就職先が見つからないときは、年度と対象を確かめる

大学の開設特設サイトは、デザイン・データ科学部デザイン・データ科学科の設置を2023年4月としています。ここから通常の4年課程をたどると、第1期生の卒業は2027年3月です。これは開設年月と修業期間から整理した時期であり、卒業者の人数や就職率の発表ではありません。[1]‌​‌​‌​​​‌​​‌‌​‌‌​​‌​‌​‌​‌​​​‌​​​‌‌​‌‌​​‌‌​‌‌‌‌‌​‌​​‌‌​‌​‌‌‌‌‌‌​‌

大学が大学ポートレートに掲載する卒業者数でも、2023年度・2024年度・2025年度はいずれも0人です。卒業者がまだいない時期の0人という表示を、就職活動に失敗した人数や就職率0%と読み違えないようにしてください。[4]

本記事で確認した資料からは、この学部の卒業生の就職先一覧や大手企業への就職率を確定できませんでした。「実績を確認できない」と「就職できない」は別の話です。新設学部の情報を調べるときは、内定速報なのか、卒業時の確定実績なのか、学部単独なのかを確認してください。

進路情報の読み分け
見つけた情報判断できること・できないこと
大学全体の就職先一覧大学としての実績。デザイン・データ科学部の実績とは限らない
この学部の在学生の内定紹介その学生の事例。学部全員の結果や就職率ではない
想定される進路・人材像教育上の目標。卒業生の採用実績ではない
企業との実習や共同プロジェクト学ぶ機会。受入企業への採用・配属の保証ではない

数字が掲載された場合も、就職希望者に対する就職者の割合と、卒業者全体に対する割合を混ぜないようにします。進学者を含むか、大学院修了者を含むかも確認が必要です。応募者数が分からない一覧から、自分の合格確率を計算することはできません。

「データかデザインか」だけでなく、担当したい仕事で比べる

開設時の教育案内には、データ科学、ユーザーエクスペリエンスデザイン、ソーシャルシステムデザインなどの科目群が示されています。分析と提案をつなげる学びですが、学部に在籍しているだけで、特定職種の応募条件をすべて満たすわけではありません。[1]

応募先を調べる視点(編集部の提案。就職実績一覧ではありません)
関心募集要項で調べること経験から探す材料
データを分析する仕事必要な統計・プログラミング水準、分析対象、学位条件データの収集条件、前処理、方法の選択と限界
利用者を調べサービスを改善する仕事調査・企画・デザインの担当範囲、作品提出の有無観察や聞き取りから提案を変えた理由
事業や業務の改善に関わる仕事最初に担当する業務、顧客との接点、育成方法問題の整理、関係者との調整、実行計画

大手企業を志望する場合も、まず会社名と職種をセットで候補にします。同じ企業でも分析専門職、システム開発、営業、企画では準備する材料が違います。学部卒が対象か、研究経験や制作物を求めるかを確認し、条件を満たす求人と、追加準備が必要な求人を分けましょう。

「学歴で落とされるかもしれない」という不安から応募先を狭める前に、募集対象と選考内容を一つずつ確認します。大学名から個人の能力や採否は断定できません。一方、実績のない内定保証を信じて準備を省くことも避け、自分が説明できる行動を増やします。

UXの課題は、完成画面より「なぜ変えたか」を説明する

2026年度の「デザインプロダクション演習」は、2024年度入学生の3年生を対象とする選択必修科目です。問題を見つけ、調査し、利用者の体験を考えて提案する流れを扱います。全学生が同じ作品を作るという意味ではなく、自分の入学年度と履修内容に合わせて読み替えてください。[3]

履修済みの課題がある人は、最終成果物だけでなく、初期案・調査メモ・修正案を並べましょう。面接で説明したいのは、「見た目を整えた」だけでなく、誰のどんな不便を確認し、その情報から何を変えたかです。授業の評価が高かったことと、利用者への効果が実測できたことも分けます。

制作経験を整理するメモ(編集部の提案)
段階自分に尋ねること
問題設定誰が、どんな場面で困っていたか。自分の想像と調査結果はどこが違ったか
調査誰に何を聞いたか。調べられなかった相手や偏りはないか
提案他の案と比べて、この案を選んだ根拠は何か
検証誰に試してもらい、どんな反応を受けて何を直したか
振り返り確認できた効果と、まだ分からない効果はどこか

作品を提出する場合は、共同制作のうち自分が担当した範囲を明記します。調査相手の個人情報や企業から預かった資料を、無断で作品集に載せないようにしてください。公開できない場合も、手順や判断を抽象化して説明できるか、指導教員や実習先に確認できます。

チーム活動は「リーダーだった」以外の働きも材料になる

2026年度の「プロジェクトマネジメント」は、2024年度入学生向けの選択科目で、計画・チーム運営・進捗確認などを扱います。シラバスの最終グループ演習は架空プロジェクトの計画立案です。履修経験を話す際も、企業で実際に事業を運営した経験に置き換えないことが大切です。[2]

チームの進みが遅れたときに作業を分け直した、認識の違いを図にしてそろえた、期限から逆算して優先順位を付けた。こうした行動を、何が問題で、誰と相談し、どう変わったかの順に書きます。肩書きがなくても、自分の判断を説明できれば自己PRの候補になります。

データ分析を担当した人も、「精度を上げた」と一言で済ませず、比較条件をそろえたか、都合のよいデータだけを選んでいないかを振り返りましょう。期待どおりの結果が出なかった経験でも、原因を調べ、方法の限界を説明した過程を伝えられます。未測定の改善率や事業効果を付け加える必要はありません。

留学やCOOPについては、参加した事実と、その場で自分が行った仕事・学習を分けて話します。開設案内に記載されたプログラムを、全員の経験や現行の参加条件として扱わず、本人の履修記録と最新の学内案内で確かめてください。[1]

今週は、求人と経験を持って相談できる状態にする

大学提供の支援案内には、キャリア支援課等との面談、キャリアカウンセラーによる面接指導・履歴書添削・自己分析の個別相談が掲載されています。用意した経験のメモと募集要項を持参し、自分の場合の説明を確かめましょう。[4]

まだ応募先が決まらない場合、まず関心の異なる職種を二つ選び、それぞれの募集要項を読みます。会社の規模だけでなく、仕事内容、応募条件、提出物、選考時期を書き出すと、準備の差が見えてきます。以下は編集部による進め方の提案です。

相談までの準備
順番用意するもの
1卒業予定時期と、自分が希望する職種の募集要項
2授業・制作・実習から一つ選んだ経験のメモ
3全体の成果と自分の担当範囲を分けた説明
4応募条件のうち満たしている点、未確認の点、準備が必要な点
5次に提出する書類と期限、相談で確認したい質問一つ

学内で相談するときは、「この学部向けの内定情報は、どの年度・どの学生が対象ですか」「この作品で自分の担当が伝わりますか」「分析職と企画職ではどこを変えて説明すればよいですか」と尋ねると、確認したい点が明確になります。予約方法や受付対象は最新の学内案内で確認してください。

逆転就活塾へ相談する場合も、学部名だけではなく、応募中の職種、これまでの選考、説明に困っている課題を持参しましょう。先輩の実績が十分に見つからなくても、今ある経験を言葉にし、求人の条件と照らし合わせる作業は進められます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 東京都市大学 デザイン・データ科学部 開設特設サイト確認日:2026-09-10 / 2023年4月開設、教育内容。開設時の案内であり費用等の現行性は主張しない
  2. 2026年度シラバス プロジェクトマネジメント確認日:2026-09-10 / 2024年度デザイン・データ科学科入学生・3年生・選択科目
  3. 2026年度シラバス デザインプロダクション演習確認日:2026-09-10 / 2024年度デザイン・データ科学科入学生・3年生・選択必修科目
  4. 東京都市大学 デザイン・データ科学部 進路・就職情報(大学ポートレート)確認日:2026-09-10 / 大学提供情報。卒業者数は2023年度~2025年度、支援案内は確認時掲載内容