研究のガクチカでは、研究結果だけでなく本人の行動を伝える

研究に時間を使っているけれど、まだ成果が出ていない。専門的な内容なので、面接でどう説明すればよいか分からない。研究をガクチカにする場合は、研究全体の説明と、自分が取り組んだ一場面を分けて整理しましょう。

札幌新卒応援ハローワークは、ガクチカを書く際に、課題に対する考えと具体的な行動を説明する構成を紹介しています。研究でも、どこで困り、何を考えて方法を選び、実際に何をしたかを整理する参考になります。研究テーマの難しさや成果の大きさだけで、題材を選ぶ必要はありません。[1]

以下は編集部による文章整理の提案です。企業の設問や文字数、提出物の指定がある場合はそれを優先してください。研究の結果を誇張したり、予定している作業を実施済みとして書いたりする必要はありません。

研究概要とガクチカは、答える内容が違う

工学院大学のキャリア形成・就職サポートガイドでは、研究テーマ・概要と、学生時代に力を注いだことが別の項目として説明されています。研究についての設問とガクチカを、同じ文章の貼り付けだけで済ませず、それぞれ何を問われているかを確認しましょう。[2]

研究に関する設問を読み分ける(編集部作成)
設問の例中心に整理する内容
研究テーマ・研究概要何を明らかにする研究か、背景、方法、現状
学生時代に力を入れたこと本人が取り組んだ課題、考え、行動、結果や学び
研究で苦労したことどこで進まなくなり、何を検討・実行したか
入社後に生かしたいこと応募する仕事と、知識や実際の行動の接点

研究概要では方法の説明が必要でも、ガクチカではその方法を選んだ理由や、うまくいかなかったときの対応が中心になることがあります。専門的な説明を省きすぎても伝わらないため、研究の目的を短く示してから、自分の一場面へ進むことを勧めます。

自分が担当した範囲を、研究全体から切り分ける

研究の経験を整理するメモ(編集部作成)
項目書くこと
目的研究全体が何を明らかにしようとしているか
自分の担当調査、実験、実装、資料整理など実際に担った範囲
困った点期待どおりに進まなかった具体的な場面
検討どんな原因や方法を考えたか
相談指導教員や先輩に何を質問し、どう反映したか
行動自分が実際に変更・確認したこと
現状分かったこと、分からないこと、次にする予定

共同研究や研究室全体の成果を、自分一人の実績として書かないでください。教員から指示を受けて行った作業も、受け身だったと決める前に、実行するなかで自分が確認・工夫した部分がないかを振り返れます。相談した事実を隠して、すべて独力で解決したことにする必要もありません。

研究を説明する前に、外部へ共有してよい内容の範囲を担当教員などへ確認します。未公開のデータ、共同研究先の情報、調査対象者の情報を、そのまま応募書類へ載せないでください。公開できない数値を、架空の数値へ置き換えて実測のように示すことも避けます。

成果が出ていない・研究を始めたばかりの場合

最終的な結論が出ていない場合は、研究の途中であることを明記します。「原因を特定した」「性能を改善した」という結果がまだなければ、確認したことや変更した手順までを正確に説明してください。今後する予定の作業は、実施した行動とは分けます。

進捗ごとの説明範囲(編集部作成)
状態説明する材料
文献調査を進めている問い、資料の探し方、整理した違い、残る疑問
方法を試している試した条件、確認した問題、次に変える点
結果を整理している自分の担当と確認できた結果、解釈の限界
テーマも未定既に行った学習や調査を整理し、別の経験とも比較

テーマを決める前の段階で、実際の行動がほとんどない場合は、授業やアルバイトなどのほうが詳しく説明できることもあります。研究を題材にすること自体を目的にせず、設問に対して自分の取り組みを具体的に伝えられる経験を選びましょう。

専門外の相手に伝えるために、言葉を二段階にする

まず、研究の目的を日常の言葉で短く説明し、必要な専門用語はその後に補います。「何を、なぜ調べているか」が分からないまま方法の略語を並べると、自分の工夫へ話が進みにくくなります。

説明を調整する問い(編集部作成)
確認すること見直し方
対象何を扱う研究なのか、一文で言えるか
目的どの疑問を明らかにしたいのか
用語省ける略語と、説明が必要な用語はどれか
本人の行動研究全体の話から、自分の担当へ移れているか
結果確認できた事実と解釈、今後の予定を分けているか

簡単に説明するために、研究の意味を変えてはいけません。比喩を使う場合も、どこまで似ていて、どこから違うのかを考えます。専門外の友人などに聞いてもらい、研究の目的と自分の行動が伝わったかを確認する方法があります。専門の面接では詳しい方法を求められることもあるため、短い説明と詳細の両方を用意しましょう。

研究途中でも使える架空の説明例

例1:プログラムを使う研究で、確認手順を見直した

研究で使用するプログラムについて、入力の違いによって処理が止まる問題の確認に取り組みました。当初はまとめて実行していたため、どこで問題が起きるか分かりにくく、入力条件を分けて記録する方法へ変えました。先輩にも確認の順序を相談し、問題が起きる条件を整理しています。研究全体の結論はまだ出ていませんが、一度に直そうとする前に、原因を切り分けて確認する必要性を学びました。

例2:資料を使う研究で、比較の条件をそろえた

卒業研究の資料調査で、異なる時期の記述を比較する作業に取り組みました。最初は似た表現を集めていましたが、書かれた背景が違うため同じ意味とは限らないと考え、時期、書き手、対象を整理した表を作りました。解釈が難しい部分は指導教員へ質問し、確認できたことと仮説を分けて記録しています。結論を急ぐより、比較する前提を確かめることの大切さを学びました。

どちらの例も、未完了の研究を完成したようには書いていません。自分の経験では、変更した理由、相談した内容、具体的に確認できたことを説明できるか見直します。結果が未確定でも必ず評価されるという意味ではなく、事実を保ったまま取り組みを説明するための例です。

面接の深掘りと、相談の準備まで進める

  • なぜそのテーマを選んだのですか。
  • あなたが担当した部分はどこですか。
  • 別の方法ではなく、その方法を選んだ理由は何ですか。
  • 何が分かり、何がまだ分かっていませんか。
  • 教員や先輩からどんな助言を受けましたか。
  • 今後、どのように確かめる予定ですか。
  • 応募する仕事との接点をどう考えていますか。

これは練習用の質問で、特定企業の出題内容ではありません。答えられないところは、事実の確認が必要なのか、説明の練習が必要なのかを分けましょう。研究の公開範囲は担当教員へ、応募書類の設問への答え方はキャリアセンターなどへ相談する方法があります。

逆転就活塾へ相談する場合も、研究概要だけでなく、設問、文字数、自分の担当、困った場面のメモを用意してください。学内支援と比較しながら、専門外向けの説明やガクチカの構成など、整理したい部分を伝えましょう。成果の大きさや大学名への不安で止まらず、自分が実際にした行動から文章を作っていくことが大切です。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 札幌新卒応援ハローワーク ガクチカの書き方と例文確認日:2026-09-09 / 課題に対する考えと具体的な行動を説明する構成
  2. 工学院大学 キャリア形成・就職サポートガイド2026確認日:2026-09-09 / 研究テーマ・概要と学生時代に力を注いだことを別項目で説明。研究例・整理表は編集部作成

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