2025年度の進路は、進学と就職の内訳から読む

公式大学案内「広島大学で何が学べるか2027」の情報科学部ページには、令和7年度、つまり2025年度卒業生の進路が掲載されています。進学43人、その他4人のほか、就職先の業種別人数は次のとおりです。[1]‌​‌‌​​​‌‌‌‌​​​​‌​​​​‌​‌​​‌​‌‌​‌‌​‌‌‌‌​‌​‌‌‌​​‌​‌‌‌‌‌​‌‌‌​‌​‌‌​‌‌

2025年度 情報科学部の卒業生の進路
区分人数
進学43人
情報通信業26人
製造業8人
電気・ガス・熱供給・水道業3人
サービス業2人
教育、学習支援業2人
学術研究、専門・技術サービス業1人
不動産業、物品賃貸業1人
その他4人
[1]

区分の合計は90人で、就職に当たる7業種の合計は43人です。掲載割合は卒業生の進路全体を示すもので、就職希望者に対する内定率ではありません。「その他」の内訳を推定したり、就職者が少ないほど就職しにくいと解釈したりせず、進学も含めて進路を検討する資料として使います。

3プログラムと3履修モデルを、自分の説明に使う

情報科学部は2022年度入学生から、従来の1プログラム2コース制を3プログラム制へ再編しています。2年次には計算機科学・データ科学・知能科学のいずれか、3年次には基礎・融合・実践の履修モデルを選ぶ仕組みです。希望調査に加えて成績を考慮して決定するため、希望すれば無条件で選べる制度とは扱いません。[2]

プログラムの学びと経験整理の視点
プログラム公式に示された学び振り返る問い(編集部の提案)
計算機科学ハードウェア・ソフトウェア・ネットワーク等どの仕組みを作り、どの条件で動作を確かめたか
データ科学データの処理・分析・理解と他分野への応用何を判断するために、どのデータをどう扱ったか
知能科学人工知能・機械学習・IoT等何を学習・認識させ、どこまで有効性を調べたか
[2]

基礎履修モデルと融合履修モデルでは卒業論文に取り組み、融合履修モデルは他学部の科目も学ぶ構成です。実践履修モデルは卒業論文の代わりに長期フィールドワークを履修します。就活では学部の説明をそのまま自分の経験にせず、実際に選んだプログラムとモデル、担当課題を確認しましょう。[2]

長期実習は、参加と採用を分けて捉える

公式のコーオプ教育案内では、実践履修モデルで3年次・4年次にそれぞれ約4か月、企業で有償の業務に従事する長期フィールドワークを紹介しています。ⅠとⅡの実習に加え、成果報告会で学びを振り返る仕組みです。[3]

大学はこの長期フィールドワークの取組が、2026年3月に文部科学省のキャリア形成支援活動表彰で優秀賞を受賞したと公表しています。ただし、教育活動の評価であり、実習先への採用を保証するものではありません。参画企業の一覧も卒業後の就職先一覧とは区別します。[4]

実習経験を応募書類に使う場合は、業務の目的、任された範囲、大学で学んだこととの接点、実習後に学び直したことを整理する方法を提案します。研究を選んだ人も、実習へ参加していないことを弱みと決めつけず、自分のモデルで取り組んだ課題と検証を説明しましょう。

2025年度の企業例を、職種と学位条件の確認につなげる

公式大学案内の令和7年度の主な就職先には、インターネットイニシアティブ、トヨタシステムズ、ドリーム・アーツ、マイクロンメモリジャパン、マツダ、中国電力などが掲載されています。情報通信だけでなく複数の業種が含まれます。[1]

企業別の人数や配属職種は示されていないため、会社名から開発職・データ分析職などへの採用と断定しません。また、学部の別ページには2023年度の就職先一覧と旧2コース制の説明が残っています。本稿は教育内容に2022年度以降の課程案内を使い、就職先の例には2025年度の大学案内を使っています。[1] [2] [5]

進学を検討する人は、深めたいテーマ、応募候補の学位条件、研究に必要な方法を整理して教員へ相談します。学部就職を考える人も、企業の募集区分を調べ、現在説明できる技術と入社後に学びたい内容を分けて言葉にしましょう。

精度や完成品だけでなく、条件と限界を示す

開発・分析の説明では、目的、データや入力の範囲、担当した処理、比較した条件、結果と限界をまとめる方法を提案します。「AIを使った」「精度が高かった」だけでは、どのような課題に取り組んだかが分かりません。既存の手法を使った部分と、自分で検討・実装した部分を区別してください。

編集部の架空の例です。「授業の分析課題で、私は入力データの確認を担当しました。集計結果に偏りが見えたため、欠損の扱いと対象期間を整理し直しました。比較すると、処理条件によって見え方が変わることを説明できました。ただし因果関係を確かめたわけではなく、利用したデータの範囲での分析です。」

これは広島大学の学生の体験談ではありません。本人の経験に置き換えるときは、何を見て疑問を持ち、誰に相談し、どの条件を確かめたかを確認します。実習先の情報を使う場合は、外部へ説明できる範囲を担当者に確かめ、公開できないデータや業務内容を応募資料へ載せないようにします。

共同開発なら、担当した機能と他の人の成果を分けます。生成AIなどの支援を受けた部分についても、どこを自分で理解・検証したかを説明すると、本人の能力の範囲が伝わります。

学部担当教員と全学の相談方法を使い分ける

情報科学部の就職・資格等ページには2026年度の就職担当教員が掲載され、面談予約はメールで行うよう案内されています。募集職種と専門との接点や、研究・実習と進路の関係について相談する際の窓口として確認できます。[5]

全学のグローバルキャリアデザインセンターのキャリア相談は、2026年8月からオンライン予約に変更されています。対面は学生プラザ2階、オンラインはTeamsで、1・2年生も対象です。学部担当教員へのメール予約と、全学相談の予約を混同しないようにしましょう。[6] [7]

  • 入学年度に合うプログラム・履修モデルの説明を確認する。
  • 就職先の例と実習先の企業を別々に整理する。
  • 研究・開発・実習で担当した内容と検証範囲をまとめる。
  • 候補企業の職種・学位条件と、研究や実習の予定を照合する。

最初から進路を一つに決める必要はありません。自分の学びのどこを仕事や研究で深めたいかを言葉にし、足りない情報を相談で補うことから準備を進めましょう。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 広島大学 大学案内 広島大学で何が学べるか2027 情報科学部確認日:2026-09-11 / 紙面60頁=電子61頁。HTML全文・公式pageMRBNV8XKNGN8A/x1.jpgの進路図を画像照合。令和7進学43その他4就職業種合計43=90。企業例は同年度欄。研究室紹介は不使用
  2. 広島大学 情報科学部 学部(令和4年度以降入学生)確認日:2026-09-11 / HTML全文実読。2022再編3プログラム×3モデル、選択は希望+成績、基礎融合卒論、実践長期FW。カリキュラム画像の細字未使用
  3. 広島大学 情報科学部 コーオプ教育プログラム確認日:2026-09-11 / 冒頭から教育概要・6科目説明まで実読。実践モデル3・4年各4か月有償、成果報告。参画企業は採用実績にしない。学生の声や企業の評価は原稿未使用
  4. 広島大学 情報科学部の取組がキャリア形成支援活動表彰の優秀賞を受賞確認日:2026-09-11 / HTML本文読了。2026/3/30表彰、長期FWI/IIの教育評価。2025実習18人11社は採用人数ではなく本稿非採用
  5. 広島大学 情報科学部 就職・資格等確認日:2026-09-11 / 2026就職担当教員、面談メール予約。旧2コース説明と2023企業例は最新値に使用しない。卒業生体験記部分は本文非採用
  6. 広島大学 キャリア相談確認日:2026-09-11 / 全学相談は1・2年生も対象。東広島・東千田・霞の学生、対面学生プラザ2FまたはTeams、事前予約。相談員紹介・ハローワーク別枠は本稿で使用しない
  7. 広島大学 キャリア相談の予約方法変更について(2026年8月~)確認日:2026-09-11 / HTML本文読了。8月オンライン予約移行、8/10以降相談資料はクラウド共有URL。東千田ハローワーク派遣相談は別。添付PDF未読・未使用

次の選考準備に役立つ記事