家族の職業は、本人の能力を説明する材料ではない

厚生労働省は、採用選考で家族の職業・収入・健康・学歴などを把握することを、就職差別につながるおそれのある事項に含めています。判断の基本は、応募者本人の適性と能力です。[1]‌‌​‌​​‌‌‌​‌​​​​​​​​‌‌​‌​​​​​‌​‌‌​‌‌‌​​​‌‌​‌‌​​​​​‌​​​‌‌‌‌‌​​​​​​

「親がこの仕事だから、自分も評価されるはず」と合わせる必要はありません。面接で説明したいのは、自分が取り組んだこと、応募した理由、職務に関係する経験です。家族の肩書きを自分の能力の証明として差し出さなくても、話せる材料を整理できます。

実際の質問を、受け取った印象と分ける

終了後の整理表(編集部作成)
記録欄書く内容
質問の言葉覚えている範囲で、何を尋ねられたか
前後の話題どの話から質問につながったか
自分の回答答えた内容、答えにくいと伝えたか
相手の反応追加質問、説明、発言の変化
日時・選考面接日、職種、選考段階、相手の役割
自分への影響不安、回答への迷い、今後の相談希望

「差別されたと思った」という受け止めと、実際に言われた言葉を別の欄にします。発言を正確に思い出せない部分は、記憶が曖昧と書いて構いません。後からもっと強い表現へ置き換えないことが、相談時の確認に役立ちます。

その場で使える返答を一つ用意する

必ずこの言葉を言わなければならないという正解ではありません。緊張して返せないときは、間を置いても、後から窓口へ相談しても構いません。返答例は面接官を言い負かすためではなく、自分が話せる範囲を示すために使います。

仕事に関する質問へ戻せるか考える

例えば勤務地の希望を確認したい話なのか、家族の収入そのものを尋ねているのかで、整理すべき内容が変わります。質問の背景を尋ねたうえで、勤務地への希望など自分について答えられる点を伝える方法があります。

家族について別の設定を作って切り抜ける必要はありません。実際には相談していない親の了承を、取得済みと説明することも避けます。本人の希望と、家族の個人情報を分けて話す準備をしましょう。

すでに答えてしまった場合も相談できる

突然の質問に答えたことを、自分の失敗として責める必要はありません。いつ何を伝えたかを書き、今困っていることを整理します。説明を訂正したいのか、今後の質問を避けたいのか、選考を続けるか迷っているのかで、相談したい内容が明確になります。

その場の会話を家族や友人へ広く転送するより、相談先に必要な範囲で共有します。家族の勤務先や病歴など、相談の要点に不要な実名・詳細を新たに書き足さないようにしてください。

相談先には、質問と自分の希望を持参する

厚生労働省の求職者向け案内は、このような質問や不明点がある場合、最寄りのハローワークまたは都道府県労働局へ問い合わせるよう示しています。[2]

大学のキャリア窓口へ先に経緯を整理する相談を持ちかける方法もあります。外部へ相談する際は、求人案内、面接案内、質問のメモをそろえ、「この内容について相談できるか」と尋ねます。相談予約の際に詳しい家族情報をすべて送る必要はありません。

相談の最初に伝える文例

企業に問い合わせてほしいのか、まず制度や対応を知りたいのかを伝えます。窓口の対応範囲と、企業への連絡方法を聞いてから進めれば、自分が望む相談と実際の手続きの違いを減らせます。

一つの質問だけで合否や違法性を推測しない

公正採用の考え方を知ることと、個別企業の行為を法的に判定することは異なります。質問の内容、目的、前後のやり取りを窓口に伝え、確認を進めます。質問への返答と不合格が結びついたか分からない場合は、原因を断定せず、確認できる出来事を示してください。

今後その企業の選考を続けるかは、仕事内容や条件に加えて、疑問への説明のされ方も材料になります。ただし、不安が強い日に結論を急ぐより、次の選考日と相談可能日を並べ、話を整理する時間を確保しましょう。

今日は面接の記憶を短く残す

長い報告書は必要ありません。日時、質問、自分の回答、その後の反応、相談したいことの五つを残します。次の面接がある場合は、本人の経験へ戻す返答を一つだけ練習してください。

家族の事情を上手に説明する力で、あなたの働く能力が決まるわけではありません。答えにくかった場面を整理し、自分だけで抱えずに相談につなげることを、この後の一歩にしましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 厚生労働省 採用選考時に配慮すべき事項確認日:2026-09-10 / 本人に責任のない事項等の把握は就職差別につながるおそれ。14事項中の家族の職業・収入・健康・学歴等。統計値は使用しない
  2. 厚生労働省 求職者の皆様へ確認日:2026-09-10 / 本人の適性・能力に基づく選考、不適切な質問例、最寄りハローワーク・都道府県労働局への問い合わせ案内

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