どの大学から入っているのか。同じ大学の2学部に載っている

会社は採用大学を公開していませんが、大学の側が公開しています。東京経済大学は学部別の主要就職先リストを出しており、そこにSansanの名前があります。しかも1つの学部ではなく、2つです。[7]

Sansanを就職先として掲載している大学(大学公式資料・2026年9月9日確認)
大学・学部掲載されている資料対象年度
東京経済大学 経営学部主要就職先リスト、経営学部「情報・通信・放送業」の欄に「Sansan」2025年度(2026年3月31日現在)
東京経済大学 コミュニケーション学部同じリストの、コミュニケーション学部「情報・通信・放送業」の欄に「Sansan」2025年度(2026年3月31日現在)
[7]

経営学部とコミュニケーション学部。どちらも文系の学部です。そして同じ年度のリストに、同じ会社の名前が2か所出ています。情報系の学部でなければ入れない会社ではない、ということが、大学が自分で出した資料から確認できます。[7]

この記事の時点で、Sansanについて大学側の公式資料で確認できたのはこの1大学2学部です。本コラムは大学別の記事を順に増やしているので、確認できる範囲は今後広がります。会社が採用実績校を公開していないので、いま自分の大学からの実績を知る方法は、通っている大学のキャリアセンターに就職先データを問い合わせることです。[7]

会社が学歴について書いていること(引用)

Sansanの新卒募集要項は職種ごとに分かれていますが、どの職種でも募集対象の書き方は共通しています。「2028年3月末までに大学院、大学、短期大学、高等専門学校(高専)、専門学校を修了・卒業見込みの方 ※学部、学科不問」。[1] [2]

この一文には2つの情報があります。1つは、対象が大学・大学院だけではないこと。短期大学、高等専門学校、専門学校が同じ行に並んでいます。もう1つは、学部・学科を条件にしていないと会社が明記していることです。[1]

既卒の扱いも、よくある質問に明記されています。「すでに大学を卒業しているのですが応募は可能ですか?」への回答は「ご応募可能です。ただし、他社で就業経験がある方は中途採用の対象となりますので、こちらからご応募ください」。募集要項側の注記では「他社で就業経験がある方(アルバイトは除く)」と、アルバイトが除外されることまで書かれています。卒業後に就職活動をやり直している人には、この括弧が効きます。[1] [3]

その代わり、条件がはっきり書かれている場所があります。エンジニア職・研究開発職の応募要件です。ソフトウェアエンジニアの募集要項には「以下のすべての経験・スキルが必須となります」として、「何らかのプログラミング言語を用いたWebアプリケーションの開発経験」「ビジネスレベル以上の日本語能力」の2つが挙げられています。学部・学科は問わないが、開発経験は問う。これがこの会社のエンジニア職の入口です。[2]

大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある

選考のどこが大学名で動かないのかを、公開情報から特定します。この会社の場合、まず「どの入口から入るか」の判断が最も大きな分かれ目になります。

土俵1:職種を選ぶ判断そのものが、最初の勝負どころ

募集は「ビジネス職」「クリエイター職」「エンジニア職・研究開発職」の3系統で、エンジニア職・研究開発職はさらにソフトウェア、インフラ、モバイル、機械学習、セキュリティの5つに分かれます。そしてよくある質問には「エントリー時点で1つの職種に絞っていただく必要があります。ご自身の経験や志向に合わせてお選びください。エンジニア職・研究開発職内の各ポジションについても、併願することはできません」とあります。併願できないので、選び方が結果を左右します。開発経験がないなら、要件を満たさないエンジニア職に出すのではなく、ビジネス職で戦う。これは大学名ではなく、自分の手札を正しく数えたかどうかで決まる部分です。[3] [4]

土俵2:ビジネス職はグループディスカッションが選考にある

ビジネス職の選考プロセスは「エントリー→書類選考→グループディスカッション選考会→面接(複数回)→内定・オファー」です(募集職種一覧のページでは「エントリー→書類選考→Webテスト→面接(2〜3回)→内定・オファー ※希望職種により選考方法が異なります」と書かれており、職種で違います)。グループディスカッションは、大学名が分からない状態でその場の振る舞いだけを見られる場です。練習した回数が効く部分で、出身大学は関係ありません。[1] [4]

土俵3:服装の指定がなく、面接は原則オンライン

よくある質問には「服装の指定はありますか?」への回答として「指定はありません。自分らしくリラックスして選考に臨める格好でご参加ください」とあります。面接については「基本的にオンラインでの実施となりますが、最終面接は原則オフラインで行います。当社の雰囲気を直接感じていただける機会になりますし、当社としても対面の会話を重視しているためです。オフラインで最終面接を実施することで、両者にとってのミスマッチを少なくできると考えています」。オンライン中心ということは、地方の大学からでも移動費と時間の負担が小さいということです。最終面接だけは来社が前提で、「遠方や海外にお住まいでどうしても来社が難しい場合は個別にご相談ください」と書かれています。[3]

土俵4:エンジニア志望なら、いまから満たしにいける要件が書いてある

エンジニア職の必須要件は「何らかのプログラミング言語を用いたWebアプリケーションの開発経験」です。これは資格でも学歴でもなく、作ったかどうかです。歓迎要件には自動テストの実装経験、テスト設計、パブリッククラウド環境での開発・構築、コンテナ、Terraform等のIaC、MLOps、Kubernetes、認証・認可、監視ツール、CI/CDパイプラインの構築が挙げられています。何を勉強すればいいかが具体的に書いてあるので、時間さえかければ大学名と無関係に埋められる部分です。ただし新卒でこの必須要件を課している以上、いまゼロから始めて今年の選考に間に合うかは別問題です。[2]

3系統の職種。エンジニア職は5つに分かれる

会社が公開している募集職種(28卒)
職種会社の説明にある仕事
ビジネス職顧客との接点を担う営業やコンサルティング、見込み顧客の獲得やユーザー動向の分析を行うマーケティング、事業全体を効率的に運営する業務企画やバックオフィスなど
クリエイター職インハウスのクリエイターとして、自社のサービスをはじめコーポレート領域などにおけるブランディングやマーケティングなどに関わる
ソフトウェアエンジニア各種プロダクトの設計・開発・運用、データ化システムや機械学習基盤の開発、新規事業のシステム構築、運用監視システムの構築、オペレーション自動化
インフラエンジニア各種プロダクトのインフラシステムの設計・構築・運用、マイクロサービス基盤の整備、開発チームとの協業によるアーキテクチャ設計
モバイルエンジニアモバイルアプリケーションの開発・運用、開発基盤の整備、プロダクトマネジャーやデザイナーとのUI/UX検討
機械学習エンジニア機械学習技術を用いたデータ活用アプリケーションの開発、データ分析や自然言語処理、画像認識、生成AI技術の研究開発
セキュリティエンジニアセキュリティ対策の設計・運用、SIEMやEDR等のセキュリティ製品の監視・運用、インシデント対応
[4]

初期配属の決まり方も公開されています。「ビジネス職については、営業やカスタマーサクセス、マーケティング、事業企画などさまざまな職種があり、志向性と適性を考慮しつつ総合的に判断します。エンジニア職・研究開発職については、原則ご応募いただいた求人の職種に沿って、担当するプロダクトや領域を決定します。クリエイター職については、ブランディング部門に配属となります」。ビジネス職だけ、入社後に配属が決まる幅が広いという構造です。[3]

会社の事業は「働き方を変えるAXサービスの企画・開発・販売」で、営業向けの「Sansan」と経理向けの「Bill One」が主なサービスとして採用ページに挙げられています。ほかにContract One、Eightといった事業部があり、グループにはシンガポール・フィリピン・タイの会社も含まれます。「主にタイやシンガポールなどで市場開拓のフェーズからビジネス展開を行っています。ご本人の意志とタイミングによって、海外拠点への配属や事業支援を行う可能性もあります」ともよくある質問に書かれています。[2] [3] [5]

新卒で入った人がその後どう配置されているかも、会社が名前と所属を出して公開しています。新卒採用のトップページに載っている4名は、2020年新卒入社の技術本部研究開発部シニアリサーチャー、2021年新卒入社のSansan事業部グループマネジャー、2021年新卒入社の技術本部プロダクト開発Webエンジニア、2020年新卒入社のBill One事業部VPoPです。入社から5〜6年でマネジャーや事業責任者の肩書が付いている人がいる、という会社側の掲載です。ただしこれは会社が選んで載せている4名であって、新卒入社者の平均を示すものではありません。[6]

応募できる条件と、待遇

募集対象は2028年3月末までに大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校を修了・卒業見込みの方で、学部・学科は不問。既卒も応募可(他社での就業経験がある場合は中途採用の対象、アルバイトは除く)。試用期間は6か月で「本採用時と条件に差分なし」と明記されています。[1]

ビジネス職の待遇(会社の公開値)
項目公開されている内容
月給413,000円(基本給324,000円+時間外手当89,000円)+賞与
想定年収5,864,000円
時間外手当の扱い時間外労働の有無にかかわらず月35時間相当分を支給。35時間を超える分の割増賃金は追加で支給
昇給・賞与昇給は年1回(6月)、賞与は年2回(1月・7月)
諸手当交通費支給(当社規定に基づく)、近隣住宅補助制度あり
勤務時間9:30〜18:30 または 9:00〜18:00(配属部署により決定)
勤務地東京(配属によって変更の可能性あり)
休日休暇土日祝日、年末年始、有給休暇、慶弔休暇など
[1]

ソフトウェアエンジニアの待遇は幅で示されています。「年収:5,864,600円〜10,628,500円 経験、能力などに応じて個別に決定します」。下限は月額413,000円(基本給324,000円+時間外手当89,000円)、上限は月額733,000円(基本給575,000円+時間外手当158,000円)で、いずれも賞与が加わります。「※想定年収は標準的な人事評価(期待通り)の場合の金額です」という注記もあります。新卒でも経験と能力で個別に決まる、という設計です。[2]

勤務地について、よくある質問には「初期配属では原則東京エリアに配属となりますが、一部、関西・中部・福岡など国内の他拠点へ配属となる可能性があります。ご希望等も踏まえつつ総合的に判断し、決定します」とあります。会社概要には本社(東京都渋谷区)のほか、関西支店(大阪市北区)、福岡支店、中部支店(名古屋市中区)が載っています。[3] [5]

公開されている数字。何を指す数字かを添えて読む

会社が公表している数字
項目公開されている数値
設立2007年(平成19年)6月11日
資本金73億58百万円(2026年5月31日時点)
従業員数単体2,077名/連結2,336名(2026年5月31日時点)
事業内容働き方を変えるAXサービスの企画・開発・販売
拠点本社(東京都渋谷区 渋谷サクラステージ)、関西支店(大阪)、福岡支店、中部支店(名古屋)、サテライトオフィス(神山ラボ、Innovation Lab、長岡ラボ)
グループ会社Sansan Global Pte. Ltd.(シンガポール)、Sansan Global Development Center(フィリピン)、Sansan Global (Thailand)、ナインアウト、言語理解研究所、Eightキャリア
入社後の研修入社後約1カ月間で新卒研修、その後は配属先の部門で職種に合わせたオンボーディング支援(研修内容は毎年異なると記載)
[3] [5]

従業員2,336名は連結でグループ会社を含み、単体は2,077名です。設立2007年ということは、この記事の時点で19年目の会社です。100年続く会社の「安定」とは違う種類の会社なので、志望動機で安定を前面に出すと、会社が公開している姿とずれます。[5]

新卒の採用人数は公開されていません。ですから「何人採る会社か」も「入りやすいか」も、公開情報からは分かりません。分かるのは、単体2,077名の規模で、7つの職種区分に分けて募集しているという構造までです。[4] [5]

30日でやること。まず入口を1つに決める

ここまでの内容を行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。

  1. 1〜3日目:ビジネス職・クリエイター職・エンジニア職の3系統のうち、どれで受けるかを決める。併願はできない。エンジニア職には「Webアプリケーションの開発経験」が必須要件として書かれているので、それが無いならビジネス職を選ぶのが素直
  2. 4〜6日目:既卒の人は、自分の就業経験がアルバイトだけかどうかを確認する。アルバイトは除外されると募集要項に明記されているので、新卒枠で応募できる可能性がある
  3. 7〜14日目:ビジネス職ならグループディスカッションの練習を始める。選考プロセスに明記されている。大学のキャリアセンターの模擬GDでよい。回数がそのまま慣れになる
  4. 15〜21日目:会社のサービスを実際に調べる。営業向けの「Sansan」、経理向けの「Bill One」、契約の「Contract One」、名刺アプリの「Eight」。自分がアルバイト先や大学で見た「紙とExcelで回している作業」と、どれがつながるかを1つ書き出す
  5. 22〜26日目:最終面接が原則オフライン(来社)であることを踏まえて、東京への移動を段取りしておく。遠方で難しい場合は個別に相談できると会社が書いているので、その一文を根拠に問い合わせる
  6. 27〜30日目:エントリーシートに書く経験を1件仕上げる。ビジネス職なら、相手が言葉にしていない困りごとに気づいて動いた場面。会社が売っているのは「働き方を変える」サービスなので、非効率に気づいた経験が話の軸になる

志望動機も、公開されている事実から組み立てられます。たとえばアルバイト先で請求書を紙でやりとりしていて時間がかかっていたなら、経理向けの「Bill One」がその作業のどこを変えるサービスなのかを調べて、自分の見た場面と結び付ける。これは自分にしか書けない出発点です。「成長企業だから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[4]

採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容は、すべて2026年9月9日にSansanの公式採用サイトと東京経済大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。

参照した資料

大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。

  1. Sansan 新卒採用 28卒 ビジネス職 募集要項確認日:2026-09-09 / 募集対象と「※学部、学科不問」の記載、既卒とアルバイトの扱い、業務内容、月給と内訳、想定年収、昇給・賞与、諸手当、勤務時間、勤務地、試用期間、選考プロセス
  2. Sansan 新卒採用 28卒 ソフトウェアエンジニア 募集要項確認日:2026-09-09 / エンジニア職の応募要件(Webアプリケーションの開発経験が必須)、歓迎要件、業務内容、年収の幅と月額の内訳
  3. Sansan 新卒採用 よくある質問確認日:2026-09-09 / 職種の併願不可、服装の指定、面接のオンライン/オフライン、既卒の応募可否、入社後の研修、初期配属の決まり方、勤務地、海外拠点
  4. Sansan 新卒採用 募集職種確認日:2026-09-09 / 28卒の募集職種一覧(ビジネス職・クリエイター職・エンジニア職/研究開発職の5ポジション)と、それぞれの仕事の説明、選考プロセス
  5. Sansan 会社概要確認日:2026-09-09 / 商号、事業内容、拠点(本社・関西支店・福岡支店・中部支店)、グループ会社、設立、資本金、従業員数(単体・連結)
  6. Sansan 新卒採用トップ確認日:2026-09-09 / 新卒入社した社員のインタビュー(配属部署と入社年)。ビジネス職・エンジニア職の両方から掲載
  7. 東京経済大学 主要就職先リスト確認日:2026-09-09 / 2025年度(2026年3月31日現在)。経営学部とコミュニケーション学部の「情報・通信・放送業」の欄にSansan

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