どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。高砂香料工業について、現時点で確認できたのは次の7大学8件です。[9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16]
| 大学・学部(学科・専攻) | 掲載されている資料と見出し | 資料が示す対象年度 |
|---|---|---|
| 近畿大学 産業理工学部 生物環境化学科 | 「卒業生の進路・就職先」の生物環境化学科の「主な就職先」に「高砂香料工業」 | 2023〜2025年度卒業生実績 |
| 共愛学園前橋国際大学(全学の一覧) | 「就職実績」の「就職先一覧」の製造業の欄に「高砂香料工業」。2025年度の「4年生の就職状況」の製造業の欄にも「高砂香料工業株式会社」 | 2021年度〜2025年度卒業生の一覧と、2025年度の就職状況 |
| 日本大学 生物資源科学部 | 大学全体の「令和5年度卒業生の主な就職先」、生物資源科学部の欄に「高砂香料工業(株)」 | 令和5年度(2023年度)卒業生 |
| 大阪大学 大学院工学研究科 応用自然科学科(博士前期課程) | 「過去3年間の博士前期課程修了者の就職先」の応用自然科学科の「●主な企業名」に「高砂香料工業」 | 過去3年間の採用実績(2025年4月1日現在。学部ではなく大学院) |
| 専修大学(全学の一覧) | 「主な就職先(2025年3月卒業生/2025年3月31日時点判明分)」の製造の欄に「高砂香料工業」 | 2025年3月卒業生 |
| 立命館大学 総合心理学部 | 「学部別進路・就職状況」の総合心理学部「進路・就職先一例」に「高砂香料工業(株)」 | 2024年度(PDFの表紙に書かれた年度) |
| 立命館大学 薬学部 創薬科学科 | 同じ資料の薬学部、●創薬科学科の就職先の一例に「高砂香料工業(株)」 | 2024年度(同上) |
| 筑波大学 大学院(生物学の学位プログラム) | 「主な教育組織とその就職先企業名等」の生物学の欄に「高砂香料工業」 | 令和4(2022)年度(学部ではなく大学院) |
学部の並びを見てください。生物環境化学科、生物資源科学部、応用自然科学科、創薬科学科、生物学という化学・生物系の学科に混じって、立命館大学の総合心理学部が入っています。香料の会社に心理学部から入った例が、大学の公式資料に残っているということです。会社のFAQも事務系は「学部学科不問です。」と書いています。[1] [15]
会社が学歴・専攻について書いていること(引用)
先に1つ、時期のことを書いておきます。募集要項の選考期間の欄には「2027年度新卒採用(参考)」とあり、その下に「※現在、募集は締切となっております。」と書かれています。2027年度の選考は、技術系の早期選考・通常選考、事務系の3つのコースとも締め切られています。次の年度の募集を見るときの参考として、この記事は会社の文書の中身を整理します。[2]
技術系と事務系で、専攻についての答えが違う
採用FAQに「技術系職種で採用される人の専門分野を教えてください。」という質問があります。答えはこうです。「理系全般の方が対象となります。当社の技術系職種では化学系はもちろんのこと、化学工学・生物学・農学・薬学などさまざまな専門分野出身の社員が活躍しています。」続けて「ほかにも、機械や電気の知識は工場の運営に欠かせませんし、統計学や情報工学などを専攻されている方も積極的に募集しています。」とあります。[1]
事務系は1文目から違います。「学部学科不問です。事務系職種では比較的文系出身者が多いですが、理系で営業職として活躍している社員もたくさんいます。」[1]
つまり、技術系は理系であることが前提で、その中の専攻は問わない。事務系は文系・理系を問わない。この2段構えが会社の書き方です。[1]
人事の責任者のメッセージも、文系と理系を並べている
採用サイトのメッセージには、両方に向けた文が並んでいます。「理系の皆さんが培ってきた化学、バイオ、分析、工学等の知見は、香りの設計や新素材の創出、安全性や品質の追求といった最前線で活かされます。」そして「一方、文系の皆さんの発想力、企画力、コミュニケーション力は、市場やお客様のニーズを捉え、香りの価値を提案し、世界へ届けていく原動力となります。」[3]
既卒は卒業後3年以内まで
募集対象者の欄はこうです。「2027年4月1日時点で、高専、大学、大学院を卒業または修了している方。」「卒業・修了後、3年以内であれば既卒の方も応募いただけます。」高専が最初から入っていて、既卒にも3年という幅があります。[2]
大学名を選考でどう扱っているかは公開されていないので、そこは「分からない」が正確です。ただしFAQには「各選考では厚生労働省が定める公正な採用選考に従って、応募者を適正に評価することに努めています。」と書かれています。[1]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では3つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。高砂香料工業が公開しているFAQと募集要項から特定できるのは、次の3つです。
土俵1:選考の中身が、書類とテストと面接2回
FAQの答えはこうです。「当社の選考プロセスは書類選考、WEBテスト、面接2回です。」続けて「選考途中には社員とのWEB座談会を実施し、当社や業務について理解を深めてもらいます。」とあります。面接は2回で、どれも準備できる部分です。[1]
土俵2:英語が全員に必須ではない
FAQの「入社するのに英語は必須ですか。」への答えは「全員英語が必須というわけではありません。」です。続けて「ただし、国内にいても英語を使って業務をする機会はたくさんありますので、英語が得意だと仕事の幅が広がります。」とあります。海外売上比率が66%の会社ですが、入口では全員に英語を求めていません。[1] [4]
土俵3:入社後は全員が総合職で、コースで分けない
FAQの「総合職/一般職などのコース区分はありますか。」への答えは「当社では性別や職種を問わず、全員総合職としての入社になります。」です。選考では技術系・事務系のコースがありますが、募集要項には「※選考の際は技術系・事務系、複数のコースを設けておりますが、入社後の職務内容を保証するものではありません。」と書かれています。[1] [2]
入社後はまず6か月の工場研修。配属は技術系が研究所・工場、事務系は本社
FAQの「入社して最初にする仕事はなんですか。」への答えは「新卒で入社された方には、6ヵ月程度の工場研修を実施しています。」です。職種にかかわらず、まず工場で製造の仕事を知るところから始まります。[1]
配属先の傾向もFAQに書かれています。「技術系の場合は、研究所、工場、本社に配属されることが多いです。」「事務系の場合は本社がほとんど、営業職で支店に配属されることもあります。」配属予定は内々定の通知と一緒に伝えられるとも書かれています。[1]
2027年度の選考コースを見ると、入口の分かれ方が分かります。技術系の早期選考は研究部門、通常選考は品質保証部門と生産部門(企画・設備・製造)、事務系はフレーバー・フレグランス・ファインケミカル事業部門の営業・企画・マーケティング、調達部門、経理部門、関連事業部門、情報システム部門です。[2]
会社の中身も見ておいてください。採用サイトのキーワードのページには「高砂香料は、日本で初めての合成香料の製造を本業とする組織的な会社です。」とあり、顧客は食品・日用品・化粧品・製薬メーカーなど約1,500社、売上品目数は年間13,000種以上(いずれも高砂香料単体)と書かれています。会社概要によると、海外事業所は27の国と地域、研究所は12か所、工場は25か所あります。[4] [5]
技術系の社員座談会には、出身の専攻が書かれた社員が3名登場します。生命環境学専攻、農学研究科の応用生命科学専攻、創造理工学研究科の地球・環境資源理工学専攻。FAQの「理系全般」を裏付ける顔ぶれです。[7]
応募の条件と、入社後の条件
| 項目 | 会社の記載 |
|---|---|
| 募集対象者 | 2027年4月1日時点で、高専、大学、大学院を卒業または修了している方。卒業・修了後3年以内であれば既卒も応募可 |
| 募集職種 | 総合職(選考の際は技術系・事務系の複数コース) |
| 採用人数 | 30名程度 |
| 基本給(2026年4月時点) | 博士了297,700円/修士了267,600円/大学卒248,000円/高専卒(専攻科)248,000円/高専卒(本科)232,700円/専門学校・短大211,900円 |
| 昇給・賞与 | 昇給は年1回(4月)。賞与は年2回(6月、12月:平均3ヵ月支給×2回) |
| 勤務地 | 本社(東京)/支店(大阪、名古屋、福岡)/研究所(平塚、磐田)/工場(平塚、磐田、鹿島、三原) |
| 年間休日 | 本社・支店123日/研究所123日/工場118〜119日 |
| 休暇 | 年次有給休暇(勤続4年未満17日、勤続4年以上20日)、リフレッシュ休暇、産前産後休暇、育児休業ほか |
| 選考方法 | 書類選考、WEBテスト、面接2回 |
基本給の表に「高専卒(専攻科)」「専門学校・短大」の欄があり、高専専攻科卒は大学卒と同じ額です。高専については、FAQに「毎年2名程度、高専卒採用の募集をしています。」とも書かれています。[1] [2]
住まいについては、家賃補助手当の例が書かれています。当社基準の要件を満たした独立生計者の場合、東京・神奈川で上限70,000円、鹿島・磐田で上限50,000円です。[2]
外国籍の応募者についてFAQは「外国人の採用枠はありませんが、当社で働く外国人は増えつつあります。日本人と同様の選考を受け、採用されるケースはあります。」と答えています。[1]
会社が公開している数字
| 卒業年 | 技術系 | 事務系 | 計 |
|---|---|---|---|
| 2026年卒 | 25名 | 16名 | 41名 |
| 2025年卒 | 19名 | 13名 | 32名 |
| 2024年卒 | 20名 | 12名 | 32名 |
FAQは「例年、30名程度採用しています。」と書いていますが、2026年卒は41名と増えています。事務系は12〜16名で、技術系の3分の2ほどの規模です。応募者数は公開されていないので倍率は計算できません。[1]
働き方の数字はキーワードのページにあります。「2025年度実績では、ひと月あたりの平均残業時間が11.5時間とワークライフバランスの取れた労働環境があります。」育児については「女性社員の産休・育休取得率は100%、男性社員の育休取得率は92%(2025年度実績)。」と書かれています。[4]
中途採用の比率も公表されています。正規雇用労働者の中途採用比率は2023年度29%、2024年度33%、2025年度32%です。[6]
| 項目 | 記載 |
|---|---|
| 商号 | 高砂香料工業株式会社(TAKASAGO INTERNATIONAL CORPORATION) |
| 設立 | 1920年(大正9年)2月9日 |
| 資本金 | 92億円 |
| 売上高(連結) | 225,092百万円 |
| 従業員数 | 4,443名 |
| 本社 | 東京都大田区蒲田5丁目37番1号 ニッセイアロマスクエア17F |
海外売上比率についてキーワードのページは「高砂香料の海外売上比率は年々高まっており、現在は66%。」と書いています。2020年に創業100周年を迎えた会社です。[4]
明日からできること
- 採用FAQを自分で開いて、技術系と事務系で専攻の答えが違うことを確かめる。事務系は「学部学科不問です。」、技術系は「理系全般の方が対象となります。」
- 2027年度の募集は締め切られている。次の年度の募集が始まる時期は、2027年度の早期選考(研究部門)のES締切が2026年2月9日だったことを目安にする
- 文系で事務系を志望するなら、選考の中身は書類・WEBテスト・面接2回。専攻の知識ではなく、書類と面接の準備に時間を使う
- 卒業して3年以内なら既卒でも応募できる。高専卒も毎年2名程度の募集がある
- 大学の資料で「高砂」の字を見たら、高砂香料工業か高砂熱学工業か(別会社)を必ず確かめる
- OB・OG訪問の斡旋は無いので、選考途中の社員との座談会で聞きたいことを先に書き出しておく
この記事に書いたのは、会社が自分で公開している文書と、大学が自分で公開している進路資料だけです。どちらも今日この時点で誰でも開けます。出典はすべて下に並べてあるので、気になったところは自分で開いて確かめてください。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 高砂香料工業 採用情報 よくあるご質問確認日:2026-09-11 / 「社員には自身の業務に専念してもらうため、会社としてOB・OG訪問の斡旋はしておりません。」、「当社の選考プロセスは書類選考、WEBテスト、面接2回です。」、「各選考では厚生労働省が定める公正な採用選考に従って、応募者を適正に評価することに努めています。」、技術系「理系全般の方が対象となります。」、事務系「学部学科不問です。」、英語、外国人の採用枠、高専生の採用(毎年2名程度)、採用人数と過去3年の実績、「当社では性別や職種を問わず、全員総合職としての入社になります。」、6ヵ月程度の工場研修、勤務地、ジョブローテーション
- 高砂香料工業 新卒採用確認日:2026-09-11 / 募集対象者(既卒は卒業・修了後3年以内)、募集職種、採用人数30名程度、基本給(2026年4月時点)、家賃補助手当、昇給・賞与、勤務地、年間休日、休暇、選考方法、2027年度新卒採用の選考期間と「※現在、募集は締切となっております。」
- 高砂香料工業 採用メッセージ確認日:2026-09-11 / 理系の知見が活かされる場面と、文系の発想力・企画力・コミュニケーション力が原動力になる場面を並べた人事の責任者のメッセージ
- 高砂香料工業 キーワードで知る高砂香料確認日:2026-09-11 / 「高砂香料は、日本で初めての合成香料の製造を本業とする組織的な会社です。」、顧客約1,500社・売上品目数年間13,000種以上(高砂香料単体)、海外売上比率66%、産休・育休取得率(2025年度実績)、平均残業時間11.5時間(2025年度実績)、創業100周年
- 高砂香料工業 会社概要確認日:2026-09-11 / 商号、設立1920年2月9日、本社所在地、売上高(連結)225,092百万円(2026年3月期)、資本金92億円、従業員数4,443名、海外事業所27の国と地域、研究所12か所、工場25か所
- 高砂香料工業 キャリア採用(中途採用比率)確認日:2026-09-11 / 正規雇用労働者の中途採用比率 2023年度29%・2024年度33%・2025年度32%
- 高砂香料工業 技術系社員座談会確認日:2026-09-11 / 技術系社員3名の出身専攻(生命環境学専攻、農学研究科 応用生命科学専攻、創造理工学研究科 地球・環境資源理工学専攻)
- 高砂香料工業 グループ会社採用確認日:2026-09-11 / グループ会社の採用案内に「高砂香料西日本工場株式会社」(広島県三原市)
- 近畿大学 産業理工学部 卒業生の進路・就職先確認日:2026-09-10 / 生物環境化学科の「主な就職先」に高砂香料工業(2023-2025年度卒業生実績)。同じ頁の別学科の欄に別会社の高砂熱学工業
- 共愛学園前橋国際大学 就職実績確認日:2026-09-11 / 「就職先一覧」の製造業の欄に高砂香料工業。2021年度〜2025年度卒業生の一覧
- 共愛学園前橋国際大学 2025年度 就職状況確認日:2026-09-10 / 「4年生の就職状況」の製造業の欄に高砂香料工業株式会社
- 日本大学 令和5年度卒業生の主な就職先確認日:2026-09-10 / 令和5年度の一覧、生物資源科学部の欄に高砂香料工業(株)
- 大阪大学 工学部/大学院工学研究科 進路・就職情報確認日:2026-09-11 / 「●主な企業名」で始まるブロックが学科タブの並び(応用自然科学科/応用理工学科/電子情報工学科/環境・エネルギー工学科/地球総合工学科)と同じ順に5つあり、高砂香料工業は1番目=応用自然科学科のブロックにある。過去3年間の採用実績(2025年4月1日現在)
- 専修大学 2025年3月卒業生 主な就職先確認日:2026-09-11 / 「主な就職先(2025年3月卒業生/2025年3月31日時点判明分)」の製造の欄に高砂香料工業。全学1枚の資料で学部の内訳はない
- 立命館大学 学部別進路・就職状況(2024年度)確認日:2026-09-11 / 2024年度の一覧。総合心理学部の「進路・就職先一例」と、薬学部●創薬科学科の就職先の一例に高砂香料工業(株)。ファイル名はresults-2025だが、PDFの表紙に書かれた年度は2024年度
- 筑波大学 令和4年度 進路状況(追加資料)確認日:2026-09-11 / 「主な教育組織とその就職先企業名等」の大学院・生物学の欄に高砂香料工業
- 石川県立大学 令和元年度 卒業生の進路状況確認日:2026-09-10 / 令和元年度(2019年度)卒業生の実績に高砂香料工業(株)。2022年度以降の掲載ではないため、この記事の表には入れていない(表に入れていない理由の出典)
- 中村学園大学 卒業生就職状況確認日:2026-09-11 / 別会社の例(説明用)。一覧にある表記は「高砂香料西日本工場」で、高砂香料工業がグループ会社として別に案内している高砂香料西日本工場株式会社と区別できないため、この記事の表には入れていない