どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる

会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を1件ずつ確認しています。住友金属鉱山について確認できたのは次の8大学です。神戸女学院大学だけは同じ資料の2か所に社名があるので、行を分けています。[3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]​​‌​‌​​​​‌‌‌‌​​​​‌‌‌‌‌​​​‌​‌​‌‌‌‌​‌​​‌‌​​​​​‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌‌​​‌​​​​‌

住友金属鉱山を就職先として掲載している大学(大学公式資料。確認日は出典欄に1件ずつ)
大学・学部(学科・専攻)掲載されている資料と見出し資料が示す対象年度
昭和女子大学(全学)「過去3か年の主な就職先(2024年3月〜2026年3月卒)」に「住友金属鉱山」2024年3月〜2026年3月卒
神戸女学院大学(全学)「2023年3月卒業生就職実績」の「主な就職先一覧 全体の主な就職先」に「住友金属鉱山」2023年3月卒業生(2022年度)
神戸女学院大学 環境・バイオサイエンス学科同じ年度のブロックの学科別の一覧に「住友金属鉱山」2023年3月卒業生(2022年度)
関西大学 法学部法学部の「就職先一覧(2024年度)」に「住友金属鉱山」2024年度
城西国際大学(全学)「2023年度卒業生 業種別進路状況」の下の「主な就職先」に「住友金属鉱山株式会社」2023年度卒業生
駒澤大学 経営学部市場戦略学科「2022年度卒業生(2023卒)」の学科別一覧、市場戦略学科の欄に「住友金属鉱山」2022年度卒業生(2023年3月卒)
近畿大学 工学部機械工学科学科別の「主な内定先・就職先一覧」の民間企業の欄に「住友金属鉱山」2023〜2025年度卒業生実績
千葉工業大学 工学部先端材料工学科学科別の「主な進路先」に「住友金属鉱山㈱」一覧に年度の記載なし(見出しは「就職実績(過去3年)」・2026年9月取得)
岩手大学 大学院総合科学研究科(専攻の対応は資料の体裁上特定できない)「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」に「住友金属鉱山株式会社 1」(勤務先都道府県は愛媛県)令和4(2022)年度修了生(学部ではなく大学院)
[3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

この並びを見てください。昭和女子大学と神戸女学院大学という女子大が2校、関西大学の法学部、駒澤大学の経営学部市場戦略学科、城西国際大学。理工系は近畿大学工学部・千葉工業大学工学部・岩手大学大学院の3つだけです。鉱山と製錬の会社ですが、大学の資料に残っている顔ぶれは文系のほうが多い。会社のFAQもそのとおりで、事務系については「学部・学科は不問」と書かれています。[1] [3] [4] [5] [6] [7] [8]

会社が学歴・専攻について書いていること(引用)

住友金属鉱山の採用FAQには、学部・学科の扱いを正面から聞いた項目があります。質問は「大学の所属学部・学科は、採用選考においてどの程度考慮されますか?」。答えは事務系と技術系で書き分けられています。「事務系:学部・学科は不問です。人物・能力重視の採用を行っていますので、どの学部の方でも応募可能です」「技術系:人物重視ではありますが、大学で学んできた専門知識および研究内容等のマッチングも考慮します」。[2]

文系向けの項目もあります。「文系ですが、化学や金属、資源等に関する専門知識は必要ですか?」「特に必要ありません。仕事に必要な知識については、入社後の研修や日々の業務を通じて習得できる環境があります。多くの文系学部出身の先輩が当社で活躍していますので、ご安心ください」。逆向きの「理系の学生が事務系職種に応募することは可能ですか?」にも「事務系職種には、どの学部・学科の方でも応募可能です」と答えています。[2]

英語についてはこうです。「応募資格に英語能力の基準はありますか?」「語学力は入社後に伸ばせるスキルと考えていますので、採用選考時点での英語力は不問です。当社には、業務上の必要性に応じた語学研修や個々人の意欲をサポートする自己啓発支援制度が整っていますので、現時点で得意でなくても、学ぶ意欲があれば大丈夫です」。海外に鉱山や製錬所を持つ会社が、選考時点の英語力を条件にしないと明記しています。[2]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では6つある

「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。住友金属鉱山が公開している募集要項とFAQから特定できるのは、次の6つです。

土俵1:事務系は「学部・学科は不問」と会社が書いている

FAQの答えがそのまま根拠になります。「事務系:学部・学科は不問です。人物・能力重視の採用を行っていますので、どの学部の方でも応募可能です」。事務系の職種は「経理、人事、営業、資材、法務、情報システム 他」。営業についても「当社の営業職は基本的には事務系社員の職種であり、技術系社員と連携しながら営業業務を遂行しています」と説明されています。[1] [2]

土俵2:選考時点の英語力を問わない

海外に事業を持つ会社ですが「採用選考時点での英語力は不問です」。TOEICの点数が足りないという理由で自分から降りる必要はありません。入社後の語学研修と自己啓発支援制度も挙げられています。[2]

土俵3:卒業後3年以内まで応募資格に入っている

応募資格は「2028年3月大学(院)卒業予定の方または、卒業後3年以内の方」。既卒という言葉ではなく、卒業後3年以内という範囲で書かれています。一度就活がうまくいかなかった人、卒業後に別の道を試した人も、同じ枠です。[1]

土俵4:月額80,000円の給付型奨学金がある

会社は「住友金属鉱山奨学生」という制度を公開しています。募集人数は約30名、金額は月額80,000円の給付型、期間は最終学年の4月から卒業する月まで(最大12か月)。募集学年は学士課程3年生、修士課程1年生、博士課程2年生です。学費や生活費で就活の時間が取れない人にとって、これは大学名と関係なく手が届く制度です。ただし条件があります。「課程終了後、住友金属鉱山への入社を希望する方に限る。当社に入社し、かつ1年以内に退職しないことを条件に給付する」「入社に至らなかった場合もしくは入社後1年以内に退職した場合は、当社規程に沿って給付金額を返還すること」。実質的に入社を前提とした制度なので、志望が固まってから使うものです。[1]

土俵5:職種別採用を最終面接の前に選べる

FAQの「職種別採用(事務系総合職)はありますか?」への答えはこうです。「当社では、やりたい仕事と入社後の業務のミスマッチをできるだけ防ぎ、ご本人の能力を最大限に発揮していただくために『職種別採用』を導入しています。『職種別採用』を希望される場合、最終面接実施前に、『職種別採用』の意向、また希望職種をお伝えいただき、それぞれの職種毎に最終選考を行います」。応募の入口ではなく、選考が進んでから決められる形です。ただし「※応募できるのは1職種のみです。職種の併願はできません」。[2]

土俵6:面接が1時間×2〜3回ある

採用フローの説明に「面接では約1時間の面接を2回から3回に亘り実施します。この時間で皆さんの考えや想いを十分に伝えてください。あわせて、当社のことを更に深く理解していただきたいと考えています」とあります。1回1時間の面接が複数回。短い時間で印象だけで決まる形ではありません。準備した分だけ返ってくる部分が大きい選考です。[1]

事務系と技術系。それと奨学生の入口

住友金属鉱山の新卒採用は事務系・技術系の2つに分かれ、さらに奨学生という別の入口があります。会社の書き方のまま並べます。

募集職種と選考方法(会社の募集要項)
区分職種選考方法
事務系経理、人事、営業、資材、法務、情報システム 他書類選考、適性検査、一般面接等(職種別採用も実施)
技術系研究開発、生産技術、生産管理、プラントエンジニア、土木建築、データサイエンス 他書類選考、適性検査、専門面接、一般面接等
[1]

事務系と技術系の違いは、選考方法にはっきり出ています。技術系にだけ「専門面接」があります。逆に言えば、事務系には専門面接がありません。学部・学科が不問であることと、専門面接がないことは、同じ設計の裏表です。[1]

住友金属鉱山奨学生(会社の募集要項)
項目公開されている内容
募集人数約30名
募集職種資源エンジニア(探査、採鉱、選鉱)/金属製錬エンジニア(製造・生産技術)/プラントエンジニア(機械・化学工学、電気・計装、土木・建築)
募集学部・研究科・研究分野資源・地球環境系、金属・材料系、化学系、物理・応用物理系、電気・電子系、機械・化工系
募集学年学士課程3年生、修士課程1年生、博士課程2年生
奨学金月額80,000円(給付型)。最終学年の4月より卒業する日の属する月まで(最大12ヶ月)
条件「課程終了後、住友金属鉱山への入社を希望する方に限る。当社に入社し、かつ1年以内に退職しないことを条件に給付する」
他の奨学金との併用「当社に入社することを前提に他団体奨学金との併用も可」
返還「入社に至らなかった場合もしくは入社後1年以内に退職した場合は、当社規程に沿って給付金額を返還すること」
選考フロー書類選考・適性検査 → 面接(2回)→ 人事面談
[1]

奨学生の制度は、対象が理系の指定分野に限られます。事務系志望の人は使えません。それでも、最終学年の1年間に月8万円が給付されるのは大きい。会社が「約30名」と人数まで公開している点も、実在する枠だという裏づけになります。ただし返還条件があるので、入社の意思が固まってから応募するものです。[1]

応募の条件と、入社後の条件

会社が公開している条件(初任給は2027年度支給予定額)
項目公開されている内容
応募資格2028年3月大学(院)卒業予定の方または、卒業後3年以内の方
初任給(総合職)学士300,000円/修士325,000円/博士355,000円
賞与年2回(夏期、冬期)
勤務地国内外各地の事業所等および関係会社(在籍出向)
勤務時間本社=所定労働時間8時間(選択制時差出勤制度あり)/事業所=勤務地によって始終業時間が異なる
休日本社=土・日曜、祝祭日、年末年始、夏休み、ゴールデンウイーク等(年間休日数125日)/事業所=土・日曜(土曜日は出勤の場合もあり)、祝祭日ほか(年間休日数110日〜117日)
有給休暇初年度(4月〜12月)13日、翌年度(1月〜12月)17日。以後、在籍年数に応じ最大22日まで付与
福利厚生財形貯蓄、持株制度等。社宅・寮は全国各事業所に完備
配属「配属先は、皆さんのご希望や適性を総合的に勘案のうえ、入社後に決定しております。入社後は、年2回、上司との面談があり、面談の中で異動希望についても確認します」
[1] [2]

休日の欄を見てください。本社は年間125日ですが、事業所は110日〜117日と幅があり、土曜日が出勤になる場合もあると書かれています。工場や鉱山を持つ会社の特徴です。勤務地が「国内外各地の事業所等および関係会社(在籍出向)」と書かれている点も含めて、応募の前に確かめておくべき条件です。[1]

公開されている数字を、どう読むか

住友金属鉱山は採用人数を公開していません。この記事で数字として使えるのは、初任給、休日、そして奨学生の募集人数です。

奨学生の「約30名」という数字は、この会社の公開情報のなかで唯一、人数がはっきり書かれているものです。ただしこれは奨学生の枠であって、新卒採用全体の人数ではありません。対象も資源・金属・化学・物理・電気・機械の理系に限られます。事務系の枠がどれくらいかは、公開されていません。[1]

初任給は学士300,000円、修士325,000円、博士355,000円(2027年度支給予定額)。学士と修士で25,000円の差があります。学位で採用基準を変えないと書いている会社もありますが、住友金属鉱山はそう書いていません。書いてあるのは事務系の学部・学科が不問であることまでで、処遇の面では学位が金額として反映されています。[1]

この記事を読んだあと、最初にやること

大学名を変えることはできませんが、ここまでに出てきた事実のうち、いくつかは今日から動かせます。順番に書きます。

  • 事務系か技術系かを決める。事務系は「学部・学科は不問」で専門面接がありません。技術系は専門知識と研究内容のマッチングを考慮すると書かれ、専門面接があります。文系なら事務系一本です。
  • 理系で対象分野なら、奨学生の募集時期を確認する。月額80,000円の給付型で約30名。募集学年は学士課程3年生、修士課程1年生、博士課程2年生です。ただし入社を前提とした制度で、入社に至らなかった場合は返還が必要です。志望が固まっているかを先に自分に確かめる。
  • 英語は、条件ではなく入社後の話として準備する。「採用選考時点での英語力は不問です」と会社が書いています。点数を上げることに追われるより、学ぶ意欲を具体的な行動で示せるようにしておく。
  • 1時間×2〜3回の面接を前提に準備する。会社が面接の長さと回数を公開しています。1回で全部話そうとせず、同じ経験を角度を変えて話せるように分解しておく。
  • 勤務地と休日を先に確かめる。本社は年間休日125日ですが、事業所は110〜117日で土曜出勤の場合もあります。勤務地は「国内外各地の事業所等および関係会社」。自分が働ける範囲を先に決める。
[1]

最後に1つ。この記事の表に載っている8大学は、本コラムが調べた範囲での結果です。載っていないから入れない、という意味ではありません。逆に、載っているから入りやすい、という意味でもありません。会社が公開している条件(事務系は学部・学科不問、選考時点の英語力は不問、卒業後3年以内も対象)と、大学の資料に残っている事実。この2つを手がかりに、自分が時間を使う場所を決めてください。[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10]

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. 住友金属鉱山 採用情報(新卒・奨学生の募集要項)確認日:2026-09-10 / 人事部の採用メッセージ(求める人の3項目、「創業から430年以上」、資源・製錬・材料の3事業連携)、新卒の採用フロー(面接は約1時間を2〜3回)、応募資格(2028年3月大学(院)卒業予定または卒業後3年以内)、職種(事務系=経理・人事・営業・資材・法務・情報システム他/技術系=研究開発・生産技術・生産管理・プラントエンジニア・土木建築・データサイエンス他)、初任給(学士300,000円・修士325,000円・博士355,000円/2027年度支給予定額)、賞与、勤務地、勤務時間、休日(本社125日/事業所110〜117日)、有給休暇、福利厚生、選考方法(技術系のみ専門面接)、住友金属鉱山奨学生(約30名、月額80,000円の給付型、募集職種・募集学部研究科・募集学年・条件・併用・返還・選考フロー)
  2. 住友金属鉱山 採用サイト よくある質問確認日:2026-09-10 / 「大学の所属学部・学科は、採用選考においてどの程度考慮されますか?」への回答(「事務系:学部・学科は不問です。人物・能力重視の採用を行っていますので、どの学部の方でも応募可能です」「技術系:…大学で学んできた専門知識および研究内容等のマッチングも考慮します」)、理系から事務系への応募可、営業は事務系社員の職種である旨、「文系ですが、化学や金属、資源等に関する専門知識は必要ですか?」(「特に必要ありません」「多くの文系学部出身の先輩が当社で活躍しています」)、「応募資格に英語能力の基準はありますか?」(「採用選考時点での英語力は不問です」)、OB・OG訪問の受付はしていない旨、外国人留学生・博士課程修了者の応募、職種別採用(最終面接前に意向を伝える/併願不可)、配属先の決め方と年2回の面談、ジョブローテーションの方針、寮・社宅
  3. 昭和女子大学 就職・進学実績確認日:2026-09-09 / 「過去3か年の主な就職先(2024年3月〜2026年3月卒)」に「住友金属鉱山」
  4. 神戸女学院大学 就職実績確認日:2026-09-09 / 卒業年ごとに就職実績のブロックが並ぶページ。「2023年3月卒業生就職実績」のブロックの「主な就職先一覧 全体の主な就職先」と、同じブロックの環境・バイオサイエンス学科の一覧の2か所に「住友金属鉱山」。最新の「2026年3月卒業生就職実績」の一覧には出てこない
  5. 関西大学法学部 就職先一覧確認日:2026-09-09 / 「就職先一覧(2024年度)」に「住友金属鉱山」
  6. 城西国際大学 就職・進学実績確認日:2026-09-09 / 「2023年度卒業生 業種別進路状況」の下の「主な就職先」に「住友金属鉱山株式会社」
  7. 駒澤大学 2022年度卒業生(2023卒)主な就職先確認日:2026-09-09 / 学部・学科・専攻別の一覧。経営学部市場戦略学科の欄に「住友金属鉱山」
  8. 近畿大学 工学部 卒業生の進路・就職先確認日:2026-09-09 / 学科別の「主な内定先・就職先一覧」。機械工学科の民間企業の欄に「住友金属鉱山」。一覧の直後に「※2023〜2025年度卒業生実績」の注記
  9. 千葉工業大学 主な進路先確認日:2026-09-09 / 学科別の「主な進路先」。工学部先端材料工学科の欄に「住友金属鉱山㈱」。ページに対象年度の記載はなく、たどり着くまでの見出しは「就職実績(過去3年)」
  10. 岩手大学 令和4(2022)年度 修了生 進路先一覧確認日:2026-09-09 / 「令和4(2022)年度 総合科学研究科修了生 進路先一覧」に「住友金属鉱山株式会社 1」(勤務先都道府県は愛媛県)。3つの専攻を横に並べた表で、社名の列に対応する専攻名が印字されていないため専攻は特定できない。学部ではなく大学院の実績

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