何を続けたいかと、どう働くかを分けて考える

多摩美術大学は美術学部と大学院美術研究科を置き、絵画、彫刻、工芸、デザイン、芸術、演劇舞踊など多様な分野を学べます。キャリア支援では、企業への就職に加え、作家活動、大学院進学、留学、教員採用試験、学芸員なども扱っています。[1] [2]‌‌‌‌‌​‌​​​‌‌‌‌​​​​‌‌‌‌​​‌​‌‌‌​​‌‌‌‌​‌​‌​‌​​​​‌​​‌​​‌​​​‌​‌‌​​‌‌​

進路を比較する際は、自分が扱いたいテーマと、活動を成り立たせる条件を分けます。制作を仕事の中心にしたいのか、企業や組織で課題解決に関わりたいのか、研究を続けたいのかで、必要な情報が変わります。関心が複数あっても、一つずつ確認して構いません。

進路ごとに調べること(編集部の提案)
方向準備の入口
企業・組織への就職募集職種、作品提出、選考、勤務地や配属
作家・フリーランスの活動発表機会、制作場所、活動費、仕事を得る方法
大学院・留学研究テーマ、指導体制、費用、入試・語学条件
教員・学芸員など資格課程、採用区分、試験、応募条件

就職先の知名度だけで進路を決めず、卒業後の時間と生活も考えましょう。制作を続けるために必要な設備や場所を確認することも、進路を具体化する作業の一つです。

就職者以外を、一律に就職できなかった人としない

2025年度の卒業生数と進路の資料では、2026年5月1日現在の美術学部卒業者は1,030人、就職者は547人です。一方、大学院研究科への進学115人、作家の希望者を含む99人など、別の区分も示されています。就職者の人数だけから、それ以外の全員が就職を希望していたとは判断できません。[3]

作家の希望者を含む区分は、全員が作品の収入だけで生活しているという意味ではありません。また、就職を前提にアルバイトから採用された人は別の欄です。自分が比較したい進路に合う分類を読み、就職、進学、制作活動を同じ成功・失敗の指標にしないようにしましょう。[3]

就職支援用の別PDFには、同じ美術学部について異なる就職率が載っているため、本稿ではその率を引用していません。学校基本調査とキャリア支援の資料は基準日や区分も異なり、数字を組み合わせた割合は作らないようにします。[4]

大学が示す実績は過去の進路を知る手がかりです。自分の選考結果の保証ではありませんが、大学名への不安だけで選択肢を狭めず、実際の募集条件を確かめるきっかけにできます。

会社名の次に、募集職種を確認する

大学の主な就職先は、2026年7月14日現在の過去2年の例として掲載されています。ゲーム・アニメーション、広告・出版、メーカー、建築・空間、舞台、公共機関など幅広い分野があり、企業名は内定当時の名称です。[5]

例えば全学的な一覧には、ゲーム分野の任天堂やカプコン、IT分野のサイバーエージェント、舞台関連の金井大道具や松竹衣裳などが載っています。ただし一覧から、全学科の学生が同じ職種で採用されているとは分かりません。学科別の掲載例と現在の募集要項を分けて確かめましょう。[5]

応募先を比較する確認表(編集部の提案)
確認項目見ておきたい点
募集職種自分が担当する制作・企画・運営などの範囲
選考方法作品集、課題、面接、筆記試験の有無
作品提出形式、容量、点数、閲覧方法、期限
仕事の進め方個人とチームの役割、担当領域の決まり方
働く条件雇用区分、勤務地、勤務時間の案内、配属方法

同じ作品でも、相手が確認したいことは職種によって違います。絵の完成度だけでなく、課題の理解や情報整理、調査、試作、協働の過程が説明できるよう、提出する作品を選びます。指定された条件がある場合は、それを先に満たしましょう。

作品集が完成する前に、説明を試してみる

最初から大きな作品集を完成させようとせず、作品を一つ選んで、目的、制作期間、自分の担当、試したこと、修正点を短くまとめます。完成写真と過程を並べると、何を考えてつくったかを相談相手に伝えやすくなります。

編集部の架空の例です。「共同展示で私は会場案内を担当しました。初めて来る人に入口と展示順が伝わるよう、案内図を二案作りました。メンバーに見てもらい、方向が分かりにくい点を直しました。展示全体を一人で企画したのではなく、案内の作成と修正を担当しました。」

これは多摩美術大学の学生の実話ではありません。自分の経験へ置き換え、共同作品では担当した部分を明示します。作品の一部に他の人の素材や撮影物がある場合は、出所と掲載してよい範囲を確認してください。

キャリア支援課には先輩が実際に使用したポートフォリオがあり、閲覧は職員へ申し出る仕組みです。内容をまねるのではなく、説明を読む順番、写真の大きさ、制作過程の見せ方を参考にします。見てもらった後は、伝わらなかった点を一つずつ直しましょう。[6]

資格や学科名は、自分の課程に合わせる

教員免許や学芸員を希望する場合は、課程の履修条件を確認します。中学校・高校の美術の教員免許には対象外の学科があり、高校の情報は情報デザイン学科の情報デザインコースのみです。教職課程と学芸員課程を並行して履修できるのは芸術学科のみと案内されています。資格の取得と採用先の決定も別に考えましょう。[7]

建築・環境デザイン学科は2024年4月の名称変更ですが、2023年度以前の在学生や同課程への編入学生は旧名称の環境デザイン学科のままです。大学サイトの最新名称だけを見て履歴書を書き換えず、自分の正式な所属を確認してください。[8]

就職と進学で迷う場合も、募集時期、提出する作品、卒業制作、試験の予定を一つの表にします。進学によって深めたいテーマがあるのか、就職する場合にどんな環境を求めるのかを教員やキャリア相談で整理できます。

タマキャリで情報収集から相談まで進める

タマキャリは、求人・インターンシップ情報の検索、内定者の活動報告書の閲覧、キャリア相談予約に使える大学の支援システムです。キャリア支援課は八王子キャンパスの本部棟1階と、上野毛キャンパスの本部棟2階にあります。利用時間は授業期間やキャンパスで異なるため、最新の案内を確認します。[6]

大学は、応募書類や面接の支援に加え、内定を得た4年生にポートフォリオの助言や体験談を聞ける学生アドバイザー相談会なども案内しています。先輩の助言は参考にしつつ、別の企業でも同じ選考になるとは考えず、自分の応募先に合わせて使いましょう。[2]

ポートフォリオ、応募書類、進学、留学、作家活動などの講座があり、ほとんどの講座は1年次から参加できます。タマキャリで開催内容と予約方法を確認し、現在の課題に合うものを選びます。卒業後の支援には別の利用案内があるため、在学生と同じ条件と決め付けないようにします。[9] [6]

  • 卒業後に続けたい活動と、確認したい条件を書き出す。
  • 気になる求人や進学先の条件を調べる。
  • 作品一つの目的・過程・担当を整理する。
  • タマキャリで相談を予約し、求人と下書きを持参する。
  • 相談後、作品集を直す日と次の応募・説明会の予定を決める。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 多摩美術大学 学部・大学院確認日:2026-09-10 / 美術学部と大学院、専攻分野
  2. 多摩美術大学 キャリア支援・就職確認日:2026-09-10 / 就職以外も支援、学生アドバイザー相談会。ランキング・年間相談件数は引用なし
  3. 多摩美術大学 2025年度卒業生数と進路確認日:2026-09-10 / 2026/5/1学校基本調査学部1030/就547/院115/作希望含99。希望者分母不明のため率なし
  4. 多摩美術大学 2025年度進路状況確認日:2026-09-10 / 同学部率88.6/96.5不一致で非採用。notes/data-tamabi-statistics.md
  5. 多摩美術大学 主な就職先確認日:2026-09-10 / 過去2年2026/7/14現在、会社名内定当時。全学例と個別学科別を分離
  6. 多摩美術大学 キャリア相談確認日:2026-09-10 / タマキャリ、先輩ポートフォリオ、両キャンパス位置・利用案内
  7. 多摩美術大学 取得可能な資格確認日:2026-09-10 / 中高美術は統合・演劇舞踊対象外、高校情報は情報デザインコースのみ、並行芸術のみ
  8. 多摩美術大学 学科名称変更のお知らせ確認日:2026-09-10 / 2024建築環境、2023以前在籍/同課程編入旧環境
  9. 多摩美術大学 ガイダンス・各種講座確認日:2026-09-10 / 多数講座1年参加、タマキャリ確認予約、作家進学含む

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