ガクチカに趣味を使ってもよい。ただし設問の範囲を先に読む
学生時代に力を入れたこととして趣味を取り上げることは、選択肢になります。厚生労働省のマイジョブ・カードでも、キャリアコンサルタントが、趣味や日常生活の経験を題材にできると説明しています。肩書きや大きな受賞歴がなければ書けない、というものではありません。[1]
ただし企業の設問が「学業で」「チームで」「大学入学後に」などと範囲を指定している場合は、その指定に合う経験を選びます。個人の趣味がすべての設問に使えるわけではありません。まず質問文をそのまま読み、求められている内容を確認してください。
| 設問 | 趣味を使うときの確認 |
|---|---|
| 学生時代に力を入れたこと | その時期に自分が取り組んだ行動を話せるか |
| チームで取り組んだこと | 実際に他者と役割や目標を共有した経験か |
| 学業で力を入れたこと | 授業・研究など学業の経験として答えているか |
| 趣味・特技 | その趣味の内容と楽しみ方を簡潔に伝えているか |
「趣味・特技」の短い欄と、ガクチカの長い欄では説明の深さが違います。同じ題材を使う場合でも、前者は内容、後者は自分がどう取り組んだかが分かるように書き分けます。
選ぶ基準は、珍しさより自分の判断と工夫があるか
趣味の題材を選ぶときは、就活に有利そうな種類を探すより、自分が具体的に説明できる経験を比較しましょう。「読書が好き」「料理が好き」で止まっているなら、続ける中で何を変えたかを思い出してみます。
- 自分が何かを目指した、または困っていた場面がある
- 選べる方法の中から、自分で考えて試したことがある
- うまくいかずに、方法や続け方を変えたことがある
- 結果や今の状態を、実際の記録や行動で説明できる
好きで続けてきたものに、無理に社会的な使命を付ける必要はありません。「もっと上手にできるようになりたかった」「限られた時間でも続けたかった」など、自分にとって自然な動機で構いません。そこから何を考え、何をしたかを具体化します。
活動の説明を短くし、考えたことと行動に文字数を使う
立教大学のガクチカシートは、活動の概要を短くし、考えと具体的な行動、結果や学びのつながりを整理するよう案内しています。趣味について知らない読み手にも分かる言葉で、自分の取り組みを説明しましょう。[2]
| 項目 | 自分に聞く質問 |
|---|---|
| 取り組み | 何に力を入れたかを一文で言うと何か |
| 理由 | なぜ続けた、または変えたいと思ったか |
| 工夫 | 何を考えて、どの方法を試したか |
| 振り返り | 何を見て、方法を直したか |
| 結果 | 実際に確認できた変化は何か |
| 学び | 次にも使えると考える取り組み方は何か |
文字数が限られる場合は、趣味の歴史やルールの詳しい説明から削ります。専門用語や作品名を知らなくても、課題と行動が分かる状態を目指してください。結果だけを大きく見せず、選んだ方法の理由を残すと、自分らしい判断が伝わります。
読書・料理・写真の趣味を伝える架空例
読書:冊数より、読み方を変えた行動
「読んだ内容を自分の言葉で説明できるように、読書後の記録に力を入れました。最初は引用を写すだけだったため、要点と自分の疑問を分けて書く方法に変えました。同じテーマの本を読む際は、前の記録と比較し、意見が違う点を調べ直しました。読むだけで終わらず、考えを整理する習慣につながりました。」
料理:自分で条件を変えて試した過程
「一人暮らしの食事を無理なく用意するため、調理の段取りを工夫しました。時間がかかる工程を記録し、先に下準備をするものと直前に作るものを分けました。続かなかった週は予定を振り返り、品数を減らすなど方法を調整しました。理想の計画を立てるだけでなく、生活の条件に合わせて続け方を変えることを学びました。」
写真:作品への評価を作らず、試した方法を説明する
「撮りたい場面を意図して撮影できるよう、撮影後の比較に取り組みました。毎回設定を変えると違いが分かりにくかったため、条件を一つずつ変え、画像と設定を組にして記録しました。うまく撮れなかった写真も残し、次に試す条件を決めました。失敗を振り返る材料にして、方法を改善する姿勢を身につけました。」
例文に書かれた習慣や記録が実際になければ、そのまま使わないでください。数値を入れる場合も、回数・期間・時間など確認できるものだけにします。賞や売上、周囲からの評価がないなら、付け足す必要はありません。
一人の趣味を、無理にリーダーシップの話へ変えない
一人で取り組む趣味なら、計画、試行錯誤、振り返りなど、自分の中で行ったことを説明できます。ガクチカでチーム経験を指定されていない限り、架空の仲間やチームを作る必要はありません。
「周囲と協力できます」と書きたい場合は、実際に他者と協力した別の経験を用意します。個人の趣味で話せることと、チームで話せることを分けると、面接で聞かれたときにも無理なく答えられます。
| 趣味での行動 | その行動から説明する範囲 |
|---|---|
| 自分の予定を調整して続けた | 継続のための工夫 |
| 失敗を記録して方法を変えた | 振り返りと改善 |
| 相手に意見を聞いて修正した | 助言の受け止め方 |
| 一人で完成させた | 個人の工夫。チームをまとめた実績とは別 |
ゲームや動画鑑賞なども、名称だけで良し悪しを決めるより、具体的な取り組みがあるかを考えます。プレイ時間や視聴時間の長さだけでは、自分が何を考えたか伝わりにくいため、工夫を説明できなければ別の題材も比較してください。
面接で深掘りされる前に、五つの質問へ答えてみる
書けた文章を読み上げるだけでなく、そこに書いていない部分を自分で答えてみます。答えが曖昧なところは、話を大きくするのではなく、事実へ戻って直しましょう。
- なぜその趣味に取り組もうと思ったのか
- どのくらいの期間、どのような頻度で取り組んだのか
- 他の方法ではなく、その方法を選んだのはなぜか
- うまくいかなかったとき、何を変えたのか
- これから同じような課題があれば、どう取り組むか
仕事との接点を聞かれたら、趣味そのものを仕事に持ち込む説明より、準備・確認・改善などの取り組み方を、応募する業務にどう生かしたいかを考えます。「どの会社でも役立ちます」と広げすぎず、調べた仕事内容に合わせて話してください。
趣味しかないと思ったら、題材を捨てる前に行動を一つ書き出す
まずは好きなことを一つ選び、実際に困った場面、試した方法、変えたことを箇条書きにしてみましょう。完成した文章から始めるより、事実を先に並べると、話せる経験があるか確認できます。
書き出しても「楽しかった」「長く続けた」だけになる場合は、大学のキャリアセンターで対話しながら振り返る方法があります。授業、家事、アルバイトなど他の経験と比べて、設問に最も合うものを選んでも構いません。
逆転就活塾の無料相談でも、派手な活動歴がない不安や、趣味をガクチカに使うかどうかを相談できます。架空の実績を作らず、今ある経験から、本人の工夫が分かる伝え方を整理しましょう。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 厚生労働省 マイジョブ・カード|ガクチカの書き方をプロが伝授確認日:2026-09-09 / 趣味・日常生活も題材になること、考え方や行動の過程を伝える専門家の解説
- 立教大学|学生時代に力を注いだこと(ガクチカ)シート確認日:2026-09-09 / 活動の説明を短くし、考えと具体的な行動を整理する構成