どの大学から入っているのか。大学側の公表資料で確かめる
会社が採用大学を公開していなくても、大学の側が「この会社に就職した」と公表していることがあります。逆転就活コラムでは、大学が自分で出している進路資料を集めて、そこに載っている企業名を一つずつ確認しています。五洋建設について、現時点で確認できたのは次の4つです。[2] [3] [4]
| 大学・学部・学科 | 掲載されている資料と欄 | 対象年度 |
|---|---|---|
| 大阪産業大学 建築・環境デザイン学科 | 学科別就職実績の同学科の欄に「五洋建設(株)」 | 前身学科の実績を含む注記あり |
| 大阪産業大学 建築・環境デザイン学科 | 学部別の就職実績にも「五洋建設株式会社」 | 2025・2026年の再編注記あり |
| 摂南大学 理工学部 建築学科 | 就職実績「【主な就職先】」建築学科の欄に「五洋建設(株)」 | 一覧に年度の明記なし |
| 摂南大学 理工学部 都市環境工学科 | 同 都市環境工学科の欄に「五洋建設(株)」 | 一覧に年度の明記なし |
確認できたのは、いずれも建築・都市環境系の学科です。文系学部からの掲載は、こちらが調べた範囲では見つかりませんでした。ただし、これは「文系から入れない」という意味ではありません。次の節で見るとおり、会社は事務職・営業職・一般職(担当職)の対象学科を「全学部・学科」と明記し、それぞれの採用人数まで公開しています。文系の入口は要項上、明確に存在します。[1]
都市環境工学科からの掲載は、この会社の事業を知るうえで手がかりになります。五洋建設の土木職の対象学科には「土木工学系、社会基盤工学系、環境工学系、衛生工学系、都市工学系 等」が並んでいて、幅が広く取られています。摂南大学の都市環境工学科は、この幅にちょうど当てはまります。[1] [4]
会社が学歴について書いていること(引用)
五洋建設の募集要項で最も重要なのは、採用条件の欄の最後に置かれた3行です。「学部・学科による応募の制限はありません。」「性別・性的指向・性自認などが選考に影響を与えることはありません。」「障がいをお持ちの方は別途ご相談ください。」[1]
1行目が、この記事のテーマに直接答えています。学部・学科で応募を制限しない、と会社が書いています。ただし、募集職種ごとに「対象学科」の欄はあり、たとえば土木職は「土木工学系、社会基盤工学系、環境工学系、衛生工学系、都市工学系 等」となっています。この2つは矛盾していません。対象学科は「その職種で想定している専攻」を示していて、応募そのものを制限するものではない、と読むのが素直です。判断に迷う場合は、会社に直接確認してください。[1]
大学名についての記載はありません。会社が大学名をどう扱っているかは公開されていないので、そこは「公開されていない」が正確な答えです。ただし、選考プロセスの欄にはもう1つ重要な一文があります。「会社説明会への参加の有無は今後の選考プロセスに一切影響いたしません。」。説明会に行けなかったことが不利にならない、と会社が明言しています。[1]
会社はハラスメントの相談窓口も採用ページに公開しています。「行動規範を整備し、ハラスメント行為を禁止する社員教育を徹底しています。万が一セクハラやその他のハラスメントがあった際は、以下の窓口へご連絡ください」として、電話番号と受付時間(平日9時〜18時)が明記されています。[1]
大学名で差がつかない土俵は、この会社では4つある
「学歴に頼らず勝負する」というのは気持ちの問題ではなく、選考のどの部分が大学名で動かないかを見つけて、そこに時間を使うということです。五洋建設の公開情報から特定できるのは次の4つです。
土俵1:「学部・学科による応募の制限はありません」と一文で書かれている
前の節に引いたとおりです。この一文があることで、自分の専攻を理由に応募をあきらめる必要がなくなります。あわせて、性別・性的指向・性自認が選考に影響しないことも書かれています。属性ではなく中身で見る、と会社が文書にしている会社は多くありません。[1]
土俵2:説明会に行けなくても不利にならない
「会社説明会への参加の有無は今後の選考プロセスに一切影響いたしません。」という一文は、就職活動を始めるのが遅れた人にとって大きい。地方の大学に通っていて説明会に行けない人、授業や生活の事情で参加できない人が、そこで差をつけられることはありません。会社説明会の詳細は「プレエントリーして頂いた方にご案内させていただきます」とあるので、まずプレエントリーだけしておけば情報は届きます。[1]
土俵3:職種別の採用人数が全部公開されていて、枠の大きさが分かる
五洋建設は、10の職種区分すべてについて2026年4月の採用実績と2027年4月の採用予定を公開しています。総合職では土木職113名→110名、建築職(施工)54名→70名、機電職12名→20名、建築職(設計)11名→15名、建築職(設備総合・設備設計)9名→15名、事務職20名→20名、営業職4名→10名、ICT職1名→5名。ここまで細かく開示している建設会社はほとんどありません。自分が受ける職種の枠がいくつなのかを、応募前に知ることができます。[1]
土俵4:初任給が「基本給+定額時間外手当」の内訳で公開されている
五洋建設の初任給は、総合職の学部卒で「300,000円 + 定額時間外手当 105,165円 = 405,165円」と書かれています。会社の説明では「働き方改革の一環として時間外労働削減を推進するため、時間外労働の有無にかかわらず、総合職には45時間分、担当職には10時間分の時間外手当を支給する」「総合職45時間、担当職10時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給する」。40万円という総額だけを見て他社と比べると判断を誤ります。基本給は300,000円で、そこに45時間分の固定残業代が乗った額です。この内訳を出している点は誠実で、こちらも同じ精度で比べられます。[1]
10の職種区分と、対象学科・採用人数
| 職種 | 2026年4月実績 | 2027年4月予定 | 対象学科 | 職務内容 |
|---|---|---|---|---|
| 総合職 土木職 | 113名 | 110名 | 土木工学系、社会基盤工学系、環境工学系、衛生工学系、都市工学系 等 | 土木工事の施工管理、設計、積算、技術開発 等 |
| 総合職 機電職(機械、電気) | 12名 | 20名 | 電気電子系、機械系、船舶系 等 | 電気・機械・船舶技術の企画、設計、建造、開発、営業・工事支援 等 |
| 総合職 建築職(施工) | 54名 | 70名 | 建築系、環境系、デザイン系 等 | 建築工事の施工管理、積算、技術開発 等 |
| 総合職 建築職(設計) | 11名 | 15名 | 建築系、環境系、デザイン系 等 | 建築工事の設計・監理 等(意匠設計、構造設計) |
| 総合職 建築職(設備総合、設備設計) | 9名 | 15名 | 建築系、設備系、機械系、電気系、環境系 等 | 設備総合は建築設備工事の施工管理・設備設計・積算・技術開発 等、設備設計は建築工事の設計・監理 等 |
| 総合職 事務職 | 20名 | 20名 | 全学部・学科 | 経営企画、財務、経理、総務、営業、法務、人事、広報、現場事務 等 |
| 総合職 営業職 | 4名 | 10名 | 全学部・学科 | 工事受注に関する営業活動、都市開発、不動産開発 等 |
| 総合職 ICT職 | 1名 | 5名 | 情報系、通信系、その他 | 建設プロジェクト遂行のためのICT施工支援・技術開発、推進及び社内システム/情報インフラの開発・保守・管理・運用 等 |
| 一般職 担当職(東京) | 6名 | 若干名 | 全学部・学科 | 財務、経理、総務、営業管理、法務、人事、秘書、広報、技術部門支援、ICT 等 |
| 一般職 担当職(東北・名古屋・九州) | 九州2名ほか | 若干名 | 全学部・学科 | 経理、総務、営業管理、技術部門支援 等 |
この表を見るときの注意が2つあります。1つは、営業職とICT職には「但し入社後3年程度は技術職・事務職で勤務する可能性有」という注記が付いていること。入社してすぐ営業やICTの仕事をするとは限りません。もう1つは、一般職(担当職)は勤務地が地域ごとに固定されていることです。東京は「本社及び東京土木支店、東京建築支店管轄地域」、東北は「東北支店(宮城県)」、名古屋は「名古屋支店(愛知県)」、九州は「九州支店(福岡県)」での勤務と明記されています。[1]
採用人数の変化にも意味があります。土木職は113名から110名とほぼ横ばいですが、建築職(施工)は54名から70名、機電職は12名から20名、営業職は4名から10名、ICT職は1名から5名へと、いずれも増える予定になっています。会社が増やそうとしている分野が数字で分かります。営業職とICT職はもともと枠が小さいので、増えるといっても10名・5名です。[1]
選考プロセスは4段階です。プレエントリー受付(2026年3月1日〜)→ エントリーシートの提出(第一回締切は2026年3月15日23:59、第二回目以降は随時マイページで案内)→ 面接複数回・職種別専門試験(筆記試験)→ 内々定。SPI3の受験タイミングが職種で分かれている点も公開されていて、「エントリーシート提出直後:建築職(設計)、事務職、営業職(技術・事務)、ICT職、担当職」「最終面接実施前:土木職、機電職、建築職(施工)、建築職(設備総合)、建築職(設備設計)」です。[1]
応募できる条件と、公開されている待遇
| 区分 | 基本給 | 定額時間外手当 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 総合職 博士卒 | 340,000円 | 118,980円 | 458,980円 |
| 総合職 修士卒 | 320,000円 | 112,050円 | 432,050円 |
| 総合職 学部卒 | 300,000円 | 105,165円 | 405,165円 |
| 総合職 高専卒・専門卒 | 280,000円 | 98,235円 | 378,235円 |
| 担当職 学部卒 | 250,000円 | 19,450円 | 269,450円 |
| 担当職 短大・専門卒 | 238,000円 | 18,530円 | 256,530円 |
総合職の定額時間外手当は45時間分、担当職は10時間分です。総合職の合計405,165円という額は、建設業の初任給としては高い部類に見えますが、45時間分の残業代を先に含んだ金額だという点を忘れないでください。会社は「総合職45時間、担当職10時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給する」とも書いています。[1]
- 諸手当:住宅、家族、時間外、深夜、他。通勤費は全額支給
- 賃金更改は年1回(4月)、賞与は年2回(7月・12月)
- 勤務地:総合職は国内及び海外の支店・事業所。一般職(担当職)は東京・東北(仙台市内)・名古屋(名古屋市内)・九州(福岡市内)
- 勤務時間:フレックスタイム制(一部 固定勤務時間労働制)、標準労働時間8時間00分
- 休日:年間休日数130日(2026年度)
- 保険:健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険。労働組合あり
- 諸制度:寮・社宅完備(総合職社員に限る)、自己啓発支援金、社内預金、財形住宅貯蓄、従業員持株会、育児休業、介護休業、他
年間休日130日は、建設業ではかなり多い部類です。フレックスタイム制が採用されていること、労働組合があることも要項に明記されています。ただし、寮・社宅は「総合職社員に限る」と注記があり、担当職には適用されません。担当職は勤務地が地域限定なので、実家から通える人を想定している形と読めます。[1]
プレエントリーの受付開始が2026年3月1日、エントリーシートの第一回締切が3月15日という日程も公開されています。第二回目以降の締切があるので、第一回に間に合わなくても応募の機会は残ります。ただし日程は年度によって変わるので、必ず最新のページで確認してください。[1]
海洋土木の会社であることが、職種の構成に表れている
五洋建設の職種を見て気づくのは、機電職の対象学科に「船舶系」が入っていることです。職務内容も「電気・機械・船舶技術の企画、設計、建造、開発、営業・工事支援 等」となっています。建設会社で船舶技術の職種を持っている会社は多くありません。五洋建設は海洋土木を得意とする会社で、その特徴が募集職種にそのまま出ています。[1]
土木職の対象学科に「衛生工学系」が含まれているのも、他社と違う点です。上下水道や環境衛生の分野を学んでいる人にとって、土木職の入口が開いています。「土木工学系、社会基盤工学系、環境工学系、衛生工学系、都市工学系 等」と5系統が並んでいて、最後に「等」が付いています。自分の学科名が完全に一致していなくても、近い分野なら対象になると読めます。[1]
採用予定の内訳も、会社の重心を示しています。2027年4月の予定245名(若干名を除く合計)のうち、土木職が110名で最大です。次が建築職(施工)70名。この2つで180名、全体の7割以上を占めます。五洋建設が土木と建築の施工を中心とする会社だということが、採用の構成から読み取れます。[1]
一方、事務職は20名、営業職10名、ICT職5名、一般職(担当職)が各地域で若干名。文系から入る枠は、総合職の事務職・営業職と一般職の担当職を合わせても数十名の規模です。枠が小さいことを知ったうえで、なぜこの会社なのかを説明できる準備をしてください。[1]
採用サイトには「The CORE」「トップメッセージ」「人と仕事」「プロジェクトストーリー」「ボイス」というコンテンツが用意されています。説明会に行けなくても選考に影響しないと会社が書いている以上、会社を理解する材料はここから取ることになります。プレエントリーすれば説明会の案内も届きます。[1]
30日でやること。大学名では動かない部分から埋める
ここまでの内容を、行動に落とします。以下は組み立て方の例で、この通りにやれば通るという意味ではありません。
- 1〜3日目:募集職種の表を開き、自分の専攻に対応する職種と、その採用予定人数を書き出す。文系なら事務職20名、営業職10名、一般職(担当職)若干名が対象
- 4〜7日目:総合職と一般職(担当職)のどちらにするか決める。総合職の勤務地は国内及び海外、担当職は東京・東北・名古屋・九州のいずれかに固定される。寮・社宅は総合職社員に限ると要項に明記されている点も合わせて考える
- 同じ週:プレエントリーする。会社説明会の詳細はプレエントリーした人にだけ案内されるが、参加の有無は選考に一切影響しないと会社が書いている。まず情報を受け取れる状態にする
- 8〜14日目:初任給の表を、基本給と定額時間外手当に分けて自分で書き写す。総合職は45時間分の固定残業代が含まれている。他社と比べるときは、この内訳を揃える
- 15〜21日目:SPI3の対策を始める。受験タイミングが職種で分かれていて、事務職・営業職・ICT職・担当職・建築職(設計)はエントリーシート提出直後に受ける。志望職種によっては、エントリーの時点で準備が終わっている必要がある
- 22〜30日目:志望職種に合わせて経験を1件書く。事務職なら数字と締切を扱って人を支えた場面、営業職なら相手の要望を聞き出して形にした場面、技術職なら自分の専攻を海や港湾の工事のどこに使えるかを説明できる場面
志望動機も、公開されている事実から組み立てます。たとえば機電職の対象学科に「船舶系」が入っていること、土木職の対象学科に「衛生工学系」が入っていることに気づき、この会社が扱う工事の幅を自分の関心と結びつけられるなら、それは自分の言葉で話せる出発点です。「大手だから」では、他の誰が書いても同じ文章になります。[1]
採用の条件・日程・待遇は年度によって変わります。ここに書いた内容はすべて2026年9月9日に会社の公式サイトと各大学の公式サイトで確認したものです。応募の前に、必ず最新の募集要項を見てください。自分の場合にどの職種が合うか、経験をどう言葉にするかで迷ったときは、逆転就活塾の無料相談で一緒に整理することもできます。
参照した資料
大学・機関が公開する情報と、編集部による進め方の提案を分けて掲載しています。採用条件や支援の受付状況は変更されるため、利用時に公式情報をご確認ください。
- 五洋建設 2027年度新卒採用情報 採用情報・選考プロセス確認日:2026-09-09 / 10職種の採用実績(2026.4)・採用予定(2027.4)・対象学科・職務内容、初任給の基本給と定額時間外手当の内訳、諸手当・賃金更改・賞与・勤務地・勤務時間・年間休日130日・保険・労働組合・諸制度、「学部・学科による応募の制限はありません」「性別・性的指向・性自認などが選考に影響を与えることはありません」、選考プロセスとSPI3の受験タイミング、「会社説明会への参加の有無は今後の選考プロセスに一切影響いたしません」、ハラスメント相談窓口
- 大阪産業大学 学科別就職実績確認日:2026-09-09 / 建築・環境デザイン学科の欄に「五洋建設(株)」。前身学科の実績を含む注記あり
- 大阪産業大学 就職実績(学部別)確認日:2026-09-09 / 建築・環境デザイン学科の欄に「五洋建設株式会社」。2025・2026年の学部再編に関する注記あり
- 摂南大学 就職実績確認日:2026-09-09 / 理工学部建築学科と都市環境工学科の「【主な就職先】」に「五洋建設(株)」。一覧に対象年度の明記なし