心理学の専門を、複数の進路から考える

北海道医療大学心理科学部は臨床心理学科を設置しています。学科紹介では、医療系科目に加えて認知科学や行動科学などを学び、一般企業への就職と大学院に進んで公認心理師を目指す進路の両方を案内しています。[1] [2]​‌‌​​‌​‌‌​​‌‌‌​​​‌​‌‌​‌​‌‌‌​​​​​‌​​​‌‌​​​‌​‌​​‌​‌​​​‌‌​​​‌‌‌​‌​​

学部で心理学を学んだことと、資格を要する専門職として採用されることは別です。「心理学科だからカウンセラーしか選べない」と進路を狭めず、関心のある仕事で求められる条件を一つずつ確かめましょう。

大学名を理由に応募の可能性を決めつける必要はありません。研究や授業、学外活動で何を確かめ、他者の意見をどう扱ったかを整理し、希望する仕事とのつながりを言葉にします。

2025年度の就職先を、採用職種と分けて読む

大学の臨床心理学科の進路資料は、2024年度と2025年度を分けています。2025年度の一般企業欄には、北洋銀行、リコージャパン、かんぽ生命保険、じょうてつ、システム・エボリューション、大東建託リーシングなどが掲載されています。[3]

社会福祉施設・福祉事業の欄には北海道社会福祉事業団、光が丘学園、LITALICO、ケアサービス、公務員の欄には札幌市役所、稚内市役所、北海道庁、北海道警察が掲載されています。[3]

この一覧から、各就職者の職種や配属部署、採用区分、人数までは分かりません。企業名を見て人事・広報への採用と決めたり、自治体への就職をすべて心理職の実績と扱ったりしないでください。

地域分類には、主な勤務地を基にし、勤務地不明の場合は本社所在地を使うという注記があります。北海道内外の区分を参考にしつつ、自分の配属先や転勤範囲は求人ごとに確認する必要があります。[3]

就職先から応募候補へ進む確認表(編集部の提案)
方向最初に確認すること
一般企業募集職種、担当業務、配属の決め方、応募条件
福祉に関わる仕事支援対象、具体的な業務、求める資格や研修
公務員採用区分、受験条件、試験科目、採用後の仕事
大学院進学学びたい専門、入試、研究指導、費用と修了後の希望

83.3%は大学院修了者の公認心理師合格率

学科の受験生向け案内は、公認心理師について大学院進学等が必要と記し、2026年大学院修了者の合格率83.3%を掲載しています。これは学部卒業者全体の合格率でも、心理科学部の就職率でもありません。[2]

同じページには2018~2026年を対象とする取得率93.9%も載っていますが、対象期間の異なる指標です。単年度の83.3%と同じ数字として使わず、学部卒の進路を示す率に置き換えないでください。[2]

確認した案内には、それぞれの率に対応する受験者数や合格者数が併記されていません。また、この記事で確認した学科の就職先一覧には就職希望者数や就職率を示す集計がなく、資格試験の結果から就職率を推定することはできません。

専門職を希望する人は、入学年度や履修状況も含めて必要な科目・進学等の条件を大学へ確認しましょう。資格を目指す学びの経路、資格取得、希望先への採用を別々の段階として整理すると、準備すべきことが明確になります。

進学は「どんな専門を深めたいか」から相談する

2025年度の大学院等進学先欄には北海道医療大学大学院が掲載されています。2024年度の欄には別の大学もありますが、それらを2025年度の進学先に混ぜていません。年度別の一覧だけでは、進学者数や個別の研究テーマは分かりません。[3]

学科紹介は、大学院での学びとして複数分野の実習や演習、客観的臨床技能試験などを案内しています。これらは大学院の説明であり、学部の全員が同じ内容を履修すると読み替えないようにしましょう。[2]

進学を考えるときは、関心のある対象や課題、学びたい方法、指導を希望する分野を書き出します。資格への関心だけでなく、どのような支援や研究に取り組みたいかを教員へ相談することで、調べるべき研究科や入試の準備を絞れます。

就職と進学の間で迷っている段階でも相談できます。授業や研究で面白いと感じたこと、働く時期への希望、費用や生活上の条件を分けてメモし、どの情報があれば判断できるかを整理してください。

ゼミでは結論より、調べ方と自分の担当を伝える

学科は1・2年次に地域ボランティア論などの教養科目で社会との関わりを学び、3年次後期から全員がゼミに所属する流れを案内しています。ゼミでは論文読解、調査・研究、発表を通して学び、進路指導も行うとしています。[2]

応募書類では「心理学で人の気持ちが分かるようになった」と大きくまとめるより、問いを立てた過程、資料の確かめ方、調査や発表での担当を説明しましょう。相手の考えを決めつけず、根拠のある範囲と分からない範囲を分ける姿勢も伝えられます。

編集部の架空の例です。「ゼミの発表で、複数の論文を比較する担当になりました。結論だけでは違いを説明できなかったため、対象者や調査方法を表に整理しました。メンバーと確認し、条件の違いを踏まえて説明する構成に直しました。」

これは実在する学生の体験談ではありません。実際に読んだ資料や担当した作業に置き換え、自分が行っていない分析や調査を加えないでください。結果がはっきりしなかった場合も、その限界をどう理解したかを説明できます。

心理学との接点を、具体的な仕事内容まで確かめる

企業や福祉施設への応募では、「人の役に立ちたい」という思いを出発点に、誰のどんな課題に関わる仕事なのかを調べましょう。心理学との接点があることと、自分にその仕事を担う技能が備わっていることは同じではありません。

志望理由を組み立てるメモ(編集部の提案)
順序確認する内容
関心の出発点授業や活動のどの経験から興味を持ったか
仕事の理解募集されている職種が誰に何を提供するのか
学びとの接点調査、資料比較、対話など説明できる行動は何か
今後の課題入職後に身につける必要がある知識や技能は何か

会社や組織の知名度だけで比べず、初めに担当する仕事、教育体制、働く地域、自分が相談しながら成長できる環境も確認してください。就職先一覧への掲載は候補を探す材料であり、現在の募集や採用の保証ではありません。

進路が決まる前から、相談先を使う

大学は学部の就職委員、教員、就職相談室のキャリアアドバイザーに相談できる体制を案内しています。履歴書の添削や模擬面接、先輩の試験内容報告書などを、準備の段階に合わせて活用できます。[4] [5]

  • 2025年度の進路資料から関心のある企業・組織と進学先を分けて書く。
  • 求人の職種・条件、または大学院の学び・入試について調べる。
  • ゼミや授業の経験を一つ選び、自分の担当と確かめたことを整理する。
  • 分からない点を持って、教員や就職相談室へ相談する。

心理科学部の就活では、専門職への道と学部卒で働く道を比較しながら、自分の希望を具体化できます。資格の合格率や大学名だけに頼らず、実際の仕事内容と、学びの中で積み重ねた行動を確かめて準備を進めましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 北海道医療大学 心理科学部臨床心理学科確認日:2026-09-10 / 現名称
  2. 北海道医療大学 臨床心理学科の学び確認日:2026-09-10 / 2026大学院修了合格83.3、2018–26取得93.9、人数なし。要大学院進学等。大学院実習と学部3後期全員ゼミを区別
  3. 北海道医療大学 臨床心理学科就職状況確認日:2026-09-10 / 全文と画像確認。2025年度就職・院進学欄。地域主勤務地不明本社。職種人数不明
  4. 北海道医療大学 本学のキャリア支援確認日:2026-09-10 / 教員就職委員相談室
  5. 北海道医療大学 キャリアサポート確認日:2026-09-10 / 履歴書添削模擬面接先輩試験報告書

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