どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用実績校を公開していても、大学の側が自分で出している進路資料と突き合わせると分かることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。東京応化工業について、現時点で確認できたのは次の7大学です。[4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]
| 大学・学部(学科・専攻) | 掲載されている資料と見出し | 資料が示す対象年度 |
|---|---|---|
| 中央大学 理工学部(大学院含む) | 「2025年度卒業生の主な就職先(就職者2名以上の企業・機関)」の理工学部版に「東京応化工業」3名(33位タイ) | 2025年度卒業生(2026年4月9日現在) |
| 大阪工業大学 大学院工学研究科 化学・環境・生命工学専攻(応用化学コース) | 「就職状況一覧[大学院]」の応用化学コースの「主な就職先」に「東京応化工業」 | 2023年度〜2025年度(学部ではなく大学院) |
| 岩手大学 大学院総合科学研究科 理工学専攻 | 「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻の欄に「東京応化工業株式会社」1名(神奈川県) | 令和4(2022)年度修了生(学部ではなく大学院) |
| 工学院大学 大学院工学研究科(修士課程)化学応用学専攻 | 「過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)」の工学研究科(修士課程)、化学応用学専攻の欄に「東京応化工業㈱」 | 過去3ヵ年(2026年5月1日現在・学部ではなく大学院) |
| 日本大学 理工学部物質応用化学科 | 「各学科/専攻の主な進路・就職業界」の物質応用化学科の欄に「東京応化工業」 | 2025年度卒・修了(注記に「過去3年間の学部卒業生と大学院修了生を合わせたもの」) |
| 東海大学 理学部化学科 | 化学科の「主な就職先」に「東京応化工業」。ページ注記は「掲載されている主な就職先は2024年3月卒〜2026年3月卒の3か年分の学科別就職実績になります」 | 2024年3月卒〜2026年3月卒の3か年分 |
| 神奈川工科大学 情報メディア学科 | 「卒業生の主な就職先(過去5年)」の情報メディア学科の欄に「東京応化工業」 | 過去5年(一覧に年度の記載なし) |
会社が募集要項に載せている採用実績校と突き合わせると、上の7大学のうち6大学(岩手・中央・大阪工業・工学院・日本・東海)は、会社の一覧にも名前があります。会社側の情報と大学側の情報が一致する珍しい例です。神奈川工科大学だけは会社の一覧に出てきませんが、会社の一覧は国公立大も私立大も末尾に「他」が付いているので、これで全部という書き方ではありません。矛盾はしていない、ということです。[1] [10]
「文系・理系は問いません」と「理系院卒が6〜8割」を並べて読む
東京応化工業の採用FAQには、この記事の読者そのものを想定した質問が2つあります。1つめ。「学部・学科に制限はありますか。」——「制限はありません。応募にあたっては、文系・理系は問いません。」[1]
2つめ。「研究職に応募したいのですが可能でしょうか。」——「職種別採用は行っておりません。技術系職種(開発、製造技術、品質管理、品質保証、営業等)や事務系職種(総務、経理、広報、人事等)から希望の職種にチャレンジしてください。」つまり、この会社には「研究職」という応募の枠そのものがありません。入口で職種を分けていないので、専攻を理由に応募の段階で外されることがない設計です。[1]
ただし、同じページに載っている採用実績数の表も一緒に読んでください。会社が公開している数字はこうです。
| 区分 | 23年 | 24年 | 25年 | 26年 |
|---|---|---|---|---|
| 文系 大卒 | 8 | 1 | 7 | 7 |
| 文系 院卒 | 1 | 1 | 0 | 0 |
| 理系 大卒 | 6 | 6 | 7 | 3 |
| 理系 院卒 | 24 | 27 | 28 | 30 |
4年とも理系院卒がいちばん多く、人数も24名から30名へ増えています。合計で見ると、23年は39名中24名、26年は40名中30名が理系の院卒です。割合にすると6割から8割。一方で文系も毎年入っていて、23年は9名、25年と26年は7名です。「文系・理系は問いません」は本当ですが、「文系と理系が同じくらい入る会社」ではありません。この2つを両方知ったうえで応募するかどうかを決めてください。[1]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。東京応化工業が公開している募集要項とFAQから特定できるのは、次の4つです。
土俵1:学部・学科の制限がなく、職種別採用でもない
前の節のとおりです。応募の段階で専攻を理由に外されることがありません。採用学部学科の欄も「理系/化学系、生物系、機電系、数学・物理系、情報系、薬学系 他」「文系/経済、経営、法、商、外国語 他」と、どちらも「他」で終わっています。[1]
土俵2:文系でも営業ができると会社が明言している
「文系出身者ですが、理系の知識が無くてもTOKの営業の仕事はできますか。」——「全く問題ありません。仕事に必要な知識は、研修や実務を通じて身に付けていきます。当然、担当する製品の知識について勉強する必要がありますが、マーケットや顧客、製品への好奇心が重要になります」。半導体材料の知識を入社前に持っている必要はない、と会社が書いています。[1]
土俵3:資格も語学力も採用時には要らない
「採用時に必要とする資格・語学力はありますか。」——「採用時において、特に必要とする資格・語学力はございません。ただし、入社後に海外の顧客やスタッフとコミュニケーションを取るので必要となる場合がございます。入社後にビジネスで使える語学力を習得できる研修を整えています」。資格の数で差をつけられる設計にはなっていません。[1]
土俵4:先輩の紹介という経路が、そもそも会社側に無い
「OBやOGの方は紹介してもらえますか。」——「申し訳ございませんが、紹介は行っておりません。」会社から紹介する仕組みがないので、卒業生が多い大学ほど情報が集まるという差が、この経路では生まれません。[1]
会社が公開している待遇の数字
東京応化工業は初任給だけでなく、2年目の年収の目安まで公開しています。ここまで出している会社は多くありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初任給(2026年4月参考値・月給) | 大卒289,380円/修士卒312,080円(住宅手当2,000円・勤務地手当20,000円〈神奈川県のみ〉を含む) |
| 年収イメージ(2年目) | 大卒(23歳)642万円程度/修士卒(25歳)689万円程度(2025年賞与8.25ヶ月・月平均時間外勤務手当15.1時間を含む) |
| 昇給・賞与(直近実績参考値) | 昇給 年1回5.54%(2026年度)/賞与 年2回8.25ヶ月(2025年度) |
| 勤務時間 | 本社8:45〜17:30/事業所・工場等8:30〜17:15(実働7.75時間) |
| 休日休暇 | 完全週休2日制、祝日、メーデー、年末年始、GW、夏期など。年間休日123日、年次有給休暇初年度15日(以降16〜20日) |
| 勤務地 | 神奈川県、福島県、栃木県、静岡県、熊本県、海外 他 |
初任給の内訳が書かれているのが親切な点です。大卒289,380円には住宅手当2,000円と勤務地手当20,000円(神奈川県のみ)が含まれています。神奈川県以外の勤務地なら、その2万円は付きません。金額を他社と比べるときは、何が含まれているかをそろえてください。[1]
教育制度も具体的です。新入社員プログラムとして導入研修、工場研修、3か月後フォローアップ研修、グローバル新人研修(成果発表)が挙げられていて、そのあとも語学基礎教育、通信教育、階層別研修、語学教室、年代別キャリアデザイン研修が並びます。キャリアデザイン研修には「キャリアコンサルタント有資格者によるキャリア面談・キャリア相談窓口」が含まれると書かれています。[1]
職種は9つ。入口では選ばず、入ってから決まる
職種を紹介するページには、営業、開発(材料開発)、開発(製品開発)、生産技術開発、品質管理、品質保証、工場製造部門、新規事業、間接部門の9つが並んでいます。それぞれに「どんな仕事?」「向いている人」「身に付くスキル」の3項目が書かれていますが、学歴の条件や必要な専攻はどの職種にも書かれていません。書かれているのは人物像だけです。[2]
これは「職種別採用は行っておりません」という方針と合っています。配属の決め方についてもFAQに答えがあります。「配属はどのように決定されますか。」——「すべての希望に添えないこともありますが、入社時配属は皆さんの希望や適性、会社のニーズを総合的に判断して決定します。」応募の時点で職種を選ぶ必要がない代わりに、配属は入社時に決まるということです。[1] [2]
海外については「世界各国に拠点があることから、業務で必要な適性、能力、実績を兼ね備えている人であれば、海外で働くチャンスは十分にあります。」と書かれています。国籍については「可能です。日本の学生と同様の選考フローを進んでいただきます。また、選考基準についても、国籍で不利になることは一切ありません。」としています。[1]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
大学名を変えることはできませんが、ここまでに出てきた事実のうち、いくつかは今日から動かせます。順番に書きます。
- 1〜3日目:採用実績数の表を自分で読む。文系なら毎年1〜9名の枠、理系院卒なら24〜30名の枠。自分がどちらの数字を見て応募するのかを、はっきりさせてから動く
- 4〜7日目:職種を選ばずに出せることを踏まえて、志望動機の書き方を決める。「この職種をやりたい」ではなく「この会社で何をしたいか」を書く形になります
- 8〜14日目:9つの職種の「どんな仕事?」を読んで、自分が向いていそうな仕事を2つ3つ挙げられるようにする。配属は入社時に希望と適性で決まるので、面談で伝える中身を先に作っておく
- 15〜21日目:既卒の人と、適性検査の有無を知りたい人は、会社に直接問い合わせる。募集要項にもFAQにも書かれていないので、調べても出てきません
- 22〜30日目:エントリーシートを書く。会社が「採用時において、特に必要とする資格・語学力はございません」と書いている以上、資格を増やすより自分の経験を具体的に書くことに時間を使う
志望動機については、会社が公開している事実を1つ選び、それを読んで自分が何を思ったかを書き、自分の経験のどこと重なるかを1つ挙げる。この3つがそろえば、他の誰にも書けない文章になります。たとえば、この会社が職種別採用をしていないこと。入る前に職種を決めさせない会社であることを読んでどう思ったかは、他の人には書けません。[1]
最後に1つ。この記事の表に載っている7大学は、本コラムが調べた範囲での結果です。載っていないから入れない、という意味ではありません。逆に、載っているから入りやすい、という意味でもありません。この会社について確かめられたのは、「文系・理系は問いません」という会社の言葉と、理系院卒が6〜8割という会社自身の数字が、両方とも同じページに載っているという事実です。どちらか一方だけを見て決めないでください。[1] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]
この記事の資料ごとの確認日は、出典欄に1件ずつ書いています。採用の条件・日程・待遇は年度によって変わるので、応募の前に必ず最新の募集要項を見てください。経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 東京応化工業 新卒採用サイト 募集要項・採用FAQ確認日:2026-09-11 / 職務内容(事務系・技術系)、初任給(2026年4月参考値。大卒289,380円・修士卒312,080円。住宅手当2,000円と勤務地手当20,000円〈神奈川県のみ〉を含む)、年収イメージ(2年目。大卒642万円程度・修士卒689万円程度)、昇給年1回5.54%(2026年度)・賞与年2回8.25ヶ月(2025年度)、諸手当、勤務時間、勤務地、休日休暇(年間休日123日)、福利厚生、教育制度、採用実績数(23年〜26年の文系大卒/文系院卒/理系大卒/理系院卒)、採用実績校(国公立大41校・私立大33校・海外9校。国公立と私立は末尾に「他」)、採用学部学科、提出書類。採用FAQに「学部・学科に制限はありますか。」への「制限はありません。応募にあたっては、文系・理系は問いません。」、「研究職に応募したいのですが可能でしょうか。」への「職種別採用は行っておりません。」、「OBやOGの方は紹介してもらえますか。」への「申し訳ございませんが、紹介は行っておりません。」、資格・語学力、配属の決め方、文系出身者の営業、海外勤務、外国人留学生。既卒・第二新卒・適性検査・選考日程についての記載はこのページには無い
- 東京応化工業 新卒採用サイト Works 職種と適性確認日:2026-09-11 / 営業/開発(材料開発)/開発(製品開発)/生産技術開発/品質管理/品質保証/工場製造部門/新規事業/間接部門の9職種。各職種に「どんな仕事?」「向いている人」「身に付くスキル」。学歴条件や必要な専攻の記載はどの職種にもない
- 東京応化工業 新卒採用サイト 福利厚生確認日:2026-09-11 / 年次有給休暇の付与日数(1年目16日〜5年以上20日)、フレックスタイム制度、寮・社宅制度、住宅援助金制度、社員持株会、確定拠出年金、資格取得奨励金(安全保障貿易管理士・危険物取扱主任者・品質管理検定など)、TOEICの社内受験、入社時の安全衛生教育
- 中央大学 2025年度卒業生の主な就職先(理工学部)確認日:2026-09-09 / 「2025年度卒業生の主な就職先(就職者2名以上の企業・機関) 2026年4月9日現在」の理工学部(大学院含む)の一覧に「東京応化工業」3名(33位タイ)。就職者2名以上の企業・機関だけを集めた一覧
- 大阪工業大学 就職状況一覧[大学院]確認日:2026-09-09 / 専攻・コースごとの「■主な就職先(2023-2025年度)」。工学研究科 化学・環境・生命工学専攻【応用化学コース】の欄に「東京応化工業」。学部ではなく大学院の実績
- 岩手大学 令和4(2022)年度 進路先一覧確認日:2026-09-09 / 学部・研究科ごとに節が分かれたPDF。「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」の理工学専攻の欄に「東京応化工業株式会社」1名(都道府県の欄は神奈川県)。学部ではなく大学院の実績
- 工学院大学 過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)確認日:2026-09-09 / 「過去3ヵ年の主な就職先(学科・専攻別)2026年5月1日」。工学研究科(修士課程)の表は機械工学専攻・化学応用学専攻・電気電子工学専攻の3列で、「東京応化工業㈱」は化学応用学専攻の列にある。学部ではなく大学院の実績
- 日本大学 理工学部 就職支援情報確認日:2026-09-11 / 「各学科/専攻の主な進路・就職業界 (2025年度卒・修了)」の物質応用化学科の欄に「東京応化工業」。注記は「各学科の主な就職実績一覧は,過去3年間の学部卒業生と大学院修了生を合わせたものの一例です」
- 東海大学 理学部の就職先確認日:2026-09-09 / 化学科の「主な就職先」に「東京応化工業」。ページ注記は「掲載されている主な就職先は2024年3月卒~2026年3月卒の3か年分の学科別就職実績になります」
- 神奈川工科大学 卒業実績確認日:2026-09-09 / 「卒業生の主な就職先(過去5年)」の情報メディア学科の欄に「東京応化工業」。同じページの末尾にある「本学卒業生の在籍が多い企業等」(在籍者数の別の一覧)ではなく、年度別の実績の欄にあることを確認した