日藝の就活は、制作を続けたい気持ちと仕事の条件を分けて考える

作品に自信がない、賞を取ったことがない、創作一本で生活していけるか不安。そんなときは、「芸術の仕事か、芸術を諦めるか」の二択にしないでください。専門に近い企業の仕事、別分野の仕事、卒業後も続けたい制作活動を分けて調べることができます。

日本大学芸術学部は、写真・映画・美術・音楽・文芸・演劇・放送・デザインの8学科です。学部公式の就職指導案内でも、専門に近い仕事だけで進路を狭めず、希望職種に応じて教員や就職指導委員、就職指導課へ相談する方法が示されています。[1] [3]

学科別就職先は、掲載時点と仕事内容を確認する

学部公式の学科別就職状況ページは「2025年3月31日現在」と表示されています。以下はそのページの掲載例です。2025年度末の実績として読み替えず、過去の就職先を調べる入口として使います。[2]

学科別の掲載例(2025年3月31日現在)
学科就職先の掲載例
写真アフロ、ヨドバシカメラ
映画MAPPA、キヤノンITソリューションズ
美術カプコン、東京信用金庫
音楽キングレコード、島村楽器
文芸博報堂プロダクツ、良品計画
演劇オリエンタルランド、富士ソフト
放送NHK、日立ソリューションズ
デザインLIXIL、電通デジタル
[2]

企業名が掲載されていても、採用された職種、雇用形態、提出作品の内容までは分かりません。映像企業への入社がすべて監督職、音楽関連企業への入社がすべて演奏職という意味ではありません。現在の募集元と職種を確認して、自分が応募する条件を調べましょう。

進路を三つの観点で比較する

進路を整理するための比較表(編集部作成)
選択肢確認したいこと準備する材料
専門に近い企業の仕事募集職種、必要技能、作品提出の有無作品、制作意図、自分の担当、改善の過程
専門とは異なる企業の仕事仕事内容、勤務地、雇用条件、応募資格制作や共同活動で考え動いた経験
創作活動を続ける進路収入と支出、活動時間、仕事との両立現実的な生活計画、今後の活動予定

企業に就職しても制作を続けたい場合は、勤務時間や勤務地などを確認し、使える時間を見積もります。創作活動を中心にする場合も、将来の収入を確定したものとして扱わず、必要な生活費や活動費を整理します。どの道が正解かを大学名や学科名だけで決める必要はありません。

作品集を求められたら、作品と自分の担当が伝わるようにする

作品集やポートフォリオの提出が必要か、点数・形式・容量・提出方法の指定があるかは、応募先の募集要項で確認します。すべての企業が作品を求めるわけではありません。

  • 作品名・制作時期・目的を短く示す。
  • 共同制作では、自分の担当と他の人の担当を明記する。
  • 制約の中で何を考え、どこを修正したかを説明する。
  • 授業課題・自主制作・受託制作など、作品の位置づけを分ける。
  • 公開・提出してよい素材や共同制作物かを確認する。
  • 指定された形式で開けるか、リンク先が見られるかを確認する。

受賞歴がない場合も、確認していない評価を付け足す必要はありません。完成作品だけでは工夫が伝わりにくいなら、応募先の指定の範囲内で、制作の目的や修正した理由を補います。専門的な作品の評価は、指導教員など分野を理解する人にも相談してください。

一般企業への自己PRでは、制作の過程を仕事の言葉で説明する

例えば共同映像制作で、撮影当日に必要な道具の確認漏れがあったため、自分の担当範囲について前日確認表を作り、ほかの担当者と受け渡しを確認した経験です。この場合、作品の評価とは別に、段取りや情報共有をどう改善したかを説明できます。

「コミュニケーション能力があります」とだけ書くより、誰と何を確認し、行き違いをどう減らしたかを具体化します。ただし、実際の効果を測っていないのに「作業効率が2倍になった」と数字を作らないでください。役職がなくても、担当した行動と理由は説明できます。

制作経験を説明する質問(編集部作成)
経験掘り下げる質問
個人制作制約は何で、表現や方法をどう選んだか
共同制作自分の担当と、調整した相手は誰か
発表・展示・公演準備、当日の対応、振り返りで何を行ったか
批評を受けた経験どの指摘を受け止め、何を変えたか

作品の相談と、応募書類・面接の相談を使い分ける

学部公式では、専門分野に近い進路は直接指導を受けた教員へ、仕事内容や業界は学科の就職指導委員へ相談する方法を案内しています。別分野を希望する場合には、その分野に近い他学科の就職指導委員への相談も紹介されています。[3]

就職指導課の個別面談はNU就職ナビからの事前予約制で、進路相談、エントリーシート、面接練習等の支援を受けられます。講座の一部にはオンデマンド動画もあります。最新の日程や利用方法は日藝のポータル等で確認してください。[3]

相談先へは、希望職種、締め切り、提出を求められているもの、自分の担当が分かる制作メモを持参します。作品の良し悪しと、応募先への説明の分かりやすさを分けて見てもらうと、次に直す点を絞れます。

今日の準備:仕事の候補と、説明する作品を一つ選ぶ

  • 自分の学科の就職先から、仕事内容を調べたい企業を選ぶ。
  • 最新の募集要項で、職種と作品提出の有無を確認する。
  • 作品か共同活動を一つ選び、自分の担当と改善した点を書く。
  • 専門面は教員、選考準備は就職指導課など、相談先を分けて決める。

逆転就活塾への相談を検討する場合も、創作を続けたい気持ち、希望する働き方、選考で困っている点を分けて伝えてください。作品への自信や大学名だけで結論を出さず、納得できる進路の条件を具体化していきましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 日本大学 芸術学部確認日:2026-09-09 / 8学科の構成
  2. 日本大学芸術学部 就職状況確認日:2026-09-09 / 2025年3月31日現在。2025年度末として扱わない。学科別掲載例
  3. 日本大学芸術学部 就職指導確認日:2026-09-09 / 指導教員・就職指導委員の相談とNU就職ナビ予約の個別面談