2026年3月卒の就職率92.0%は通学課程の数字

京都芸術大学は2026年8月の発表で、通学課程の2026年3月卒業生の就職率を92.0%と公表しています。大学は、就職希望者だけを分母とせず、学校基本調査に準拠した方法を基に算出していると説明しています。通信教育部や大学院を含む数字としては扱いません。[1]​​​‌‌​​‌‌‌​​‌​​‌‌‌‌‌​‌‌‌‌‌‌​​‌​​‌​‌​‌‌‌​​​‌​‌‌‌‌​​​‌​​​‌​‌​​‌​‌‌

ただし、この発表だけでは卒業者や就職者の人数まで分かりません。人数を確認できる2025年3月卒業者の公開表とは年度を分けて読みます。92.0%を卒業者全員の正規雇用率や、デザイナーへの就職率と読むこともできません。[1] [2]

人数が分かる2025年3月卒業者の進路
項目人数・割合注意点
卒業者合計884人2024年度卒業者
就職が決定750人正規621・非正規69・家業6・起業等46・教員8
就職未決定34人750人へ含めない
進学が決定59人進学浪人2人と別
その他/不明35人/4人内訳は推定しない
就職率90.9%750÷(884−59)
進路決定率91.5%(750+59)÷884
[2]

公開表の大きな「就職」区分784人には未決定34人も含まれています。就職が決まった人数は750人です。同様に「進学」区分61人には進学浪人2人が含まれ、実際の進学は59人となります。表の上段だけを拾って就職者数を多く数えないことが大切です。[2]

十学科の学びを、応募する仕事への関心に結ぶ

現在の通学課程は10学科24コースを案内しています。制作分野が幅広いため、「芸術学部だから同じ就活」と考えず、扱ってきた素材、表現、対象、共同作業の経験から希望職種を考えます。[3]

学科ごとに経験を整理する問い
学科作品・授業を振り返る問い
美術工芸素材や表現、調査の対象をなぜ選んだか
情報デザイン誰に何を伝え、どんな体験をつくったか
キャラクターデザイン人物や世界観を、誰に向けて設計したか
プロダクトデザイン使う人や場面から、形と機能をどう考えたか
空間演出デザイン空間や装いによって、何を伝えようとしたか
環境デザイン建築・地域・利用者の条件をどう整理したか
映画作品全体での担当と、表現上の判断は何か
舞台芸術演者やスタッフとどう調整し、本番へつなげたか
文芸表現伝えたいことを、構成や言葉にどう反映したか
こども芸術子どもへの関わりや活動をどう振り返ったか
[3]

右列は編集部による振り返りの質問で、大学が定める職種対応表ではありません。経験していない活動を作らず、授業、課外制作、アルバイトなど本人の実体験から一場面を選びます。

新設コースの就職先一覧にも注意が必要です。ゲームクリエイションコースは2024年度新設で、公式ページは卒業生がまだおらず、就職先は旧情報デザイン学科でゲームに関心を持った卒業生の例と明記しています。新コース自身の卒業実績として受け取らないでください。[4]

全学科での共同制作は、役割と調整を説明する

1年生のマンデイプロジェクトでは、学科混合のクラスでワークショップや共同制作に取り組みます。自分と異なる表現や考えに触れる活動は、完成作品だけでなく、役割分担や意見の調整を振り返る材料にもなります。[5]

企業や自治体の依頼に取り組む社会実装プロジェクトは、全学科・全学年を対象として案内されています。商品開発やまちづくりなどの課題に取り組み、依頼内容、予定、予算といった条件も考えます。参加条件やエントリー方法は個別の案内を確認します。[6]

参加した場合は「大きな会社と仕事をした」で終わらず、相手が求めたこと、自分が調べたこと、提案、修正、担当範囲を整理します。参加していない人も、授業の共同制作から同じ観点で経験を探せます。

編集部の架空の例です。「共同制作で意見が分かれたため、完成までの時間と担当ごとの負担を整理しました。案の良さだけでなく実現できる工程を比較し、全員で進め方を変えました」。実際の経験へ置き換え、チーム全体の成果を自分一人の成果にしないようにしてください。

単年度の就職先と三年間の一覧を分けて読む

2026年3月卒業者の発表には、任天堂、アクセンチュア、野村證券などが主な就職先として挙げられています。一方、通常の就職実績ページの企業一覧は2023年3月から2025年3月の卒業者実績からの抜粋です。対象期間の違う一覧を合わせて単年度の実績としないようにします。[1] [8]

企業名だけでは配属職種や人数が分かりません。ゲーム会社だから全員デザイナー、コンサルティング会社だから全員同じ職種、と推定することはできません。応募先の現在の採用情報で仕事内容と提出条件を確認しましょう。

進路を比較する項目
方向確認すること
制作・専門職担当分野、必要な作品、制作体制、求める技能
総合職・一般職顧客や業務、配属、研修、制作経験との接点
進学研究・制作の目的、指導内容、入試、費用と期間
独立・制作継続活動内容、受注や発表の方法、生活と制作の計画

表は編集部による整理です。就職先の知名度を評価の唯一の基準にせず、自分がどんな仕事を続けたいかを具体化します。学部の就職率を、個人の採用や制作活動の成功の保証として使わないようにしましょう。

作品集は、応募先に合わせて説明する過程を選ぶ

ポートフォリオでは作品の見せ方と同時に、目的、対象、試作、選んだ理由、改善を整理します。作品数を増やす前に、一つの作品について「なぜその表現にしたか」を自分の言葉で説明できるかを点検しましょう。

面接での説明は、観察したことと自分の解釈を分けます。試作品を比較したなら何を比べたか、助言を受けたならどこを変えたかを述べます。採用実績のある先輩の作品を見ても、構成をそのまままねるのではなく、考えの伝え方を学ぶことが大切です。

一般企業への応募では「ものづくりが好き」に加え、相手の要望を理解すること、案を比較すること、締切へ向けて調整することなど、制作で行った行動を説明します。その企業の仕事内容への関心も添えると、経験と志望がつながります。

キャリアデザインセンターに作品と比較表を持参する

キャリアデザインセンターは個別面談、応募書類の添削、面接練習、ポートフォリオへの助言を案内しています。内定者の作品集の閲覧や、作品・自己PRを通じ企業から指名を受けるスカウト制度も紹介されています。利用条件は大学の案内で確認してください。[7]

今週は応募先を三つ選び、職種、提出物、締切をまとめます。作品一つの説明メモも用意し、「この経験のどこが応募職種につながるか」「次に何を修正すべきか」を相談します。

大学名への不安や、周りとの作品比較だけで判断せず、自分の経験と募集条件を照らし合わせてください。伝える内容と準備の順序を具体化することが、次の応募につながります。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 2026年3月卒業生の就職実績に関する発表確認日:2026-09-10 / 2026年8月3日発表。通学課程就職率92.0、希望者分母ではなく学校基本調査準拠。2026卒任天堂アクセンチュア野村證券等。専門55.3は分母人数不明・本文表現曖昧につき本稿率不使用。
  2. 年度別進路状況 2025年3月卒業確認日:2026-09-10 / PDF1画像確認。2024年度合計884、就職実決750(正621非69家6個46教8)、未決34、進実59進浪2他35不明4。90.9=750/(884-59)、91.5=(750+59)/884。
  3. 学部・学科確認日:2026-09-10 / 通学10学科24コース。通信大学院別リンク。新旧構成を過去卒業者へ移植しない。
  4. ゲームクリエイションコース確認日:2026-09-10 / 2024新設。卒業生なし、掲載先は旧情報デザインの卒業生の例との注記あり。
  5. マンデイプロジェクト確認日:2026-09-10 / 1年、全学科混合、ワークショップ・共同制作。
  6. 社会実装プロジェクト確認日:2026-09-10 / 全学科全学年対象、企業自治体依頼、予算予定等、参加エントリー・条件あり。
  7. 就職・キャリア支援確認日:2026-09-10 / 個別面談、書類添削、面接、作品集助言・内定者作品集閲覧、スカウト制度。
  8. 就職実績確認日:2026-09-10 / 2025年3月実績の就職率分母=卒業者-進学者、企業一覧2023–2025年3月3年合算。

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