時期と読者を比較し、発表の結論を修正した」と表せます。実際に使った資料や行動に置き換え、架空の調査人数や成果を加えないでください。
仕事へのつながりは「人文社会を学んだから何でもできる」ではなく、「相手の説明をそのまま受け取らず、背景を確認した経験を、顧客の課題を把握する場面でも生かしたい」のように、行動と場面を結びます。希望職種の実際の業務を調べ、つながりが無理なく説明できるか確認しましょう。
キャリア相談で、次に直す箇所を一つ決める
大学のキャリア相談では、進路、企業研究、書類添削、面接練習、公務員関連などが相談対象として案内されています。都立大キャリア支援システムから予約し、対面かオンラインかを確認します。予約枠や利用手順は利用時の案内に従ってください。[6]
相談時には、完成したエントリーシートがなくても、気になる求人とゼミ経験の箇条書きを持っていきます。「この学びが何の仕事になるか」だけでなく、「自分のどの行動が読み手に伝わっていないか」を聞くと、次の修正が具体的になります。
- 今日:気になった就職先を一つ選び、募集している仕事まで調べる。
- 今週:レポートか発表資料を一つ開き、自分の判断を3点書く。
- 相談前:民間・公務・進学で迷う軸を一つに絞る。
- 相談後:求人の比較表か自己PRのどちらか一つを直す。
自分の経験を過小評価してしまう、応募先の軸が定まらないときは、逆転就活塾の無料相談も活用できます。不安を大きな言葉のまま抱えず、経験の伝え方と次の行動へ分けて整理していきましょう。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 2025年度卒業・修了生 進路データ確認日:2026-09-10 / 2026年8月12日更新・年度確認
- 人文社会学部 209名確認日:2026-09-10 / 2025年度学部卒業者、全1頁
- 人文社会学部確認日:2026-09-10 / 2学科・少人数教育・専攻配属
- 人間社会学科紹介確認日:2026-09-10 / 7教室・調査や実習の内容
- 人文学科紹介確認日:2026-09-10 / 8教室・分野横断の学び・卒業論文
- キャリア相談確認日:2026-09-10 / 2026年9月10日確認の相談内容と予約方法